2026.10.15
【2歳児】思い通りにならないと泣くのはなぜ?癇癪の原因と対応方法
2歳児クラスで毎日のように起こる癇癪。思い通りにならないと泣いてひっくり返る姿に、保育士としてどう関わればよいか悩みますよね。
この記事では、癇癪が起こる理由を発達の視点から解説します。あわせて、起きたときの対応方法や未然に防ぐ工夫、保護者への伝え方を具体的に紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
2歳児が思い通りにならないと泣くのはなぜ?

思い通りにならないと泣いて怒る癇癪は、2歳ごろの子どもによく見られる姿のひとつです。まずは、この時期に癇癪が起こりやすい理由を発達の視点から見ていきましょう。
自我が育ってきている
癇癪は、自我が育ってきたからこそ見られる成長の過程ともいえます。2歳ごろは「自分でやりたかった」「こうしたかった」という自分なりのこだわりがはっきりしてくる時期です。
自分の思いが明確になるからこそ、思い通りにいかない場面で気持ちがあふれてしまいます。
2.気持ちを言葉で伝えるのがまだ難しい
2歳ごろは話せる言葉が増える時期ですが、「本当はこうしたかった」「悔しい」など複雑な気持ちを言葉で伝える力は発達の途中です。思いをうまく言葉にできないもどかしさを、泣く・怒るという形で表現します。
3.気持ちをコントロールする力が発達の途中
普段なら平気なことでも眠さや空腹、体調や環境の変化などが影響して癇癪につながる場合もあります。気持ちを抑えたり切り替えたりするのは、この時期の子どもにはまだ難しいことです。
癇癪は背景にさまざまな要因が重なっていることを知っておくと、落ち着いて対応しやすくなりますよ。
イヤイヤ期全般の特徴や接し方のポイントは、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事▶︎魔の2歳児はいつまで続く?イヤイヤ期の子どもに接するポイントや対処法を紹介
癇癪が起きたときの対応の流れ

どんなに気をつけていても、癇癪を完全に防ぐことは難しいものです。ここでは、癇癪が起きてしまったときの対応の流れを順番に整理していきましょう。
安全を確保し、あわてず見守る
泣いてひっくり返ったり手足を激しく動かしたりしても、けがをしないように周囲を確認しおもちゃや家具から離れた安全な場所を確保します。危険がなければ、無理に泣き止ませようとせず、気持ちが出しきれるように少し見守ることも大切です。
大きな声で制止したり、その場で言い聞かせようとしたりするとかえって気持ちの高ぶりが長引いてしまうことがあります。
気持ちを受け止め、言葉で代弁する
子どもの様子が少し落ち着いてきたら、「まだ遊びたかったんだね」「自分でやりたかったんだね」と、気持ちを言葉で代弁しながら受け止めましょう。おもちゃなどで気をそらせて泣き止ませるのではなく、まずは気持ちを受け止めることが優先です。
ただし、気持ちを受け止めることは、要求をすべて受け入れることではありません。「そうだよね、やりたかったよね。でも今はお片付けの時間だよ」のように、子どもの思いに寄り添いながらも、約束や決まりは変えずに伝えることが大切です。
落ち着いたら気持ちを切り替えられるように援助する
泣き止んだら、「落ち着けたね」とそのこと自体を認める言葉がけをしましょう。自分で気持ちを立て直せた経験の積み重ねは、感情をコントロールする力の育ちにつながっていきます。
そのうえで、「お茶を飲もうか」「絵本を読もうか」など、次の行動への橋渡しをして切り替えを援助します。落ち着いた後に「さっきはどうして泣いたの」と振り返らせる必要はありません。
マイナスな気持ちを引きずらず、次の活動に向かえるようにしたいですね。
癇癪を防ぐ・減らすためにできる工夫

