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保育士のひきだし

2020.04.09

【保育士必見】イヤイヤ期の子どもへの対応方法は?

「食べたくない」「寝たくない」「自分でやりたくない」など、なんでも嫌がるイヤイヤ期。子どもに自我が芽生え始めた証拠ですが、なんでもイヤイヤされて時間がかかってしまうのは悩みの種ですよね。

本記事ではイヤイヤ期の子どもたちに保育士としてどのように対応するべきかをご紹介いたします。

「魔の2歳」子どものイヤイヤ期とは?

12歳児を担当する保育士の中には、「イヤイヤ期」の子どもに悩まされている方も多いのではないでしょうか?前までは素直に言うことを聞いてくれたのに、突然「嫌!」「やりたくない!」と拒否するようになってしまった。なぜイヤイヤ期がくるのか、その仕組みをみていきましょう。

イヤイヤ期は1~2歳に始まる

博報堂が発表した「イヤイヤ実態調査」では、イヤイヤ期が始まった時期が「1611カ月」と回答した人の割合が56.8%、「205カ月」は77.3%、「2611カ月」は72.3%でした。つまり、半数が1歳半以降、7割以上が2歳からイヤイヤ期を実感したという結果となっています。

否定するのは自我が発達し自己主張が強くなるから

子どもが自分の言い分を押し通そうとしたり、言われたことを拒否したりするのは、子どもに「自我」が芽生えた証拠です。

この頃の子どもは、自分でできることが増えてくるため、何でも1人でやりたがる傾向があります。また、1歳後半~2歳頃は「自分」という存在を認知し始めます。いわば、子どもの「自己主張」は「自分」が1人の人間であることを意識し始めたサインなのです。

子どもの成長に必要な過程!心配は無用

自己主張をする時期は、子どもの成長に欠かせない大切な過程です。1人ではできないことを「自分でやる!」と言い、手伝おうとすると「ダメ!」「やめて!」とはねのける。一見、困った行動にも見えますが、この「自分でやりたい!」という欲求は、子どもが自立する上で大切な感情です。自分でやろうという意思があるからこそ、着替えも食事も、1人でできるようになります。また、逆に「やだ!」「やりたくない!」という自己主張も、保育士や両親とのコミュニケーションの取り方や、感情のコントロールの仕方、自分の欲求と「やらなきゃいけないこと」の折り合いの付け方を学ぶ過程なのです。

いつまで続く?過ぎるとどうなる?

一般的にイヤイヤ期が収まるのは、3歳ぐらいだといわれています。しかし3歳になると「反抗期」がおとずれます。今度は「○○だからやだ」「○○じゃないとダメ」と、“こだわり”のような自己主張が増えていくため、人によっては「2歳のときより手ごわい!」と感じることもあるでしょう。しかし、イヤイヤ期のコツさえつかめば、3歳児を担当したときも生かせます。まずは、イヤイヤ期の対応をしっかり身に付けることが大切です。

「こんなときどうしたらいい?」イヤイヤ期の例とその対応

保育園は集団生活のため、1日のスケジュールが決まっています。そんな中で子どもが「イヤイヤ」ばかりすると保育が進まず苦労するでしょう。場合によっては、1日の生活リズムが崩れ、予定していた活動ができなかったりすることも。そこで今回は、イヤイヤ期の子どもによくある例と、その対応をご紹介いたします。

1人で着替えたがる&着替えたくない

外遊びから帰ったときやお昼寝の前など、保育園では子どもが着替える機会がたくさんあります。その度に「自分でやりたい!」と主張されてしまうと、保育士側としても「まだ1人で着替えられないのに」「時間がないのに!」と困ってしまいますよね。

できるところまで自分でやってもらう

子どもが「着替えを手伝おうとすると嫌がる」というときは、できるところまでやらせてみてみましょう。最初から保育士が手伝ってしまうと、「自分でやりたかったのに!」と怒りがさらにヒートアップしてしまいます。首周りや袖のボタンなど、どうしても子ども1人では難しい部分だけ、こっそり手伝ってもOKです。着替えが上手くいってもいかなくても、自分で頑張ろうとしたことはしっかり褒めて、達成感を感じさせてあげましょう。

