2026.08.21
保護者の気持ちに寄り添うには?保育士に求められる対応ポイントを解説
毎日の送迎や連絡帳のやりとりの中で、保護者との関わり方に悩む保育士の方は多いのではないでしょうか。時と場合により「保護者にどんな言葉をかければいいのだろう…」と保護者対応に迷いますよね
この記事では、保護者との信頼関係の築きかたについて具体的にご紹介します。保護者が保育士に求めていることや、保育士に求められる具体的な対応方法も解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
保育士が保護者の気持ちに寄り添うことが大切な理由

保護者対応と聞くと「対応を評価されている気がして緊張する」という保育士の方もいるかもしれません。しかし、保護者対応の1番の目的は保護者との信頼関係を築くことです。
ここでは、保育士が保護者の気持ちに寄り添うことが重要な理由を、3つの視点から見ていきましょう。
1.保護者との信頼関係が保育の土台になるため
保護者が「悩みを相談しやすい」と感じられる関係があると、家庭での子どもの様子や体調の変化など、保育に必要な情報の共有がスムーズになります。園と家庭それぞれの情報がつながることで、子ども一人一人に合った関わりができるようになるでしょう。
信頼関係は、一気に築かれるものではありません。朝のあいさつや連絡帳のやりとりなど、日々の積み重ねの中で育っていくものです。
毎日の何気ない関わりこそ、保育の土台づくりになるでしょう。
2.保護者の不安が和らぎ、子育てに前向きになれるため
子育て中の保護者は、さまざまな不安を抱えています。「自分の気持ちをわかってくれる人がいる」と感じられるだけで、保護者の不安は和らぎます。
気持ちが軽くなると、家庭での子どもとの関わりにも余裕が生まれるでしょう。保育士が保護者の気持ちに寄り添うことは、家庭での親子の時間を持つことにもつながっています。
3.子どもの健やかな育ちにつながるため
園と家庭が同じ方向を向いて子どもに接していると、子どもは「自分が大切にされている」と感じ、安心して過ごすことができます。大人同士の信頼関係は、子どもにとっての安心になるでしょう。
保育所保育指針の解説においても、子育て支援の章で「保護者と連携し、『子どもの育ちを支える』という視点をもち、保護者とともに子どもの成長の喜びを共有すること」の大切さが示されています。保護者支援は、子どもの育ちを支えるこ保育士の大切な役割です。
参考:保育所保育指針解説 (平成 30 年2月 厚生労働省)
保護者が保育士に求めていること

保護者の置かれている状況は家庭によってさまざまです。「仕事と育児の両立に奮闘している」「初めての子育てで戸惑いが多い」「周囲に頼れる人が少ない…」など、抱えている不安や悩みも、一人一人違います。
ここでは多くの保護者が「保育士に求めていること」をご紹介します。
話を聴いてほしい
保護者は子育ての「正解」を教えてほしいのではなく、自分の話を受け止めてほしいと感じていることが多いです。話を聴いてもらえたという実感があると、気持ちが整理されて軽くなることもあります。
反対に、話の途中でさえぎられたり、すぐに答えを出されたりすると「わかってもらえなかった」という気持ちが残りやすくなります。保護者を思って伝えた言葉でも、タイミングによっては届きにくい場合も少なくありません。
気持ちを否定せず、受け止めてほしい
不安な気持ちをそのまま受け止めてもらえると、保護者は「どんなことも相談していいんだ」と感じることができます。保護者にとって気持ちを受け止めてもらえることが、安心につながるでしょう。
一方で、「そんなことで悩まなくても大丈夫ですよ」など、励ましたつもりの言葉も、受け取り方によっては「悩みを軽く扱われた」と否定に感じられる場合があります。励ましの言葉ひとつにも、丁寧な言葉選びが必要です。
一方的なアドバイスより「一緒に考える」姿勢がうれしい
専門的なアドバイスを一方的に伝えられると「家庭のやり方を否定された」と感じさせてしまう場合があります。保育士の伝え方や姿勢が保護者の受け取り方を左右することもあるでしょう。
「おうちではどうですか?」と家庭の様子を聞きながら、その家庭に合った方法を一緒に考える姿勢が、保護者の安心と信頼につながります。
子どもの小さな成長を一緒に喜んでほしい
保護者は、子どものことを気にかけてもらえていると感じられる瞬間が嬉しいものです。ささいなことでも「ちゃんと見ていてくれた」という実感は、保育士への信頼を深めます。
「今日はこんな姿がありましたよ」と園での様子を聞く時間は、日中の子どもの姿を見られない保護者にとって大きな安心になります。成長を一緒に喜んでくれる存在は、保護者にとって何より心強いでしょう。
【保育士目線】保護者の気持ちに寄り添う4つの対応ポイント

