2026.04.22
【例文あり】保育実習の指導案の書き方|基本構成・書き方NG例をわかりやすく解説
保育実習では、「指導案」の作成と提出が求められます。指導案は、実習生が担当する保育の内容や進め方を示し、実習先の保育士から指導を受けるための書類です。記載された内容から、保育の見通しや子どもへの関わりが確認されます。
本記事では、指導案の基本的な構成や作成の流れ、項目ごとの書き方を整理するとともに、実際に使える例文や見直しの視点を具体的に解説します。
保育実習の指導案とは

保育実習では、担当する保育の内容や進め方をまとめた「指導案」を作成します。
指導案の役割
指導案は、実習生が担当する保育の内容や進め方を事前に整理し、保育の進め方を明確にするための書類です。ねらい、活動の流れ、子どもの姿、保育士の関わりをまとめることで、実習生自身が保育の進め方を把握できます。作成した指導案は実習先の保育士に提出し、内容の修正を受けながら実習を進めます。
実習評価との関わり
指導案は、実習での評価対象の一つです。ねらいと活動内容が対応しているか、子どもの姿が具体的に想定されているか、保育士の関わりが場面に応じて書かれているか、などが確認されます。担当保育士から修正の指示があった場合は、その対応の過程も含めて実習の評価に反映されます。
保育実習で使う指導案の種類

保育実習では、担当する範囲や目的に応じて複数の指導案を作成します。
部分実習・責任実習の違い
指導案は、担当する範囲や役割に応じて区分されます。部分実習の指導案は朝の会や製作、運動など特定の活動を対象とし、その場面の進め方や関わりを整理します。責任実習の指導案は、実習生が1日の保育全体を担当することを前提に「日案」を作成し、生活の流れと活動のつながりを含めて構成します。
実習でよく使われる指導案の形式
指導案は、ねらい、活動内容、子どもの姿、保育士の関わりなどの項目で構成されます。基本的な項目は共通していますが、フォーマットは実習先の園によって異なりますので、指示にしたがって作成します。
保育実習の指導案の書き方と作成の流れ
指導案は、項目ごとに分けて考えるのではなく、順番に組み立てることで内容のつながりが明確になります。ここでは、指導案を作成する際の基本的な流れを整理します。
指導案を作成するタイミング
指導案は、実習に行く前にすべて完璧に完成させる必要はありません。実習前にやりたい遊びや大まかな流れを計画し、実施の数日前までにクラスの子どもたちを観察し、実際の発達状況に合わせて内容を細かく修正します。 もし観察する時間が十分に取れない場合は、担任の先生に「今、子どもたちの間で流行っている遊びは何ですか?」「配慮が必要な子はいますか?」と事前に聞き取りをした内容を反映させます。
活動の目的を整理する
まず、どのような保育を行うのか目的を整理します。子どもにどのような経験をさせるのか、どのような場面を設定するのかを具体的に決めます。
ねらいを設定する
活動の目的をもとに、ねらいを設
定します。ねらいは、子どもにどのような姿を期待するのかを示すものです。活動内容と対応する形で設定し、具体的な行動や様子がイメージできる表現でまとめます。
活動内容を組み立てる
活動の流れを、導入・展開・まとめの順で組み立てます。導入では活動への関心を引き出し、展開では中心となる活動を行い、まとめでは活動を振り返る場面を設定します。 また、子どもたちの集中力が維持できるよう、時間配分についても考慮します。各工程の目安時間を記入しておくと、全体の見通しが立ちやすくなります。
環境設定を考える
活動に必要な物品や保育室の配置を整理します。使用する教材や道具の準備、子どもの動線や安全面を含めて設定します。活動が円滑に進むように、事前に環境を整えます。
予想される子どもの姿を書く
活動の中で想定される子どもの姿を具体的に書きます。どのような反応や行動が見られるかを整理し、個人差も踏まえて複数の場面を想定します。活動内容と対応させて書くことで、関わり方を考えやすくなります。
保育士の援助・配慮を整理する
子どもの姿に応じた関わり方を整理します。困っている子どもへの対応や、活動を広げるための声かけなど、場面ごとの援助を具体的に書きます。子どもの姿と対応する形で整理します。
全体の整合性を確認する
