保育のひきだし こどもの可能性を引き出すアイデア集保育のひきだし こどもの可能性を引き出すアイデア集

保育士のひきだし

2020.02.28

保育園の進級式に必要な準備と当日の流れについて解説

進級式は園児が新しい学年に進級するときのイベントです。新たな学年に上がることを子どもや保護者の方とともに祝い、子どもの期待感を高めるという意味があります。進級式は事前準備と当日の計画、保育士同士の連携が不可欠です。勤務している保育園で、進級式の予定がある方へ。進級式の事前準備や当日の流れ、服装や持ち物、気を付けるべきポイントをご紹介いたします。

進級式の事前準備

まずは進級式の事前準備をみていきましょう。

当日の流れを決める

事前準備を始める前に、当日の流れを決めておきましょう。園長のあいさつをどのタイミングで入れるのか、園児を紹介する順番など、タイムスケジュールに組み込みます。担当者がある程度の流れを作ったら、必ず職員会議で話し合い、子どもと保育士の動き、当日までに準備するべきことを共有します。会議で保育士の手が必要な場面が想定でき、流れがつかめてくるでしょう。職員会議には保育士全員が参加することは難しいので、クラスの担任間での引継ぎを行い、保育士全員が流れを把握することが大切です。

出し物の準備

進級式では、保育士の出し物を取り入れると、子どもが楽しんで式に参加できます。子どもの傍に付き、保育を担当する保育士も必要ですので、分担して出し物担当者を決めましょう。出し物のポイントは、どの学年でも楽しめる内容にすることです

進級式は入園式とは違い、0歳児から5歳児まで、全ての学年の子どもが参加します。子どもが好きな手遊びや歌、ペープサートやパネルシアターなどを取り入れると、大きい子どもたちは一緒に歌って楽しむことができ、小さな子どもたちはリズムに合わせて身体を動かしながら楽しむことができます。

準備に時間がかかるペープサートやパネルシアターは、余裕を持って作成しておきましょう。進級式を行う、春らしい選曲や出し物もおすすめです。

園内の整理整頓と飾りつけ

進級式は、新しい年度が始まる大切な一日です。保護者の方が参加する場合はもちろん、参加しない場合も、園内の整理整頓と清掃をしっかりと行い、子どもが喜ぶ華やかな飾りつけをして迎えましょう

おすすめの飾りつけは、春らしいチューリップの壁面やお花紙を使った装飾です。園内が一気に華やかになりますよ。進級式でクラスごとの集合写真を撮る場合には、背景に装飾が写るように工夫して飾るとよいでしょう。進級式の時期は、卒園児を送り出し新入園児を迎える忙しい時期なので、保育士同士で分担して、計画的に進めることが大切です。

保護者への連絡

進級式は、保護者の方を招いて行う場合もあれば、園児と保育士だけで行う場合もあります。新年度が始まる平日に行うことが多いので、保護者の方を招く場合には早めのお知らせが必要です。年間の行事計画を手紙で配布しましょう。保護者の方を招かずに行う場合には、後日写真の販売をすると喜ばれます。

進級式の流れ

次に、進級式の流れを詳しくご紹介いたします。

園長のあいさつ

子どもたちが進級式を行う会場に集まったら、いよいよ進級式の始まりです。まずは園長のあいさつから。司会担当の保育士が進行します。02歳児は特に、いつもとは違う部屋に泣いてしまったり、座っていることが難しい場合もありますので、初めに手遊びや歌で気持ちを引きつけてから式を始めるとよいでしょう。

新入園児紹介

入園式と進級式を同時に行う場合には、新入園児も進級式に参加します。流れとしては新入園児の紹介を行ってから、在園児の紹介を行うとスムーズです。保護者の方に抱いてもらい、名前を呼ばれたらその場で立ち上がり、新入園児の紹介を行います。これから園で一緒に過ごすお友だちですので、在園児にもぜひ顔を覚えてもらいたいですね。ただ、園の環境に慣れずに泣いてしまう子どもも多いので、無理なく進めることが大切です

在園児紹介

在園児であっても、新しい学年に進級し、担任も変わったことで、不安な気持ちを抱えています。まずは、担任が自己紹介を行い、子どもの気持ちをリラックスさせてから、在園児紹介にうつるとよいでしょう。紹介方法は、前に出て一人ひとりの名前を呼び、返事をしてもらいます。前に出ることを嫌がる場合には、その場の返事でも十分です。保育士が笑顔で名前を呼び、子どもが安心できるように配慮しましょう

在園児の出し物

進級式では、5歳児の出し物をぜひ取り入れましょう。自分よりも小さな子どもたちを前に、何かを行うという経験は、新しく5歳児クラスになった子どもたちの自信につながります。子どもたちのかわいらしい姿に式の雰囲気も和みますよ。出し物は、難しいものである必要はありません。昨年度から親しんでいる歌や手遊びなど、子どもが自信を持って発表できるものがよいでしょう。

保育士の出し物

保育士の出し物は、子どもたちにとって楽しい式とするために欠かせません。保護者の方を招いて行う場合には、園の雰囲気を感じてもらうためにも効果的です。笑顔を忘れず、子ども一人ひとりの顔を見ながら、行うことがポイントです

