2026.02.27
保育士キャリアアップ研修は受けないとどうなる?知らないと損する4つのリスクと注意点を解説
保育士の専門性向上と処遇改善を目的とした「保育士キャリアアップ研修」。「今の業務で手一杯だけど、受けないとどうなるの?」「受けないことで不利益はある?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
キャリアアップ研修を受けないと、給与が増えなかったり、働き方の選択肢が狭まったりする可能性があります。
この記事では、キャリアアップ研修を受けない場合に考えられる具体的なリスクや、制度の注意点をわかりやすく解説します。
保育士キャリアアップ研修と「処遇改善等加算」

保育士キャリアアップ研修は、保育士の専門性向上と処遇改善を目指す「処遇改善加算」の一つとして、国が制度化している研修です。厚生労働省が示すガイドラインに基づき、都道府県や指定機関が研修を実施しています。研修は「専門分野別研修」「マネジメント研修」「保育実践研修」に分かれており、分野ごとに定められた時間数を受講し、修了要件を満たすことで修了証が交付されます。
キャリアアップ研修を修了することで、処遇改善等加算(区分3)の対象となり、国からの補助金として、職能別分野リーダーに月額5,000円、副主任保育士等に月額最大40,000円が支給されます。補助金はまとめて園に振り込まれ、園側は基本給とは別に「処遇改善加算金」として保育士に支払います。
キャリアアップ研修の制度全体や研修内容、対象分野については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
(▶ 【2025年最新】保育士のキャリアアップ研修とは?内容・メリット・受講方法を解説)
キャリアアップ研修を受けない場合の4つのリスク

キャリアアップ研修はすべての保育士に一律で受講が義務づけられている制度ではありません。しかし、受講しないまま今の職場で働き続けたり、転職を検討したりする際には、いくつかのリスクが伴います。
【リスク 1】役職(副主任・リーダーなど)に就けない
令和8年度(2026年度)から、副主任保育士、専門リーダー、中核リーダーなどの役職に就くには、研修修了が必須条件となります。どれだけ現場での実績があっても、研修を受けていないと制度上の役職に任命されず、昇進のチャンスを逃すことになります。
【リスク 2】処遇改善手当の受給資格を失う
副主任などの役職者には国から支給される手当がありますが、これは研修修了者が役職に就くことで初めて発生するものです。研修を受けていない場合、園がその分の加算を請求できないため、結果として本人への手当も支給されない可能性が高くなります。
【リスク 3】最新の専門知識を学ぶ機会を失う
保育現場では経験が何より重視されますが、日々の業務だけでは最新の保育指針や専門的な理論を体系的に学ぶ機会は限られます。研修を受けないことで、最新のガイドラインに基づく新たな知識を得るきっかけを逃してしまい、専門性をさらに高めていくことが難しくなります。
【リスク 4】転職時の選択肢が狭まる
リーダー候補の求人では「研修修了」が応募条件や優遇条件になるのが一般的です。修了証がないと、希望の役職で採用されなかったり、条件面で不利になったりする場合があります。
キャリアアップ研修は自治体や指定機関が実施しますが、定員が決まっているため、希望者が多い場合は抽選や先着順になります。「役職に就くことが決まったから」「転職のために今すぐ修了証が欲しい」と思っても、次回の開催が数ヶ月先であったり、満席で申し込めなかったりすることも珍しくありません。後回しにすることで、いざ必要になったタイミングで間に合わないこともありますので、注意が必要です。
キャリアアップ研修に関するよくある質問

