2025.06.20
もう悩まない!保育士が知りたい「連絡帳を書くコツ」と「使える例文」
連絡帳は、保育士と保護者、そして子どもをつなぐ大切なコミュニケーションツール。でも「何を書けばいい?」「どう伝えればいい?」と悩むこともあります。この記事では、連絡帳を書く際のマナーやコツ、すぐに使える例文・フレーズを場面別にご紹介します。
連絡帳を書く前!知っておきたいルールとマナー
保育園の連絡帳は、子どもの園での様子を保護者に伝える大切な手段です。毎日書くものだからこそ、伝わりやすく、信頼関係を築ける書き方を意識したいところ。ここでは、保育士として押さえておきたい基本的なルールとマナーを紹介します。
丁寧な言葉づかいで完結に
連絡帳は保護者に向けた「日々の報告書」のようなものです。丁寧な言葉づかいを心がけ、「です・ます調」で書くのが基本です。また、主語は「〇〇ちゃんは~」と子どもを主体にした文にすると、読み手が内容を理解しやすくなります。
文章が長くなりすぎると伝えたいことがぼやけてしまうため、一文はなるべく簡潔にまとめましょう。「昼食では完食し、おかわりもしていました」「お昼寝はすぐに眠り、1時間半ほどしっかり眠れました」といったように、事実を端的に書くことがポイントです。
保護者の視点に立つことの大切さ
保護者にとって、連絡帳はわが子の成長や園での生活を知る貴重な情報源です。そのため、「今日も元気でした」などの一言だけでは、物足りなさを感じる方もいるかもしれません。逆に、細かすぎる専門用語や内輪でしかわからない表現は避けましょう。「今日は〇〇に挑戦して、最初は戸惑っていましたが、最後までやり遂げて嬉しそうでした」など、子どもの気持ちや行動の変化に触れると、家庭での会話のきっかけにもなります。
書きすぎない/書かなさすぎないバランス
一日を丁寧に記録しようとするあまり、連絡帳が長文化してしまうことがあります。しかし、毎日の業務の中でその負担は大きくなりがちです。逆に、あまりに簡略化しすぎると保護者に伝わりにくくなってしまいます。
「特に大きな出来事がない日でも、小さな成長や変化に目を向けて書く」ことを意識しましょう。たとえば、「今日は友だちに絵本を読んであげている姿が見られました」など、小さなエピソードでも心温まる報告になります。
【例文】園でよくある日常のテーマ
連絡帳には、子どもの日常の様子を具体的に記すことが大切です。ここでは、園生活でよくあるシーン別に、実際に使える例文を紹介します。
食事・おやつについて
園での食事の様子は、保護者が特に気にかけるポイントの一つです。食べる量や好き嫌い、食事中の態度などを簡潔に伝えましょう。
例文:
「今日の給食はカレーでした。スプーンをしっかり握って、自分で最後まで食べきることができました。」
「おかわりもして、ニコニコ笑顔で完食していました。」
「にんじんは少し苦手そうでしたが、ひと口だけ挑戦していました。」
お昼寝・排泄について
お昼寝やトイレトレーニングの進み具合は、家庭と連携しながら見守りたい項目です。
例文:
「12時半ごろに眠り、14時過ぎまでぐっすり眠っていました。」
「午前中はトイレで排尿ができました。午後はおむつにしていましたが、誘うと嫌がらずにトイレに座ってくれました。」
「お昼寝前にトイレに行き、スムーズに入眠できました。」
遊びの様子について
子どもがどのように遊んでいたかは、その日の機嫌や成長の様子を伝える良い材料になります。
例文:
「ブロック遊びでは、色を組み合わせて“車”を作って楽しんでいました。」
「おままごとでは、お友だちと『ケーキ屋さん』になりきってやり取りを楽しんでいました。」
「室内遊びの時間にジャンプ遊びに夢中になり、マットの上で何度も挑戦していました。」
友だちとの関わり・トラブル・成長について
社会性や人との関わり方は、日々の小さなエピソードの中に見えてきます。トラブルも、できるだけ前向きに伝える工夫をしましょう。
例文:
「今日は〇〇ちゃんと一緒に絵本を読んだり、手をつないで移動したりと、仲良く過ごしていました。」
「おもちゃの取り合いで一度トラブルになりましたが、保育者の声かけで『かして』と伝えることができました。」
「お友だちの靴を揃えてあげる姿があり、思いやりの気持ちが育っているように感じました。」
体調の変化や怪我など、報告が必要な場面
健康に関することは、事実を丁寧に正確に伝えることが基本です。不安をあおらないよう、落ち着いた文面を意識しましょう。
例文:
「午後から少し咳が出ていましたが、食欲や元気はありました。念のため様子を見ながら過ごしました。」
「遊んでいる際に転倒し、ひざに軽い擦り傷ができました。流水で洗って処置し、本人も落ち着いていました。」
「鼻水が出ていたため、こまめに拭き取りながら過ごしました。ご家庭でも様子を見ていただけますと安心です。」
