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保育士のひきだし

2020.06.15

【保育士の定年はいつ?】保育士として長く働くためのポイント

保育士の定年は一般企業と変わらず、65歳(年金受給年齢)です。ただ、保育士は体力仕事が多く、年齢を重ねても保育士として働くことに不安を感じる方もいるでしょう。

本記事では、定年まで働き続けたいと考えている方に向けて、自分の将来を見据えた働き方を考えていきます。

保育士の定年は何歳?

そもそも、保育士の定年は何歳でしょうか?ここでは、公立・私立の保育園それぞれの定年について解説します。

公立保育園の定年は60

公立保育士はいわゆる「地方公務員」であるため、定年は60歳と定められています。しかし、20203月に政府は国家公務員の定年を65歳に引き伸ばす法案を提出し、さらに地方公務員の定年も同じように引き延ばす動きが見られます。地方公務員の定年引き延ばしは20224月に執行予定です。ただ、現在でも定年になった本人が「再雇用」を望む場合、65歳まで働くことは可能です。

【参考】日経新聞「公務員定年、30年度に65歳へ 法案閣議決定」

総務省「地方公務員法の一部を改正する法律案の概要」

私立保育園の定年は65

私立保育士の定年は施設によって異なりますが、一般的に60歳を定年としているところが多いようです。しかし、厚生労働省の「ハローワークにおける 60 歳以上の保育士に係る求人・求職状況について」によると、近年60 歳以上の保育士希望求職者が増えているようです。ちなみに、厚生労働省委託事業である楽天リサーチ会社の「保育士が働きやすい職場づくりのための手引き」によると、定年に関して以下のように記載されています。

なお、定年制を設ける場合は、60歳を下回ってはならないこと。また、65歳未満の定年の定めをしている場合は,高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため,次のからのいずれかの措置 (高年齢者雇用確保措置)を講じる必要があること。

 ①定年の引上げ継続雇用制度の導入定年の定めの廃止

上記のことから、私立保育園では60歳以上の雇用に関して、かなり意欲的な姿勢であることが分かります。もちろん、継続雇用や再雇用の規定は保育園によって異なるため、気になる場合は勤め先の保育園に相談してみましょう。

【参考】厚生労働省「ハローワークにおける 60 歳以上の保育士に係る求人・求職状況について」

厚生労働省 楽天リサーチ会社「保育士が働きやすい職場づくりのための手引き」

あるある!40代以降の保育士が抱える悩み

40代以降は「定年まで働きたい」と思う一方、さまざまな不安や悩みが出てくる年代でもあります。ここでは、40代以降の保育士が抱えることの多い5つの悩みをピックアップします。

保育業務が体力的にキツイ

40代以降になると、若い頃と比べて体力的な負担が大きくなってしまいます。若い頃なら、子どものおんぶや抱っこを楽々とこなしていたのに、年を重ねると腕や肩、腰に大きな負荷がかかり、体を痛めてしまうこともあるでしょう。腱鞘炎やぎっくり腰など症状が頻繁に現れることも。また、疲れがなかなか取れないと感じるのもこの年代です。その結果、ミスが増えて自信をなくしてしまう保育士も少なくありません。

同世代の保育士が少なく心細さを感じる

保育園は若い世代が多く活躍している職場です。保育士の平均年齢は35.0歳ですが、勤務歴が24年未満の保育士の離職率が高い傾向にあります。つまり3040代以降まで勤め続ける保育士が少ないのが現状です。もちろん、若い世代の保育士と良好な関係を築く保育士もいますが、同世代がいないことで「若い世代と話が合わない」と心細さを感じる保育士もいるでしょう。

【参考】厚生労働省「保育士等に関する関係資料」

今後のキャリアに悩む

40代以降は今後のキャリアを考えるターニングポイントでもあります。このまま定年まで正社員として働き続けるのか、それともパートやアルバイトなどの雇用形態に変更するのか、はたまた転職すべきかなど、これからの働き方を考える大切な時期です。同世代の「ロールモデル」がいないこともあり、自分の決断に自信が持てない保育士もいるでしょう。

主任やリーダーなど責任ある役職に就かなければならない

40代以降の正社員保育士の場合、主任やフロアリーダーなど、責任ある役職を任されることもあるでしょう。保育経験が豊富という理由で、半ば強制的に任されることもあるかもしれません。「人不足でリーダー職に就ける人材が少ない」というのが大きな原因でしょう。

しかし、中にはリーダー職に就くことを「自分はリーダーというタイプではない」「これまでの働き方と変わるのが嫌」と戸惑いを感じる方もいます。リーダー職になると業務も増えますし、新人教育もしなければなりません。その結果、精神的・肉体的な負担が増え、家庭と仕事の両立が難しくなってしまう可能性も高まります。