お気に入りの服を用意する

子どもが「着替えたくない!」というときもあるでしょう。そんなときは、あらかじめ子どもに着替える服を選んでもらうといいでしょう。イヤイヤ期は、とにかく自分が主導権を握りたいと思う時期です。何でも自分で決めたいし、何でも自分でやろうとします。その心理を逆手に取って、まず子ども自身に主導権を握らせましょう。きっと「自分で決めた服だから、自分でやろう」とモチベーションが上がりますよ。着替えたら「○○しようね」とご褒美や楽しみを作っておくのもありです。

「いらない!」ごはんを食べない

保育中になかなか手ごわいのが、ご飯を食べたがらないときです。食事は生活の基本なので、しっかり食べてもらわなければいけません。しかし、かたくなに食べることを拒否する子どもに、焦りやイライラが募り、余計に子どもが不機嫌になってしまうという経験もあるのでないでしょうか?子どものやる気を引き出すには、次のような方法を試してみましょう。

子どもが楽しくなるような声かけをする

イヤイヤ期の子どもには、ポジティブな声かけが効果的です。「あ、これおいしそう!」「いいな~先生も食べたいな~」と、子どもの興味を誘うような言葉をかけましょう。また、保育士が一緒に食事を摂れるようなら、子どもの目の前で給食を食べて「おいしいよ!」○○ちゃんも食べてみて!」と誘ってみるのもおすすめです。それでも食べないときは、食べる量を減らしたり、好きなものから食べるように促したり、子どもが「食べてもいいかな」と思うきっかけを作りましょう。

食事を中断してルールを知ってもらう

どうしても食べないときや、子どもの感情がヒートアップして大泣きしてしまったときは、一度食事を中断しましょう。プレートや食器を下げると子どもが嫌がるかもしれませんが、「すべてが思い通りにいくわけではない」「ルールは守るもの」ということを教えるのも大切です。

「まだ眠くないもん!」昼寝をしない

お昼寝の時間になっても、「まだ遊んでいたい!」「もっと絵本が読みたい!」と駄々をこねて寝ようとしない子どももいます。お昼寝をしないと、午後の活動のときに眠くなったり、生活リズムが崩れてしまうので、保育士としては早く眠ってほしいところでしょう。

寝かしつけテクニックを駆使する

「眠くない!」とは言っても、きっと午前の活動の疲れがあるはずです。子どもが午後も元気に活動できるよう、次のような寝かしつけのコツを実践してみましょう。

  • 子どもの呼吸に合わせてトントン
  • 耳元で優しい鼻歌を歌う
  • 体を密着させて安心感を
  • オルゴールや静かなBGMをかける

イヤイヤ期は保育士が抱っこしなくても1人で眠れる年齢ですが、子どもが1歳半の場合は、特別におんぶや抱っこをしてもよいでしょう。

別室で少し遊ばせる

昼間の活動量が少ない場合、体力が余ってしまい、眠くならないこともあります。その場合は、別室で絵本やパズルなど、静かな遊びをさせてみましょう。頭を使う作業をすることで、だんだんと眠くなってくる可能性もあります。

「トイレ行かない!」オムツを替えたがらない

トイレやオムツ替えを嫌がるのも「イヤイヤ期」よくあることです。1歳半~2歳はまだオムツが外れない時期のため、1日に何回も替えなければなりません。特にうんちの場合は早めに処理したいはず。ところが、中には走って逃げてしまう子どもや、その場から動かない子どももいます。一体、どんな働きかけがよいのでしょうか?

おもちゃを確保して促す

遊んでいるときに「オムツ替えようか」と声をかけると、露骨に嫌がる子どもはいませんか?もしかすると、「遊んでいるおもちゃがほかの子どもに取られるのが嫌」と思っているのかもしれません。その場合は、「おもちゃ、ここに置いておこうか」とおもちゃを別の場所に移動させて、子どもを安心させることが大切です。

「待ってるね」「○○ちゃんと一緒に行こう」と誘う

イヤイヤ期の子どもには「する、しない」を問うのではなく、「する」前提で接するのがおすすめです。「どうするの?するの?しないの?」と選択肢を子どもに託してしまうと、当然「しない」を選んでしまいます。トイレに行くのを嫌がるなら、「そっか。じゃあ先生、先に○○ちゃんのオムツ持ってトイレで待ってるね」「ちょうどよかった!○○ちゃんと一緒に行こうか」と「トイレに行く」前提で声をかけてみましょう。

