2026.08.10
物語の中で学びに出会える絵本 【10選】
1. しんせつなともだち
作:方軼羣
絵:村山知義
訳:君島久子
出版社:福音館書店
◉思いやり、譲り合い、相手を想像する力
寒い冬、食べものを見つけた動物が、自分だけで食べるのではなく おなかをすかせている友だちにも届けよう と考え、その思いやりが次々につながっていきます。福音館書店でも、思いやりの心をのせたかぶが動物たちのもとをめぐる ぐるぐる話 と紹介されています。
学童で使うなら、おやつの分け合い、順番を譲る場面、友だちが困っている時の声かけの導入に向いています。
読み聞かせ後に、誰かのために何かをしてあげたことある? 自分がしてもらってうれしかったことは? と聞くと、低学年でも話しやすいです。
2. くれよんのくろくん
作・絵:なかやみわ
出版社:童心社
◉仲間外れ、個性、役割、友だちとの関係づくり
新品のくれよんたちが白い画用紙に絵を描いていく中で、黒いくれよんのくろくんだけが仲間に入れてもらえません。けれど最後には、くろくんだからこそできる役割が見つかります。童心社の紹介でも、ひとりひとりが違った個性をもつ大切な存在であることが伝わる作品とされています。
1年生〜3年生は、遊びの中で 入れてもらえない 役に立てない と感じる場面が出やすい時期です。
この絵本は、みんなと同じことができることだけが価値ではなく、その子らしい役割があると伝えやすいです。
読み聞かせ後は、自分の得意なこと、友だちのすごいところを言い合う活動につなげると、自己肯定感にもつながります。
3. ありがとうともだち
作:内田麟太郎
絵:降矢なな
出版社:偕成社
◉感謝、失敗した時の関わり、友だちの優しさに気づく力
オオカミとキツネの ともだち シリーズの一冊です。オオカミがいいところを見せようとして海釣りに行くものの、思うようにいかず落ち込む展開から、友だちの言葉や関わりのあたたかさが伝わる物語です。偕成社の内容紹介でも、オオカミが大失敗したあと、キツネがどんな言葉をかけたのかが物語の軸として紹介されています。
学童では、失敗して笑われた、うまくできなくて悔しい、という場面がよくあります。
この絵本は、失敗した友だちにどんな言葉をかけるか、ありがとうってどんな時に感じるかを考える導入に向いています。
読み聞かせ後に、友だちに言われてうれしかった言葉は? と聞くと、優しい言葉集めにもつなげられます。
4. 教室はまちがうところだ
作:蒔田晋治
絵:長谷川知子
出版社:子どもの未来社
◉発表への不安、失敗を恐れない心、自己表現
これは学童でもかなり使えます。みんなの前で発表する時のドキドキや、間違えることへの不安に寄り添いながら、間違いながら本当のものを見つけていく大切さを伝える絵本です。子どもの未来社の紹介でも、手をあげて発表する時のドキドキに触れ、間違えることを恐れないよう励ます絵本として紹介されています。
学童では、クイズ、発表、意見を言う場面で 恥ずかしい 間違えたくない と思う子がいます。
その前にこの本を読むと、間違っても大丈夫な空気をつくりやすいです。
読み聞かせ後は、今日は間違えてもいいクイズ大会にしよう など、安心して参加できる活動につなげると効果的です。
5. はじめてのおつかい
作:筒井頼子
絵:林明子
出版社:福音館書店
◉自立、挑戦、生活ルール、安全への意識
みいちゃんが、ママに頼まれて牛乳を買いに行くお話です。自転車のベルにどきっとしたり、坂道で転んだり、お店で声を出すのに勇気が必要だったりと、小さな子どもの心の動きが丁寧に描かれています。福音館書店でも、子どもの心の動きを鮮やかに描いた絵本として紹介されています。
1年生〜3年生は、自分でできることが増える一方で、まだ不安も多い時期です。
この絵本は、初めてのことに挑戦する時のドキドキ、自分でやりきった時の達成感を伝えやすいです。
学童では、帰り道の安全確認、買い物ごっこ、係活動の導入にも使えます。
読んだあとに、最近ひとりでできるようになったことある? と聞くと、成長を自覚する時間になります。
