保育のひきだし こどもの可能性を引き出すアイデア集保育のひきだし こどもの可能性を引き出すアイデア集

2026.05.30

【実用版】季節の行事から日常の指導まで。場面に合わせて選ぶ導入絵本10選

①新年度の友だちづくりの導入に使いやすい絵本

「ともだちや」 

内田麟太郎 作/降矢なな 絵 偕成社

新年度の学童では、新しい友だちや新しい環境にまだ慣れず、どうやって関わればいいのかわからない子どもも少なくありません。

そんな時期の導入に使いやすいのがこの一冊です。

お話の入り口は、友だちを1時間100円で売るという少し不思議でインパクトのある設定なので、どの年齢でも興味を持ちやすく、最初からぐっと引き込まれやすいのが魅力です。

ただ面白いだけで終わらず、読み進めるうちに「 友だちってお金で買うものではないよね」「 友だちと一緒にいるってどういうことだろう」 と自然に考えられる流れになっているので、友だちづくりの導入にとても向いています。

読み聞かせのあとには 「友だちに言われたらうれしい言葉はあるかな」 や 「一緒に遊ぶ時にしてもらったら助かることって何かな 」といった問いかけにつなげると、低学年でも発言しやすいです。

新年度は注意や約束ごとが増えがちですが、この絵本を使えば 友だちとの関わりを考える時間 をやわらかく作ることができます。

空気を少しずつほぐしたい時、最初の一冊としてかなり使いやすい絵本です。

 

②梅雨の時期の導入に使いやすい絵本

「かさ」 

松野 正子 作/原田 治 絵 福音館書店

梅雨の時期は外遊びが難しくなり、子どもたちの気持ちも少しどんよりしやすい時期です。

そんな時に、雨の日そのものを なんだか楽しい と感じさせてくれる導入として使いやすいのがこの絵本です。

傘をさして歩く時の気持ちや、雨の日ならではの見え方がやさしく描かれていて、雨に対する印象を前向きに切り替えやすいのが良さです。

雨の日は 「つまらない」「外に行けない」 という気持ちが先に出やすいですが、この本を読むことで 雨の日だから見えるもの や 雨の日だから楽しいこと に目を向けやすくなります。

読み聞かせのあとには 「どんな色の傘が好きかな」 や「 雨の音ってどんな音がするかな」 といった簡単な発問につなげると、ことば遊びや音まね遊びにも広げやすいです。

また、室内あそびや梅雨の製作の前に読むと、季節の活動に自然に気持ちを入れやすくなります。

梅雨の導入は説明が長くなるより、まず雰囲気をつくることが大事なので、その意味でもこの絵本はとても使いやすい一冊です。

 

③こどもの日の導入に使いやすい絵本

「こいのぼり」 

英 伸三 写真/長谷川 摂子 文 福音館書店

こどもの日の活動では、かぶとやこいのぼりを作ることはあっても、行事そのものに親しむきっかけづくりが少し難しいことがあります。

そんな時に導入として使いやすいのがこの絵本です。全国各地のこいのぼりが写真で紹介されているので、本当にこんなこいのぼりがあるんだ と実感しやすく、絵本というより 見て楽しい行事の入り口 として使いやすいのが特徴です。

雪景色の中のこいのぼりや、たくさんのこいのぼりが泳ぐ風景など、普段の生活では見られない場面に出会えるので、子どもたちの反応も引き出しやすいです。

読み聞かせというより みんなで見ながら話す 使い方も向いていて、これを見たあとに 「自分ならどんなこいのぼりを作りたいかな」 や 「どんな色が元気そうに見えるかな」 と問いかけると、製作活動に気持ちがつながりやすくなります。

こどもの日は由来を長く話すより、まず 「行事って楽しい」 と感じてもらうことが大事なので、その導入としてとても実用的です。

写真絵本なので、低学年にもわかりやすく、活動前のつかみとして使いやすい一冊です。

 

