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保育士のひきだし

2019.03.22

【高まる男性保育士の需要】男性保育士の働き方やメリットを解説

平成11年、保育のための専門職である「保母」は「保育士」という名称に改められました。改正の理由は、男性保育士が増えてきたことに関係します。

昔は保育の仕事は女性が就くことがほとんどでした。しかし、男女雇用機会均等法の改正などの影響もあり、男性でも保育の仕事に携わりたい!と保育士を目指す人が増えたのです。

そして、保育園でも男性ならではの子どもとの関わり方が求められたりと、男性保育士を必要とする声も高まっています。

実際に保育士として働きたいと考えている男性の皆さんへ。男性保育士の現状や働き方、悩みの解決方法などをご紹介いたします。

男性保育士の現状とは

まずは男性保育士の現状を見ていきましょう。

男性保育士の給与はどのくらい?

平成28年の厚生労働省の調べによると、保育士全体の平均月収は223,300円。そのうち女性保育士の平均月収は221,900円。一方男性保育士の平均月収は248,300円でした。

【参考】厚生労働省 平成28年 保育士の平均賃金

給与が低いと言われることの多い保育士の仕事ですが、女性保育士に比べると男性保育士の方が給与の待遇が良いという結果が見えてきます。保育士を目指す男性にとってはうれしい結果ですね。

 

男性保育士の待遇

給与面の待遇について見ていきましたが、福利厚生など給与以外の待遇はどうでしょうか?

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福利厚生の1つである有給休暇。子どもの人数やシフトによっては希望する日に取得できない場合もありますが、保育士同士が協力をすることで順番に有給が取れる体制を整えることは可能です。求人情報には有給取得率を載せている園も少なくありませんので、確認しておくと良いでしょう。

女性の権利と思われがちな育児休暇も、実は男性も取得ができます。しかし全ての業種において、周りの目が気になったり上司からの評価が下がりそうといった不安もあり、取得する男性はまだまだ少ないのが現状です。ただ、子どもを預かる立場だからこそ、男性が育児休暇を取得しやすい環境を整えている保育園もあります。

男性保育士の割合

平成28年の厚生労働省の調べによると、保育士全体を100%としたときの男性保育士の割合は5.4%でした。

【参考】厚生労働省 平成28年 保育士の平均賃金

そこで、2年前の平成26年の調べを見てみると、男性保育士の割合は6.6%。若干ではありますが、28年度の方が割合が下がっているという結果です。

【参考】厚生労働省 保育士等に関する関係資料

待機児童問題が深刻な状況で新規園の開設が進められ、女性保育士が増えたので結果として男性保育士の割合が下がったという面もあると思います。しかし、保育士不足が騒がれている現在においても、女性保育士ほど男性保育士の人数は増えていないことは事実です。

この結果から、まだまだ男性が保育士として働く環境が整っていないという現状が見えてきます。

男性保育士の働き方

では、男性保育士として働きたいと考えたときには、どんな道があるのでしょうか?男性保育士の目指し方や働き方を見ていきましょう。

まずは資格を取得する

保育士を目指す人の第一歩は保育士資格の取得です。

保育士資格の取得方法は2つ。

  • 保育士養成校に指定された大学・短大・専門学校に通う
  • 保育士試験を受験し合格する

高校を卒業して保育士を目指す方は、養成校に通う方法が一般的です。女子大でなければ男性でももちろん入学可能。女性が多い環境ですので、肩身が狭いと感じる場合もありますが、女性が多い環境に慣れるという意味でも良い環境であると言えますね。

保育士試験の受験は、社会人として働きながらでも自分のペースで勉強をして資格取得が目指せるというメリットがあります。ただ、難易度が高く合格率が低い試験なので、自分に合った勉強法を見つけて取り組むことが大切です。

自分に合った就職先を見つける

資格取得の勉強と同じくらい大切なのが、自分に合った保育園を見つけること。求人情報だけではなく、実際に足を運び見学をしたうえで自分に合った保育園を見つけるようにしましょう。

  • 自分以外に男性保育士が働いている
  • 園長が男性
  • 保育士が笑顔であいさつをしてくれる
  • 広い園庭があり思い切りからだを動かすなどの自分の得意分野が生かせる

男性保育士としての自分を求めていると感じられる園がおすすめ。反対に、見学時にあいさつをしてもそっけない態度であったり、自分には合わないと感じたときにはどんなに条件が良くても辞めておいた方が無難です。

管理職を目指す道も!

男性保育士として働き始めたら、主任や園長などの管理職を目指すという道もあります。

女性は出産や育児で、どうしても長い期間保育から離れなければならないこともあります。職場復帰をしても子どもが小さいうちは思うように働けない、という状況の中で管理職を目指すことが難しい状況も。

もちろん男性保育士も育休の取得はできますが、妊娠出産がないことでブランクなく働くことが可能です。管理職に就くと収入も上がりますので、同年代の男性よりも収入が低いという悩みの解決にもつながります。

先輩保育士が多く管理職を目指せないという場合には、既存園で保育士経験を積み、新規園で主任や園長職に就くという方法もありますよ。

男性保育士のメリット

男性保育士がいてくれることは、子どもや保護者の方、園や周りの保育士のとってもメリットがたくさんあります。周囲から求められることでやりがいにつながることも。男性保育士が保育園で働くメリットをご紹介いたします。

職場の中で役割分担ができるようになる

保育の現場に男性がいてくれることで助かる場面は多くあります。

例えば、はいせつ援助。男児のトイレ指導は女性保育士では難しい場合も。正しいはいせつの仕方を教えることができないからです。トイレトレーニングの時期は特に、男性保育士が担当してくれることでスムーズな援助につながります。女児の援助は女性保育士が主に行い、男児の援助は男性保育士にお願いするというように役割分担ができるのです。

