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2025.08.04

【保育園の9月遊び】ねらいが立てやすい!季節を楽しむ活動アイデア集

季節の変わり目である9月。残暑が残る日もありますが、虫の声や空の色など、秋の気配を少しずつ感じられるようになります。自然に目を向ける遊びや、夏の疲れを癒すような穏やかな活動も大切にしたい時期です。この記事では、9月におすすめの遊びアイデアと、季節を意識した活動の“ねらい”の立て方をご紹介します。

9月遊び「ねらい」の立て方のヒント

9月は夏から秋への季節の移ろいを、子どもたちが少しずつ肌で感じ始める時期です。日常の中で「いつもと違う」「季節が変わってきた」という気づきを広げていくことが、遊びのねらいにもつながります。

乳児(0~2歳児)には、色や形の変化を見たり触れたりする遊びを通じて、「不思議」「おもしろい」と感じる気持ちを育むことがねらいになります。

幼児(3~5歳児)には、秋らしいイメージをもとに見立て遊びやごっこ遊びを楽しんだり、試行錯誤を重ねる中で集中力や構成力を伸ばすような活動が効果的です。

また、身の回りの素材や生活の一コマをモチーフに取り入れることで、想像力をはたらかせた遊びの展開が期待できます。

9月のおすすめ遊びアイデア

9月におすすめの遊びを、対象年齢の目安や「遊びのねらい」などと共にご紹介します。

紙コップ積みゲーム

紙コップを積み上げていくシンプルな遊びです。そっと置いたり、倒れないようにバランスをとったりと、子どもたちは真剣そのもの。何段まで高く積めるか挑戦したり、チームで協力したりすることで、集中力や構成力、達成感も育まれます。

対象年齢

この遊びのねらい

① 手先の巧緻性を育てる

紙コップを積み上げたりバランスを取ったりすることで、手先の器用さや指先の力加減を養います。

② 集中力と持続力を養う

慎重に積む遊びは、集中力を必要とします。完成を目指して取り組む中で、遊びへの没頭や粘り強さが引き出されます。

③ 達成感を味わい自己肯定感を高める

高く積めたときや工夫がうまくいったときに、子ども自身が「できた!」と感じられることで、自信や自己肯定感につながります。

④ 協力や役割分担の経験を通して社会性を育む

友だちと一緒に「交代で積む」「タワーを崩さないようにサポートする」といった関わりの中で、コミュニケーション力や協働する力が育ちます。

詳しくはこちら(No.238 紙コップ積みゲーム)

楽しいおべんとう、いろいろ。

画用紙や折り紙などを使って、にぎやかなおべんとう作りを楽しむ遊びです。おにぎりや卵焼きなど、子どもたちが知っている食べ物を、手元の材料を工夫しながら自由に表現していく中で、想像力や構成力が育ちます。完成したおべんとうを友だちと見せ合ったり、お店屋さんごっこに発展させたりして楽しむこともできます。

対象年齢

4~5歳児

この遊びのねらい

① 見立てる力や想像力を育てる

身近な素材を使って「おにぎり」「エビフライ」などの食べ物に見立てることで、子どもの想像力や創造性が育まれます。

② 生活経験を遊びに取り入れる力を養う

実際に見たり食べたりした経験をもとに、「おべんとう」に必要なものを思い出して遊びに反映させる力が育ちます。

③ 構成する力や計画的に考える力を伸ばす

おべんとう箱の中に、色や形、大きさの異なる具材をどのように詰めるかを考えることで、構成力やバランス感覚が育ちます。

④ 手先の巧緻性や操作の工夫を促す

はさみで切る、丸める、折るといった工程を通じて、手先を使った細かい動きの発達が期待できます。

詳しくはこちら(No.370 楽しいおべんとう、いろいろ。)

どんぐり転がしレース

板(洗って切り広げた紙パックなどでも)でゆるやかな傾斜をつくり、その上にどんぐりを転がして遊びます。スタートからゴールまで上手に転がせるか挑戦したり、複数人でレース形式にしたりして楽しみます。傾斜となるものの素材や幅を変えたり、転がす速さを競ったりすることで、どんぐりの動きや転がり方への興味が高まる遊びです。

対象年齢

2~3歳児

この遊びのねらい

秋をイメージするモチーフのひとつであるどんぐりを使い、季節感を感じながら、自然物の形や動き方への興味・関心を育てます。また、力加減や向きを工夫しながら転がす体験を通して、手先の器用さや空間認知力、集中力が高まります。

かくれんぼ探検

園庭や保育室内のさまざまな場所に、小さなおもちゃやメッセージカードなどを隠しておき、子どもたちが“探検隊”になって見つけ出す遊びです。「どこにあるかな?」「なにが見つかるかな?」というワクワク感のなかで、よく見て、よく考えて行動する力が育ちます。遊びの前に「地図」や「ヒントカード」を用意すると、より物語性が広がります。

対象年齢

2~5歳児

この遊びのねらい

隠されたものを探し出す中で、観察力や注意力を育てます。空間の中で目的のものを見つけ出すことで達成感を味わい、自信を育みます。また、友だちといっしょに探したり、発見を共有したりすることで、言葉のやりとりや社会性の芽生えにもつながります。

9月の遊びを充実させるヒント

9月の遊びで保育士が気を付けたいポイントや、子どもたちの「楽しかった!」を引き出す工夫をご紹介します。

季節の変わり目を楽しみに変えて

9月は日差しがやわらぎ、戸外での活動がしやすくなる一方で、暑さが残る日や急な気温の変化もあり、活動計画に迷うことがあるかもしれません。
季節の変わり目こそ、「夏の終わり」「秋の入り口」という、季節感を意識した遊びが子どもたちの好奇心を引き出します。たとえば園庭に出て、木々や風に季節の変化を探す活動は、発見や驚きをともなう豊かな体験になります。その発見を絵に描いたり、歌ったりする活動につなげることもでき、季節の変化を感じて楽しむ心が生まれます。
1日の中でも気温差が激しいことがあるので、衣服の調整や体調管理にも気を配りながら、無理のない遊びの計画を立てていきましょう。

9月の遊びをより豊かにする+αのアイデア

ひと工夫することで、子どもの「楽しかった!」や「またやりたい!」を引き出しましょう。

  • 園内や園庭の一角に「秋のもの発見コーナー」を設けて、子どもたちが拾った落ち葉や木の実、虫の抜け殻などを自由に展示。自分の見つけたものを共有する喜びが生まれる。
  • 「夏の食べもの屋さん」と「秋の食べもの屋さん」に分かれてお店に並べる食べ物を作り、お互いが売ったり買ったりするおみせやさんごっこ。季節の食べ物を認識し、その変化を活動の中で楽しむ。
  • 子どもたちが園庭で発見した季節の変化を、園からのおたよりに載せて紹介。近所や公園などでも見つけてみましょうと伝え、保護者との連携を深める。

まとめ

9月は、「日ざしのやわらかさや風の変化など、身近な自然の移り変わりに気づく体験を取り入れられる時期です。夏の遊びの余韻を楽しみながら、安全にのびのびと運動あそびやごっこ遊びを行い、体力や想像力を育てましょう。


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