最後に、ねらいと活動内容、子どもの姿、援助の内容が対応しているかを確認します。流れに無理がないか、抜けている場面がないかを見直し、必要に応じて修正します。
副案を準備する
天候や子どもの体調や人数の変化、活動への参加状況によっては、予定通りの内容で実施できない場合もあります。そのようなときに備えて「副案」を作成しましょう。 副案は、主活動と同じねらいを保ちながら、内容や進め方を変更したものを用意します。例えば屋外での運動遊びを予定している場合は、室内で同様の動きができる活動に置き換えるなど、環境や状況に応じて対応できる内容にします。 あらかじめ副案を考えておくことで、実習中に状況が変わった場合でも、保育の流れを崩さずに対応できます。
【項目別】指導案の書き方とポイント

指導案は、項目ごとに内容を整理して記載します。ここでは、3歳児クラスで「魚の形の画用紙に、ちぎった折り紙をウロコに見立てて貼る製作」を例に、各項目の書き方と例文を示します。
「ねらい」の書き方
ねらいは、活動を通して子どもにどのような姿を期待するのかを示す項目です。活動内容と対応する形で設定し、子どもの行動や様子がわかる表現でまとめます。
【例文】
- 指先を使って紙をちぎる感触を楽しむ
- のりを使って、ちぎった紙を魚の形の画用紙に貼ることを喜ぶ
「活動内容」の書き方
活動内容は、製作から遊びまでのつながりを意識して、導入・展開・まとめの流れに沿って具体的に書きます。
【例文】
- 導入:魚の見本を見せながら、これから折り紙をちぎって、魚にウロコをつけてあげることを伝える
- 展開:好きな色の折り紙を選んでちぎり、魚の形の画用紙にのりで貼っていく。魚の口にテープでクリップをつける。割り箸に毛糸を結びつけ、毛糸の先端にテープでマグネットを貼り付けた「釣り竿」を作る
- まとめ:完成した魚をたらいに入れ、釣り竿のマグネットにクリップがつくように動かす「釣りごっこ」を、保育士や友達と一緒に楽しむ
「環境設定」の書き方
環境設定は、活動に必要な準備と配置を具体的に書きます。製作と遊びの両方を行うため、場面の切り替えも含めて整理します。
【例】
- 子どもを3〜4人程度のグループに分け、それぞれの机で集中して活動できる環境を整える
- 魚の形の台紙、シール、クレヨンを人数分準備し、活動直前にスムーズに配布できるよう整理しておく
- 製作後、スムーズに釣りごっこへ移行できるよう、教室の中央にたらいを配置し、子ども同士の動線が重ならないようにする
- 保育士は全体を見渡し、援助が必要な子がいたら近くで様子を見守る
「子ども」の姿の書き方
子どもの姿は、活動の中で想定される行動や反応を具体的に書きます。製作場面と遊びの場面の両方を想定し、複数の姿を整理します。
【例】
- 指先を使って、折り紙を細かくちぎろうとする
- ちぎった紙にのりをつけ、魚の形の画用紙の好きな場所に貼る
- 完成した魚を手に取り、うれしそうに保育士や友達に見せる
「援助・配慮」の書き方
援助・配慮は、子どもの姿に対応する形で具体的に書きます。場面ごとの関わりを明確にします。
【例】
- 紙をちぎるのが難しい子には、端に少し切り込みを入れてちぎりやすくする
- のりを一度にたくさんつけすぎてしまう子には、「指の先に少しずつつけてみようね」と適量を伝える
- 魚の形の画用紙からはみ出して貼る子がいても、その子の表現として認め、無理に直さない
年齢別に見る指導案の考え方

指導案は、子どもの発達に応じて活動内容や関わり方が変わります。年齢ごとの特徴を踏まえることで、ねらいと活動の設定が具体的になります。
0〜2歳児の指導案のポイント
0〜2歳児の指導案では、生活や遊びの中で安心して過ごせることを前提にします。ねらいは、「感じる」「触れる」などの経験に関わる内容です。活動内容は、手順を細かく設定せずに、子どもの反応に応じて柔軟に対応できる構成にします。援助は、子どもたちが安心して取り組めるように、近くで見守りながら必要に応じて関わる形をとります。
3〜5歳児の指導案のポイント
3〜5歳児の指導案では、活動の流れや遊びのルールを取り入れながら構成します。ねらいは「参加する」「関わる」「やりとりする」など、行動や関係性に関わる内容です。活動内容は、導入・展開・まとめの流れを明確にし、子どもが見通しを持って取り組めるような形が望ましいです。子どもの姿は、活動に主体的に関わる様子や、友達との関わりを中心に想定します。援助では、活動を進めるための声かけや、関わりを広げるための働きかけを行います。
