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保育士のひきだし

2018.10.29

保育士のスキルアップと資格・研修について解説!できることから進めよう

「子どもや保護者ともっとうまく関係を築いていけるようになりたい」「もっと保育の技術を磨きたい」「もっと給与を上げたい」といった思いを抱き、スキルアップしたいと考えている保育士が増えているようです。

そこで、より専門性を高めたいと思っている保育士の方に、スキルアップする方法、スキルアップに役立つ資格や研修を解説します。保育士としてのレベルを上げて、よりプロフェッショナルに活躍していきましょう。

保育士に求められているスキルアップとは?

子どもたちの親と同じか、それ以上の時間を一緒に過ごす保育士は、子どもの成長に影響を与える大切な存在。安全に預かるだけでなく、子どもたちの健やかな心と身体を育てていく責任があります。

また、近年では保育士へのニーズが多様化し、より質の高い保育が求められる傾向にあります。

そのため、子どもたちを健やかに育み、常にさまざまなニーズに応えていけるよう、保育士には、幅広い分野をカバーする、より高度なスキルが求められるようになっているのです。

 

例えば、ピアノを弾いたり、絵を描いたりといった保育実技のスキルから、指導計画書などの書類を作成するための事務処理能力、子どもやその保護者、一緒に働く職場の保育士とより良い関係を気づくためのコミュニケーションスキルを磨いていくこと。

さらに、子どもがケガをしたり体調を崩した場合に迅速に対応するスキル、集団で生活する子どもたち、一人ひとりに配慮した保育をするためのスキルなど、専門的な技能を身につけていくことも必要になるでしょう。

 

スキルアップには、実務経験を積んだり、資格を取得したり、資格以外のことを極めていったりとさまざまな方法があります。ぜひ、自分に合った方法を探っていきましょう。

資格取得以外のスキルアップ方法

まずは、資格を取得すること以外に、どのようなスキルアップ方法があるのかをみていきましょう。

コミュニケーション力・カウンセリングの技術を磨く

保育士にとって、最も重視される能力のひとつが「コミュニケーション力」。子どもとの関わりはもちろん、子どもを安全に預かるためには、一緒に働いている保育士と良好な関係性を築くことも大切です。また、親としては、信頼のおける保育士に安心して子どもを預けたいのが本音。子どもたちの保護者といかに良い信頼関係を築いていけるか、保育士の力量が問われるところです。

対子ども、対大人のコミュニケーション力を高めるために、

  • 相手の話をしっかりと聴く
  • 相手の立場になって考える
  • 感謝の気持ちを伝える

といった人との関わりで基本となることを一度見直してみましょう。

また、保護者と良い関係を作り上げていくためには、カウンセリングの技術も役に立ちます。カウンセリングとは、不安や悩みを抱える人の気持ちを共有し、専門的な知識や技術を用いて、問題解決のためのアプローチをすることです。カウンセリングの技術を磨けば、子育てに悩みを抱える保護者に寄り添って力になることが可能になります。相手の気持ちを深く見抜く力が培われるので、よく起こりがちな保護者とのトラブルを上手に回避できるようになるかもしれません。

コミュニケーション力やカウンセリングの技術を身につけるには、本を読んだり、講習会に参加してみたりとさまざまな方法があります。時間に余裕があれば、通信講座を申し込んでみるのもおすすめです。

保育実技力を磨く

保育実技力を向上させるのもスキルアップする上で欠かせないことです。

  • 音楽…ピアノやオルガンの美しい音色に合わせて歌うことで、子どもの音楽の感性を養うことができます。苦手な方はぜひ克服しましょう。
  • 造形(絵画や粘土遊びなど)…年齢に合わせて、子どもが喜ぶ絵を描いたり、作ったりするスキルを身につけることで、描く・作る楽しさを教えることができます。苦手意識がある方でも、何度も書いたり作ったりすることで上達します。
  • 言語・表現…絵本や紙芝居などを読み聞かせるために、喜怒哀楽を表現するスキルを磨くことで、子どもの心をより豊かにすることにつながります。また、正しい日本語を教えるのも保育士の大切な仕事。正しくきれいな言葉遣いを身につけましょう。
  • キレイな字…保護者とコミュニケーションをとる際に、字がキレイに整っているだけで良い印象を与えることができます。ペン字講座などを受講するのもおすすめ。

英語力を磨く

国際化が進み、保育園にも外国人の子どもが多くみられるようになっています。また、早くから英語に触れさせるため、英語教育を取り入れている保育園もあるようです。英語力を磨いておけば、子どもと一緒に英語と触れ合うことができ、また、外国人の子どもや保護者とも円滑にコミュニケーションがとれるようになります。