「したくない!」活動に参加したがらない

イヤイヤ期になると、外遊びや製作に参加したがらないケースもあります。活動に参加しない子どもがいると、保育の流れが止まってしまうため、イライラしてしまうかもしれません。子どもが楽しく活動に参加できるように、こんな対応が効果的です。

まずは子どもの話を聞く

子どもがどうしても活動に参加したがらないときは、まず子どもの話に耳を傾けましょう。友だちとケンカしていたり、不安があったり、何か理由があるのかもしれません。はっきりした理由がなくても、保育士に話を聞いてもらえると子どもの気持ちがスッキリして、活動に参加してくれることもあります。

少し様子を見てから声をかける

1人だけに構っていられない!」という場合は、「やりたくなったらおいでね」と子どもに声をかけ、しばらく様子を見守りましょう。時間が経つと気持ちが落ち着き、自然に活動に参加してくれる可能性もあります。また、クラスの子どもに「○○ちゃん呼んできて」と声をかけてもらうのも方法です。

イヤイヤ期の子どもの接し方のポイント

どんなシチュエーションであれ、イヤイヤ期の子どもへの接し方は同じです。子どもの気持ちを落ち着かせることが大切です。

イライラはNG!まずは落ち着いた態度で接する

まずは保育士が落ち着いて対応することです。保育が思うように回らず、イライラしてしまうとは思いますが、一旦心を落ち着かせて「子どもが楽しく活動するためにはどうすべきか」に集中しましょう。

子どもの気持ちを代弁してやりたい欲求を認めて

1歳半~2歳はまだ自分の気持ちを言葉で表現することが難しいため、保育士が気持ちを代弁してあげましょう。「そっか。○○が嫌なんだね」「自分で○○したいんだね」と子どもの欲求を言葉で表して共感することで、子どもも「分かってくれた」と安心してくれるのです。

命令口調は逆効果!楽しい声かけとほめ言葉をいっぱい

楽しい声かけで励まし、できてもできなくても、子どもをきちんと褒めましょう。「イヤイヤ言ってもダメ!○○しなさい!」と命令口調で諭しても、子どもは嫌がる一方です。「これ終わったら、○○して遊ぼうか」とご褒美を用意したり、「すごい!1人で頑張ったね」と子どもの自尊心をくすぐったりして、やる気と達成感を引き出していきましょう。

先手を打つ&気を反らす

保育中は1人の子どもにじっくり関わる時間がないときもあります。そんなときは、子どもが否定的な気持ちにならないように、先手を打ち、気を反らしたりするのが効果的です。あらかじめ子どもの好きなおもちゃを用意したり、仲のよい子どもとペアを組ませて活動に参加させたりしましょう。「嫌!」が始まったら、「そういえば、先生今日プレゼントを持ってきたんだけど…」と製作物を見せて活動に誘うのもありですね。

日頃からコミュニケーションやスキンシップを取る

イヤイヤ期を乗り越える上で、子どもからの「信頼」は重要です。日頃からたくさん子どもに話しかけたり、一緒に遊んだりして、絆を深めていきましょう。信頼関係が築けていれば、頑張れないときも「先生と一緒なら○○しようかな」という気分になってくれます。スキンシップを取って安心感を抱いてもらうこともできるでしょう。

いつもと様子が違うときは保護者の方へ相談する

子どもの気持ちが不安定なときは、もしかすると「イヤイヤ期」ではなく、何か別の問題があるのかもしれません。寝不足や体調不良などの身体的な理由や、妹や弟ができる、引っ越しなどの環境の変化も原因になる可能性があります。保護者の方と自宅での様子や最近変わったことなどをたずねて、子どもへの理解を深めていきましょう。

まとめ

イヤイヤ期は子どもの心がぐんと成長する時期です。対応に悩んでしまうこともありますが、これも子どもの健やかな成長の1つだと受け止めて、おおらかな気持ちで接していきましょう。


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