④大切な人を思う気持ちの導入に使いやすい絵本

「あの、ここ どうぞ。」 

くすのきしげのり 作/こがめたく 絵 偕成社

母の日や父の日の時期は、感謝を伝える活動をしたくても、家庭の形がそれぞれ違うからこそ、言葉の選び方に気をつかう場面があります。

そんな時に、特定の家族像に寄せすぎず、相手を思いやる気持ちの導入として使いやすいのがこの絵本です。

電車の中で席をゆずりたい気持ちはあるのに、恥ずかしかったり勇気が出なかったりして、なかなかうまく行動に移せない女の子の姿が描かれていて、子どもたちも 「自分もそういう時ある」 と重ねやすい内容です。

ありがとうを伝える活動の前に読むと、大切なのは ”上手に言うこと” より ”相手を思う気持ちなんだ” と自然に感じてもらいやすくなります。

読み聞かせのあとには してもらってうれしかったことあるかな や 誰かにやさしくしたいと思ったことあるかな といった問いかけにつなげると、カード作りやメッセージ活動にも広げやすいです。

母の日や父の日に限らず、いつも支えてくれる人を思う活動の導入として使えるので、現場ではかなり応用しやすい絵本だと思います。

 

⑤七夕の導入に使いやすい絵本

「たなばた」 

君島 久子 再話/初山 滋 画 福音館書店

七夕の活動は、短冊を書くところだけで終わってしまうことも多いですが、由来や物語を少し知ってから入ると、願いごとを書く時間にもぐっと気持ちが入りやすくなります。

その導入に使いやすいのがこの絵本です。中国の七夕説話をもとにした物語が幻想的に描かれていて、ただ飾りを作るだけではなく 「七夕ってどんなお話なんだろう」というところから入れるのが良さです。

1年生には少し長く感じる部分があるかもしれませんが、場面を区切って大事なところを丁寧に読み、3年生には織り姫や彦星のことを少し考えさせるようにすると、学年差があっても扱いやすいです。

読み聞かせのあとには 「どんな願いごとなら空まで届きそうかな」 や 「一年に一回だけ会えるってどんな気持ちかな」 と聞くと、短冊づくりや七夕飾りの活動に自然につながります。

行事を ただのイベント で終わらせず、少しだけ物語の世界に入ってから活動できるので、七夕の導入としてとても使いやすい一冊です。

 

⑥夏休み前の安全指導の導入に使いやすい絵本

「あぶないときは いやです、だめです、いきません」 

清永 奈穂 作/石塚 ワカメ 絵 岩崎書店

夏休み前は、出かける機会が増えたり、子どもだけで行動する場面が少し増えたりするので、安全指導をしたい時期です。

ただ、注意ばかりを並べると低学年の子どもには重たくなりやすく、聞いているだけで疲れてしまうこともあります。

そんな時に導入として使いやすいのがこの絵本です。

危ない人や危ない場所について、子どもが自分で考えながら学べる安全教育の絵本として作られていて、ただ脅すのではなく こういう時はどうするか を具体的に考えやすい構成になっています。

子どもたちは、まだ 自分で判断する力 を育てている途中なので、合い言葉のように覚えやすい言葉があるととてもわかりやすいです。

読み聞かせのあとには 「知らない人に声をかけられたらどうするかな」 や 「ひとりで行かないほうがいい場所ってどこかな」 と短く確認すると、長い説教にならず、行動につながる話がしやすいです。

夏休み前の防犯や安全指導の入口として、現場でかなり実用的に使える一冊です。

 

⑦ハロウィンの導入に使いやすい絵本

「おばけやしきへようこそ!」 

キッキ・ストリード 作/エヴァ・エリクソン 絵/オスターグレン晴子 訳 偕成社

ハロウィンの時期は、おばけや魔女の雰囲気を楽しみたい反面、1年生から3年生の中には怖すぎるものが苦手な子もいます。

そんな時に導入として使いやすいのがこの絵本です。

森で道に迷った女の子が、おばけ屋敷で一夜を過ごすという設定ですが、おばけたちが怖がらせようとしても女の子がちっとも怖がらないので、読んでいる子どもたちも こわい だけではなく なんだかおもしろい という気持ちで入りやすいのが魅力です。