歌や手遊びを導入として行い、ペープサートやパネルシアターにつなげるという方法もあります。「チューリップ」の歌をうたう場合には、チューリップの指人形を使う。「ちょうちょう」の歌をうたう場合には、ちょうちょのペープサートを使うなど、歌や手遊びにもちょっとしたアイテムを取り入れると、子どもの心をつかめますよ。

進級式で気を付けたいポイント

進級式を開催するにあたって、気を付けるべきポイントを把握しておくことで、当日を安心して迎えられます。気を付けたいポイントをご紹介いたします。

保育士の服装と必要な持ち物

進級式にはスーツで参加する場合と、通常の保育と同じ服装で参加する場合があります。保護者の方を招いて行う場合には、スーツで参加することも多いでしょう。スーツの場合は、ベージュや白っぽいスーツなど、春らしく明るい色合いがおすすめです。外で記念撮影をしたり、保護者の方の見送りをする場合もあるので、スーツに合わせたパンプスも忘れずに。子どもに対応する場面も想定して、針を使ったコサージュなどは控えた方が安心です。

通常の保育と同じ服装で参加する場合には、清潔感を心がけましょう。新年度の始まりなので、清潔感のある服装で、子どもと保護者の方を迎えたいですね。持ち物としては、子どもの鼻をかんであげられるポケットティッシュ、保護者の方から質問があったときにメモをとるためのメモ帳とペンを用意しておくとよいでしょう。園によっては、名前がわかりやすいように、名札を着用する場合もあります。

保護者の参加可否への対応

進級式は、保護者の方を招いて行う場合と、招かずに行う場合があります。保護者の方を招いて行う場合は、事前に手紙でお知らせをして、必ず参加の可否を伺いましょう。平日に行うことも多いので、仕事の都合で参加できない方もいるでしょう。

子どもに寂しい思いをさせたくない、記念日の我が子の姿を見たいという理由から、土曜日などに日にちをずらしてほしいという要望もあるかもしれません。しかし、全ての保護者の方の要望をかなえることはできません。参加ができない保護者の方に対しては、保育士側で子どものフォローをすること、写真販売や連絡帳などで進級式の様子をお伝えすることなど提案を行い、個別に対応しましょう。園側から出席を促すような、言葉掛けはNGです。

保護者の方を招かずに行う場合には、参加したいという要望を受ける場合もあります。園の方針として、園児と保育士のみで開催するという決定をしたならば、要望によって毎年参加の可否を変更することはおすすめできません。トラブルの原因になるかもしれません。園として保護者の方を招いていない理由を必ず説明しましょう

また、写真やお便り、連絡帳で様子をお伝えする旨を伝え、納得していただくことも大切です。日頃から保護者の方と積極的に話す時間を設け、信頼関係を築くことことが大切です。

泣く子どものための控室

乳児クラスは特に、進級してクラスや担任が変わることに不安を感じたり、進級式の会場がいつもの保育室とは異なることで、泣いてしまうことも少なくありません。また、保護者の方が参加する場合には、保護者の方のもとに行きたくて泣いてしまうことも。保護者の方を求めて泣きだしてしまう場合には、無理をせずに保護者の方と一緒にいられるような配慮が必要です

会場の雰囲気で泣き出してしまった場合には、控室を設け、日頃から遊び慣れたおもちゃを用意しておくとよいでしょう。長い時間を、会場で過ごすことが難しい年齢の子どももいます。自分のクラスの園児紹介と保育士、在園児の出し物など、楽しんで参加できる時間帯のみ参加して、他の時間は控室で過ごせるような環境作りも大切です。

カメラやビデを撮影の立見席を用意

保護者の方は、我が子の姿を写真やビデオに収めたいと考えるでしょう。しかし、客席から撮影をすると、保護者同士のトラブルに発展することもあります。せっかくお祝いの場なので、トラブルの原因になりそうなことは事前に対策しておきましょう。

撮影用の立見席を用意しておけばトラブルは回避できます。我が子の園児紹介や出し物のときには、立ち見席から撮影ができるように配慮するとよいでしょう。我が子の出番が終わったら、次のクラスの方に代わってもらえるようなアナウンスも必要です。主役はあくまでも子どもですが、保護者の方の気持ちに配慮できれば、よい雰囲気の中で式が開催できます

まとめ

保育園の進級式についてご紹介いたしました。各保育園によって、進級式を行う場合もあれば、行わない場合もあります。また、保護者の方の参加可否も園によって異なりますので、まずは開催方法を確認しましょう。

開催する場合には、子どもの負担なく、楽しい雰囲気の中で式を行えることが一番です。新しい学年に上がったことで、子どもたちは喜びと同時に、不安も抱えています。そんな不安を吹き飛ばせるように、保育士は笑顔で子どもたちを迎え、和やかな雰囲気の中で式を進行できるような配慮が必要です。

また、保護者の方の気持ちに配慮し、事前にトラブルの原因になりそうなことに対処しておきましょう。さまざまな場面を想定して保育士同士で話し合い、事前準備を万全にすることで、安心して当日を迎えられます。


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