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2025.12.26

【保育園の2月遊び】ねらいが立てやすい!季節を楽しむ活動アイデア集

新しい年の始まりとともに、気持ちを新たに園生活がスタートする1月。年末年始のお休みが明けて、先生や友達と久しぶりに顔を合わせた子どもたちは元気いっぱい!寒さが増すこの季節は、外遊びと室内遊びの臨機応変な切り替えも必要になってきます。この記事では、1月ならではの遊びアイデアと、活動の“ねらい”を立てるためのヒントをご紹介します。

2月遊び「ねらい」の立て方のヒント

冬の寒さの中でも、子どもたちは元気いっぱい!年齢や発達に合わせた遊び方で、しっかりと体を動かすことを心がけましょう。

乳児(0~2歳児)には、寒い日でも、体を動かすとポカポカとあたたまることを実感するような、スキンシップのある遊びを取り入れましょう。また、遊びの中で自然と「交代」や「順番」を経験する場面を作ることで、友達との関わりを通したやりとりの力や、待つことへの理解も育っていきます。

幼児(3~5歳児)には、ベーシックな遊びにも節分や冬らしいアレンジを取り入れ、季節感を楽しみましょう。年度末に向けて子どもたちの成長が著しいこの時期、集団遊びのルールに子どもたちのアイデアも積極的に取り入れて、遊びのバリエーションを楽しみましょう。

2月のおすすめ遊びアイデア

2月におすすめの遊びを、対象年齢の目安や年齢や成長に沿った遊び方、「遊びのねらい」などとともにご紹介します。

手つなぎ鬼

鬼に捕まった子が鬼チームに加わり、手をつないで次の子を追いかける鬼ごっこです。
最初は1人だった鬼が、2人、3人…とつながりながら増えていくルールで、「協力して動く」「誰を追いかけるか相談する」といったやりとりが生まれます。
体をたくさん動かすだけでなく、鬼ごっこに慣れてきた子どもたちにとって、ちょうど良い「ルールのステップアップ」にもなる遊びです。

対象年齢

3~5歳児

基本のルール

  • 最初に1人の鬼を決め、ほかの子を追いかけてタッチする
  • 鬼に捕まった子は、その鬼と手をつないで「2人鬼」になり、ほかの子を追いかける
  • 捕まるたびに鬼が1人ずつ増え、手をつないでいく
  • 鬼の列は手を離さずに動きながら、次の子を追いかける
  • 全員が捕まったらゲーム終了

※時間を決めて、最後まで捕まらなかった子の勝ちというルールも可

遊び方のバリエーション

  1. 分裂手つなぎ鬼(3~5歳児向け)

    鬼が増えて動きにくくなってきたら、分裂して2チームに分かれるというルールを加えるアレンジです。
    最初は1人の鬼がどんどん仲間を増やしていきますが、4人になったところで2人ずつに分かれ、別の鬼チームとしてそれぞれ別の子を追いかけます。
    鬼のチームがいくつもできることで、逃げる側にも「どこに逃げよう?」という判断力や瞬時の行動力が必要になり、よりスリリングで動きのある遊びに発展します。分裂の人数を「3人」「5人」などに変えて、遊びの難易度調整も可能です。

  2. 赤鬼・青鬼・黄色鬼(4~5歳児向け)

    子どもたちを赤・青・黄色の3チームに分けて行う鬼ごっこです。
    通常の「手つなぎ鬼」に、色を探して追いかける要素が加わる遊び方なので、帽子や鉢巻きの色などで、各自のチームがわかるようにしましょう。節分の製作で作ったお面などを活用しても良いですね。
    赤・青・黄色の各チームから1人ずつ「鬼リーダー」を決め、ゲームがスタートします。鬼リーダーは、自分の色以外のチームの子を自由に追いかけてタッチします。タッチされた子は、鬼リーダーと手をつなぎ、仲間として一緒に追いかけ役になります。
    最初に決めた時間が経過したらゲーム終了。その時点で最も多くの子をつかまえて、手をつないでいる人数が多いチームが勝ちとなります。

