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おやこのひきだし

2020.08.25

子どもが癇癪(かんしゃく)を起こすのには原因がある?癇癪に向き合う対処法と親のNG行動

子どもが泣き叫び、手のつけようのない状態がたびたびあると、大人でも正直しんどいと悩んでしまうこともあるでしょう。子どもの癇癪は1歳ごろから始まり成長とともに落ち着いていくので、「ずっと続くのではないか」「愛情が足りていないのか」など考え込む必要はありません。

しかし、癇癪の頻度が高ければ親の負担も多くなるのは事実。この記事では、癇癪の原因や対象法をご紹介いたします。癇癪への理解を深めて適切な対応をとることで、子どもと一緒に笑顔で過ごせる日々を少しでも増やしていきましょう。

癇癪の原因は?発達障害や育て方でなることも考えられる?

癇癪を一度引き起こしてしまうとコミュニケーションが取れず、どうして泣いているのか分からないといったことも多いでしょう。しかし、癇癪を起こすときはほとんどの場合で原因があります。

ここでは癇癪の特徴や原因について解説していくので、理解を深めて今まで原因が分からず泣いていた子どもの気持ちを探っていきましょう。そうすることで、次に癇癪を起こしてしまったときの対処法が見つかるかもしれません。

癇癪の特徴

赤ちゃんや子どもは泣くことが仕事とよく耳にします。しかし、何をしても泣きわめき話しかけてもまるで通じない状態、いわゆるパニックになっている状態が続くのは、もしかしたら癇癪を起こしている可能性があります。

  • 大きな声で泣き叫ぶ
  • 床に寝転がり手足をバタバタさせる
  • 物を投げたり壊したりする
  • 人を叩いくなど暴力的になる

子どもが起こす癇癪行動にはこのような特徴があり、自分で気持ちのコントロールがうまくできていない状態です。早ければ赤ちゃんから癇癪を起こしてしまう子もいますが、2歳~4歳頃に多く見られるのが一般的。5歳を過ぎても癇癪を頻繁に起こすようであれば、小児期も継続して癇癪を起こすかもしれません。

癇癪は成長とともに落ち着いていく傾向にあります。しかし、癇癪は思春期を過ぎ大人になっても続くこともあるため、注意しながら子どもを見守っていかなければいけません。

【参考】 MSDマニュアル家庭版「かんしゃく」 

癇癪の原因

癇癪を起こしてしまうと、何をしても泣き止まず悩んでしまうことも多いでしょう。しかし、子どもたちもただ泣き叫んでいるわけではありません。癇癪は子どもたちがわれわれ大人に何かを訴えたい、伝えたいという気持ちの現れでもあります。

  • 眠たい、おなかが空いたなどの生理的欲求
  • 大人の注意を引きたい
  • 自分の思い通りにならないときの主張

癇癪の原因でもっとも多いのは生理的欲求です。眠たいなら寝る、おなかが空いたなら食べるといった行動を大人は当たり前にできますが、子どもたちは当たり前にはできずにもどかしく泣き叫ぶといった表現をとります。

また、自分の意思とは違った出来事が起こったときにも癇癪を起こすこともがあります。これは自分の意思にぼんやりと気が付きはじめた1歳ころからはじまり、言葉で気持ちや欲求をうまく伝えられない赤ちゃんに多く、泣くことで気持ちを表現し伝えようとしている癇癪行動です。

いずれの原因でも、子どもたちが癇癪を起こしてしまうのにはなにかしらの理由があります。そのことを理解することで適切に対処してあげることもできますし、何か原因があると分かっているだけで子どもに寄り添ってあげられるでしょう。

【参考】 MSDマニュアル家庭版「かんしゃく」 

必ずしも発達障害ではない

子どもが癇癪を頻繁に起こすと「もしかしたら、発達障害では」と不安に思うことでしょう。しかし、癇癪を起こすからといって必ず発達障害とは限りません。発達障害の特徴として言葉の発達の遅れがあります。癇癪もことばで自分の気持ちを伝えられないことで起こるため発達障害と疑いがち。

