保育のひきだし こどもの可能性を引き出すアイデア集保育のひきだし こどもの可能性を引き出すアイデア集

保育士のひきだし

2019.10.29

【保育園の発表会は何をしよう?】当日に向けた準備や歌・劇のアイデアを紹介

子どもたちの成長を、保護者の方に感じてもらう機会である発表会。秋から冬の時期に行われることの多い、保育園の一大イベントです。子どもの気持ちを盛り上げながら当日に向かうためには、子どもの発達や興味に合ったテーマの提案と事前の準備が必須。衣装1つでも、子どものやる気はアップします。

 

子どもたちが楽しく練習に取り組み、当日を迎えるために、保育士が行うべき準備や、歌や劇のアイデアを年齢別にご紹介いたします。

 

発表会のねらい

 

発表会の1番のねらいは、保育園生活での子どもたちの成長を保護者の方に感じてもらうことです。保育の中で練習を重ねた劇や歌などを保護者の方の前で発表し、普段は見られない園での様子を見てもらいましょう。

 

また、発表会に向けて練習を重ねる中で、目標に向かってがんばる気持ちや友だちと協力すること、できなかったことができるようになることで、子どもたちに達成感を感じてもらうというねらいもあります。

 

そのためには、年齢や興味に合ったテーマを用意することが大切です。保護者の方に見せることを意識しすぎて、発達状況よりも難しすぎるものを取り入れると、子どもにとって練習がつらいものとなってしまいます。

 

練習を行う際にも、成功だけを目指すのではなく、練習過程での子どものがんばりや成長を大切にしてくださいね。

 

発表会に向けた保育士の準備

 

さまざまなねらいのある保育園の発表会。子どもにとっても保護者の方にとっても、思い出深い行事とするためには、事前の準備が欠かせません。保育士が行うべき準備について、見ていきましょう。

 

テーマを決めてプログラム作り

 

 

発表会の準備でまず初めに行うべきことが、発表会のテーマ決めです。発表会の演目としては、劇や歌、ダンスがおすすめです。歌と劇を組み合わせたオペレッタ(軽い歌劇)などを取り入れても良いですね。

 

子どもの年齢や発達に合わせて、どんなテーマを取り入れるべきなのか、どんなテーマにすれば子どもの興味を引き出せるのか、という点に重点を置きましょう。

 

テーマが決まったら、プログラムを作成します。

 

  • 発表会の日時
  • 場所
  • 各クラスの演目
  • タイムスケジュール
  • 始めの言葉、終わりの言葉などを代表で言う園児の選出

 

これらを1つのプログラムにまとめます。保育士用に詳細を記したものとは別に、保護者の方に渡すプログラムも作成しましょう。保護者の方に渡すプログラムには、発表中のお願いや写真撮影の約束事など、園からのお願いも載せるようにしましょう。

 

発表会の導入

 

発表会に向けて練習を重ねる子どもたち。子どもたちが発表会に関心を持って取り組めるようなきっかけや、導入を作ってあげることも大事です。歌やダンスを行う際には、普段の保育に取り入れることから始めましょう。乳児クラスは特に、保育の延長として行うことが成功の秘訣です。

 

劇を行う際には、絵本や紙芝居の読み聞かせを通して、物語に触れることから始めると良いでしょう。お話を聞く中で、自分がやってみたい役も見えてきます。やりたい役を全ての子どもができるわけではありませんが、自分たちで役決めをすることで、発表会に向かう気持ちが高まりますよ。

 

衣装作り

 

保育園の発表会で使う衣装は、保育士が分担して作ることが多くなります。働いている保護者の方の負担にならないように、配慮する必要があるからです。しかし、衣装との兼ね合いで洋服の色をそろえたり、タイツを持参してもらうなどの協力をお願いすることはあります。

 

衣装を作るときには、「子どもが喜んで身に付けられるもの」を前提に考えましょう。どんなに凝った衣装でも、子どもが嫌がって本番に着てくれなければ意味がありません。特に、01歳児は頭に着ける飾りなどを嫌がることも少なくありません。頭の飾りを着けたい場合には、普段被り慣れている帽子型にするという方法もあります。

 

3歳以上児クラスでは、衣装のアイデアを子どもたちに出してもらっても良いですね。

 

園内の飾りつけ

 

発表会当日は、いつもとは違う飾りつけをして、子どもの気持ちを盛り上げましょう。園全体としての発表会のテーマが決まっている場合には、そのテーマに沿った飾りつけがおすすめです。子どもたちの製作を取り入れると、より温かな雰囲気の会場ができあがりますよ。

 

会場外に、練習のときの写真を掲示しても良いですね。本番では緊張して練習通りにできなくても、練習の様子を掲示することで、保護者の方に成長を実感してもらえます。

 

先生の出し物

 

園によっては、歌やダンスなど保育士が出し物を行う場合もあります。子どもたちの練習と準備で忙しい時期ではありますが、毎年楽しみにしている子どもや保護者の方も少なくありません。子どもたちになじみがあり、保育士自身が楽しめるテーマを選びましょう。保育士が楽しんでいる様子は、子どもや保護者の方に伝わりますよ。

