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おやこのひきだし

2021.03.30

子どもへの逆上がりの教え方!できない理由や練習方法のコツを紹介

周りの友だちは逆上がりができるのに、子どもが練習を重ねても逆上がりができるようにならないと悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。 逆上がりができないのには理由があるのです。 逆上がりができないのは運動神経が悪いからではなく、体や心の成長が大きく関わってくるので、周りが逆上がりできるからといって焦る必要はありません。

この記事では、逆上がりができない理由や逆上がりを成功させるための練習のコツをご紹介します。子どもたちの成長に合わせて、やりやすい方法で逆上がりを練習してみましょう。

逆上がりができないのは理由があるの?

公園に遊びに行くと周りの子どもたちは逆上がりができるのに、うちの子はどうしてできないのか、運動神経が悪いのかと頭をよぎってしまうこともあるでしょう。しかし、逆上がりができないからといって運動神経が悪いというわけではなく、いくつかの理由があるのです。

筋力が少ない

逆上がりは勢いや体のバランスでできるのではと思われがちですが、実は 腕の力が必要です。 筋力の成長段階は子どもによってさまざまなので、3歳でできてしまう子もいれば小学生になってもできない子がいるのは当然のこと。逆上がりができる、できないには腕力が大きく関わっています。逆上がりができるようになるためには 日々腕力を鍛えることが近道 とも言えるのです。

逆さまになる感覚や想像ができない

日々生活している中で、 逆さまになることってほとんどない ですよね。しかし、逆上がりは視界が逆さまになります。これは子どもにとって未知の世界です。もしかしたら、 自分の腕の力だけで逆さまになることに恐怖心を抱いている可能性 もあります。まずは鉄棒を使わずに逆さまになる感覚を体感させてあげるといいかもしれません。

蹴り上げる力がない

オリンピックに出場している体操選手は勢いをつけなくても腕力のみで逆上がりができますね。しかし、子どもが腕力のみで逆上がりをするのは大変困難です。そこで 必要になってくるのが勢い です。勢いをつけるには足で蹴り上げる力とともに、タイミングを図るリズム感も必要です。勢いを最大限に引き出すためには タイミングがポイントとなることも覚えておきましょう。

鉄棒の高さが合っていない

鉄棒の高さが子どもの身長に合っていない可能性も考えられます。子どもの お腹から胸くらいまでの高さが逆上がりにもっとも適した高さの鉄棒 です。しかし、幼児の背丈に合っている鉄棒を探すのは大変なので、 公園の中でも一番小さな鉄棒 で練習してみてください。また、一昔前は逆上がりの鉄棒の握り方は逆手が基本でしたが、 最近では握り方に決まりは ありません 。子どもが握りやすいほうで練習してみましょう。

心の成長

逆上がりができるためには、筋力などの体の成長の他に心の成長も大切です。できなくても 諦めずに続けて練習する気持ちがカギです。 このような「頑張る」「諦めない」という強い気持ちが育まれていくと同時に、 羞恥心も出てくるでしょう 。羞恥心を感じた子どもは逆上がりができないことを恥ずかしいと思い、友だちに見られたくないと練習を諦めてしまうことがあります。この場合は、 練習する場所を少し遠くの公園に移すことや自宅で練習できる家庭用の鉄棒を購入する など検討してみましょう。

逆上がりを成功させる3つのポイント

逆上がりには「蹴り上げ」「引き寄せ」「振り上げ」の3つのポイントがあります。これまでは逆上がりができない理由について述べましたが、3つのポイントを踏まえて練習してみましょう。

①  足を大きく蹴り上げる

最初のポイントは足を大きく蹴り上げることです。この動作は勢いを付ける助走と同じなので思いっきり軸足で踏み切って蹴り上げましょう。蹴り上げる力も重要ですが、軸足の踏み切る足の場所も重要です。 軸足の位置は蹴り上げる力の加わり方を大きく左右します 。鉄棒の真下か少し前で踏み切ると足を大きく振り上げられますが、鉄棒より手前で踏み切ってしまうと思うように足を蹴り上げられません。 慣れないうちは子どもの立ち位置や蹴り上げ位置をチェックしてみてください。

②  体を鉄棒に引き寄せる

足を蹴り上げたら次は体を鉄棒に引き寄せることを意識しましょう。 お腹を鉄棒に引き寄せるように腕を曲げた状態を維持します。 このときに腕が伸びてしまうと、鉄棒と体が離れてしまいうまく回ることができません。何度もチャレンジしても、腕が伸びてしまう場合は 腕力不足が考えられます 。どうしても腕が伸びてしまうのであれば、顎を引いてみましょう。あごが上がってしまうと体全体が伸びてしまい、体と鉄棒が離れてしまう傾向があります。 目線はおへそ見ると自然とあごが引き、 腕を曲げた状態を維持しやすいので「腕を曲げて目線はおへそ」を意識して練習してみましょう。

③  足を振り上げきる

逆上がりの最後は足を振り上げきるのがポイントです。 ここでは足を真上に振り上げることを意識してみましょう。 前や斜め上では体が鉄棒から離れてしまい、回ることができません。空を蹴り上げるイメージですが、それでもうまく行かないときは 自分の頭をける勢いで振り上げてみましょう。 空高く足が振り上がったら、ひざを曲げて体を鉄棒に巻きつけます。体の重心が下がったら頭を上げると逆上がりの成功です。