また癇癪は自分の意思の現れが強く、発達障害の集団行動が苦手で相手のペースを考えることが苦手という特徴とも類似していることから不安に感じることも多くあるでしょう。

しかし、癇癪は自分の気持ちを伝えたいという子どもの成長の証でもあります。子どもはみんな同じペースで成長するわけではありません。おしゃべりが上手な子もいれば、なかなか言葉が出てこない子もいます。育児書や母子手帳などでよくみる「発達の目安」はあくまでも平均値です。その数値よりはるかに高い子もいれば低い子もいる。あまり不安になりすぎずに、この子の特徴なんだと思ってあげることも大切です。

あまりにも不安になる方は一度、地域にある相談窓口に相談してみるとよいでしょう。ずっと不安に思っているのはとても疲れてしまいます。子どもの成長についても相談でき、早期発見にもつながります。なにも問題なければ気持ちもスッキリするので、悩みすぎずに相談してみましょう。

【参考】 厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」 

育て方と癇癪は関係ない

一般的に落ち着くとされる4歳までの癇癪は、子どもの不満や欲求阻止が引き起こすケースが多く親子関係や子育ての方法などの影響ではないといわれています。しかし、小学校に入学してからも癇癪を起こす場合は育ってきた環境が大きく影響していることがあるようです。

子どもの性格は生まれもっているものと生活環境で育まれていきます。そのため、子どももひとりの人間ですから日常的に自分の欲求とは反した行動を親に口出しされ続けていると、フラストレーションもたまっていきます。このように親の接し方ひとつで、子どもの心の成長は大きく左右されてしまいます。逆をいえば親の行動ひとつで子どもの将来を大きく変えてあげられるということです。

時間や気持ちに余裕があるときは、子どもと真摯に向き合う時間を設けてみるのもいいかもしれませんね。

癇癪を起こしたときの対処法

癇癪を起こした状態が長時間続くと、大人も冷静では居られなくなってしまいますよね。しかし、子どもの癇癪に引っ張られることなく冷静でいることで、適切な対応を取ることができ癇癪を落ち着かせてあげられるでしょう。

ここでは、癇癪を起こしたときの対処法をご紹介いたします。癇癪の原因や子どもの気持ちを考えた対応を心がけていきましょう。

子どもの安全を確保して落ち着くのを見守る

子どもが癇癪を起こしてしまうと、気持ちの整理が着くまでに時間が掛かってしまいます。このときに泣きわめいている子どもを無理に抱っこするのはとても危険です。子どもを抱っこして落ち着かせようとしても、思っている以上に子どもの力は強く、泣きわめいている子どもを落としてしまうこともあります。

無理に抱っこしようとはせず、子どもの周囲にある危険なものを排除して背中をさすったり手を繋いであげたりちょっとしたスキンシップをとりながら「どうしたの?」「なにが嫌だった?」などと優しく問いかけてあげましょう。

落ち着いたら子どもに寄り添ってあげる

子どもが落ち着きを取り戻したら、子どもに寄り添い自分で気持ちを整理できたねと褒めてあげましょう。自分の気持ちを理解してくれた、褒めてくれたと安心感をもち、いい親子関係を築くことにもつながります。

落ち着いたとき近くに誰もいないと誰も心配してくれない、誰も分かってくれないと孤独を感じ再び癇癪を起こしてしまう原因にもなりかねません。泣き止んだからもいいやと思うのではなく、泣き止んだからこそ子どもに寄り添ってあげることが大切です。

どうしたかったのが理由を聞いて、一緒にやってみる

癇癪を起こしてしまうには原因があるとお伝えしましたが、どうして泣きわめいてしまったのか理由を聞いてみましょう。子どもの気持ちを整理することで、同じ内容で癇癪を起こさない予防策を取るための参考になります。

また、おもちゃでうまく遊べなかったりお友達におもちゃを取られたりして癇癪を起こす場合もあるでしょう。そのときは一緒におもちゃで遊んでお手本を見せることや「お友達も遊びたいから順番だよ」と解決策を導いてあげましょう。

言葉は喋れなくても子どもはママやパパの言っていることを想像以上に理解しています。危険や禁止とされていることは「ダメだよ!」を頭ごなしに言うのではなく、やっては行けない理由やケガをしてしまうなど分かりやすく説明してあげることも大切です。