 

発表会のアイデア【年齢別】

 

発表会におすすめのテーマについて、年齢別に歌と劇の両方を紹介いたします。

 

おすすめの歌

 

 

歌は発表会では定番の演目です。年齢や興味に合った歌を選び、子どもたちが楽しみながら歌っていたり、心を込めて歌う姿を保護者の方に見てもらいましょう。

 

01

 

01歳児クラスは、歌詞を覚えて歌をうたうことは難しい時期です。しかし、保育士のまねをして身体を動かすことは十分にできます。身体を動かしながら楽しめる曲を選びましょう。

 

どんぐりころころ

 

秋の発表会にぴったりの童謡です。歌詞に合わせて両手をぐるぐると回したり、どじょうのまねをしてみたり…。01歳の子どもでも十分に楽しめる振り付けが満載。舞台の上で小さな身体を動かす姿に、会場の雰囲気が一気に和やかになりますよ。

 

おもちゃのチャチャチャ

 

拍手は、子どもが早い段階で大人のまねができる様になるしぐさの1つです。「チャチャチャ」という歌詞に合わせて、手をたたく我が子の姿に、成長を感じてもらえること間違いなし。リズムに合わせることは難しくても、楽しみながら手をたたけていれば十分です。保育の中にもまねっこ遊びを取り入れてみてくださいね。

 

2

 

2歳児クラスになると、簡単な歌詞を覚えて歌うことができるようになります。歌うことと音楽に合わせて身体を動かすことの、両方を楽しめるような曲がおすすめです。

 

おおきなくりの木の下で

 

振り付けを覚えて楽しめる童謡です。秋の発表会にもピッタリ!身体を大きく動かすこと、大きな声で元気に歌うことに挑戦してみましょう。歌詞が簡単なので、2歳児クラスの子どもたちでも覚えやすいですよ。

 

むすんでひらいて

 

01歳児の保育でも取り入れることの多い童謡です。保育の中でなじみ深い曲だからこそ、自信を持って楽しく歌うことができるでしょう。普段の保育で楽しんでいる様子を見てもらうためにも、ピッタリの歌です。

 

34

 

34歳児は、歌詞を理解して歌うことを楽しめるようになる年齢です。早いリズムや少し難し歌詞でも歌えるようになるので、選曲の幅がぐっと広がります。クラスのカラーや子どもの興味に合った曲を選びましょう。

 

うたえバンバン

 

「口を大きくあけまして」で始まるこちらの童謡。ぜひ子どもたちにも、元気に楽しく歌ってもらいたい一曲です。3歳児クラスで、3番までの歌詞を覚えることが難しい場合には、1番だけでも十分に聞きごたえがありますよ。

 

ドレミの歌

 

小学校でも歌われることの多い、定番の童謡です。ほとんどの保護者の方が、知っている曲でもありますね。リズムが一定なので、34歳児クラスの子どもたちでも覚えやすく、自信を持って歌えるでしょう。「ド・レ・ミ」の音階に触れるきっかけとしてもおすすめです。

 

5

 

保育園の最年長児である5歳児。保育園での最後の発表会となります。少し難しい曲にも挑戦し、歌えたことを自信につなげましょう。友だちと過ごした日々を思い出しながら、歌える曲もおすすめです。

 

ともだちはいいもんだ

 

合唱曲として、多くの小学校でも歌われているこちらの曲。友だちとの絆やすばらしさに心打たれる歌詞となっています。保育園で友だちと過ごしたことを思い出しながら、気持ちを込めて歌いましょう。保護者の方にも、保育園での日々を思い返し、子どもの成長を感じてもらえますよ。

 

やさしいうた

 

 

子どものたくさんの「初めて」や日々の中にある「優しさ」が込められた歌詞が印象的な一曲です。優しい気持ちにあふれた歌詞を丁寧に歌いましょう。保護者の方にも、子どもが生まれてからのたくさんの成長を思い出し、感動してもらえること間違いなしです。

 

おすすめの劇

 

歌と並んで、発表会の定番である劇。子どもたちが楽しみながら練習に取り組めるように、年齢に合わせた劇を選びましょう。

 

01

 

01歳児は、劇として何かを演じるというよりは、普段の保育の様子を見てもらうことに重点を置きましょう。子どもが楽しんで参加できることが1番です。

 

読み聞かせ

 

保育の様子を見てもらうために、読み聞かせは最適です。普段から親しんでいる絵本を、楽しみながら見ている姿に、保護者の方は安心してくれますよ。「いないいないばあ」や「あいさつあそび」など、子どもたちがしぐさをまねることができる絵本も良いでしょう。

 

舞台の上でお散歩

 

 

自立歩行や保育士と手をつないで歩けるようになったら、舞台の上でのお散歩もおすすめです。舞台の上にはお花や動物など、子どもの興味のあるセットを用意し、楽しみながら歩けるようにしましょう。子どもたちのかわいらしい反応は、保護者の方に喜んでもらえますよ。

 