パソコンスキルを磨く

子どもの情報をパソコンでデータ化して保存したり、園だよりや月案などの書類をパソコンで作成したり、ホームページにブログを載せたりと、頻繁にパソコンを活用している保育園が増えています。そのため、ワードやエクセル、パワーポイントなどを使いこなせるようにしておくとよいでしょう。また、タッチタイピング(キーボードを見ないで文字を打つこと)を習得したり、ショートカットキーを覚えておくとパソコン操作が早くなり、仕事をスピーディーにこなせるようになります。

スキルアップに取得しておきたい資格5選

つづいて、保育士のスキルアップに役立つ、ぜひ取得しておきたい5つの資格についてみていきましょう。

①   絵本専門士

『絵本専門士』は、2014年に設けられた民間資格です。

  • 子どもの発達段階に応じた絵本の選定
  • 子どもの心に響く読み聞かせ技術
  • 子どもの興味を引く絵本の制作
  • 絵本の研修会やワークショップの開催

などといったスキルを身につけることができ、絵本の魅力を伝えるエキスパートとして活躍することが可能に。保育の現場ではもちろん、企業での絵本作りに参画したり、教育機関で絵本の講演をしたりと、活躍の場を広げることもできます。絵本を通して子どもたちの情緒や感性を豊かにしたいと考えているかたにおすすめの資格です。

②   リトミック指導者

リトミックとは、リズム遊びやダンス、歌などの活動を通して行われる音楽教育法のこと。音楽に親しみながら、子どもの感受性や協調性、創造性などの育成を目的としています。

そして、リトミックを教える先生のことを『リトミック指導員』と呼び、スクールに通ったり、講座を受講することで資格を得ることができます。音楽の楽しさを教えるスペシャリストとして、保育に本格的に取り入れたい、または、リトミックに力を入れている保育園に勤務しているような場合におすすめです。

③   こども環境管理士

『こども環境管理士』は、子どもに自然と触れ合う機会をつくり、目を輝かせて遊びたくなるような保育環境をつくるエキスパートのこと。こども環境管理士資格試験は、環境大臣・文部科学大臣により環境人材認定等事業にも登録されています。

子どもたちに自然のおもしろさや不思議さを教えたい、環境教育に強い保育士になりたいと考えている方におすすめの資格です。

④   チャイルドマインダー

『チャイルドマインダー』とは、イギリスで発祥した少人数保育の専門家を示す民間資格のこと。家庭的保育のスペシャリストともいわれています。子どもの安全や健康に対する責任感や保護者との信頼関係を築くためのコミュニケーション力、保育に関するより深い知識と技術が身につき、子ども一人ひとりの「個」を尊重した、質の高い保育力が養われます。保育の現場で活かせるほか、自宅で保育室を開業する際にも役立つ資格です。

⑤   認定病児保育スペシャリスト

『認定病児保育スペシャリスト』とは、日本病児保育協会によって認定されている資格のこと。

感染症への対応や、子どもの病気の看病の仕方など、病児保育に特化した専門的なスキルを身につけることができます。

保育園で突然子どもが病気になったとき、認定病児保育スペシャリストの資格を取得していれば、冷静に適切な対応をすることが可能に。

取得してすぐに現場で活かすことのできる資格です。

保育士等キャリアアップ研修の受講もスキルアップに有効

スキルアップのため、厚生労働省によって実施されている『保育士等キャリアアップ研修』を受講するのもひとつの方法です。保育士の専門性の強化と待遇向上を目的とした研修のことで、経験年数などの条件を満たしていれば、正社員に限らず、施設で働いている全職員(契約社員・パート・派遣社員など)が受講可能。

所定の研修を受け、技能を習得することでキャリアアップを目指すことができます。また、研修を受けてキャリアアップすることで手当が支給されるため、処遇改善にもつながる仕組みとなっています。

研修分野は?