癇癪をすぐになくすことは難しいですが、環境や関わり方の工夫で少しずつ減らしていくことができます。ここでは、すぐに取り入れられる3つの工夫を紹介します。
1.見通しがもてる言葉がけをする
遊びの途中で突然「お片付けだよ」と言われると、子どもは気持ちの準備ができず、癇癪につながりやすくなります。「この作品ができたらお片付けね」と切り替えの前に予告するなど、見通しがもてる言葉がけを心がけましょう。
先の見通しがもてると、子どもは自分なりに心の準備ができます。急な切り替えの場面を減らすことが、癇癪の予防につながります。
2.子どもが自分で選べる場面をつくる
「赤いコップと青いコップ、どっちにする?」といった二択で、子どもが自分で選べる場面を意識的につくりましょう。「自分で決めた」という満足感は、自我を満たし、気持ちの安定につながります。
生活の中で自己決定をする機会を多く作ることで、思い通りにならない場面にも少しずつ対応できるようになるでしょう。
3.起きやすい場面を職員間で共有する
「午睡前の眠い時間に多い」「活動の切り替えの場面で起こりやすい」など、癇癪が起きやすい場面にはその子によって傾向があります。記録に残し、職員間で共有しておきましょう。
傾向がわかれば、眠くなる前に活動を切り替える、事前に個別に言葉がけをするなど、先回りして対処できます。担任1人で抱え込まず、クラス全体・園全体で対応していくことが重要です。
癇癪が激しいのは発達障害のサイン?

あまりに癇癪が激しいと、「もしかして発達障害?」と心配になることがあるかもしれません。しかし、癇癪がひどいからといって、発達障害であるとは限りません。
癇癪だけで判断することはできない
癇癪は、この時期の多くの子どもに見られる発達過程の姿です。激しさや頻度、続く期間には個人差が大きく、毎日泣いてひっくり返る子もいれば、あまり癇癪を起こさない子もいます。
だからこそ、癇癪の強さだけで発達障害と結びつけて判断することはできません。まずは「この子は今、何に困っているのか」という視点をもちながら、目の前の子どもの姿を丁寧に見ていくことが大切です。
気になる様子が続くときは1人で判断せず相談する
癇癪のほかにも、気持ちの切り替えに時間がかかる、こだわりがとても強いなど気になる様子が多い場合があるでしょう。癇癪だけに注目せず、遊びや生活全体の姿をあわせて見守ることが大切です。
気になる様子が続くときは、担任だけで判断せず、園長や主任に共有し、場合に応じて巡回相談などの専門機関につなげます。保護者に伝える際は慎重な配慮が必要になるため、伝える判断や伝え方は園の方針を確認してから対応しましょう。
保護者への伝え方のポイント

癇癪に悩んでいるのは、保育士だけではありません。家庭でも毎日の癇癪に疲れ、不安や悩みを抱えている保護者は多くいます。
ここでは、園からの伝え方・支え方のポイントを解説します。
保護者の悩みに共感し、家庭での様子を聞く
一方的なアドバイスをするのではなく、家庭ではどんな場面で癇癪が起こるのか、何に困っているのかを丁寧に聞くことが、保護者支援につながります。保護者から癇癪の相談を受けたら、まずは「お子さんと向き合っていて素敵です。毎日大変ですよね。」と保護者を肯定し、悩みに共感しましょう。
「〇〇ちゃんだけでなく、この時期のお子さんによく見られますよ」と伝えると、「うちの子だけじゃないんだ」という安心につながります。
「成長の証」であることを添えて園での対応方法を共有する
悩みに共感したうえで癇癪は自我が育ってきた証であり、成長の過程でよく見られる姿であることを伝えましょう。「順調に育っているサインですよ」という言葉が、保護者の心の支えになります。
あわせて、気持ちの代弁や見通しがもてる言葉がけなど、園で効果のあった関わり方を共有すると、保護者が家庭で実践しやすくなるでしょう。園と家庭が協力して同じ対応をすることで、子どもも落ち着いて過ごすことができます。
癇癪は成長の証。子ども気持ちに寄り添う対応を心がけよう
癇癪は自我が芽生え、自分の思いが育ってきたときに見られる姿です。「困った行動」ではなく成長の過程のひとつと捉えることで、落ち着いて対応することができます。
癇癪が起こる原因を知り、対応の流れや保護者への伝え方を保育士間で共有しておけば、普段から慌てずに行動できるでしょう。子どもの気持ちに寄り添いながら、毎日の成長をあたたかく見守っていきたいですね。