この遊びのねらい

手をつないで鬼ごっこをする「手つなぎ鬼」は、走る・逃げる・追いかけるといった基本的な運動に加えて、友達と呼吸を合わせて動く力や、体の動きを調整する力を育てる遊びです。
手をつないで動くことで、自分だけでなく相手の動きにも気を配る必要があり、相手との関係を意識した運動が自然と生まれます。また、鬼が増えたり分かれたりするバリエーションを加えることで、状況を判断して素早く動く力や、役割の変化を楽しみながら受け入れる柔軟性も養われます。仲間と協力して遊ぶ中で、「ルールを守る」「交代を受け入れる」「声をかけ合う」といった社会性も育まれ、身体的にも心理的にも成長が促される活動です。

にょろにょろヘビ

縄を「ヘビ」に見立てて動かし、その上を飛び越える遊びです。動く縄に対してタイミングを合わせたり、足元に集中したりすることが必要なため、楽しみながら身体の動きをコントロールする力が育ちます。遊び方の工夫によって、年齢や発達に応じた展開も可能です。

対象年齢

2~5歳児

基本のルール

  • 1人または2人で縄を持ち、地面に沿って左右ににょろにょろと動かす
  • 他の子どもたちは、動く縄を踏まないようにジャンプして飛び越える
  • タイミングが合わず縄に当たったら、列の最後に並び直すなどのルールを加えても良い

遊び方のバリエーション

  1. お父さんヘビ(4~5歳児向け)

    「にょろにょろヘビ」の遊びに、ドキドキ感とジャンプのダイナミックさを加えたバリエーションです。

    縄を保育士が持ち、最初は通常の「にょろにょろヘビ」を、子どもたちが順番にジャンプして越えていきます。途中で保育士が「お父さんヘビ!」と声をかけたら、縄を大きく縦に動かします。合図をきっかけに、それまでの「にょろにょろ」とは違う、上下に大きくうねるヘビが登場。子どもたちは「いつお父さんヘビになるかな?」とハラハラしながら順番を待ち、お父さんヘビに変わったら思いきりジャンプします。

    変化のある動きと声かけによって、動作のイメージをふくらませながら、反応力や高く跳ぶ身体のコントロールを自然と養える遊びです。繰り返しの中に「いつ変わるかわからない」というスリルが加わることで、楽しさと集中力がぐっと高まります。

  2. カラー的あてチャレンジ(4~5歳児向け)

    段ボールなどで赤・青・黄などの色別の的を作り、それぞれに養生テープを貼ります。的の前にボールをたくさん入れたカゴを置き、子どもはスタートの合図と同時に同じ色のボールを探し、同じ色の的にくっつけていきます。制限時間内に何個くっつけられるか挑戦したり、リレー形式でタイムを計ったりしても楽しめます。

    また、「黄色に3個、赤に2個」というように保育士がお題を出した遊び方では、数への興味や色を認識した思考力を引き出すこともできます。

    チーム戦の場合は、赤チームは赤いボールを赤の的へ、青チームは青の的へくっつけるというルールで行うと、「自分のチームのボールを探す係」「受け取ってくっつける係」などの役割が生まれてくることもあり、遊びながら協力する楽しさが育てられます。「次は逆の係でやろうか」など、保育士が状況を見て声かけを行いましょう。

この遊びのねらい

くっついたときの達成感と、はがして何度も繰り返せるシンプルな楽しさが味わえるので、低年齢にもおすすめの遊びです。

狙う・投げるという一連の動きを通して、腕や手の動かし方をコントロールする力を育てます。ボールをどこにどう投げたらうまくくっつくかを考える中で、空間を捉える力や判断力も自然に養われます。

動く的やチーム戦で友達と一緒に取り組むことで、協力する喜びや競い合う面白さを経験し、意欲や自信を深めることができます。投げ方のコツを教え合ったり、オリジナルの的を作ったり、さまざまな展開ができる遊びです。

