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保育士のひきだし

2020.09.08

保育園で働く保育士の勤務時間は?シフト制や時短勤務・長時間労働を避ける方法も紹介

保育園では多様な勤務形態で働く保育士が増えています。そこで、この記事では保育士のシフト制や時短勤務などのさまざまな勤務パターン・勤務時間についてご紹介いたします。また、長時間労働を避ける具体的な方法についても一緒に考えていきましょう。

保育士の基本的な勤務時間の一例

保育士は一般職と比べて勤務時間の変動が多い仕事です。勤務先や勤務形態によっても始業開始時刻や退勤時刻も変わるため、就職の際には事前の下調べが必要です。ここでは、保育士の勤務モデルの例をご紹介いたします。

基本的な勤務時間は8時間

労働基準法第32条によると、使用者(雇用主)は使用者を1日に8時間、1週間に40時間以上働かせてはならないと定められています。一方、全国保育協議会の調査では正規保育士の実働時間は「週 40 時間~50 時間未満」が最も多く、全体の55.3%という結果でした。

つまり、保育士は基本的な勤務時間(18時間)に加えて、12時間の残業がプラスされることが多いということです。近年は深刻な保育士不足のため、長時間労働が強いられる保育士も少なくありません。

【参考】

厚生労働省「労働時間・休日に関する主な制度

全国保育協議会 会員の実態調査報告書 2016

時間帯はシフトによって変動

保育士の出勤時刻、退勤時刻はシフトによって変動します。閉園時間が早い保育園では、シフトが早番・遅番の2つに分かれており、閉園時間が遅い保育園ではシフトが早番・中番・遅番3つに分かれています。それぞれの基本的な勤務時刻は次の通りです。

  • 早番…7:0016:00
  • 中番…9:0016:00
  • 遅番…11:0020:00

それぞれの1日のスケジュールモデルをチェックしていきましょう。

早番

中番

遅番

7:00

・出勤

・開園準備

・早朝保育

 

8:00

・順次園児の受け入れ

・検温・視診

 

9:00

 ・自由遊び

・出勤

・子どもの受け入れ

・保護者対応

 

10:00

・朝の会

・朝のおやつ

・散歩

・主活動

・朝の会

・朝のおやつ

・散歩

・主活動

11:00

・昼食準備

・配膳、食事の援助

・片付け

・昼食準備 

・配膳、食事の援助

・片付け

・出勤

・昼食準備

・配膳、食事の援助

・片付け

12:00~14:30

・お昼寝の援助

・連絡帳や日誌などの事務作業 

・お昼寝の援助

・連絡帳や日誌などの事務作業 

・お昼寝の援助

・連絡帳や日誌などの事務作業 

15:00

・オムツ替え

・検温

・おやつの準備・援助・片付け

・オムツ替え

・検温

・おやつの準備・援助・片付け

・オムツ替え

・検温

・おやつの準備・援助・片付け

16:00

・自由遊び 

・帰りの会

・退勤

・自由遊び 

・帰りの会

・自由遊び 

・帰りの会

17:00~20:00

・延長保育

18:00に退勤

・延長保育

20:00に退勤

もちろん、上記のスケジュールは目安のため、保育園によって若干時間が異なります。シフトの時間が以下のように設定されている保育園もあるでしょう。

  • 早番…6:3015:307:3016:30
  • 中番…8:0017:00
  • 遅番…10:0019:0012:0021:00

中には、上記以外に細かいシフトが設けられている保育園も少なくありません。また、保護者の就労状況で夜間の保育が難しい場合に子どもを預かる夜間保育では夜勤が中心になります。近年は保育も多様化しているため、自分の生活スタイルに合った働き方を選ぶのがおすすめです。

休憩時間は基本的に1時間程度

労働基準法34条によると、使用者(雇用主)は労働者が6時間以上勤務する場合は45分以上、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を与えることが義務付けられています。つまり、保育士の勤務時間は810時間が多いため、基本的に11時間以上の休憩をとることになります。

しかし、保育の現場では休憩時間中に保育以外の作業をあてることが多々あります。休憩時間は子どもの午睡中に取ることが多いのですが、その時間は日誌や週案、連絡帳の記入などの事務作業に取り組まなければならない保育士がほとんどではないでしょうか?上司に休むように声をかけられても、「周りの保育士が休憩なしで働いているから休憩を取りづらい」「担当のクラスの子どもが泣きだして休憩できない」という理由で休めずにいる保育士もいます。

しかし、体力仕事が多く勤務時間の長い保育士には休憩が必要です。実際、労働基準法では「休憩中は業務から離れられること」が労働者の権利であり、休憩時間が業務でつぶれてしまった場合、会社(保育園)は別途休憩を与えなければならないと定められています。休憩をとらず働き続けてしまうと、集中力が落ちたり、体力が回復できないという問題点も出てくるでしょう。どうしても休憩時間が取りづらい場合は、上司や相談機関に相談してみましょう。