具体的な指導案の例文

ここでは、指導案の各項目のつながりがわかるよう、具体例を挙げていきます。
例:1歳児・製作活動の指導案
台紙にシールを貼って花びらをつけ、「お花のカード」を作る活動の例です。
■ねらい
・丸いシールをつまんで貼ることを通して、手や指を使う
・シールを貼ることで花の形になることに気づく
■活動内容
・導入:完成した花の見本を見せながら、「シールを貼って花びらを作る」ことを伝える
・展開:花の中心が描かれた台紙を一人ひとりに配る 丸いシールを受け取り、花の中心のまわりに貼る 貼ったシールを指で押さえて定着させる
・まとめ:貼り終えた子どもから順に活動を終え、台紙とシールを片付ける
■環境設定
・子どもを3〜4人程度のグループに分け、それぞれの机で同時に活動できるようにする
・花の中心が描かれた台紙と丸いシールを人数分準備する
・シールは誤飲を防ぐため大きめのものを用意し、使用する分だけ机に出す
・保育士が子どもの手元近くに座り、すぐに援助できるようにする
■予想される子どもの姿
・丸いシールをつまんで台紙に貼ろうとする
・シールをはがすことが難しく、保育士に手を差し出す
・花の中心のまわりだけでなく、台紙の外側にも貼る
・同じ場所に重ねて貼る
・貼ったシールを指で押さえる
■援助
・シールをはがすことが難しい子どもには、端をめくって持ちやすくして渡す
・貼る位置がわかりにくい子どもには、花の中心のまわりを指さして示す
・台紙の外に貼る子どもには、貼る位置を具体的に示す
・手が止まった子どもには、保育士が一緒に1枚貼りながら進め方を伝える
■配慮
・誤飲を防ぐため、小さすぎるシールは使用しない
・活動時間が長くなりすぎないようにし、貼り終えた子どもから順に終えられるようにする
・席を離れた場合は無理に戻さず、様子を見ながら再度誘う
例:4歳児・運動遊びの指導案
4歳児クラスで、コーンやフープを使ったコースを順に進みながら体を動かして遊ぶ活動の例です。
■ねらい
・コースに沿って走る、くぐるなどの動きを通して、体を動かす
・順番を守ってコースに入り、繰り返し遊ぶ
■活動内容
・導入:コースの内容を示しながら、走る・くぐるなどの動き方を伝える
・展開:コーンの間を走る、置いてあるフープを持ち上げてくぐる、などの動きを順に行う 1人ずつコースに入り、最後まで進む 繰り返しコースに入り、同じ動きを行う
・まとめ:活動を終え、使った用具を片付ける
■環境設定
・衝突や転倒を防ぐため、ホールや園庭の障害物を取り除き、安全に体を動かせる広いスペースを確保する
・コーンやフープを等間隔に配置し、子どもが迷わず進めるよう、矢印などでコースの進行方向を視覚的に示す
・「待つ場所」にビニールテープで印をつけるなど、子どもが自分で順番を意識して並べる工夫をする
・保育士は、衝突が起きやすいコースの曲がり角や、フープをくぐる場所など、安全確認が必要なポイントに立つ
■予想される子どもの姿
・コースに沿って走ったりくぐったりしながら体を動かす
・繰り返しコースに入り、同じ動きを続ける
・順番を待てず、前に出ようとする
・動き方がわからず立ち止まる
■援助
・動き方がわからない子どもには、保育士が見本を示しながら一緒に行う
・順番を待てない子どもには、並ぶ位置を示して順序を伝える
・立ち止まる子どもには、次の動きを言葉で伝える
■配慮
・衝突や転倒を防ぐため、十分な間隔を確保する
・子どもの動きに合わせてコースの難易度を調整する ・無理に参加させず、様子を見ながら関わる
指導案で確認されるポイントと見直しの視点
指導案は、ねらいと活動の対応や記述の具体性が整っているかが確認されます。ここでは、見直しの際に確認したい視点を、例とあわせて整理します。
ねらいと活動が対応しているか
【NG例】
・ねらい:友達と関わりながら遊ぶ
・活動:コースを走る、フープをくぐる
【問題点】
活動の中に「友達と関わる」場面が位置づいておらず、ねらいと内容が対応していません。
【修正例】
・ねらい:順番を守ってコースに入り、繰り返し遊ぶ
・活動:1人ずつコースに入り、順番に進む
活動内容が具体的に書かれているか
【NG例】
・展開:コース遊びをする
【問題点】