フラフープリレー

フラフープを使って楽しむ、シンプルながらも盛り上がるリレー遊びです。フラフープの中に体を入れて走るというちょっとした工夫によって、バランスを取りながら走る難しさと面白さが加わります。遊びのバリエーションを増やすことで、年齢や発達に応じた遊び方の工夫も可能です。

対象年齢

3~5歳児

基本のルール

  • スタートの合図で、フラフープの中に入り、輪を持ったまま走る
  • 決められたコースを走って次の人のところまで行く
  • 次の人にフラフープをバトン代わりに渡し、順にリレーをつなげる
  • 全員が走り終えたらゴール

※最初にチーム分けをして、最初にゴールしたチームの勝ちとしても良い

遊び方のバリエーション

  1. ペアリレー(4~5歳児向け)

    フラフープリレーに慣れてきたら、次のステップとして、2人でひとつのフラフープに入って一緒に走る「ペアリレー」に挑戦してみましょう。同じ輪の中で進むには、スピードや足の動きをそろえる必要があり、友達と息を合わせる楽しさや、協力することの大切さを自然に感じ取ることができます。

    ペアは保育士が決めても良いですし、チーム分けをした中で、子どもたち同士で決めても良いでしょう。いつもと違う友達と関わるきっかけになったり、走る順番を考えたりする広がりが生まれます。

    体の大きさや歩幅の違いに気づいて相手に合わせようとする姿勢が見られたり、うまくいかなくても「もう一回やってみよう」と挑戦する意欲が高まったりと、遊びの中でたくさんの学びが期待できるアレンジです。

  2. もりだくさんリレー(4~5歳児向け)

リレーのコースの中に、さまざまな「ミッション」を組み込んだアレンジです。例えば、「フラフープを2つにする」「その場でフラフープを3回まわす」「縄跳びのようにフラフープを1回跳ぶ」など、複数の動きをコースの区間ごとに設定しておき、リレー形式でつないでいきます。

単に走るだけでなく、動きに変化があることで、飽きずに何度も楽しむことができ、自然とさまざまな運動要素を取り入れられます。また、どのミッションを誰が担当するかを、チームで相談しながら決めることで、役割分担の経験にもつながります。やりとりの中で、自分の考えを伝える力や、相手の意見を聞いて行動する力が育まれます。

この遊びのねらい

フラフープを使ったリレーは、単に走るだけでなく、輪の中でバランスを取ったり、順番を守ったりと、身体的な調整力と社会性の両方が育まれる遊びです。ペアリレーやミッションを加えた遊びでは、ミッションを入れ替えたり、新しいミッションを加えたりすることで、遊びの幅をどんどん広げることもできます。

友達との協力や会話も多く生まれ、集団の中での関わり方を学べます。スムーズに走れないときは、「どうしたら速く走れるかな?」と考えることで、問題解決力や自己調整力を育てる機会にもなります。

氷おしくらまんじゅう

寒い季節にぴったりな、体をあたたかくほぐす室内遊びです。「おしくらまんじゅう、おされてなくな♪」の掛け声に合わせてやさしく押し合い、保育士の「氷!」の合図で一斉に動きを止め、体のぶつかりあいや動と静の切り替えを楽しみます。足を踏ん張り、力を入れて押しながらも、合図を聞いた瞬間に体をピタッと止めるという緊張感の組み合わせが、子どもたちの集中力や反応力を引き出します。

対象年齢

4~5歳児

基本のルール

  • 子どもたちは円の中に入り、全員で背中やお尻でやさしく押し合う
  • 円から押し出されたり、尻もちをついてしまったりしたら負け
  • 保育士が「氷!」と声をかけたら、その場でピタッと静止し、動いたら負け
  • 最後まで円の中に残っていた子の勝ち

※隣の子と腕を組んで押し合っても良い

大勢でやったり、少人数でやったりすることで、力の伝わり方の違いも楽しめる

遊び方のバリエーション

  1. ペアで氷おしくらまんじゅう(2~3歳児向け)

    保育士と子どもがペアになり、保育士はしゃがんだ姿勢で、子どもは立って背中合わせになります。そのままの姿勢でやさしく押し合い、「氷!」の合図でピタッと止まる遊びにアレンジします。

