2026.02.24
【保育園の4月遊び】ねらいが立てやすい!季節を楽しむ活動アイデア集
新生活がスタートする4月。子どもたちは少しずつ新しい環境や人との関わりに慣れていこうとしています。まずは安心できる場の中で、それぞれのペースで遊びを楽しめることが大切です。この記事では、4月に楽しめる遊びのアイデアと、保育士が活動の“ねらい”を立てるうえでの視点をご紹介します。
4月遊び「ねらい」の立て方のヒント

4月は入園・進級直後で何かと慌ただしく、まだ緊張感が残る時期でもあります。安心して遊びに取り組める環境作りや声かけが、いつも以上に大切です。
乳児(0~2歳児)には、保育士との信頼関係を深めながら、「やってみたい」という気持ちを引き出すことがねらいです。
幼児(3~5歳児)には、簡単なルールや友達との関わりのある遊びを通して、園での生活に楽しみを見出せるようサポートします。
4月のおすすめ遊びアイデア
4月におすすめの遊びを、対象年齢の目安や成長に沿った遊び方、「遊びのねらい」などとともにご紹介します。
ダッシュでボール送り

ボールを使ってチームで協力しながら体を動かす、シンプルで盛り上がる集団遊びです。数人で縦一列に並び、先頭の子からボールを頭の上で持って、後ろへと順に渡していきます。一番後ろまでボールが届いたら、その子がボールを持って列の先頭までダッシュ!再び列を作り、同じようにボールを渡していき、全員が一度ずつ先頭に来たらゴール、というルールです。
列ごとのチーム対抗にすればゲーム性も高まり、子どもたちのやる気もアップ。ボールを落とさないよう、タイミングをはかったり、受け取ったらすぐに走り出したり、楽しみながらいろいろな力を育てることができます。
対象年齢
3~5歳児
基本のルール
- 数人で縦一列に並ぶ
- 「よーい、どん!」の合図で、先頭の子がボールを頭の上に持ち上げて、後ろの子へ渡していく
- 最後尾の子がボールを受け取ったら、列の前に走って移動し、先頭に並ぶ
- 再び先頭から後ろへ、頭の上でボールを渡していき、これを繰り返す
- 最初の並びに戻ったら終了
※最初は3~5人程度の列から始めると良い
※2~3列でチーム対抗にして、ゴールまでの速さを競ってもOK
遊び方のバリエーション
- 往復ボール送り(3~5歳児向け)
- 逆転ボール送り(4~5歳児向け)
基本のボール送りと同じく、先頭の子からボールを頭の上で後ろの子に渡していきます。一番後ろの子まで渡ったら、今度は股の下からボールを前の子に渡していきます。一番前の子が受け取ったらゴールです。
自分のところにボールが近付いてくるタイミングを観察し、頭上と股下のどちらでボールを受け渡すのかを考えながら、仲間と息を合わせて取り組むことで、集中力や協調性を育むことができます。
ボールを頭の上で渡していく途中で、保育士が「ぎゃくー!」と声をかけたら、反対向きにボールを渡すルールです。合図のタイミングは保育士が自由に決められるため、子どもたちはいつ「逆転」が来るかドキドキ。予測不能な変化にワクワクしながら、反応する力や集中力、チームで声をかけ合って対応する力を養えます。
この遊びのねらい
列になってボールを渡していくというシンプルな動きの中で、仲間と協力する力やルールを守る意識が育まれます。ボールを落とさずに渡すには、次の子にタイミングを考えて渡す工夫や、声をかけ合うコミュニケーションが自然と生まれ、集団での関わりが深まります。
また、繰り返し列を動かしたり、方向を変えたりする中で、状況に合わせて判断する力や動きの切り替え力も養われます。ボールを渡す動作には腕や肩の運動も含まれ、体を大きく使って遊ぶことで運動量も確保できます。
低年齢児の場合は、座ったまま隣の保育士や友達にボールを渡す動きを繰り返し、ゆっくりやりとりを楽しみましょう。
色鬼(いろおに)

