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保育士のひきだし

2019.11.27

保育園で働く看護師の仕事や役割【子ども好きな看護師さんにぴったり!】

保育園で働く職員は、保育士だけではありません。看護師や栄養士、調理師や事務員など、さまざまな役割の方が子どもたちの成長を見守っています。その中でも看護師は、子どもの健康を守るために、できる限り保育園に配置することが厚生労働省で定められています。

では、保育園で働く看護師には、どんな仕事内容や役割があるのでしょうか?保育園での仕事に興味があるという看護師の皆さんへ。病院勤務とは違った仕事内容やメリット・デメリット、保育園勤務の看護師に向いている方の特徴などをご紹介いたします。

保育園の看護師にはどうすればなれる?

保育園の看護師として働くためには、看護師免許が必要です。正看護師だけではなく、准看護師の免許でも勤務可能ですが、中には正看護師の資格を持っていることを応募条件に定めている保育園もあります。

また、保育園に配置される看護師は基本的には各園に一人なので、自分で判断しなければならない場面も少なくありません。そのため、勤務経験者のみ応募可という条件を出している保育園もあります。勤務経験には病院勤務も含まれますので、病院での経験を積んでから保育園の看護師を目指すという方法もありますね。

厚生労働省では、保健師または看護師に係る職員資格の特例として、保育園に勤務する看護師を1人に限って、保育士とみなすことができるとしています。看護師を、保育士人数の設置基準に含めることができるということですね。以前は正看護師のみという括りがありましたが、2015年に准看護師も保育士とみなすことができるようになりました。

そのため、保育園で働く看護師には、保育士資格は必要ありません。ただ、保育園での勤務は子どもを相手にしますので、小児科勤務の経験があるとよりよいでしょう。

【参考】厚生労働省 保育所等における保育の質の確保・向上に関する基礎資料

厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知 保育所等における准看護師の配置に係る特例について

保育園看護師の一日の仕事内容

保育園で働く看護師の仕事内容を、詳しく見ていきましょう。

出勤

保育園で働く看護師は、保育士と同じようにシフト勤務の場合が多くなります。出勤時にはすでに登園している子どももいますので、まずは子どもの健康チェックを行います。各クラスの担任から健康面の引継ぎがあり、子どもの様子を自分の目で確認します。健康面に不安がある子どもがいた場合には、保護者の方への連絡の判断や保育士への指示も看護師の仕事です。

バイタルチェック

検温や血圧、脈拍などを診るバイタルチェック。保育園では、血圧や脈拍のチェックは基本的には行いませんが、検温はこまめに行います。例えば登園時。自宅では熱がなくても、登園中に熱が上がることもあります。午睡明けに発熱する子どもも多く、午睡明けの検温をしている保育園もあります。

検温は保育士も行いますが、発熱した子どもがいた場合には、保護者の方への連絡の判断、保護者の方が迎えに来るまでのケアは看護師の仕事です。子どもは急な発熱や体調不良が多く、場合によっては急激に熱が上がることで熱性けいれんを引き起こしてしまいます。発熱がみられたときには、水分をしっかりととり、適切な場所を冷やすなどのケアが必要です。

手洗い指導

子どもの健康管理とともに、衛生指導も看護師の仕事です。特に手洗いは、子どもの健康状態に直結するので、日頃からの指導を徹底しましょう。子どもが興味を持てるような、ペープサートやパネルシアターなどを使った指導も効果的です。また、園によっては、歯磨き指導を行う場合もあります。

昼食

昼食時は、アレルギーへの配慮が最も大切です。アレルギー児を把握し、栄養士、看護師、保育士でしっかりと確認をしましょう。絶対に避けたい事態ですが、もし誤ってアレルギー物質に触れたり口にしてしまったときのために、飲み薬や塗り薬、アドレナリン自己注射薬(エピペン)を預かることもあります。アレルギーへの理解、アレルギー児の把握、もしものときの対応をしっかりと周知しましょう。

 

また、医師の投薬指示のもと、昼食後服用の薬を持参する子どももいます。園の規定に従い、持参薬の確認や投薬をすることも、看護師の仕事です。

けがの手当て

子どもは、よくけがをします。転んで擦りむいたり、ぶつけたり、子ども同士のトラブルで引っかきやかみつきが起こったり…。そんなけがの手当ても看護師の仕事です。擦りむいたときはまず清潔な水で洗う、かみつかれたときにはすぐに冷やす、などけがの状態に合わせた適切な手当が必要です。

大きなけがの場合には、病院や歯科を受診することも。受診の判断も看護師の役割です。また、けがが起きたときに、必ずその場にいられるわけではないので、保育士にけがの手当て方法を伝えておきましょう。

保育士のサポート

看護師は、保育士の1人としてみなされることも。そのため、保育士のサポートも大切な仕事の1つ。もちろん看護師の業務が優先ですが、保育として子どもと遊んだり、オムツ替えや食事の援助なども行います。普段から子どもと密に関わることは、健康管理や衛生管理においてもプラスです。

退勤

退勤前には、1日を通しての子どもの健康面やけがの様子などを記しておくようにしましょう。園で定められた看護記録をつける必要もあります。記録があれば、子どもの様子や健康面を全体で管理できます。