6. いいから いいから
作:長谷川義史
出版社:絵本館
◉許す気持ち、受け入れる力、気持ちの切り替え
何があっても いいから いいから と受け入れてしまうおじいちゃんが印象的な絵本です。絵本館の紹介でも、突然やってきたカミナリの親子をもてなし、おへそを取られても いいから いいから と受け入れるおおらかさが紹介されています。
低学年は、ちょっとした失敗や友だちの行動に対して、すぐ怒ったり引きずったりすることがあります。
この絵本は、相手を許すことや、完璧じゃなくても大丈夫と思える心の余白を伝える導入に向いています。
読み聞かせ後に、いいからいいからって言えそうな場面ある? と聞くと、トラブル後の切り替えにもつなげやすいです。
7. ぼちぼちいこか
作:マイク・セイラー
絵:ロバート・グロスマン
訳:今江祥智
出版社:偕成社
◉失敗、挑戦、焦らず進む力、自己受容
主人公のカバくんが、船乗りや飛行士、ピアニストなど、いろいろな仕事に挑戦してはうまくいかない物語です。偕成社の紹介でも、次々に新しい仕事に挑戦するカバくんの様子がユーモラスに描かれる絵本として紹介されています。
学童では、ゲームに負けた、工作がうまくできない、宿題で間違えたなど、日々小さな失敗が起きます。
そのたびに落ち込みやすい子に対して、失敗しても ぼちぼちいこう と切り替える空気をつくれる一冊です。
読み聞かせ後に、うまくいかなかったけどまたやってみたことある? と聞くと、挑戦の話に自然につながります。
8. もったいないばあさん
作・絵:真珠まりこ
出版社:講談社
◉物を大切にする、食べ物への感謝、生活習慣
ものを大切にする心を育てる絵本として、とても使いやすい一冊です。講談社の公式紹介でも、もったいないことをしていると もったいないばあさん がやってくるという設定で、物を大切にする心が育つシリーズ第一作とされています。シリーズは累計170万部を超え、2024年に20周年を迎えています。
学童では、鉛筆を放置する、紙を使いすぎる、おやつを残す、道具を雑に扱うなど、生活場面の もったいない がよく出ます。
注意だけではなく、絵本を入口にすると子どもが受け止めやすいです。
読み聞かせ後に、今日のもったいないを探してみよう と声をかけると、片づけや持ち物管理にもつなげられます。
9. ええところ
作:くすのきしげのり
絵:ふるしょうようこ
出版社:Gakken
◉自己肯定感、友だちの良さを見つける、比較から抜ける
小学1年生のあいちゃんが、自分には ええところ がないと感じるところから始まる物語です。Gakkenの紹介では、揺れ動く子どもの気持ちに寄り添い、思いやりと自己肯定感を育てる物語とされ、道徳の教科書 小1 にも掲載されていると紹介されています。
1年生〜3年生は、足が速い、勉強ができる、絵がうまいなど、目に見えることで自分を比べやすい時期です。
この絵本は、自分では気づきにくい良さを友だちが見つけてくれる流れがあるので、自己肯定感の導入にぴったりです。
読み聞かせ後に、隣の人のええところをひとつ言ってみよう と活動につなげると、友だち理解にも広がります。
10. きょうはなんのひ?
作:瀬田貞二
絵:林明子
出版社:福音館書店
◉感謝、家族への思いやり、相手を喜ばせる工夫
両親の結婚記念日をめぐって、子どもが小さな手紙やしかけで家族を喜ばせようとする、あたたかい物語です。福音館書店の紹介でも、親と子の間に流れる温かい心づかいが、謎ときふうのストーリーで描かれた創作絵本とされています。
感謝の活動というと、ありがとうを書きましょう で終わりがちですが、この絵本は 相手を喜ばせたい という気持ちの導入に使いやすいです。
母の日、父の日に限らず、大切な人へ気持ちを伝える活動の前にも向いています。
読み聞かせ後に、誰かをびっくりさせるありがとう作戦を考えるなら? と聞くと、メッセージカードや手紙作りにもつなげやすいです。
ライクキッズ 学童指導員 K.Y先生