キャリアアップ研修については、「今すぐ受けるべきなのか」「忙しくて受けられない場合はどうするのか」といった疑問を持つ人も少なくありません。ここでは、よくある質問をまとめました。
Q.キャリアアップ研修は、何年以内に受けなければいけませんか?
A.キャリアアップ研修には、「就職後〇年以内に必ず受講しなければならない」といった全国共通の期限は設けられていません。ただし、副主任保育士、専門リーダー、中核リーダーなど、処遇改善等加算Ⅱの対象となる役職に就く場合は研修修了が要件とされており、令和8年度(2026年度)からは必須となります。
Q.園の業務が忙しく、研修を受ける時間を確保できない場合はどうなりますか?
A.業務の都合で研修を受講できないこと自体が、不利な扱いにつながるとは限りません。研修の受講方法や勤務時間の扱いは、園や自治体の運用によって異なります。オンライン研修や分割受講に対応している場合もあるため、制度の運用状況を確認することが大切です。
Q.キャリアアップ研修の受講申込みは、どこで行いますか?
A.都道府県や指定された研修実施機関を通じて行います。研修の実施主体や申込み方法は自治体ごとに異なり、専用サイトからの申込みや、園を通じた申請が必要な場合もあります。最新の募集情報や申し込み条件については、居住地または勤務先が属する自治体の公式案内を確認してください。
Q.保育園以外の勤務先でも、キャリアアップ研修の対象になりますか?
A.キャリアアップ研修は、主に認可保育所などで処遇改善等加算の対象となる保育士を想定した制度です。一時預かり事業所や認可外施設などでは、研修修了が処遇改善と直接結びつかない場合があります。ただし、研修自体を受講できるかどうかは、自治体や研修実施機関によって異なります。
Q.現在就業していない場合でも、キャリアアップ研修を受講できますか?
A.育児休業中や離職中であっても、自治体や研修実施機関によってはキャリアアップ研修を受講できる場合があります。受講資格や申し込み条件は自治体ごとに異なるため、事前の確認が必要です。
Q.キャリアアップ研修を受けていないと、転職の際に不利になりますか?
A.研修未修了であることだけを理由に、転職ができなくなることはありません。ただし、副主任保育士や専門リーダーなどの役職を前提とした採用では、研修修了が条件とされる場合があります。希望の職種によっては、研修の終了が必要になるため、注意しましょう。
キャリアアップ研修を受ける4つのメリット
キャリアアップ研修は、保育の専門分野ごとに構成されており、発達理解や援助の考え方、記録の取り方、保護者対応など、日々の保育に関わる内容が扱われます。研修を通して、これまで経験をもとに行ってきた保育を根拠に基づいて整理し直すことで、保育の質の向上につながります。
【メリット 1】保育の質の向上につながる
キャリアアップ研修は、保育の専門分野ごとに構成されており、発達理解や援助の考え方、記録の取り方、保護者対応など、日々の保育に関わる内容が扱われます。研修を通して、これまで経験をもとに行ってきた保育を根拠に基づいて整理し直すことで、保育の質の向上につながります。
【メリット 2】チームマネジメントに必要な力が身につく
マネジメント研修では、副主任保育士や中核リーダーといった立場を担う際に必要となる、職員間の連携や業務の進め方、後輩への関わり方などを学び、チーム全体を見渡しながら関わるための視点が身につきます。
【メリット 3】園内でのコミュニケーションが取りやすくなる
これらの研修内容は、役職に就くための要件としてだけでなく、園の方針を踏まえた保育を実践するうえでも活かされます。研修を通して、保育士としての専門性が高まり、保育のねらいや援助の考え方を整理し、園内で共有しやすくなる点は、日々の保育にも活かされます。
【メリット 4】転職や働き方の選択肢が広がる
研修修了証は全国共通で有効なため、転職の際に自身のキャリアを客観的に証明できます。リーダーや副主任など、手当がつく役職募集も選択肢に入るため、自分に合った職場を探す際の後押しとなります。
まとめ
キャリアアップ研修は、すべての保育士に一律で受講が義務づけられている制度ではありません。また、研修を受けていないことだけを理由に職を失うことはありませんが、給与面や将来の選択肢に影響する可能性はあります。
キャリアアップ研修は、保育の質を向上させ、保育士の専門性を高める機会となります。受講するかどうかは、現在の立場や園の方針、今後の働き方によって判断が分かれます。制度の仕組みを理解したうえで、自分にとって必要なタイミングを見極めましょう。