何をどの順番で行うのかがわからず、活動の流れがイメージできません。
【修正例】
・展開:コーンの間を走る、フープをくぐるなどの動きを順に行う 1人ずつコースに入り、最後まで進む
子どもの姿が具体的に書かれているか
【NG例】
・楽しく活動する
【問題点】
どのような様子かわからず、場面が具体的にイメージできません。
【修正例】
・コースに沿って走ったりくぐったりしながら体を動かす
・順番を待てず、前に出ようとする
援助が子どもの姿と対応しているか
【NG例】
・必要に応じて声をかける
【問題点】
どの場面でどのように関わるのかがわからず、具体性がありません。
【修正例】
・順番を待てない子どもには、並ぶ位置を示して順序を伝える
・動き方がわからない子どもには、見本を示しながら一緒に行う
導入が活動につながっているか
【NG例】
・導入:体操をする
【問題点】
その後のコース活動とのつながりが示されておらず、活動の見通しが持ちにくくなっています。
【修正例】
・導入:コースの内容を示しながら、走る・くぐる動きを伝える
まとめが活動と対応しているか
【NG例】
・まとめ:コース遊びを行う
【問題点】
展開と同じ内容になっており、活動の区切りが整理されていません。
【修正例】
・まとめ:活動を終え、使った用具を片付ける
安全面の配慮が具体的に書かれているか
【NG例】
・安全に配慮する
【問題点】
どのように安全を確保するのかが示されていません。
【修正例】
・衝突や転倒を防ぐため、コースの間隔を十分に空ける
個人情報を記載していないか
【NG例】
ハサミが苦手な〇〇くんには声をかけ、一緒にハサミを持って切る
【問題点】
指導案は特定の個人への報告書ではなく、クラス全体を視野に入れた「計画」です。また、園外へ持ち出す可能性のある書類において、個人名(苗字・名前・愛称)を記載することはプライバシー保護の観点から厳禁です。特定の子を想定する場合でも、その子の「状態」を記述するようにします。
【修正例】
ハサミの扱いに慣れていない子には、保育士が側で見守り、必要に応じて手を添えて一緒に切る
指導案の作成に関するよくある質問
指導案の作成にあたって、実習生からよくある質問をまとめます。
Q.指導案は必ず作成する必要がありますか
A.はい、実習で保育を担当する場合は指導案の作成が必要です。部分実習や責任実習では提出が求められます。
Q.指導案は自分で一から考えないといけませんか
A.はい、基本は自分で作成します。ただし、実習先の保育士から内容の修正を受けながら完成させます。
Q.指導案はどのタイミングで提出しますか
A.実習先の指示に従います。多くの場合は、実施日の数日前までに提出します。
Q. 指導案の書き方に決まりはありますか
A. はい、園ごとに指定されたフォーマットに沿って作成します。項目や記入方法は園によって異なります。
Q.ねらいが思いつかない場合はどうすれば良いですか
A.活動内容を先に決め、その活動で子どもが何をするかを整理して設定します。
Q.子どもの姿はどこまで書けば良いですか
A.活動中に見られる行動を想定して、具体的に書きます。抽象的な表現ではなく、実際の様子がわかる内容にします。
Q.援助と配慮は分けて書く必要がありますか
A.はい、分けて書きます。援助は関わり方、配慮は事前の安全や環境への対応です。
Q.指導案はそのまま実施しないといけませんか
A.いいえ、子どもの様子に応じて内容を調整します。ただし、大きく変更する場合は担当保育士に確認します。
Q.指導案は評価に影響しますか
A.はい、評価の対象です。内容の整合性や修正への対応も含めて確認されます。
まとめ
保育実習の指導案は、ねらい・活動内容・子どもの姿・援助を対応させて記載し、保育の進め方を具体的に整理する書類です 子どもの動きや反応を想定し、それに応じた関わりをあらかじめ整理しておくことで、実習中の保育の流れが明確になります。 指導案は作成して終わりではなく、実習の中で見直しながら内容を調整していくものです。子どもの姿と対応関係をもとに整理することが、保育の理解につながります。 保育実習を通して、多くの経験ができます。ライクキッズが首都圏を中心に150園以上運営している「にじいろ保育園」では、保育実習を受け付けています。保育実習を通して、たくさんの大切なことを学んでみましょう!