転職のハードルが高い

40代以降になると「新しい保育園に転職したい」と思っても、なかなか行動に移せない人も多いのではないでしょうか?それは、「40代以降の保育士を雇ってくれる保育園はあるのだろうか?」「これまでのキャリアを捨てて一から始めるのが怖い」という不安があるからでしょう。確かに、保育現場では体力的に余裕のある若い人材が求められる傾向があります。

とはいえ、保育現場はどこも人手不足なので、経験豊富な40代以降の保育士は現場にとって頼りになる存在です。競争率の高い求人でない限りは、雇ってもらえる可能性は非常に高いでしょう。

40代以降の保育士必見!定年までの働き方

「定年まで働きたい」と考えている保育士のために、さまざまな働き方をピックアップしてみました。今後のキャリアに悩んでいる保育士は選択肢の1つとして考えてみましょう。

担任保育士ではなくフリー保育士として働く

体力・気力ともに負担が大きいと感じる場合は、担任を持たず、フリー保育士として働くのがおすすめです。担任保育士には個人票や日誌、保育の準備に加えて、保護者対応やイベントの企画・運営など、たくさんの業務があります。一方、フリー保育士は担任保育士の補佐的なポジションのため、書類作成はほとんどありませんし、保育業務を主体となって進める機会も減ります。担任のプレッシャーから解放され、働きやすいと感じるかもしれません。ただし、食事の準備や片付け、掃除や洗濯などの雑務を任されることは多くなるでしょう。単純作業が好きな人や、少しの間子どもから離れる時間がほしい人には、ぴったりのポジションです。

パート・アルバイト・派遣などの雇用形態にチェンジする

パート・アルバイト・派遣などの雇用形態に変更するのも選択肢の1つです。正社員で働いている場合、フルタイムの勤務が基本で休みも取りづらい傾向があります。イベントで土日祝日の出勤があったり、残業や持ち帰りの仕事を引き受けざるを得ないこともあるでしょう。一方、パート・アルバイト・派遣の場合、働く時間や出勤日数は自分で決めることができ、残業や持ち帰りの仕事もありません。体力的な問題で長時間働くことが難しい人や、プライベートの時間を大切にしたい人にはおすすめな働き方です。金銭面や手当が不安の場合、短時間正社員として働くという手もありますよ。

園長や本部スタッフなどの管理職を目指す

「定年まで働くのなら、保育園の運営に携わりたい!」という人は、園長や理事長、本部スタッフなどの管理職を目指すのもよいでしょう。全体を把握する力や、臨機応変に対応する力、保護者対応など、長年勤務し続けて身に付けたスキルを最大限に生かせるチャンスです。現場経験があるため、「保育士が働きやすい環境を作るために、何が必要か」を的確に捉え、現場の保育士に寄り添った運営が実践できるでしょう。さらに、現場から離れるため、体力的な負担も解消されます。保育業界の未来を担うポジションとして、現場を支えていきましょう。

経験を生かし子育て支援に専念する

豊富な経験を生かして、子育て支援に専念するのも選択肢の1つです。子育て支援とは、主に保護者の方を対象としたさまざま支援です。例えば、保育園を経営する法人が行う「育児講座」、保護者同士が交流できる「子育てサークル活動」などが挙げられます。「保育のスキルを生かしたい」「子育てに悩む保護者を助けたい」と考える人は、こうした子育て支援サービスを通して、やりがいを感じられるでしょう。もちろん、本業として保育業務も並行することになりますが、保育事業が大きい場合、専門講師1本で働くことも可能です。

  • リトミック指導員
  • 英語検定
  • スポーツインストラクター
  • 保育カウンセラー

上記の資格を取得して、保育園内の子育て支援スタッフや専門講師として働くことも視野に入れてみましょう。

働きやすい保育園に転職するのもアリ

職場の環境が悪いなら、働きやすい保育園に転職することも考えてみましょう。特に、人手不足で一人ひとりの負担が大きい職場や、人間関係が悪い職場、雇用形態やシフトに融通が利かない職場は、離れた方がよいでしょう。定年まで健康に働くためには負担が少なく、働き方を自由に選べる保育園で働くことが理想です。特に、保育士の人数が多く、幅広い世代が働いている保育園は働きやすいと言えるでしょう。とはいえ、「40代以降で転職するのは不安…」と考える方もいるでしょう。そんなときは転職サイトに登録してみていかがでしょうか?転職サイトでは、たくさんの求人の中からあなたの希望に合った保育園が見つけられますよ。保育業界に詳しいスタッフのサポートも受けられるため、転職活動を不安に感じる方はぜひ活用してみましょう。

まとめ

近年は、保育士だけでなく、さまざまな職種の定年が引き延ばされつつあります。今後、65歳以降でも働き続ける人が増えてくるでしょう。定年までやりがいを持って働くためには、今後の働き方を考えたり、職場環境を見直す必要があります。今のうちに、できることから始めてみましょう。


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