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2026.03.26

【保育園の5月遊び】ねらいが立てやすい!季節を楽しむ活動アイデア集

新年度の緊張が少しずつほぐれ、子どもたちが新しいクラスや保育士に慣れ始める5月。外遊びが心地良い新緑の季節を迎え、体を使ってダイナミックに遊びたい意欲が高まる時期でもあります。この記事では、5月らしい遊びのアイデアとともに、活動の“ねらい”を考えるヒントをご紹介します。

5月遊び「ねらい」の立て方のヒント

5月は気候が安定し、戸外活動が心地良い季節。自然とのふれあいや、友達との関わりも少しずつ広がる時期です。 乳児(0~2歳児)には、身近な春の自然(草花や虫)に触れて五感を働かせる遊びや、保育士との信頼関係の中で安心して好きな遊びを見つける経験を取り入れるのがおすすめです。情緒の安定や探索活動を軸にすると良いでしょう。 幼児(3~5歳児)には、ルールのある遊びを通して、友達と同じ目的を持って活動する楽しさを味わうことをねらいにします。

5月のおすすめ遊びアイデア

5月におすすめの遊びを、対象年齢の目安や成長に沿った遊び方、「遊びのねらい」などとともにご紹介します。

高鬼(たかおに)

鬼ごっこの定番のひとつで、園庭の遊具や段差を活かして楽しめる遊びです。鬼につかまらないように逃げながら、地面より少し高い場所(ベンチや遊具の段など)にいる間はタッチされないというルールで進めます。さらに、同じ場所に長くとどまらないよう、「10数えたら降りる」というルールを設けることで、子どもたちは次に逃げる場所を考えながら動くようになります。 園庭の環境を活かしながら、走る・よける・登るといったさまざまな動きを楽しめる、活動量の多い鬼ごっこ遊びです

対象年齢

3~5歳児

基本のルール

  • 鬼を1人決め、他の子どもは鬼につかまらないように逃げる
  • 地面より少し高い場所(ベンチや遊具など)にいる間は鬼にタッチされない
  • 鬼は高い場所には登れず、地面から手を伸ばしてタッチする
  • 同じ場所にいられるのは「鬼が10数える間」まで
  • 10数えたら地面に降りて、別の場所へ移動する
  • 鬼にタッチされた子は次の鬼になる

遊び方のバリエーション

1.低鬼(ひくおに)(3~5歳児向け)

高鬼とは反対に、「何かの下でしゃがんでいる間は鬼にタッチされない」というルールで遊ぶ鬼ごっこです。鉄棒の下やすべり台の下、木の下などをあらかじめセーフゾーンに決めておき、鬼でない子どもたちは、その場所へ逃げてしゃがみます。同じ場所にいられるのは「鬼が10数える間」までというルールは同じで、鬼にタッチされたら鬼役を交代します。 狭い場所に集まりすぎないよう、また頭をぶつけないように声をかけ、空間の広さを意識できるよう、安全に配慮して進めましょう。

2.高低ミックス鬼(4~5歳児向け)

セーフゾーンが途中で変わるアレンジです。「高鬼タイム」と「低鬼タイム」を設け、「高鬼!」「低鬼!」と声をかけるたびにルールが切り替わります。切り替えの声かけは、保育士が全体を見守りながら行うと良いでしょう。切り替えたら、鬼役の子が10数える間に、セーフゾーンを移動します。子どもたちは指示を理解して、次はどこに逃げるかを素早く考えて動く必要があり、ゲーム性が高まります。

この遊びのねらい

周囲の環境を見ながら逃げる場所を判断し、タイミングよく動く力を育てる遊びです。走る・止まる・登る・しゃがむといったさまざまな動きを通して、全身を使った運動経験を積むことができます。また、鬼との距離や安全な場所を考えながら行動することで、状況を見て判断する力や空間を捉える感覚も養われます。友達と一緒に遊ぶ中で、順番やルールを守る意識や、集団で遊ぶ楽しさも自然と育まれます。

逆かくれんぼ

かくれんぼをアレンジした、人数がどんどん変わっていく楽しい遊びです。最初は子どもが1人だけ隠れ、他の子どもたちは鬼になって探します。鬼は隠れている子を見つけたら、自分も子になり、鬼に見つからないように静かに隠れます。いつの間にか、鬼の人数が少しずつ減っていくのが特徴です。