逆上がりを成功させる練習方法

逆上がりの練習は鉄棒を使わなくてもできます。ここからは 自宅でも簡単にできる逆上がり練習法 をご紹介します。鉄棒を使って練習をしてもなかなか成長が見られない場合は、自宅で筋力アップや感覚をつかむ練習をしてみましょう。

鉄棒を使わない練習

鉄棒を使わいない逆上がりの練習方法をご紹介します。自宅でも逆上がりの練習はできるので、習慣にすると意外と早く成功するかもしれません。

【参考】共栄大学研究論集「小学校教育課程における逆上がりの指導法実践研究」

床で「ゆりかご」「後転」

マットや布団の上で仰向けに寝転がり、足を頭の上に持ち上げるのが「ゆりかご」です。できるのであればそのまま「後転」してみましょう。これは、 逆さまに回転する感覚を身につけるトレーニング です。逆さまに回転する感覚を体感することで、逆上がりへの恐怖心を払拭できます。

鉄棒で練習

逆さまの視界に慣れてきたら、いよいよ練習をレベルアップして鉄棒を使ってみましょう。

鉄棒で逆さまになる感覚をやしなう「コウモリ」「足抜き回り」

床の上で逆さまになる感覚を鍛えたら、実際に鉄棒で逆さまになってみましょう。いきなり逆上がりするのは、 見えない後ろに勢いよく倒れることや手を付けないという恐怖心があります。 まずは「コウモリ」という技をやってみましょう。「豚の丸焼き」とも呼ばれます。これができたら「足抜き周り」にレベルアップしてみましょう。これらは鉄棒を掴んだ腕の間で体を回転させる技です。足抜き周りは鉄棒でもできますが、 親子でできるのでご家庭でも簡単にできます 。親子で向かい合って手を繋ぎ、子どもが大人の体を足で登っていき一回転する遊びです。どこまで行ったら体を回転させられるのか、 回転するタイミングや感覚もつかめますよ。

腕の筋力アップ「ダンゴムシポーズ」

ダンゴムシポーズは腕を曲げた状態(体を鉄棒に引き寄せている状態)でぶら下がりキープします。これは 逆上がりに必要な腕力を鍛える練習法です 。もしかしたら最初は1秒も持たないかもしれません。毎日少しずつ繰り返し行えば、キープできる時間も増えていきます。 継続は力なり」なので毎日コツコツ続ければ、きっと逆上がりの上達に役立ちますよ

逆上がりの練習をしてみよう!

自宅で筋力トレーニングや感覚を掴んだら、いよいよ鉄棒を使った練習です。最初のうちは周りのお友だちとぶつかったり、鉄棒から落下してしまったり、 けがをする可能性が高いので慣れるまでは大人の方が一緒に付き添ってあげてください ね。

Step1】振り上げる足を大きく助走を取る

鉄棒の前に基本姿勢で立ったら、鉄棒を掴みます。振り上げる足を大きく体の後ろに引いて、反対の軸足で大きく前に踏み込みます。このとき、 踏み込む場所は鉄棒の真下か少し前がポイント。 次のステップへ勢いよく力が働きます。

Step2】勢いよく振り上げる

後ろに引いた足を大きく振り上げます。足を振り上げるときは、空または自分の頭を蹴るようなイメージで前や斜め上ではなく 真上を意識してみましょう。

Step3】両足を上げる

片足が真上に上がるのと同時に、もう片方の足(軸足)も振り上げます。足を振り上げるときは足ばかりを意識してしまいがちですが、 ひじが伸びてしまわないように意識しましょう。 ひじが伸びて体が鉄棒から離れてしまうと次のステップへ進めず、足が地面へ着地してしまいます。

Step4】 鉄棒を軸に腰を回転させて頭を上げる

両足が振り上がったら鉄棒に体を巻きつけるように、体全体を回転させます。このときは、鉄棒から体が離れないように注意しましょう。うまく回転できても 鉄棒が太ももなど足の位置にあると、筋肉が少ない子どもでは起き上がるのは大変 です。最後まで体を鉄棒に引き寄せることが大切です。

Step5】体の重心を足へと下げて頭を上げる

回転の勢いのまま頭を持ち上げます。このとき意識するのは体の重心です。 重心は足へと移動させて腕を伸ばすと体が自然と起き上がります。 重心が体や頭に残っているとなかなか体を起こせないので、回転の勢いを生かすのがポイントです。

タオルを使って自分でできる喜びを実感する

逆上がりをひとりでできるようになるまでは、サポートをしてあげることも大切ですが、 自力で逆上がりできる感覚を掴むことも重要 です。サポートをせずに逆上がりをするには道具を利用しましょう。逆上がり専用のゴムバンドも販売されていますが、 ご家庭にあるタオルで代用できます90cmほどの長さのタオルを準備しましょう。鉄棒の前にたった状態で、開いたタオルの真ん中を子どもの腰に当てます。タオルの両端をそれぞれの手で鉄棒と一緒に掴み、その状態で逆上がりをしてみましょう。 体が鉄棒から離れないようにタオルがサポートしてくれるので、うまく回転できるのです。

まとめ

大人は「逆上がりなんて簡単でしょ」と感じるかもしれませんが、子どもからすると逆さまになって回ることは未知の世界です。練習をしなくても逆上がりができる子どももいるかもしれません。しかし、 初めてやることはできなくて当たり前です 。どうしてできないのかと問い詰めたり、焦るのではなく、親子で諦めずに練習をする、頑張って練習をすればできるようになることを子どもに経験させるチャンスでもあります。親子で楽しく練習を重ねる時間も貴重な宝物です。焦らずにお子さんを見守ってあげましょう。


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