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保育士のひきだし

2019.10.28

保育観は人それぞれ!自分にあった保育観を大切にしましょう

保育観とは、子どもの保育で何を大切にするかという価値観です。同じ学校で保育について学んでも、感じ方は人それぞれ違います。そのため、保育観が全く同じになることはありません。保育園の方針と自分の保育観が合っているかということは、働く上では重要なポイントになります。

 

自分の保育観と保育方針が大きく異なっていると、子どもとの関わり方に迷い働きづらさを感じることも少なくありません。自分に合った保育を実現させるために知っておきたい、保育士の保育観や自分の保育観に合った保育園を選ぶ方法、保育観が違う保育士と働くときのポイントをご紹介いたします。

 

保育士の保育観の例

 

まずは、保育士の保育観にはどんなものがあるのかを見ていきましょう。

 

子どもを一番に考えて行動する

 

 

保育士の一番の仕事は、子どもとの関わりです。そのため、子どもを一番に考えて行動したいという保育観を持つ保育士は多くいます。「子どもを一番に考える」ことは、当たり前のように感じますが、集団生活の中では難しい場面もあります。

 

例えば、行事前などは準備に追われて、子どもとの関わりが十分にできていないと感じることも。そんな場面でも、子どもを一番に考えるという保育観を持っていれば、短い時間でも思い切り関われるように努力をしたり、子どもが保育士を求めている瞬間を見逃さずに関わることができます。

 

忙しい仕事の中でも、子どもを一番に考えて行動することは、保育士にとって大切な保育観です。

 

保育士・保護者・子どもとのコミュニケーションを取る

 

保育士にとって、子どもとのコミュニケーションと同じくらい大切なのが、保護者の方とのコミュニケーションです。子どもは保育士と保護者の関わり方をよく見ています。保護者の方が保育園や保育士を信頼してくれていれば、子どもも安心して保育園に通えるでしょう。

 

反対に、保護者の方が保育士に不信感を抱いていれば、子どもも保育士に不信感を持つことがあります。子どもに安心して保育園に通ってもらうためにも、保護者の方とコミュニケーションを密にとるという保育観は重要です。

 

また、子どもや保護者の方だけではなく、保育士同士のコミュニケーションも、保育をする上では欠かせません。保育士の様子を子どもたちは敏感に感じ取ります。どんなに良い環境設定をしても、保育士同士のコミュニケーションが不足していれば、居心地の良い場所とは言えません。

 

子どもにとって最善の保育を目指すためには、保育士同士のコミュニケーションも、保育観を考えるときに頭に入れておくと良いでしょう。

 

子どもが安心して生活できる

 

子どもにとって、保育園は安心できる生活の場です。日中の長い時間を保育園で過ごす子どもたちにとって、保育園は第2の家。保育士は保護者の次に安心できる存在です。だからこそ、子どもが安心して生活できる場所を作りたい、自分自身が子どもたちの居場所になりたい、という保育観を持つ保育士は少なくありません。

 

安心して生活できる場所を整えるためには、安全で清潔な環境が必要です。子どもの年齢や発達に合わせた安全な環境を作り、清潔な場所で生活できるように配慮しましょう。また、子どもにとって安心できる居場所となるためには、子どもの気持ちをくみ取り、一人ひとりに合わせた対応が必要です。

 

待つ時間を大切にする

 

 

保育の中で待つ時間はとても重要です。子どもは大人とは違い、一つひとつのことを終えるまでにとても時間がかかります。特に新しいことに挑戦するときには、多くの時間をかけてやっとできるようになるのです。だからこそ、その時間を保育士が根気強く待てるかは、子どもの成長にとって大きな意味を持ちます。

 

集団保育の中では、ある程度の生活リズムが決まっているので、意識していないと子どものペースに合わせて待てなくなってしまうことも。「待つ時間を大切にする」ということは、子どもの成長を見守る上で重要な保育観の1つです。

 

保育観の合った保育園選び

 

 

自分の保育観と合った保育園を勤務先に選ぶことは、保育士として充実した日々を送るために欠かせません。例えば、「子どもたちに自由な遊びの中で多くのことを学び取ってもらいたい」という保育観を持っている人が、カリキュラムが充実していて自由遊びの時間が少ない園で働いた場合、違和感を感じるかもしれません。

 

反対に、「小さな頃から音楽や運動などのカリキュラムを経験する中で好きなことを見つけてほしい」という保育観を持っている人が、設定保育が少なく自由遊び中心の園で働いた場合には物足りなさを感じることもあります。納得して保育にあたるために、自分の保育観に合った保育園を選ぶ方法を見ていきましょう。

 

園長に保育方針を聞く

 

保育方針は、その保育園がどんな保育を目指しているか、ということを表しています。保育方針を知ることで、日々の保育も見えてきます。さらに、保育園の長である園長の考えは、保育園そのものを表します。園長と直接話をして、保育方針について聞くことで、より深く保育方針を理解できるのです。

 

ホームページや保育園のしおりでも、保育方針を知ることができますが、可能ならば園長から直接聞くことをおすすめします。

 

保育園の雰囲気を見て知る

 

勤務先を決める際に欠かせないのが、園見学です。園の様子を自分の目で見ることで、求人情報やホームページからでは分からない、園の雰囲気をつかむことができます。園内は安全で清潔に保たれているか、保育士が子どもと関わる様子や保育内容は保育観に合っているか、など実際に見ないと分からない部分も少なくありません。