「見つけた鬼が子に変わる」といういつもと違うルールと、「見つけたら静かに隠れる」というドキドキ感が新鮮で、みんなで楽しめる遊びです。

対象年齢

4~5歳児

基本のルール

  • 最初に隠れる子を1人決め、他の子どもたちは鬼になる
  • 鬼は目を閉じて数を数えたあと、隠れている子を探す
  • 鬼は隠れている子を見つけたら、鬼から子になり、鬼に見つからないように隠れる
  • 鬼は子を見つけたとき、声を出してはいけない
  • 鬼が1人になったら終了

遊び方のバリエーション

1.鬼さがしかくれんぼ(4~5歳児向け)

隠れている子が「鬼を見つける側」にもなるアレンジです。鬼も隠れている子を探しますが、隠れている子は見つからないように鬼に近づいていきます。制限時間の間に鬼に近づき、タッチできたら成功です。もし鬼に見つかってしまったら失敗となります。隠れるだけでなく「近づく」という要素が加わることで、ドキドキ感や駆け引きの面白さが広がります。

2.タイムアタック「〇秒で見つけよう!」(3~5歳児向け)

通常のかくれんぼのルールに、制限時間と見つける人数の目標を設けて遊ぶ方法です。鬼は「30秒で10人見つけよう!」などと決めてから探します。時間内に見つける人数を増やしたり、探す時間や隠れる時間を長く、または短くしたりすることで、遊びの難易度を調整できます。限られた時間の中で周囲をよく観察する必要があり、探す側の集中力や判断力も高まります。

この遊びのねらい

逆かくれんぼは、周囲の様子をよく観察しながら静かに行動する力や、状況に応じて判断する力を育てる遊びです。「見つけても声を出さずに隠れる」というルールを守ることで、気持ちをコントロールする経験にもつながります。また、鬼から子に立場を代えて隠れることで、親密感や連帯感を味わい、ドキドキする展開を共有することができます。友達と一緒に遊ぶ楽しさや、集団でのやりとりが自然と広がる遊びです。

数字の島

地面に描いた「数字の島」を目指して移動する、集団遊びです。 園庭や広いスペースの地面に丸を描き、その中に数字を書いておきます。子どもたちは中央に集まり、号令役が言った数字の島へ一斉にダッシュします。どの島に向かうかを素早く判断して動くため、遊びの中で判断力や反応の速さが自然と育ちます。 合図をよく聞いて動くことがポイントの遊びで、みんなでにぎやかに楽しめるのが魅力です。

対象年齢

4~5歳児

基本のルール

  • 地面に丸を描き、その中に数字を書いて「島」を作る
  • 子どもたちは中央など決めた場所に集まる
  • 号令役が「いち!」「ろく!」など数字を言う
  • 子どもたちはその数字の島へ向かって走る
  • 島に入るのが一番遅かった子は、号令役に合流する
  • 最後まで残った1人が勝ち

遊び方のバリエーション

1.ジャンプで島わたり(4~5歳児向け)

数字の島の間隔を少し広めに描き、「ジャンプでしか移動できない」というルールで行うアレンジです。走るのではなく、両足ジャンプやケンケン、スキップなどで島を移動します。「ジャンプで3の島へ!」など、移動の仕方を変えることで運動遊びの要素が強まり、体の使い方を楽しみながら遊ぶことができます。「ウサギさんで移動!」「ゾウさんで移動!」など、動物の模倣(表現遊び)を取り入れると、身体能力だけでなく想像力も刺激されます。 動き方を変えるたびに遊びの雰囲気も変わり、繰り返し楽しめるのが魅力です。

2.音で動こう!かたちの島(3~5歳児向け)

数字の代わりに、地面に「まる」「さんかく」「しかく」などの形の島を描いて行う遊びです。最初は保育士の「まる!」「さんかく!」など声の合図で、言われた形の島へ移動します。慣れてきたら、「カスタネット=まるのしま」「鈴=さんかくのしま」「タンバリン=しかくのしま」など、楽器の音と形を結びつけたルールに発展させます。保育士が鳴らす音をよく聞いて、どの島へ行くかを考えながら動くことで、ゲーム性が高まり、遊びの幅も広がります。

この遊びのねらい

数字の島は、合図をよく聞いて素早く行動する力や、状況に応じて判断する力を育てる遊びです。走る・跳ぶ・止まるなどの動きを繰り返すことで、全身を使った運動経験にもつながります。また、数字や形、音などのルールを取り入れることで、言葉や数、音への興味を広げるきっかけにもなります。友達と同じ遊びの中で競い合ったり応援したりする経験を通して、集団で遊ぶ楽しさやルールを守る意識も自然と育まれていきます。

