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2025.06.19

【保育園の8月遊び】ねらいが立てやすい!季節を楽しむ活動アイデア集

厳しい暑さが続く8月。保育園でも水分補給や休息をしっかりとりながら、安全に配慮した活動が求められる時期です。とはいえ、夏ならではの「冷たさ」「音」「光」といった感覚は、子どもたちの五感を刺激する絶好のチャンス!この記事では、8月にぴったりな室内・屋外の遊びアイデアとともに、活動の“ねらい”を立てやすくするための視点を紹介します。

8月遊び「ねらい」の立て方のヒント

8月は暑さによって活動の選択肢が限られやすくなる一方で、「感触」「音」「視覚」など五感を通じた刺激にあふれた季節です。

乳児(0~2歳児)には、「冷たい」「キラキラ」などの感覚を楽しむ遊びを通して、安心感のある環境で探索する力を育てることがねらいになります。

幼児(3~5歳児)には、水や風などの自然現象に興味をもたせながら、友だちとルールを共有したり、季節の言葉や風習に触れる遊びが効果的です。

また、暑さを逆手に取って、室内でも“夏らしさ”を体験できる工夫を取り入れることで、子どもたちの満足感や集中力を引き出すことができます。

8月のおすすめ遊びアイデア

8月におすすめの遊びを、対象年齢の目安や「遊びのねらい」などと共にご紹介します。

水かけボウリング

ペットボトルのピンに水をかけ、何本ピンを倒せるか競うボウリングです。

「運動+水+チーム活動+身近な素材」の要素が組み合わさった、夏にぴったりの“ねらいを立てやすい”実践例です。

対象年齢

3~5歳児

この遊びのねらい

  1. 水の心地よさを全身で感じる
  2. 暑さの厳しい8月、水の冷たさや感触を心地よく味わう経験を通して、五感を豊かに刺激します。

  3. ねらいを定めて行動する力を育てる
  4. ペットボトルのピンを目がけて水をかけることで、「的を狙う力」「手や腕のコントロール」が育ちます。試行錯誤しながら「どうすれば倒せるか」を考えることで、主体的に遊ぶ力にもつながります。

  5. ルールを守って楽しく遊ぶ力を養う
  6. 順番を待つ、友だちの様子を見る、倒れた数を一緒に数えるなどの活動を通して、ルールの理解力や協調性を育てます。
    チームでの得点競争などを導入することで、「一緒に楽しむ」「応援する」経験が得られます。

  7. 身近な素材に親しみ、創意工夫する気持ちを育てる
  8. ペットボトルやミニバケツといった日常的な素材を活用することで、「身近なものが遊びに変わる体験」を重ねられます。「どう並べると面白い?」「水の量を変えたらどうなる?」など、考えながら工夫する力にもつながります。

詳しい遊び方はこちらNo.1117 水かけボウリング

キャンプごっこ

涼しい場所でキャンプごっこを楽しみましょう。自然・創作・協同・空想といった多くの要素を盛り込みやすく、さまざまな方向から子どもたちの興味へアプローチできる遊びです。

対象年齢

4~5歳児

この遊びのねらい

  1. 自然を感じながら、空想の世界を楽しむ
  2. 室内でもキャンプをイメージした遊びを展開することで、自然への関心や「夏のアウトドア」への想像を広げる力を育てます。テント・たき火・バーベキューなど、非日常的な場面設定を通じてワクワクする気持ちを引き出します。

  3. 身近な素材から遊びを創り出す力を育てる
  4. 紙皿やスズランテープ、段ボールなどで道具を作ることで、“つくる”楽しさを感じるとともに、「これを〇〇に見立てよう」という創造力・発想力を養います。

  5. 友だちとのやりとりを通して、社会性を育む
  6. 役割分担(火を起こす人・焼く人・食べる人など)をしたり、言葉でやりとりしながら進めることで、ごっこ遊び特有の“共有”や“協力”の経験が得られます。自分のイメージだけでなく、友だちのイメージを取り入れながら遊ぶことで、他者を意識した関わり方が成長します。

  7. 季節や行事への興味を深める
  8. 夏の行事(キャンプ・アウトドア・BBQなど)を取り入れた遊びを行うことで、季節の文化や生活体験への興味・関心を高めます。実際のキャンプ体験がまだない子どもにとっても、「ごっこ」を通して予習・疑似体験ができる貴重な機会になります。

詳しい遊び方はこちらNo.1116 キャンプごっこ

水たまりぴちゃぴちゃあそび

ビニールシートを地面に敷き、上に浅く水を張って即席の“水たまり”を作ります。子どもたちははだしでその上を歩いたり、座ったりして、水をバシャバシャとはねさせて遊びます。手で触れたり、水しぶきに反応したりと、水の動きや音、冷たさを全身で感じながら楽しめる水遊びです。

対象年齢

0~1歳児

この遊びのねらい

足裏や手を使って水の感触に触れることで、触覚を刺激し、感覚への興味を引き出します。また、水を踏む・たたくといった動きを通して、体を動かす気持ちよさや楽しさを味わう経験を育みます。

ひんやり感触マット

保冷材やひんやり布(冷感シーツなど)を敷き詰めた「ごろごろスペース」で、寝転んだりハイハイをしたりして遊びましょう。

対象年齢

0~2歳児

この遊びのねらい

冷たい・やわらかい・すべすべといった夏ならではの感触を肌で味わい、感覚への気づきを促します。また、自分のペースで体を動かしながら、移動や姿勢変化を楽しむことで、運動機能や空間認識の発達を支えます。

8月の遊びを充実させるヒント

8月の遊びで保育士が気を付けたいポイントや、子どもたちの満足度をアップするヒントをお伝えします。

暑さと上手につき合い、夏ならではの遊び時間を

夏の暑さが厳しい8月は、屋外遊びの時間が限られてしまい、活動の幅が少なくなったように感じるかもしれません。でも、子どもたちは季節を全身で感じながら成長していきます。例えば水遊びでも「冷たい!」「気持ちいい!」という感覚に言葉を添えることで、言葉の発達にもつながります。

室内では「涼しいお部屋でゆったり過ごす時間」も大切に。カーテンを閉めてプラネタリウムごっこをしたり、氷を触る感触遊びをしたりして、暑さを逆手に取った活動も、夏ならではの楽しさです。

ただ、体力の消耗が激しい季節ですので、保育者は子どもの様子をしっかり観察し、こまめな水分補給とたっぷりの休息を忘れずに。

8月の遊びをより豊かにする+αのアイデア

ひと工夫することで、子どもの「楽しかった!」や「またやりたい!」を引き出しましょう。

  • 園内に「ひんやりコーナー」を設置して、氷・風・風鈴・冷感素材など“涼”をテーマにしたコーナー展示を楽しむ。
  • 園で行った遊びで、家庭でも取り入れやすいもの(例:水鉄砲玉入れ)を園からのおたよりに載せ、保護者との連携を強める。
  • 「夏の音を探そう」など、音や感触をテーマにした日替わりミニ遊びを設定することで、子どもの集中力を高め、単調になりがちな活動を変化させる工夫にも。
  • まとめ

    8月は水や氷を使った遊びが大人気!「どんな感覚や気持ちを味わうか」という体験ができる月です。暑い時期だからこそ、無理をせず「気持ちいい」「楽しい」と感じられる遊びを取り入れていきたいですね。


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