 

自分の保育観に園の雰囲気が合っているか、ということも頭に入れながら見学をすると良いでしょう。

 

実習をさせてもらう

 

園見学だけではなく、実習をさせてもらうことで、保育の様子をより詳しく知ることができます。保育士がどんな声掛けをしているか、カリキュラムは自分の保育観に合っているか、など実習を通して感じたことや得た情報を元に、自分の保育観に合っているかということを考えてみましょう。実際に保育をしてみて、園の保育と自分の保育を比べることも重要です。

 

保護者からの口コミを参考にする

 

保護者の方が保育園選びの参考にするための口コミは、勤務先選びにも参考になります。口コミには、実際の保育園の様子や保育士の姿が書かれていますので、自分が働いたことを想像して目を通してみると良いでしょう。

 

時には、保育方針と実際の保育が異なっている場合もあります。保護者の方の口コミは、実際の保育と自分の保育観を比べるためには有効です。

 

保育観の違う保育士との関わり方

 

自分の保育観に合うと感じた保育園で働き始めたとしても、一緒に働く全ての保育士と保育観が合う訳ではありません。同じ保育園で働いていても、保育観は一人ひとり違います。

 

保育観が違う保育士と、一緒に働く場面も少なくないのです。しかし、自分の気持ちや関わり方次第では、保育観の違う保育士とも上手に付き合っていくことはできます。保育観の違う保育士に出会ったときの、関わり方を見ていきましょう。

 

相手に歩み寄る

 

 

一緒に保育をする上で、自分の意見ばかりを主張していては、関係が築けません。まずは、相手に歩み寄る努力をしましょう。相手の保育の中で良い所を見つけたり、相手の意見に耳を傾けることが大切です。

 

特に相手の良い所を見つけることは、子どもの良い所を日々見つけている保育士にとっては欠かせません。子どもへの関わりと同じように、一緒に働く保育士の良い所を見つけるように努力すると、相手の保育観についても理解できるようになりますよ。

 

しっかりと話し合う

 

相手に歩み寄ることと、相手の意見を全て受け入れ、自分の保育観をなくすこととは違います。自分の保育観の中で、絶対に曲げられない部分は、相手にしっかりと伝えることも大切です。

 

重要なことは、相手の意見も聞いた上で自分の保育観や意見も伝え、話し合いをすること。相手の保育観を非難するような、言い合いにならないようにしましょう。相手の思いもくみ取り自分の思いも伝えれば、関係が悪化することなく話し合いができるはずです。

 

妥協点を見つける

 

自分の保育観をしっかりと持って保育を行うことは大切です。ただし、自分の保育観が全て保育に取り入れられる訳ではありません。保育はチームワークで成り立っているからです。

 

例えば、「子どもが挑戦していることは最後まで見守る」という保育観を持っている場合、子どもが途中でくじけそうになっても、励ましながら最後まで見守りたいと考えるかもしれません。しかし、一緒に保育をしている保育士が、「子どもがくじけそうになったときには、手助けを通して気持ちを受け止め、次回の挑戦につなげる」という保育観を持っている人であったら、積極的に手助けをしてしまうことも。

 

その都度、自分の保育観に合わないからと言って相手の保育を否定してしまえば、チームで行う保育は成り立ちません。子どもの尊厳に関わるような絶対に曲げられない保育観は曲げる必要はありませんが、その他の部分では、妥協点を見つけて相手の保育も尊重するようにしましょう。

 

違った保育観の保育士がいることは子どもにとってプラスになる

 

子どもはたくさんの人と関わりながら、成長していきます。保育士も、子どもが出会う人の1人。だからこそ、さまざまな保育観を持つ保育士がいて良いのです。例えば、「子どもと思い切り身体を動かして遊ぶ」という保育観を持っている保育士と「子どもがゆったりと過ごせる雰囲気の中で、じっくりと遊ぶ」という保育士の両方がいることで、子どもは身体を動かして遊ぶ時間もゆったりと過ごす時間も楽しむことができます。保育観の違う保育士がいることは、子どもにとって大きなメリットなのです。

 

しかし、保育観の違いにおいて、気を付けなければならない場面もあります。「やって良い事といけない事」の区別です。同じことをしたのに、この先生には注意をされた。でも、この先生には褒められた。これでは、子どもは迷ってしまいます。やって良い事といけない事の区別は、保育士同士で話し合い、同じ対応ができるようにしましょう。

 

「違った保育観の保育士がいることは子どもにとってプラスになる」ということを頭に入れておけば、違う保育観の保育士と良好な関係を築くことができますよ。

 

まとめ

 

保育について学んだり、実習を通して子どもと関わることで、自然と保育観はできていきます。同じように保育士を目指す周りの人と、違う保育観を持つことは普通のことです。まずは、保育観は人それぞれであることを頭に入れておきましょう。だからこそ、自分の保育観に合った保育園を選ぶことはとても重要なのです。

 

そして、保育士として働き始めて、先輩や同僚など他の保育士と一緒に保育をすることで、自分の保育観が変わっていくことも少なくありません。良い保育を見れば自分もそんな保育をしたいと感じ、自分の保育観の違いに気付くこともあります。

 

自分がどんな風に子どもと関わりたいか、どんな風に子どもたちに育ってほしいか、そのためには、どんな保育を目指すべきなのかという保育観を大切にしながら、子どもと向きあっていきたいですね。


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