色集め

色をヒントにして室内にあるものを探す、宝探しのような感覚で楽しめる遊びです。いつも保育室内にあるもののほか、あらかじめさまざまな色のものを用意しておきましょう。保育士が色カードを1枚見せ、その色と同じ色のものを制限時間内に探して集めます。子どもたちは「どこにあるかな?」と部屋をよく見渡しながら探す楽しさを味わえます。 ゲーム感覚で取り組めるため、色への興味を広げながら、観察力や集中力も育てられる室内遊びです。

対象年齢

3~5歳児

基本のルール

  • あらかじめ室内のさまざまな場所に、たくさんの「色のたからもの」を隠しておく
  • 保育士が複数の色カードの中から1枚を選び、子どもたちに見せる
  • 子どもたちは制限時間(30秒など)の間に、その色と同じ色のものを室内から探す
  • カードと同じ色のものをより多く見つけた子が勝ち

遊び方のバリエーション

1.ミッション色探し(4~5歳児向け)

色カードと一緒に「条件ミッション」を出して行う遊び方です。例えば「赤で“まるいもの”を1つ」「黄色で“やわらかいもの”を1つ」「青で“音が出るもの”を1つ」など、色に加えて形や特徴の条件をつけて探します。子どもたちは「どれが条件に合うかな?」と考えながらものを探すため、観察する視点が広がり、発見の楽しさも増します。慣れてきたら、子どもたちにミッションを考えてもらっても盛り上がります。「自分たちでミッションを考える」というプロセスを加えると、形や素材への言語化能力がさらに高まります。

2.1色ずつ増えていくチャレンジ(4~5歳児向け)

回を重ねるごとに探す色を増やしていくアレンジです。1回目は「赤」、2回目は「赤と青」、3回目は「赤と青と黄色」というように、少しずつ条件を増やしていきます。指示は一度しか言わないルールにすると、どの色を見つけたかを考えながら探す難しさが増します。「この色はもう見つけたかな?」と確認しながら進めることで、記憶力や注意力も楽しく育てることができます。

この遊びのねらい

色集めは、色を手がかりに周囲をよく観察することで、色の認識や注意力、探す力を育てる遊びです。制限時間の中で探すことで集中して取り組む経験にもつながります。また、友達と見つけたものを見せ合ったり、「ここにあったよ!」と教え合ったりする中で、言葉で伝える力ややりとりの楽しさも広がります。遊びながら色への関心を深め、身近なものへの気づきを増やしていくことができます。

5月の遊びを充実させるヒント

5月の遊びを充実させ、子どもたちの満足感や成長を促す工夫をご紹介します。

無理をせず、遊びを通じて自然に関わりを広げる

環境が大きく変わった4月からの疲れが出やすいのは、子どもたちも大人と同じです。無理に集団の輪に入れようとするのではなく、今回紹介した「逆かくれんぼ」や「色集め」のように、「いつの間にか輪が広がっていく」遊びを取り入れてみましょう。「楽しそうだな」と遠くから眺めている子が、自分のタイミングで参加できるようなゆとりを持たせた環境設定が、子どもたちの主体性を引き出す一歩になります。

5月の遊びをより豊かにする+αのアイデア

ひと工夫することで、子どもの「楽しかった!」や「またやりたい!」を引き出しましょう。

  • 室内で行った「色集め」を園庭や公園へ持ち出してみましょう。「タンポポの黄色」「葉っぱのみどり」など、自然界の色を探すフィールドワークへと発展させると、自然への興味がさらに深まります。
  • 「数字の島」などの活動では、地面に数字を描く段階から子どもたちと一緒に行うと、遊びへの期待が高まります。数字だけでなく、5月らしく「いちご」や「こいのぼり」の絵を描いた島を作るのも季節感が出ておすすめです。
  • 5月は意外と日差しが強く、活動量が増えると子どもたちは体力を消耗します。遊びの終わりには室内で水分補給をして体を休め、静と動のメリハリを大切にしましょう。

まとめ

5月の遊びは、子どもたちが「このクラス、楽しいな」「先生や友達ともっと遊びたい!」と感じるきっかけづくりとなる大切な活動です。今回紹介した「高鬼」や「数字の島」などのルールのある遊びも、勝ち負けだけにこだわらず、その過程にある発見や笑顔になった瞬間を子どもたちとともに楽しみましょう。子どもたちの「みんなで遊んで楽しかった!」という経験が、これからの1年を支える大きな力になっていくはずです。


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