厚生労働省によると、保育士等キャリアアップ研修の分野および内容は主に以下の8つに分かれています。

  • 乳児保育
  • 幼児教育
  • 障がい児保育
  • 食育・アレルギー
  • 保健衛生・安全対策
  • 保護者支援・子育て支援
  • 保育実践
  • マネジメント

 

【参考】厚生労働省
保育士等キャリアアップ研修ガイドラインの概要

保育士のキャリアアップの仕組みの構築と 処遇改善について

この中から、条件を満たすものを受講し、キャリアアップを目指します。

新たに設けられた役職とは?(認可園の場合)

保育士等キャリアアップ研修の実施に伴い、園長・主任保育士・保育士に加え、『副主任保育士』・『専門リーダー』・『職務分野別リーダー』の3つの役職が新設されました。

保育士のキャリアと能力に合わせた研修を修了し、副主任保育士・専門リーダーとしての役職が認められた人には月額40,000円、職務分野別リーダーとして認められた人には、月額5,000円の処遇改善があります。

キャリアアップするための条件・処遇改善金額を以下の表にまとめました。

役職

キャリアアップ条件

処遇改善される金額

副主任保育士

(主任保育士の下につく職)

●経験年数概ね7年以上

●職務分野別リーダーを経験

●マネジメント+3つ以上の分野の研修を修了

●副主任保育士としての発令

40,000円/月

専門リーダー

(現場専門の保育士)

●経験年数概ね7年以上

●職務分野別リーダーを経験

●4つ以上の分野の研修を修了

●専門リーダーとしての発令

40,000円/月

職務分野別リーダー

(研修修了した分野のリーダー職)

●経験年数概ね3年以上

●担当する職務分野研修を修了

●終了した研修分野に係る職務分野別リーダーとしての発令

5,000円/月

 

キャリアアップには人数制限と複雑な仕組みもあるので要注意

副主任保育士・専門リーダー・職務分野別リーダーへのキャリアアップとそれにともなう手当は、研修を修了したすべての保育士が対象になるわけでないので要注意。

というのも、1つの園につき、役職につける保育士の人数に上限が定められているためです。

 

  • 副主任保育士と専門リーダー…園長と主任保育士を除く全職種・全職員の概ね『1/3』まで
  • 職務分野別リーダー…園長と主任保育士を除く全職種・全職員の概ね『1/5』まで

 

90名定員の保育園に17名の職員(園長1名・主任保育士1名・保育士12名・調理員3名)がいる場合の例

役職

人数

園長

1人

主任保育士

1人

副主任保育士(新設)

専門リーダー(新設)

5人(15人のうちの1/3

職務分野別リーダー(新設)

3人(15人のうちの1/5

保育士等

7人

 

さらに、副主任保育士と専門リーダーについては、研修を修了して役職についても、全員に40,000円が支給されるわけではありません。確実に処遇改善を受けられるのは対象者のうち『1/2人(端数を切捨てて半分の人数)』と定められているのです。

 

上記の例でみてみると、キャリアアップ研修を修了し、5人が副主任保育士と専門リーダーの役職に就いたことで、保育園には5人分の手当200,000円がまとめて支給されます。しかし、確実に40,000円の手当を受け取れるのは5人のうち2人だけ。200,000円から80,000円をひいた残りの120,000円をどの保育士にどれくらい支給するかは、園の方針に一任されることになっています。

 

  • 研修受講者がすべてキャリアアップできるわけではない(役職につける人数に上限があるため)
  • 副主任保育士・専門リーダーについた保育士のうち、40,000円が支給されるのは全体の1/2
  • キャリアアップ研修による手当は、園にまとめて支給され、園の方針によって分配方法が変わる(確実に分配する金額を除く)

キャリアアップ研修のメリットとは?

「手当が確実にもらえないのなら、受講する意味がないのでは…」と思ってしまいがちですが、スキルアップを目指している方には、受講しておくことで今後の役に立つことが考えられます。

 

受講した分野については、保育の専門的な知識と技術をより深く習得できますし、受講後に交付される修了証は全国で有効なので、転職の際に大きなアピールポイントとなります。

また、産休・育休で仕事を離れ、キャリアが中断してしまった場合でも、研修を修了した効力は引き続き有効となるので、復職・再就職する際の大きな強みとなるでしょう。

自分の特性や価値観を見直し、できることからスキルアップを目指そう

資格以外で保育技術を磨いたり、活かせる資格を取得したり、キャリアアップ研修を受講したりと、保育士がスキルアップする方法はいろいろあります。

保育技術を磨きたい、処遇アップを目指したい、などといった自身の思いはもちろん、多様化するニーズに常に対応していくために、スキルアップはとても重要なことです。目標を立て、どんどん挑戦していきましょう。

ただし、必要とされる知識や技術をすべて習得しようとすると、いきなり大きな難題となってしまいます。まずは、自分の特性や保育の価値観をじっくりと見直し、できること、より専門性を極めていきたいと思えることから進めてみてはいかがでしょうか。

 

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