ここからは、「保護者が求めていること」に応えるために、保育士として意識したい対応ポイントを解説します。明日からの保護者対応に取り入れてみてくださいね。
1.「話す」前に「聴く」
相談を受けると、つい「すぐに役立つアドバイスをしなくては」と話したくなりますよね。しかし、大切にしたいのは、家庭の状況や保護者の思いを最後まで聴くことです。
話を聴くなかで、保護者が本当に伝えたいことが見えてくることも多くあるでしょう。聴くときは相づちやうなずきを意識して、話を聴いていることが伝わるようにしましょう。
「それからどうされたんですか?」と続きを促す言葉も、保護者が話し続けられるきっかけになります。
2.気持ちを言葉にして受け止める
話を聴いて保護者の不安やストレスの背景が見えてくると、その気持ちに寄り添うことができます。気持ちを言葉にして返すことを意識してみましょう。
たとえば「そうだったんですね。大変でしたね」という受け止めの言葉や、「毎日お忙しいのに、お子さんのことをよく見ていて素敵です」という労いの言葉です。自分の気持ちを言葉で受け止めてもらえたと感じられると、保護者の安心感は深まります。
3.一緒に育てるパートナーとしての姿勢を大切にする
保育士は、保護者に育児を「教える」立場ではなく、子どもを一緒に育てるパートナーです。この意識を持つと、言葉の選び方や伝え方は変わります。
アドバイスを伝えるときは、一方的な押し付けにならないよう「園ではこんな方法を試していますよ」と選択肢の一つとして伝えるのがおすすめです。取り入れるかどうかを保護者自身が選べる形にすることで、家庭のやり方を尊重しながら提案することができます。
4.子どもの成長の喜びを分かち合う
園での成長と家庭での成長を日頃から共有し合い、一緒に喜べる関係をつくっていきましょう。喜びを分かち合った経験の積み重ねが、「先生に子どもの成長を話したい」という信頼につながります。
お迎えのときの「今日、初めて鉄棒にぶら下がれたんですよ」などというひと言や、連絡帳でのエピソードなど、日常のやりとりは子どもの成長を喜びを分かち合うことができるでしょう。子どもの何気ない姿も成長を感じられる瞬間があるので、大切にしていきたいですね。
【場面別】保護者の気持ちに寄り添う対応例

寄り添う姿勢が大切だとわかっていても、実際の場面では迷うこともありますよね。ここでは、保護者対応でよくある場面別に言葉がけや対応のポイントをご紹介します。
登園・降園時のやりとり
忙しい朝の登園時は、保護者も時間に追われています。長話は避けて「お預かりしますね。いってらっしゃい」と要点を短く、笑顔で送り出すことを意識しましょう。伝達事項があるときも、ひと言で簡潔に伝えられるとよいですね。
一方で、お迎えの時間は少し余裕があることが多いため、「今日は砂場でお友だちとごちそうを作っていましたよ」など、その日のエピソードをひとつ添えるのがおすすめです。時間帯に合わせて関わり方を変えることで、保護者の負担にならずにコミュニケーションをとることができます。
連絡帳でのやりとり
連絡帳に家庭からの相談や不安が書かれていたときは、園の様子をすぐに伝えるのではなく、「教えてくださってありがとうございます。心配でしたね」と受け止めの言葉を返してから、園での姿を伝えるようにしましょう。受け止めがあると、同じ内容でも印象が大きく変わります。
また、文字だけのやりとりは、表情や声のトーンが伝わらないぶん、冷たく感じられやすいので、「〜してください」ではなく「〜していただけるとうれしいです」など、やわらかい表現を心がけると良いでしょう。
相談を受けたとき
保護者から改まった相談を受けたときは、送迎時の立ち話で済ませず、落ち着いて話せる時間や場所を用意しましょう。「大切なお話なので、ゆっくりお時間をとらせてください」と伝えることで、真剣に向き合う姿勢として保護者に伝わります。
また、相談の内容によっては、クラス担任1人で抱え込まないことも大切です。主任や園長とも情報を共有し、園全体で連携しながら対応することで、保護者にとってもより安心できるサポートにつながります。
保護者一人一人の気持ちに寄り添い、信頼関係を築いていこう(まとめ)
保護者の抱える不安や悩みは、仕事の状況や家族構成など、家庭の状況によってさまざまです。話を聴いたり受け止めたり等、保護者に寄り添うことで信頼関係が築かれ、子どもの健やかな育ちにつながっていきます。
「園での子どもの成長」や「家庭での子どもの成長」を普段から共有し、一緒に喜べる関係を作るように心がけてみてくださいね。