【参考】厚生労働省「労働時間・休憩・休日関係」

残業は月45時間程度

厚生労働省による「平成30年賃金構造基本統計調査」では、保育士の残業時間が月45時間という結果が発表されました。「平成25年労働時間等総合実態調査」によると、日本での一般的な残業時間は平均42時間のため、それと比べると「少ないのでは?」と感じる人もいるでしょう。

しかし、保育園の残業時間は時期によって変動することが多いため、一概に平均○○時間といえないのが現状です。入園式や夏祭り、お遊戯会などのイベント前は残業時間が多くなります。また残業はしなくても、製作や指導案計画などの作業を家に持ち帰る保育士も少なくありません。中には、残業申請をしない「サービス残業」をしている保育士が存在することも含め、実際の保育士の残業時間は統計調査の結果よりも多いといえます。

ただ、開所時間が短く園児が少ない保育園、保育士の人数が多い保育園では、残業がほとんどないケースもあります。

【参考】

平成30年賃金構造基本統計調査

厚生労働省「平成25年労働時間等総合実態調査」

勤務時間は勤務形態によって変わる

保育士の勤務時間は勤務形態によっても変わります。

  • フルタイムの正社員
  • 時短正社員
  • 派遣社員・パート
  • アルバイト

それぞれの勤務時間について解説します。

フルタイムの正社員

冒頭でも解説したとおり、正社員の場合は基本的な労働時間8時間に加えて、12時間程度の残業をしているのが一般的です。正社員の保育士には、指導計画や保育の準備・実施のほか、イベントの企画・運営や保護会など、さまざまな業務があるからです。時には、勤務時間外に研修やセミナーを受講しなければならないケースもあります。多忙かつ責任の重い正社員保育士ですが、その分子どもとの距離も近く、担任であれば自分の理想とする保育が実践できるのが大きなメリットです。

短時間正社員

短時間正社員とは、フルタイム正社員の保育士よりも勤務時間が短い正規保育士を指します。育児や介護などにより長時間の勤務が難しい保育士や、定年後も継続して働きたい高齢の保育士など、さまざまな事情を抱える保育士にぴったりの働き方です。

短時間保育士の勤務時間は原則6時間で、フルタイムの保育士と比べて2時間少ないのが特徴です。勤務時間を短時間に設定することで、「家庭と仕事のバランスがうまく取れる」「身体的・精神的な負担が減らせる」などのメリットがあります。もちろん、短時間勤務であっても正社員であることには変わりありません。パートやアルバイトよりも給与や福利厚生などの待遇面が保証されているのも大きなポイントです。

【参考】厚生労働省「保育士等に関する関係資料」

派遣社員

派遣社員とは、人材派遣会社と契約して派遣された保育園で働くという働き方です。基本的な契約更新期間は36カ月で、同じ派遣先で働く期間は3年が限度とされています。ただし派遣先の保育園が過半数労働組合等の意見を踏まえた上で、契約継続の意思がある場合は、契約期間が延長される場合もあります。とはいえ派遣社員は基本的に「短期」での契約となるため、いろいろな保育園で働いてみたい保育士にはぴったりです。

派遣社員は時給制のため正社員とは違ってボーナスが出ないケースがほとんどですが、パートやアルバイトよりも時給が高く設定されていることが多く、シフトもある程度なら自由に決められるというメリットもあります。

【参考】厚生労働省「派遣で働く皆様へ」

パート・アルバイト

パートとアルバイトは名前が違うものの、法律上の役割の違いはなく、同じ「短時間労働者パートタイム労働者」に分類されています。パートタイム労働法では、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」と定められています。とはいえ、保育園ではパート保育士がフルタイムでシフトに入ることが多いのに対して、アルバイトはある程度自由に時間が決められるなど、働き方が若干異なるケースもあるようです。

【参考】厚生労働省「パートタイム労働者とは」

残業を減らしたい保育士必見!長時間労働を避けるためのポイント

いくら子どもが好きでも、長時間労働が続くとモチベーションが下がってしまいます。そこで今回は、保育士が長時間労働を避けるためのポイントを解説します。

スケジュールを立てて仕事の作業効率をUPさせる

長時間労働を避けるためには、業務と時間の管理が大切です。カレンダーや手帳に、事務作業や提出物の納期や「やることリスト」を書いておけば、1日の中でやるべき仕事の量や内容が客観的に把握できます。

残業する日を決めてメリハリを持って取り組む

行事が集中する繁忙期は、残業しなければならない日もあるでしょう。そんなときは「何時間残業するのか」「何日残業するのか」をしっかりと決めておくのをおすすめします。時間や日数を決めないまま、ダラダラと残業してしまうと作業の見通しがつかず、効率も悪くなってしまいます。残業するのであれば、「今日は○○時間××の製作をやろう!」と決めて、メリハリを持って取り組みましょう。

待遇の良い保育園に転職する

どうしても残業が減らない場合は、待遇のよい保育園に転職しましょう。転職サイトや転職エージェントサービスを利用すれば、あなたの希望条件に合った職場が探せます。

まとめ

保育士の勤務時間は、保育園や勤務形態によって異なります。就職や転職の際は、事前に志望先の保育園がどんな勤務時間に設定されているのか、しっかりと把握しておきましょう。


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