ハロウィンらしい雰囲気はしっかりありながら、怖さが強すぎないので、行事前の読み聞かせに向いています。

読み聞かせのあとには 「どんなおばけなら会ってみたいかな」 や 「おばけ屋敷にあったら面白い部屋はどんな部屋かな」 といった問いかけにつなげると、仮装やおばけクイズ、おばけの絵を描く活動にも広げやすいです。

季節の雰囲気を作りつつ、子どもたちの気持ちをほぐせるので、ハロウィン導入に使いやすい一冊です。

⑧クリスマス会の導入に使いやすい絵本

「まどからおくりもの」 

五味太郎 作・絵 偕成社

クリスマスの導入では、ただ「 サンタさんが来る 楽しい日」 というだけでなく、少しワクワクする空気を作ることが大切です。

その時にとても使いやすいのがこの絵本です。窓から少しだけ見える姿を手がかりに、サンタさんが贈り物を選んでいくしかけが面白く、「えっ、そうなるの」 と反応しやすい構成になっています。

しかけ絵本ならではの めくる前の予想 と めくったあとの意外さ がしっかりあるので、集団で読むととても盛り上がります。

クリスマス会の最初に読むと、一気に特別な空気が出ますし、プレゼント交換やゲームの前のつかみにも向いています。

読み聞かせのあとには 次は何が見えると思う や サンタさんが間違えたらどうなるかな といった軽い会話がしやすく、低学年でも発言しやすいです。

長い説明なしでイベント感を出せるので、クリスマスの導入にとても便利な一冊です。

 

⑨ことば遊びの導入に使いやすい絵本

「ことばあそびどうぶつえん」 

石津 ちひろ 文/石井 聖岳 絵 のら書店

座ったままできる遊びや、ちょっとした待ち時間につなぎやすい遊びがあるととても便利ですが、その導入として使いやすいのがこの絵本です。

あいうえおのリズムにのって、動物たちが次々に登場し、たてに読んだり横に読んだりしながらことばの面白さを味わえるつくりになっているので、「声に出すだけで楽しい」 という入り方ができます。

しりとりや早口ことばほどルール説明がいらず、まず読んでみて 面白い音だね 変なことばだね と感じるところから入れるのが強みです。

読み聞かせのあとには 「自分でもへんな動物の名前を考えてみよう」 や 「あ から始まる楽しいことばを探してみよう」 といった遊びにつなげやすく、言葉遊びの記事としてもとてもまとまりやすいです。

勉強っぽくならずにことばに親しめるので、導入としてかなり使い勝手のいい一冊です。

 

⓾気持ちをことばにする導入に使いやすい絵本

「おこだでませんように」 

くすのき しげのり 作/石井 聖岳 絵 小学館

気持ちは大きく動いているのに、それをうまく言葉にできず、誤解されたり、怒られてしまったりすることもあります。

そんな子どもの気持ちに寄り添いながら、感情をことばにする導入として使いやすいのがこの絵本です。

作者のくすのきしげのりさんは元小学校教諭で、この作品は長く読み継がれている代表作の一つとして挙げられています。

だからこそ、学校や集団生活の中で ほんとはこう思っていたんだよね という気持ちに自然に近づきやすい一冊です。

読み聞かせのあとには 「怒られたけど本当はこうだったってことあるかな」 や 「言いたいのに言えなかったことってあるかな」 と問いかけると、子どもたちが自分の気持ちを出しやすくなります。

トラブルが起きた時だけでなく、普段から 気持ちを話していい空気 を作る導入として使えるのが大きな良さです。

重すぎず、でも心にはしっかり残るので、心のケアや関係づくりにとても向いている絵本です。


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