色をテーマにした、楽しく走って遊べる鬼ごっこです。鬼が「赤!」「青!」など色をひとつ宣言し、他の子どもたちはその色の物を園庭や遊具、服などの中から探して、すばやく触れに行きます。指定の色に触れている間は鬼にタッチされないというルールの中で、色を見つける観察力や判断力、すばやく動く敏捷性が育ちます。まだ色の名前を覚えはじめた子にも、遊びながら自然に色の認識が深まります。4月なら、「桜の色(ピンク)!」や「たんぽぽの色(黄色)!」など、季節の花をヒントに色を探す遊び方にしても良いですね。
対象年齢
3~5歳児
基本のルール
- 鬼は全体に向かって、1つ色を宣言する(例:「黄色!」)
- 鬼が10数えている間に、他の子どもたちは、宣言された色の物を探す
- 色に触れていない子が鬼にタッチされたら、次の鬼になる
- 全員が色に触れていた場合は、鬼が再度別の色を宣言してゲームを続ける
遊び方のバリエーション
- からだでタッチ!(3~5歳児向け)
- 動きでタッチ!(4~5歳児向け)
保育士が鬼になり、色を言うときに、「体のどこで触れるか」も指定するアレンジです。例えば「緑をひざでタッチ!」「青をひじでタッチ!」などと鬼が声をかけたら、子どもたちは指定の色を探し、指定の体の部位を使って触ります。色を探すだけでなく、体の一部を意識して使うことで、遊びの難易度が上がります。体の部位を覚えたり、バランスをとったりする要素も加わり、楽しく身体感覚が育ちます。
鬼が色を言うときに、動きも指示するアレンジです。「ケンケンしながら、赤!」「カニ歩きで黄色!」「ジャンプを3回してから黒!」など、体の動きと色探しを組み合わせることで、ゲーム性がアップします。指示を聞いて動くことで、子どもたちの集中力や判断力、運動能力の向上にもつながります。動きの種類は子どもたちと一緒に考えてみても、遊びの幅が広がります。
この遊びのねらい
色鬼は、指示された色を探して走るという一連の流れの中で、子どもたちの観察力や判断力、瞬時の行動力を育てる遊びです。自然と色の名前や特徴への理解が深まり、色彩感覚の育成にもつながります。また、動きや体の使い方を取り入れたバリエーションでは、体幹や空間認知、ルールの理解、聞く力など、さまざまな発達を促す要素が含まれています。個々の発達段階に合わせて無理なく取り組め、繰り返し遊ぶ中で、仲間とのやりとりや集団行動の楽しさも味わえる、発展性のある鬼ごっこです。
室内・屋外どちらでも楽しめ、特別な道具を使わずにできるのもポイントです。
おじゃまむし

スタートからゴールまで走り抜ける子どもたちと、それを中央で阻止する「おじゃまむし」。シンプルなルールで盛り上がる、スリル満点の集団遊びです。
「おじゃまむし」は限られたエリアでしか移動できないというルールがわかりやすく、保育士が動くスピードを調整することで、低年齢児も無理なく挑戦できます。相手の動きを見て、タイミングをはかってすり抜けるという繰り返しの中で、判断力や瞬発力も自然と育まれます。
対象年齢
2~5歳児
基本のルール
- 地面に3本の線(スタート・中央・ゴール)を引く
- 保育士が中央の線に立ち、「おじゃまむし」役になる
- 子どもたちはスタートの合図で、一斉にゴールを目指して走る
- おじゃまむしは中央の線の上だけを移動し、子どもにタッチする
- タッチされた子は次の回から「おじゃまむし」に加わる
- 往復を繰り返し、最後までタッチされずに走り抜けられた子が勝ち
※低年齢児はぶつからないように、両手を広げた「ひこうきポーズ」で走るルールにしても良いでしょう。
遊び方のバリエーション
- 2ラインおじゃまむし(4~5歳児向け)
- 宝運びおじゃまむし(3~5歳児向け)
「おじゃまむし」が立つ線を1本ではなく2本に増やすことで、子どもたちは2回のスリルを味わえる遊び方です。1本目の線を無事に突破しても、すぐ次の「おじゃまむし」が待ち構えているため、スピードの緩急や動きの工夫が求められます。つかまっておじゃまむしに加わる子が増えていく中で、「どちらのラインを何人で守るか」など、仲間同士で作戦を立てながら動く楽しさも加わります。より俊敏に、すばやく判断することが必要になる遊び方です。
子どもたちはボールや小さなおもちゃなどの「宝物」をおたまやカップなどに入れて運びながら走るルールです。おじゃまむしにタッチされず、また宝物を落とさずにゴールまでたどり着けたら成功。途中で落としてしまった場合は、スタート地点からやり直します。
相手の動きを見ながら、バランスを保って走ることが必要になるため、慎重さや集中力も試されます。アイテムの大きさや運ぶ道具を変えることで、年齢や発達に応じた難易度調整も可能です。遊びにちょっとした「ミッション」の要素を加えたいときにおすすめです。
この遊びのねらい
「おじゃまむし」は、相手の動きを見ながらタイミング良く走ったり、進む方向を判断したりすることで、集中力や瞬時の判断力、敏捷性を養う遊びです。また、相手との駆け引きを楽しむ中で、遊びのルールを理解して守る力や、友達と関わる社会性も自然と育まれます。
アレンジを加えることで、体のバランス感覚や協調性、作戦を立てる思考力なども幅広く刺激され、年齢や発達に合わせて楽しめるのが魅力です。
コロコロお届け物リレー

