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保育士のひきだし

2020.03.18

「4歳の壁」の子どもとの接し方

4歳児は保育園で、幼児クラスのお兄さん、お姉さんとしてみられます。実際に4歳児は、自分でできることがどんどん増えていく時期です。しかし一方、気持ちが不安定になったり、反抗的な態度をとることもあるでしょう。これが「4歳の壁」と言われるものです。保育士を含めた周りの大人は、そんな子どもの姿を理解できなくて戸惑ってしまうかもしれません。

まず4歳になった子どもたちには、どんな心と身体の変化があるのか知っておきましょう。そして、そのような発達段階にある子どもに対して、保育士はどのように対応すればよいのかご紹介いたします。

4歳の壁とは

まずは、4歳の壁とはどんな子どもの状況なのかをみていきます。

子どもの心と身体が成長する時期

4歳頃になると、自分でできることがどんどん増えていきます。身の回りのことを大人の手を借りなくてもできるようになり、身体能力の発達から活動が広がっていく時期です。また、周りの様子にも強い関心を持ち、友だちと遊ぶことが楽しいと感じるようになります。社会性を身に付ける第一歩ですね。

また、今だけではなく、明日への見通しをもって行動したり、目標に向かって努力する様子もみられるようになるでしょう。身体と心が急激に成長している証です。その急激な成長に子ども自身が戸惑い、不安を覚えることも少なくありません。その戸惑いが、大人への反抗や泣いたり怒ったりという態度に表れるのです。これが4歳の壁です。では具体的にどういったことがあるのかみていきます。

言うことを聞かない

「子どもが言うことを聞かない」これには2歳頃のイヤイヤ期を思い浮かべる方も多いと思います。しかし、4歳頃になれば、すでに言葉で自分の気持ちを言葉で表現できます。大人の提案に対して、「今はやりたくない」「なんでやらないといけないの」と言葉で反抗します。保育園では一人が言うことを聞かないと、周りの子どもも反応し、一緒になって反抗することも少なくありません。

乱暴になる

4歳頃になると、言葉の数が急激に増えます。その中で、相手に対して乱暴な言葉を使うこともあります。また、気に入らないことがあるとたたいたり、突き飛ばすなど、暴力的になることも。注意をしてもさらにヒートアップするので困ってしまいます。

言葉が出ない時期とは違い、保育士が仲裁に入っても、ふてくされてなかなか謝れないこともあるでしょう。子ども同士だけではなく、保護者の方や保育士に対しても乱暴になります。

思い通りにならないと泣きわめく

大人や友だちとの関係の中で、自分の思い通りにならないと泣きわめいたり、暴れることもあります。まるでイヤイヤ期が戻ってきたように感じますが、身体が大きく力が強くなった分、大人も手を焼いてしまうでしょう。泣きながら自分の思いを訴えることもありますが、子ども自身も混乱しているので、なぜ泣いているのか理解できないことも少なくありません。

今までできていたことをやろうとしない

着替えや食事、片づけなど、今まで自分でできていたことを、「できない」「やって」と言ってやろうとしません。昨日まではできていたのに、突然やらなくなるということも。抱っこを求めたり、常に保育士や保護者の方の近くにいたがるなど、赤ちゃん返りのような甘えが増えることもあります。

男の子と女の子とで違いはある?

男の子にも女の子にも、4歳の壁は訪れます。しかし、表れ方が異なるようです。代表的なのは言葉遣いです。男の子は暴力的で下品な言葉をわざと言って、周りの反応を楽しむ姿が多くみられます。一方女の子は、男の子よりも言葉の発達が早い傾向があり、大人が話していることの上げ足をとるような話し方をしたりします。

また、気に入らないことがあったときに、男の子は泣いたり暴れる姿が多いですが、女の子はふてくされて話さなくなる姿が多く見られます。しかしこれは一般論なので、子どもの様子に合わせた対応が必要です。

4歳の子どもとの関わり方

4歳の壁を迎えた子どもたちに、保育士はどのように関わればよいのかをみていきましょう。

気持に余裕を持って接する

子どもから反抗されても保育士の気持ちに余裕がないと、子どもと向きあうことができません。子どもがイライラしているときこそ、冷静に余裕をもって関わるようにしましょう。

泣きわめいているときには、一度集団の輪から離して、一対一で落ち着いて話をすると効果的です。クラス全体が言うことを聞かない雰囲気になってしまったときには、思いきって全く違う活動をはさみ、子どもの気持ちがこちらに向いてから話をするとよいでしょう。

保育士のイライラは子どもに伝わります。保育士は一歩引いて、余裕を持って接することが大切です

できるだけ話を聞く

子どもは、理不尽な要求をしてきたり、わがままを言うこともあります。そんな場合も、頭ごなしに否定するのではなく、まずはできるだけ話を聞いてあげましょう。理不尽なように聞こえても、子どもなりに伝えたいことがあるはずです。「いやだ」と言うことを聞かないときには、何が嫌なのか。お友だちに手を出してしまったときには、何が理由で手を出してしまったのか。落ち着いて話を聞くことで、子ども自身も気持ちを整理できます。ただ、下品な言葉や暴力的な言葉を繰り返す場合は、周囲の反応を楽しんでいるので、適度に受け流したほうが早く収まりますよ。

