保育のひきだし こどもの可能性を引き出すアイデア集保育のひきだし こどもの可能性を引き出すアイデア集

まなびのひきだし

2015.05.11

08.目的を見出して協力する活動

むっちゃん先生と学ぼう
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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「目的を見出して協力する活動」です。「協同的な学び」について学びましょう。

■子ども同士の人間関係は互いに仲良くしていくとともに、一緒の目的を見出して、協力することへと発展していきます。協力できるようにすることが幼児教育の大事な狙いになります。その幼児期の終わりでの姿は年長の後半あたりに想定されます。子どものグループが一緒にやる事柄をイメージして、それを何日も掛けて協力しながら実現していきます。例えば、園の祭りの出し物で「お化け屋敷」を出すとか、劇をするとかです。
そのような協力する関係はいきなり育つわけではありません。まずは、人間関係の基本が育つ必要があります。子ども同士の情緒的な関係が成立し、お互いに安心していられ、そこから互いに真似し合い、一緒にいる心地よさを感じるようになります。

■ものとの関わりの中で、共に同じものに関わりつつ一緒だという感覚を得ることも出てきます。そのものに関わり活動が始まると、自ずとそこに協力・分担が芽生えます。活動を共に作り出すようになります。
子どもたちは互いに相手と認め合える楽しさが分かってきます。相手の独自なところを見て取り、お互いの良さを認め合います。自分を分かってもらえ、相手の素敵なところを見つけるようになるでしょう。それがつまりは、親しい関係を経験するということです。一時的であれ仲間となる活動をして、また翌日出会えることを楽しみにするようになると、仲良しだと感じることにもなります。友情が芽生えるのです。
大好き以外でもいろいろな付き合いが出来ることも増えていきます。異年齢で憧れたり世話したりすることもあるでしょう。相手に合わせて振る舞うことを分かっていきます。

■そうなると、協同性に向けて本格的な育ちが始まります。その中核には、気持の調整力の育ちがあります。それぞれがやりたいことがあり、互いに自分の思いを主張します。そこでの衝突から、思いや考えの違いに気付きます。でも仲良く遊びたい。そこで、妥協策を工夫することも出てくるかも知れません。気持を整え、辛抱強く取組み、また再挑戦することもあるでしょう。自分の気持ちを整えることが相手への配慮につながり、さらに共同することへの意欲を作り出すのです。

■遊びの中でルールを作り出すことも大事な意味があります。ルールを守る方が面白い・便利と思える。そうすると、ルールを守る中で、力を出す工夫が出来ることが分かってきます。ルールが邪魔になるのではなく、そのルールを生かして活動した方が面白いと分かります。次第に、目当てを持って活動し、その目当てとの関係で努力しようとするようになります。

■そこから、協同的関係が生まれ育っていきます。一緒になって何か一つのことをやり始めることでしょう。目の前のことから思いついて、こういうことをやろうと一緒に始め、互いに協力して進めます。別な子どもはかたわらで活動全体を見て、意見を述べることもあります。それぞれがやってみたいことが願いとしてハッキリとし、さらにそれが共通の願いとして成立していきます。その願いが次第に実現したい具体的な目的に広がることを経験するようになります。

■その一方で、大きな集団で動く楽しさを感じることが進みます。大集団での同じ動きを楽しむことから、大きな集団での役割などの分化で、遊びが面白くなることが分かるようになります。大きな集団により、一人では出来ないことが出来るようになることを発見します。そこから、先の目的のイメージの共有化と追究の相互的関係へと育っていき、協力する関係になるのです。
なお、その際、共同の目的をイメージし、実現しようとすることが特に大事な点です。目の前にない先のことをイメージして、具体化し、目的として共有し、志向することです。目的に照らして作業を考え、分担して進めることになります。その時、途中の障害に出会い工夫することも生まれるでしょう。意見の対立を話し合い、目的に向けて折り合いをつけることもあります。作業の進行から目的を具体化し、時に改変することでしょう。目的に向けて粘り強く取り組み、最後には、長い時間の努力の実現の成果を喜び合うことになります。


■こういった最後の段階の活動を特に「協同的な学び」と呼ぶことがあります。なおその実現に向けては、活動の中で随時、振り返って話し合い、記録とすることが支援として役立ちます。子どもたちが振り返りに基づいて目的について討議し、イメージを具体化します。また例えば、目的に至る過程を手順として図示したり、目的が実現していくところから反省を行うことが活動を高めます。つまり、ドキュメンテーション(記録)による協同的な活動を構築することを保育者は支援の核としていくのです。

 

いかがでしたか?次回のテーマは、「環境」を予定しています。それではまた来月

 


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