2026.10.15
集団生活が苦手な子どもへの対応|保育士ができる援助と声かけ
保育をする中で、集団生活が苦手な子や困り感を抱えている子への対応に悩む保育者もいるのではないでしょうか。
保育者はクラス全体をまとめるだけでなく、子ども一人ひとりの気持ちや様子に目を向けることも大切です。特に集団生活が苦手な子には、なぜ困っているのかを考え、その子に合った関わり方を見つけていく必要があります。
今回は、集団生活が苦手な子どもへの対応方法について紹介します。
集団生活が苦手な子どもに見られる姿

集団生活が苦手といっても、その理由や苦手なことは一人ひとり異なります。
よく見られる姿としては、以下のようなものがあります。
- みんなと同じタイミングで行動することが難しい
- 保育者の指示を理解することが難しい
- 活動の切り替えが苦手
- いつもと違う環境が苦手
このような姿が見られた場合は、集団生活の中で困っていることがあるかもしれません。
集団生活の中で感じる不安や困り感は、子どもによってさまざまです。子どもの困りごとを把握することで、その子に合った援助や声かけを考えやすくなります。
まずは子どもの様子をよく観察し、なぜ集団生活が苦手なのかを考えてみましょう。
集団生活に参加できない子どもへの援助

集団生活が苦手な子どもへの援助で大切なことは、次の3つです。
- 見通しを持てるようにする
- 分かりやすく具体的に伝える
- 無理なく参加できるように配慮する
ここからは、集団生活が苦手な子どもに合わせた援助方法について詳しく見ていきましょう。
見通しを持てるようにする
「この後何があるのだろう」と見通しを持てないことで、不安や戸惑いを感じ、落ち着いて過ごせない場合があります。そのため、1日の流れや予定をあらかじめ伝えておくことを意識しましょう。
次に何をするのか分かっていると見通しを持ちやすくなり、安心して過ごすことにつながります。例えば、「給食の後はお昼寝をして、その後おやつを食べるよ」など、次の活動までの流れを具体的に伝えてみましょう。
また、ボードなどを使って1日の予定を示す方法もあります。自分で予定を確認できるようにしておくことで、次の活動に向けて気持ちを切り替えやすくなります。
分かりやすく具体的に伝える
集団で活動する際は、保育者が一度に多くの指示を出すことがあります。
しかし、複数の指示を理解することが難しい子は周りの友だちが動き始めても、何をすればよいのか分からず戸惑うこともあるでしょう。
その場合は一度にたくさんの指示を出すのではなく、子どもが理解しやすいよう具体的な言葉を選ぶことが必要です。
例えば、「お片付けをして、トイレに行って、並んでね」と一度に伝えるのではなく、「まずはおもちゃを片付けよう」と一つずつ伝えましょう。
また、言葉だけで伝わりにくい場合は実際に見本を見せたり、イラストや写真を使ったりするのも効果的です。
子どもが集団の中で何をすればよいのか分かるように、その子に合わせて伝え方を工夫しましょう。
無理なく参加できるように援助する
集団活動に参加したいと思っていても周りの様子を見ているだけで、自分から行動することが難しい子もいます。
そのため、保育者が一緒に活動に参加したり、個別に声をかけたりしながら子どもが安心して参加できるように援助しましょう。
初めは保育者と一緒に活動し、慣れてきたら少しずつ自分でできるようにするなど、その子の様子に合わせた関わりが大切です。
また、活動を嫌がっている子には無理に参加を促すことは避けましょう。参加が難しい場合は保育者と一緒に見学するなど、子どもが安心して過ごせる方法を考えることも必要です。
集団生活に参加しにくい子どもへの声かけ

ここでは、集団生活の中で子どもが困っている場面に合わせた声かけの例を紹介します。
活動の切り替えや指示が分からないときなど、具体的な声かけを参考にしてみてください。
活動の切り替えが難しいとき
遊びに夢中になっていると、次の活動に気持ちを切り替えることが難しい子もいます。
すぐに行動することが難しい場合は、「あと一つ遊んだらお片付けしよう」など、遊びを終えるタイミングが分かる声かけを取り入れてみましょう。
「早く片付けて」「もう終わりだよ」と急かすのではなく、子どもの気持ちを受け止めながら、次の活動へ移れるように関わることが大切です。
指示が分からず困っているとき
「ちゃんとして」「きちんと並んで」などの曖昧な言葉ではなく、「椅子に座ろう」「おもちゃを箱に入れよう」など、具体的な行動を端的に伝えます。
それでも行動することが難しいときは「先生と一緒にやってみよう」と声をかけたり、保育者が実際にやって見せたりする方法もあります。子どもの様子を見ながら、分かりやすい伝え方を選びましょう。
いつもと違う活動を嫌がるとき
行事や避難訓練など、普段とは違う活動を嫌がる子には「今日は○○をするよ」など、安心できるような声をかけましょう。
初めての活動に不安を感じている場合は「先生が一緒にいるから大丈夫だよ」など、保育者がそばにいることを伝えます。
それでも不安が強い場合は無理に参加を促すのではなく、保育者と一緒に見学するなど、その子が無理なく活動に関われる方法を考えましょう。
友だちとの関わりが難しいとき
友だちと遊びたい気持ちはあっても、声のかけ方が分からず関わることが難しい子もいます。
そのようなときには「一緒に入れてって言ってみようか」など、友だちとの関わり方を具体的に伝えてみましょう。保育者が言葉を示すことで、友だちに声をかけるきっかけを作りやすくなります。
無理に友だちと関わることを求めるのではなく、子どもの様子を見ながら必要に応じて言葉を補うなど、その子に合った声かけを意識することが大切です。
避けたい保育者の関わり

保育者の関わり方によって、子どもの安心感や集団生活への参加のしやすさにも違いが出ます。特に、次のような関わりは避けるようにしましょう。
- 他の子どもと比較する
- 集団活動に参加できないことを責めたり、叱ったりする
- 子どもの気持ちを聞かずに急かす
このような関わりは、子どもの自信を損ねたり、集団生活への不安を強くしたりする場合があります。
クラス全体をまとめなければならないという責任感から、子どもを早く活動に参加させようとしたり、周りの子と同じように行動することを求めたりすることもあるかもしれません。そのような場合でも、子どもの気持ちを置き去りにせず、安心して気持ちを表現できるような関わりを心がけましょう。
まとめ

集団生活が苦手な子どもへの対応は、難しいと感じることもあるかもしれません。しかし、子どもが安心して園生活を送るためには、大切な関わりの一つです。
まずは、子どもの様子をよく観察し、何に困っているのかを理解しましょう。子どもを理解するためには、普段からの関わりや声かけを通して、信頼関係を築いていくことも大切です。
今回紹介した援助や声かけを参考にしながら、子ども一人ひとりに合った関わり方を考えてみてください。