メリハリのある指導をする

4歳頃の子どもは、大人から指示されることも嫌がります。しかし、集団生活の場ではルールや生活の流れを守ることも大切です。常に子どもが望む活動ができるわけではありません。「今は静かに絵本を聞く時間」「今は自由に話をしたり、思い切り遊ぶ時間」というように、メリハリのある指導をする必要があるのです。メリハリのある指導を続けていくことで、子ども自身が社会のルールを理解できるようになります

自由遊びの時間には、保育士も子どもと一緒に思い切り遊んであげましょう。また、命に関わる危険がある場合や、友だちにけがをさせてしまう恐れがある場合には、即座に止めて危険をきちんと伝えなくてはいけません。乱暴な態度に対しても、状況によってメリハリのある指導をしましょう。

甘えをしっかりと受け止める

保育園では4歳児を「お兄さん、お姉さん」と見るようになりますが、まだ生まれて4年しかたっていない小さな子どもです。まだまだ甘えが必要な時期であることを、頭に入れて接しましょう。できていたことを「やって」と言ったり、抱っこを求めるのは、自分の成長に対する不安を保育士に受け止めてもらいたいという気持ちの表れです。子どもが甘えてきたら、しっかりと受け止めてあげましょう。以前の方がしっかりとしていたと感じ、不安を覚えることもありますが、この甘えの時期を乗り越えると子どもはより一層の成長を見せてくれますよ。

4歳児の保育のねらい

保育には各年齢の発達に合ったねらいを立てることが大切です。4歳児に適したねらいをみていきましょう。

自意識を見守る

4歳児は「自分はこうしたい」「自分はこう思う」という自意識が芽生える時期です。だからこそ、大人の言うことを聞かなかったり、思い通りにならないときに泣きわめいてしまうのです。大人にはわがままに見えてしまうかもしれませんが、自意識は生きていく中で欠かせません。また、自分の思いを受け止めてもらったという経験は、他人の思いを受け止められる成長へとつながります。危険なことや間違いは指導する必要がありますが、子どもの自意識の芽生えは大切に見守りましょう。

充実感を体験させる

4歳は心身の成長が著しい時期です。身体能力も向上し、できることがどんどん増えていきます。この時期の「できた」という達成感は子どもに充実感を与え、努力や学びへの意欲にもつながるのです。保育のねらいとしては、現在の成長よりも少し先の活動を取り入れるとよいでしょう。難しすぎる活動は子どもの意欲を減退させてしまいますが、簡単すぎると充実感は得られません。「できない」と言ったときには、無理をせず保育士と一緒に取り組みながら、自信をつけられるようにしましょう。

クラスで1つの目標に向かって取り組み、作りあげた経験は一体感があり心に残ります。ぜひ取り入れてみてくださいね。

社会性を育む

友だちや周囲の環境に興味を持ちはじめる4歳児。けんかやトラブルも見られますが、社会性を育むためには大切な経験です。けがをしないように十分に配慮しながら、子どもたち自身で解決できるように見守りましょう。中には、自分から友だちの輪に入っていけない子どももいます。入りたいような様子が見られるときには、さりげなくフォローして関係を築く手助けが必要です。

また、集団遊びのルールを理解し、楽しめるようになる時期でもあります。保育カリキュラムの中にも集団遊びを取り入れ、友だちと協力することや、ゲームで勝つための意見を出し合うという経験もさせてあげたいですね。

好奇心を満たす

4歳の子どもたちは、「なんで?」「どうして?」でいっぱいです。身近なものや自然に興味を持ち、知りたくなるのです。その思いは、学習への意欲へとつながります。子どもから「なんで?」「どうして?」と質問されたときには、できるだけ誠実な答えを返してあげましょう。保育士自身もわからないときには、子どもと一緒に本や図鑑で調べると学びのきっかけになります。

戸外活動では、虫や植物に興味を持つ子どもも多くいます。一緒に観察をしたり、クラスで飼育することもよい経験です。子どもが興味を持ったときがチャンスですので、好奇心を満たす活動をたくさん取り入れましょう

まとめ

4歳の壁は接し方が難しい時期です。しかし、子どもが成長するために大切な過程です。子どもも自分の成長に対して戸惑いや不安を抱えているということを理解し、余裕を持って接するようにしましょう。

ときには、成長が逆行しているように感じるかもしれませんが、そんな心配はいりません。この時期を乗り越えれば、さらに成長した姿を見せてくれますよ。4歳児にあった保育のねらいを取り入れ、子どもたちの成長を見守っていきたいですね。

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