【例文】使える!フレーズ集
連絡帳は、子どもの様子を伝えるだけでなく、保護者との関係性を築く大切なツールでもあります。日々のやり取りの中で役立つ「安心ワード」や「共感ワード」、そして季節感を取り入れた一言コメントは、やさしさや気遣いが伝わる表現としてとても便利です。ここでは、すぐに使えるフレーズを目的別にご紹介します。
よく使われる安心ワード・共感ワード
日々の出来事を伝える中で、保護者に安心感を持ってもらえる言葉や、共感を示す言葉を添えると、読み手の心が和らぎます。文章全体が温かい印象になる効果もあります。
安心感を伝える言葉:
「今日も変わらず元気に過ごしました。」
「園では笑顔がたくさん見られました。」
「落ち着いた様子で、一日を過ごしています。」
「困ったときは、きちんと保育者に伝えてくれました。」
共感を示す言葉:
「〇〇ちゃんの頑張る姿に、私たちも嬉しくなりました。」
「できたときの嬉しそうな表情がとても印象的でした。」
「戸惑いながらも、一生懸命取り組んでいました。」
「慎重な一面が見られましたが、自分のペースで楽しんでいます。」
やさしく気遣う表現:
「少し疲れが見られる様子でした。おうちでゆっくり休めますように。」
「変化があれば、また様子をお知らせください。」
季節感を取り入れたひとこと
毎日書く連絡帳に少し変化をつけたいときは、季節に合った話題や言葉を入れてみるのもおすすめです。季節の行事や天候、自然の変化を通して、園の雰囲気も伝えることができます。
春のフレーズ:
「園庭のチューリップが咲き始め、〇〇ちゃんも嬉しそうに眺めていました。」
「春らしい暖かさの中、気持ちよく外遊びを楽しみました。」
夏のフレーズ:
「今日は暑かったので、水分補給をこまめにしながら過ごしました。」
「水遊びでは大はしゃぎで、何度もバケツに水を入れては楽しんでいました。」
秋のフレーズ:
「落ち葉を拾って、お友だちと“葉っぱのごはん”を作って遊んでいました。」
「園庭のどんぐりを集めながら、秋の自然に触れていました。」
冬のフレーズ:
「寒さに負けず、元気いっぱいに体を動かして遊んでいました。」
「お部屋では毛糸を使って“あったか工作”を楽しみました。」
こうした表現を日々の連絡帳にうまく取り入れることで、保護者にとって「読むのが楽しみ」なコミュニケーションツールになります。迷ったときの引き出しとして、ぜひ活用してみてください。
【例文】書きにくい時・困った時のヒント
連絡帳は毎日書くものだからこそ、「今日は何を書こう…」「ちょっと伝えにくいことがある…」と悩むこともあります。そんなときに役立つヒントを、シーン別にご紹介します。
ネガティブな内容の伝え方
子どものトラブルや落ち着かない様子など、ネガティブに感じられる内容も、保護者に安心して受け取ってもらえるように配慮が必要です。「事実を丁寧に伝える+前向きな視点を加える」ことで、伝わり方が大きく変わります。
ポイント:
・感情的な言い回しは避け、冷静な事実を伝える
・子どもの気持ちや頑張りに触れる
・今後の見通しや対応も添える
例文:
「今日は、お友だちとのおもちゃの貸し借りで少しトラブルがありましたが、“順番ね”と声をかけると落ち着いて対応できました。」
「午前中は少し機嫌が優れず涙も見られましたが、好きな絵本を読むうちに笑顔が戻ってきました。」
「保育室での活動には少し集中しづらい様子もありましたが、個別に声をかけることで取り組むことができました。」
特に大きな出来事がない日
特に大きなイベントがなかった日も、保護者にとっては子どもの“いつも通り”が知りたいもの。目立った変化がなくても、小さな一コマを丁寧に切り取ることで、温かみのある連絡帳になります。
例文:
「今日はおだやかに過ごしており、制作や絵本の時間も落ち着いて楽しんでいました。」
「特に大きな変化はありませんでしたが、〇〇ちゃんらしい穏やかな姿がたくさん見られました。」
「お友だちの話を静かに聞く場面が増え、日々の成長を感じています。」
ひと言で迷ったら使える万能フレーズ:
「今日も〇〇ちゃんらしい素敵な一日でした。」
「笑顔でたくさん過ごした一日になりました。」
「引き続き様子を見守っていきます。」
書きにくいことがある日も、ちょっとした表現の工夫で保護者に気持ちよく読んでもらえる連絡帳にすることができます。大切なのは、子どもへのまなざしと、保護者への思いやり。完璧でなくても「伝えようとする姿勢」が、信頼関係につながります。
まとめ
連絡帳は、日々の保育の様子を伝えるだけでなく、保護者との信頼関係を築く大切な橋渡し役です。どんな小さな出来事も、保育士のまなざしを通して言葉にすることで、保護者に安心や喜びを届けることができます。書くことに迷ったときは、今回ご紹介したコツや例文をヒントに、無理なく続けられる自分なりのスタイルを見つけていきましょう。