    ペアで行うことで、バランスのとり方や押す位置・力加減がわかりやすく、低年齢でも安全に楽しめます。また、保育士とのスキンシップを通して、子どもが安心感や信頼感を得られるのもこの遊びの魅力です。

    保育士が押し返す力をやさしく調整することで、まだ力のコントロールが難しい年齢の子どもでも無理なく楽しめます。「強く押しすぎない」「合図でピタッと止まる」など、ルールを守る意識づけにもつながります。

  2. リーダーに合わせて氷おしくらまんじゅう(4~5歳児向け)

保育士やリーダー役の子どもが「氷!」「回転!」「座る!」などの掛け声を出し、その指示に合わせて全員で体を動かしながらおしくらまんじゅうを楽しみます。リーダーの動きが予測できない分、周囲の声をよく聞いて動く必要があり、「氷!」の合図でピタッと止まる瞬間には、集中力やタイミングを見計らう力も求められます。

難しさや楽しさを味わい、子どもたちの笑顔があふれる遊びです。
さらに、リーダー役を交代で経験することで、自分がみんなを引っ張る楽しさや、言葉で指示を出す力、周囲への配慮も身に付きます。シンプルなルールの中に、運動・社会性・言語表現など多様な学びが詰まったアレンジ遊びです。

この遊びのねらい

他者に体をぶつける適切な強さを学び、合図で止まることで瞬時の判断力や集中力が身に付きます。バリエーションによっては、相手と息を合わせたり、耳で指示を聞いて体を動かしたりといった、社会性や身体のコントロールを学ぶ要素も加わります。

また、寒い日でも室内で安全に体を動かせる遊びとして、日常に取り入れやすい点も魅力です。

1月の遊びを充実させるヒント

2月の遊びを充実させ、子どもたちの満足感や成長を促す工夫をご紹介します。

遊びに「動と静」のメリハリをつけ、友達との関わりを深める

寒さが続く2月は、体も縮こまりがち。体をしっかり動かす遊びと、絵本や歌、会話を楽しむ「静」の時間とのバランスを意識して過ごすことが大切です。屋外や室内で元気いっぱいに遊んだあとは、落ち着いた雰囲気の中で話を聞いたり、季節にちなんだ歌を歌ったりと、メリハリのある時間の流れを意識することで、子どもたちの集中力や気持ちの切り替えも育まれていきます。

また、子どもたちにとっては、進級や就学を控え、友達との関わりを深めながら、少しずつ“次のステップ”を意識し始める時期でもあります。ルールを共有して遊んだり、ペアやグループで協力して取り組んだりする経験を通して、社会性や思いやりの気持ちが自然と育つよう、遊びの中での関わりを丁寧に支えていきましょう。

2月の遊びをより豊かにする+αのアイデア

ひと工夫することで、子どもの「楽しかった!」や「またやりたい!」を引き出しましょう。

  • 自分の思いをしっかり言葉にできるようになってきた子どもたちに、遊びの前に「今日は何をして遊びたい?」と気持ちを聞きことで、より主体的な関わりや意欲的な参加を促す。
  • ルールの工夫やチーム分けなどを子どもたち自身で考える機会を取り入れ、自分たちで進める経験を通して、話し合う力、相手の意見を聞く力などを育む。
  • できることが少しずつ増える楽しさが味わえる、フラフープや縄跳びなどの道具を使った遊びにも挑戦し、達成感や自信につなげる。

まとめ

2月は、年度の締めくくりが少しずつ近づき、子どもたちの姿にも日々の積み重ねが表れてくる時期です。体を動かす遊びや友達とのやりとりを通して、自信を持って行動する姿や、ルールを理解して遊びを進める力など、成長の芽があちこちに見えてくるでしょう。季節に合わせた工夫やちょっとした声かけを大切にしながら、一人一人が「もう1回やろう!」「みんなでやりたい!」と感じられるような遊びの時間を重ねていけるといいですね。


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