他にも、男性保育士がいてくれることで防犯面でも安心。力仕事や高いところの作業は、力が強かったり背の高い男性保育士が頼りになるなど、園の仕事の中でも男性保育士が担当してくれることで女性保育士にとっては大きな助けとなります。しかし、力仕事や高い場所は男性であっても苦手な場合もありますよね。男性だからと言って、必ずやらなければならない訳ではありません。難しい場合は周囲に伝えるようにしましょう。

運動や外遊びがダイナミック

女性保育士であっても、子どもたちと外で走り回り思い切りからだを動かして遊びます。しかし3歳児以上になると、女性保育士の遊び方では物足りなかったり、保育士が子どもの体力についていけないことも。そんなときに男性保育士が思いきりダイナミックに遊んでくれると子どもたちは大喜びです。

運動面でもサッカーやボール投げなど自分の特技を生かして子どもと関わることで、一目置かれる存在になれますよ。

子どもたちの父親的存在になれる

男女平等とは言っても、やはり男性と女性とでは声の掛け方や子どもとの関わり方が違います。だからこそ家庭では、父親と母親が自然と役割分担をして子どもと関わるようになるのですよね。女性の保育士はどうしても母親的な関わりが多くなります。その環境の中で父親的な関わり方をしてくれる男性保育士は貴重な存在。女性保育士にとっても、男性保育士の関わり方から学ぶ場面が多くあります。

保護者の方から頼られる

保育園を利用するのは共働き家庭が多いので、父親が送迎の子どももいます。送迎する父親にとっては、女性保育士よりも男性保育士の方が話をしやすい存在になることがあります。ちょっとした悩みを相談したり、雑談ができる保育士がいることで、園に親近感を持ってもらえます。シングルファザーの家庭は特に、男性保育士が良き相談相手となってくれることは重要です。

また、シングルマザーにとっても男性保育士は頼りになる存在。母親と父親、両方の関わり方を求められるシングルマザーにとっては、男性保育士の関わり方はとても参考になります。

男性保育士の悩み

子どもや保護者の方から求められることでやりがいが感じられる男性保育士ですが、男性保育士ならではの悩みもあります。男性保育士に多い悩みと対処法を見ていきましょう。

設備が整っていない場合も

園によっては、男性保育士が働きやすい設備が整っていない場合もあります。例えば更衣室。女性用の更衣室しかなく、いつも着替えはトイレの個室なんてことも。他にも、エプロン貸し出しの園で女性用のエプロンしか用意がない、など身につけるものに困ることも少なくありません。

【対処法】

困っている部分を具体的に園長に申し出ましょう。更衣室をもう1つ作るのは難しくても、トイレ内に着替えのときに服を掛けられるフックを付けてもらうだけでも、着替えがスムーズにできます。備品置き場を片付けて、男性保育士専用のロッカーや着替え場所を確保してもらえるかもしれません。エプロンなどの身につけるものは、男性用も販売しています。

困っていることに気付いていない場合もありますので、どんな部分に困るのかを具体的に伝え、自分でも改善策を提案することをおすすめします。

女性保育士との関わり方への悩み

男性保育士の中には、女性保育士との関わり方について悩みを抱える人も少なくありません。上手くコミュニケーションが取れずに仕事に支障が出ることも…。

【対処法】

女性保育士との関係に悩みを抱えたときにこそ、自分から積極的に話かけることを心掛けてみましょう。まずは笑顔であいさつから。コミュニケーションの第一歩はあいさつです。

女性ばかりの環境の中で仕事をしてきた女性保育士も、男性保育士との関わり方に迷っているかもしれません。自分から話かけることで会話のきっかけ作りとなり、良い関係を築けることもありますよ。

保育園は複数の保育士でクラスを担当する場合が多いので、保育士間の関係が子どもの保育にもダイレクトに影響します。仕事内容や子どもの様子についてなど、まずは仕事に必要な話題から。積極的に会話をしてみてくださいね。

女児のオムツ替えや着替えに気を遣う

子どもとの関わりの中で多い悩みが、女児のオムツ替えや着替えに気を遣うということ。これは周りの女性保育士も気を遣う部分でもあります。実際に男性保育士がオムツ替えをすることを気にする保護者の方もいるからです。

【対処法】

まずは、子どもの目線で考えてみましょう。年長児などで男性保育士に着替えを見られるのが恥ずかしいと感じている場合には、子どもの気持ちを尊重するという意味でも着替えの場からは席を外した方が良いでしょう。

難しいのが、子どもは気にしていないけれど保護者の方が気にするのでは…という悩みを抱えた場合です。012歳児であっても気にする親はいます。

そんなときには、園長に相談することをおすすめします。園長は園の責任者です。園長から「女児のトイレ対応や着替え援助も女性保育士と同じように行ってください」と言われたら、それは園の方針となります。保護者の方からクレームが出たときにも、園全体として対応してもらえます。大切なのは個人の行動ではなく、園長に相談したという過程です。自分を守るためにも、報告・連絡・相談を徹底しましょう。

男性保育士はますます求められる存在に!

保育士不足が深刻な現在。男性保育士はますます求められる存在となっています。保育士確保のために保育士の待遇も改善されつつありますので、男性でも他業種との給与差が縮まってきているといううれしい変化も。どの保育園にも男性保育士がいるのが当たり前という将来も近いかもしれませんね。

男性保育士だからといって、男性ならではの良さを前面に出さなければと気負うことはありません。女性にもさまざまなタイプの保育士がいるように、男性にもさまざまなタイプの保育士がいて良いのです。ただ、男性ということで女性保育士とは違った役割を求められる現実はあります。男性保育士は求められているという自信を持って、保育を楽しんでくださいね。


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