2

 

2歳児クラスになると、簡単なせりふや動作を覚えて、劇遊びができるようになります。保育士が手助けをしながら、劇に挑戦してみましょう。

 

はらぺこあおむし

 

2歳児の子どもたちにも人気の「はらぺこあおむし」の絵本を元にした劇です。ある日、卵から産まれたはらぺこのあおむしは、食べるものを探し始めます。曜日ごとにさまざまな食べ物を食べるあおむし。劇では、曜日ごとに子どもたちが登場し、絵本に沿ってせりふを言います。

 

歌をうたいながら楽しむことも多いこちらの絵本。発表会でも、音楽を取り入れながら演じると良いでしょう。子どもになじみ深い絵本だからこそ、無理なく取り組むことができますよ。

 

もりのおふろ

 

ある日、もりのおふろにやってきたライオン。そこへ次々に動物がやってきて、みんなで背中の洗いっこ。子どもが好きな動物が次々に現れ、のんびりとしたリズムが心地良い絵本です。

 

劇では、子どもたちが動物に変身!次々に舞台に表れて、背中の洗いっこをします。「わたしのせなかをあらってもらえませんか」「いいですよ」という、子ども同士のせりふのかけ合いも楽しめますよ。好きな動物を自分で選びながら役決めをすれば、子どもの気持ちも盛り上がります。

 

34

 

34歳児では、少し長いせりふや友だちとのせりふのかけ合いもできるようになります。ストーリーの流れに一貫性があると、子どもたちも覚えやすいですよ。昔から読み継がれてきた民話や童話など、お話の世界に入り込める絵本もおすすめです。

 

大きなかぶ

 

大きなかぶをおじいさんやおばあさん、まごやいぬで引っ張って抜こうと奮闘する、昔から読み継がれてきた物語です。「〇〇てつだっておくれ」と呼ばれると「はーい」と出ていく、という一貫性のあるストーリなので子どもたちも覚えやすく、楽しみながら取り組めるでしょう。途中で「おおきなかぶ」の歌を取り入れると、オペレッタ的な要素もあり、さらに見ごたえのある劇になりますよ。

 

3匹のこぶた

 

3匹のこぶたたちが、わら・木・れんがでそれぞれ家を建てました。そこにおおかみがやってきて…。こちらも多くの人に知られている有名な童話ですね。

 

子どもたちは、それぞれのこぶたとおおかみを演じます。保育士のナレーションに合わせて、それぞれの家を建てるこぶたたち。おおかみ役の子どもたちにも、思い切りおおかみになりきってもらいましょう。ストーリー性もあり、物語を演じることが楽しめる劇です。

 

 

5

 

 

5歳児クラスになると、自分の役になりきって演じることができるようになり、演じたい役へのこだわりも強くなっていきます。全ての子どもが演じたい役を担当できるわけではありませんが、全ての役が大切だということを、丁寧に伝えましょう。友だちと力を合わせて1つの作品を作り上げ、それを保護者の方に見てもらうという達成感が感じられるように、練習に取り組める環境作りが大切です。

 

ももたろう

 

桃から生まれたももたろうが、お供の動物たちを連れて鬼退治に行く。誰もが知っている昔話です。ももたろうやおじいさん、おばあさんは、物語の途中で子どもが入れ替わるという方法をとると、違和感なく物語が進みます。

 

動物や鬼は、数人の子どもが同時に演じても良いですね。子どもたちが物語の世界に入り、役になりきることができる台本作りを意識しましょう。

 

ブレーメンの音楽隊

 

グリム童話の1つとして、古くから子どもたちに愛されてきた物語です。飼い主から必要とされなくなってしまった4匹の動物たちが、音楽隊になるためにブレーメンを目指します。途中で、泥棒の家を見つけた4匹は、泥棒を追い出すことに…。

動物や泥棒、飼い主の他に、ナレーションも子どもに任せることもできます。1人ずつせりふを言う場面と、数人で声をそろえてせりふを言う場面を用意すると、めりはりができるのでおすすめです。

 

発表会で気を付けること

 

発表会は、保護者の方に子どもの成長を感じてもらう行事です。しかしそれと同時に、子どもが楽しみながら練習に取り組めることや、やり遂げた達成感を感じられるというねらいも忘れてはいけません。

 

発表会前になると「本番までに完璧なものを」という思いも強くなりますが、そんなときこそ子どもの様子に注意深く気を配るようにしましょう。練習が負担になってしまう子どもや、プレッシャーを強く感じてしまう子どももいます。子どもの性格や様子に合わせた対応を心がけてくださいね。

 

まとめ

 

保育園の発表会についてご紹介いたしました。年齢や興味に合わせたテーマを考えることは、子どもたちが楽しみながら取り組める環境作りには欠かせません。まずは、普段の保育の中でどんな発達状況なのか、どんなことに興味があるのかを見極めることから始めましょう。

 

ご紹介した、年齢別のおすすめアイデアも参考にしていただけたら幸いです。本番を終えたときには、やり遂げた子どもたちを思い切り褒めてあげてくださいね。


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