抱きしめてあげる

身体をばたつかせて暴れることは落ち着いても、グズグズと泣き続けてしまうケースもあります。そんなときは、ギュッと抱きしめてあげてください。大人でも人と触れているときに安心感を抱くように、大好きなママやパパの匂いを嗅ぎスキンシップをとることで子どもは安心します。自然に落ち着きを取り戻していくでしょう。

少しでも癇癪を起こさないための対策

癇癪はいつどこで起きてしまうかは予測不可能です。しかし、日頃から癇癪を起こさないように対策をすることは可能です。起こすたびに疲弊して、ただ時間が過ぎていくくらいなら子どもと楽しい時間を過ごしたいと思うのが本望でしょう。

  • 事前に声がけをする
  • 癇癪を起こしたときの対処法について話し合う
  • 子どもが気持ちを表現しやすいように工夫する

癇癪を絶対に起こさないようにする対策はありません。しかし、いきなり「だめ!」「もうおしまい!」と子どもの行動を否定するのではなく、「これが最後のおやつだよ」や「お出かけするから、あと少しで終わりだよ」と事前に声がけをしてあげることが大切です。

また、子どもも癇癪を起こしたくて起こしているわけではありません。泣き叫び、暴れるわけですから体力も消耗します。癇癪を起こさないためにはどうしたらよいのか、子どもがどうしたら泣きわめかずに気持ちを表現しやすいのかを一緒に考えておくとよいでしょう。

このように子どもに心の準備をさせることや子どもの気持ちを優先した工夫を生活のなかに取り入れてあげることで癇癪を少しでも減らすことができます。

癇癪を起こしたときに大人がやってはいけないNG行動

大きな声で泣き、暴れている状態が長くなればなるほど一緒にいるママやパパはつらく、イライラしてしまいがちです。癇癪を起こしたときに大切なのは冷静でいること。子どもと一緒になって大声を出して叱ることや、感情的になるのはよくありません。適切な対応をするために大人がやっては行けない行動をみていきましょう。

大声で叱りつけるのはNG

癇癪を起こしていると、何を言っても聞く耳を持ってくれないので、どうしたらいいのか分からず大きな声で叱りつけてしまうこともあるでしょう。しかし、子どももパニック状態でどうして怒られているのか、自分はこんなにも気持ちを表現しているのに分かってもらえないとさらにエスカレートする可能性があります。

また、「何がしたいのか」「どうすればいいのか」などパニック状態の子どもに質問攻めにしても余計に混乱をさせるだけなので注意が必要です。

おやつやおもちゃで機嫌を取るのは繰り返しの原因に

外出先で泣きわめかれるとひと目が気になりますよね。そのときによくやりがちなのが、おやつやおもちゃで機嫌を取ることです。しかし、いくら早く泣き止んで欲しいからといっておやつやおもちゃで機嫌を取るのはあまりよい方法とはいえません。

癇癪を起こすとおやつやおもちゃがもらえると覚えてしまい、何度も繰り返す原因となってしまいます。また一度決めたルールや決まりごとは癇癪を起こしたからといって変更することもよくありません。最後まで貫き通すことでルールは守らなければいけないと学習し、癇癪を起こすことも少なくなっていくでしょう。

親が冷静でいることが大切

子どもが癇癪を起こしてしまったときは親が冷静でいることがとても大切ですが、うまく行かないかない状態のときもあるでしょう。子どもが大きくなれば声も大音量となり想像以上にメンタルが削られ、長時間泣かれるとついイライラしてしまいます。そんなときは、子どもの安全を確保したうえで別室に移動し気持ちを落ち着かせることも必要です。

鳴き声を完全にシャットダウンはできませんが、壁を一枚挟みひとりになることで気持ちが徐々に落ち着いていきます。適切な対応を取るためにも、まずは自分の気持ちを落ち着かせることが大切です。

まとめ

子どもが泣き叫び何をしても手に負えない状態は癇癪を起こしている可能性があり、癇癪を起こしてしまった原因があるということが分かりました。癇癪を起こしたときは一度冷静になり適切な対応を取ってあげることが、今後も癇癪を起こしてしまうかにつながっていきます。

親子が笑顔で過ごせる時間が少しでも増やすためにも、日頃から癇癪を起こさないような対策をしていきましょう。


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