保育園看護師のメリット・デメリット

看護師が保育園で働く場合、病院勤務とは違うメリットやデメリットがあります。

メリット

まずはメリットをご紹介いたします。

夜勤がなく週末に休める

入院施設のある病院勤務の場合には、夜勤があります。しかし、保育園での勤務は基本的に日勤のみです。また、日曜祝日は休みで、土曜出勤がある場合にも月に1回程度という園がほとんど。夜勤がないことで、体調の負担が軽減されたり、家族や周囲の人と休みが合うので、予定が立てやすいというメリットがあります。

子育て経験が活かせる

保育園では自分の子育て経験を存分に活かすことができます。看護師としての知識や経験だけではなく、子育ての経験も活かせることは、子育て経験者にとってはうれしいメリットですね。

子どもたちから元気をもらえる

保育園に通う子どもたちは元気いっぱいに遊びます。パワーあふれる子どもたちと関わり、成長を見守ることで、自分自身が元気をもらえることもあるでしょう。大好きな先生の一人として、子どもと関われることも魅力の1つです。

デメリット

メリットの多い保育園看護師ですが、保育園勤務だからこそのデメリットもあります。

保護者との関係が難しい

保育園で働く看護師は、子どもとの関わりや健康管理の他に、保護者対応も大切な仕事の1つです。伝え方によっては保護者の方との関係が悪化する場合も。例えば、けがの様子を伝えるときに、けがの状態を伝えただけでは保護者の方は不信感を抱きます。

どんな活動中にどのような状態でけがをしたのか。どのようなけがの対応を行ったのか、ということまで伝える必要があるのです。保護者の方は大切な子どもを園に預けているので、一度不信感を抱いてしまうと、関係修復が難しい場合もあります。丁寧な伝え方や対応を心がけましょう。

悩みを相談する人が見つかりづらい

1つの保育園で雇用する看護師は、基本的には一人です。そのため、看護師としての悩みを相談しづらいというデメリットがあります。一人で判断しなければならない場面が多いのです。

 

しかし、保育士は看護の専門家ではありませんが、保育園での仕事内容を熟知していますし、子どもの健康面はよく観察しています。悩んだときには、遠慮なく保育士に相談してみましょう。一緒に保育園で働く仲間として、関係が築けると良いですね。

病院勤務に必要な技術が低下してしまう

保育園で働く看護師は、病院勤務の看護師が行うような点滴や注射など、医師の指示で行う医療行為の補助を行いません。そのため、保育園の勤務が長いと、病院勤務に必要な看護技術が低下してしまいます。いずれは病院勤務に戻りたいという方にとっては、デメリットとなるでしょう。

保育園看護師に向いている人

保育園で働く看護師が自分に向いているのかということも気になりますね。保育園看護師に向いている人の特徴を見ていきましょう。

子ども好き

保育園で働く全ての人に共通して言えるのが、子どもが好きでなくては勤まらないということです。子どもとの関わりの中では、思い通りにいかないことや、大変な場面もたくさんあります。それでも子どもが好きだからこそ、頑張れるのです。大好きな子どもたちと過ごすことに幸せを感じられる人は、保育園看護師に向いています。

勤務時間が一定で働きたい

保育園看護師は、保育士と同じようにシフト勤務がほとんどです。しかし夜勤はないので、7時から19時の中で8時間勤務、などある程度の時間が決まっています。中には、看護師の勤務時間を固定で設定している保育園もあるので、毎日決まった時間で働きたいという方は、固定勤務の園を探すことも1つの方法です。

保育に関するスキルやコミュニケーション力がある

保育園看護師には保育士資格は必要ありませんが、保育士の一人としてみなされます。そのため、保育のスキルを持っていることは、大きな強みです。子どもの成長に関する知識や関わり方のスキル、遊び方を知っている看護師は、保育士にとって心強い存在となります。また、保育園で看護師が一人という状況でも、積極的に保育士とコミュニケーションを取り、柔軟に対応することが必要になるでしょう。

知識を活かして自分で判断できる

保育園で働く看護師は、基本的に各園につき一人です。そのため、子どもの健康状態に不安があったり、けがが起きたときには、保育士は看護師に指示を仰ぎます。病院勤務ならば、医師の指示を仰いだり先輩看護師に相談できますが、保育園勤務では全て自分で判断する必要があります。豊富な知識と経験のもと適切な判断ができる人は、保育園看護師に向いています。看護の知識を、保育士に伝えていくことも大切です。

まとめ

保育園で働く看護師についてご紹介いたしました。病院勤務の看護師とは異なる仕事内容も多く、働き始めたばかりの頃はその違いに戸惑うかもしれません。しかし、子どもの健康や安全を守り、保育士や保護者の方からも頼りにされる保育園看護師は、大きなやりがいを感じられるでしょう。子どもが好きで、子どもと密に関わりたいと考えている方にとっては、理想の環境であると言えます。

メリット、デメリットを理解して、看護師として活躍する職場の選択肢に、保育園を加えてみてはいかがでしょうか?


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