寝転がって転がりながら、柔らかいボールをリレー形式で運ぶ、楽しい室内遊びです。スタート地点には「お届け物」として複数のボールを用意し、子どもたちは床に横向きに寝転がって間隔をあけて並びます。スタートの合図で、一番端の子から隣の子へ、転がりながら順に「お届け物」を手渡していき、最後の子まで運べたらゴールです。
チームに分かれてタイムを競ったり、「何個届けられるか」を数えたりと、集団遊びとしても盛り上がります。くるくると体を回転させる動きの中で、自然と回転感覚やバランス感覚が養われ、鉄棒やマット運動などの基礎にもつながる遊びです。
対象年齢
2~5歳児
基本のルール
- 子どもたちは床に横向きに寝転がり、間隔をあけて一直線に並ぶ
- スタート地点に「お届け物」としてボールやぬいぐるみなどを用意する
- スタートの合図で、端の子が転がりながら隣の子へお届け物を手渡す
- バトンのように順番に手渡しながら、最後の子まで運ぶ
- チームに分かれて行う場合は、早く届けたチームが勝ち
遊び方のバリエーション
- お届け物チェンジ(3~5歳児向け)
- お届け物サーキット(4~5歳児向け)
ボールだけでなく、運ぶ「お届け物」の形や重さにバリエーションをつけて楽しむアレンジです。例えば「細長い新聞紙」「軽くて大きいぬいぐるみ」など、さまざまなアイテムを用意しておきます。どのアイテムが転がってくるかは次の子どもたちにはわからないため、「次は何がくるかな?」というワクワク感や驚きが楽しめます。
アイテムによっては転がり方や持ち方を工夫する必要があり、自然と体の使い方やバランスを意識するようになります。
※転がりながら運ぶと危ないような硬い物や角のある物は、「お届け物」にしないようにしましょう。
立ち上がる動作を加え、寝転がる子どもたちの間に、マットやタオルなどでゆるやかな障害物を設置する発展型のリレー遊びです。
お届け物を受け取ったら、一度その場で立ち上がり、ジャンプします。そしてもう一度寝転んでから、障害物を乗り越えるように転がりながら進み、隣の子にお届け物を手渡します。ただ転がるだけでなく、傾斜を上ったり下りたりする体のコントロール力や、動作の記憶力といった多様な力が求められます。
いつもと違うルールに挑戦することで、より集中力が高まり、ゲーム性のある楽しさが広がります。
この遊びのねらい
体を横にして転がるという動きの中で、回転感覚やバランス感覚を自然に養う遊びです。ボールやぬいぐるみを渡すタイミングや距離感をつかむ中で、手先の動きと目の使い方が連動する力や、空間を捉える力も育まれます。また、転がる動きには全身を使う感覚や体幹の安定が必要なため、鉄棒運動やマット運動などの基礎にもつながります。チームで取り組むリレー形式にすることで、友達と協力し合う気持ちや達成感も得られ、集団で楽しむ力が育っていきます。
4月の遊びを充実させるヒント

4月の遊びを充実させ、子どもたちの満足感や成長を促す工夫をご紹介します。
はじめの一歩を遊びでサポート
新しい環境にドキドキしている子どもたちにとって、「遊び」は緊張をやわらげ、園生活になじむきっかけになる活動です。4月は完璧にルールを守って遊ぶことよりも、遊びを通して保育士や友達を「好きになる」気持ちを育てていくことを大切にしましょう。
「おじゃまむし」や「ボール送り」のような集団遊びにおいては、保育士が「ちょっと失敗する役」や「面白い敵役」を演じて見せることも効果的です。おじゃまむしで「逃げられた~!」と悔しがったり、ボール送りで「おっとっと!」と盛り上げたりすることで、子どもたちの緊張がほぐれ、「この先生と遊ぶと楽しい」という信頼関係が深まります。
この時期は疲れが溜まりやすいため、活動は少し物足りないと感じる程度で早めに切り上げ、休息や水分補給の時間を十分に確保することが大切です。
室内外を問わず、一斉に走り出す遊びでは接触事故が起きないよう、広めのスペースを確保したり、少人数のグループに分けて順番に行ったりする工夫も心がけましょう。
4月の遊びをより豊かにする+αのアイデア
ひと工夫することで、子どもの「楽しかった!」や「またやりたい!」を引き出しましょう。
- 遊びの中で、ペアや同じチームになった友達と名前を教え合ったり、呼び合ったりする機会を設け、友達との関わりのきっかけに。
- 4月の緊張感をゆるめるために、遊びの中で、「成功したら先生とハイタッチ」「ゴールしたら先生が抱っこ」など、保育士とのスキンシップを意識する。
- 遊びの終わりに「最初はどこにしまってあったっけ?」「ボールのおうちに戻してあげよう!」などと声をかけて、片づけの時間も「遊びの一部」として楽しみ、習慣にする。
まとめ
新しいクラス、新しい友達。期待と不安が入り混じる4月は、子どもたちが「楽しい!」と心から感じられる瞬間を積み重ねることが大切です。子どもたちにとって無理のないペースで、心から安心できる遊びの時間が過ごせるよう、見守りましょう。
この時期は、遊びのルールを完璧に理解することよりも、隣にいる友達と顔を見合わせて笑い合ったり、保育士に思いきり甘えたりする時間が優先です。遊びを通して、子ども一人ひとりの「その子らしさ」を知り、これからの1年を一緒に過ごしていくための「信頼の土台」を築きたいですね。












