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おやこのひきだし

2020.05.11

赤ちゃん返りの原因と対処法

下の子が生まれると、上の子の赤ちゃん返りに悩まされることがあります。赤ちゃんのお世話で忙しい状況で、上の子が赤ちゃん返りして困ってしまうママもいるでしょう。

しかし、子どもが赤ちゃん返りするのには理由があるのです。この記事では、子どもの赤ちゃん返りの原因や対処法をご紹介いたします。

赤ちゃん返りとは

赤ちゃん返りとは、子どもが赤ちゃんの頃に戻ったような行動を取ることです。以前はできたこともできなくなってしまい、実年齢よりも幼い行動を取ってしまうことから「赤ちゃん返り」と呼ばれます。

赤ちゃん返りがみられる年齢は2歳〜就学頃と幅広いのですが、23歳頃が一番多いと言われています。また赤ちゃん返りが続く期間は1ヵ月〜1年以上と子どもによって差があり、平均すると5.3ヵ月というデータもあるようです。赤ちゃん返りが長く続くと育児が大変ですが、子どもの心を育むためにもうまく対処する必要があります。そのためにはまず、子どもが赤ちゃんのような行動をとる理由を理解してあげることが大切です。

【参考】公益財団法人 1 more Baby 応援団「赤ちゃん返り期間は、平均5.3ヶ月!」

赤ちゃん返りの行動

子どもの赤ちゃん返りの代表的な変化や行動をご紹介いたします。

甘えてくる

赤ちゃん返りした子どもは、ママに甘えてくっついてきたり、抱っこをせがんだりします。今までよりもママとスキンシップをしたがり、おっぱいをほしがることもあります。甘えてくる我が子はかわいいですが、ずっと抱っこをせがまれては下の子のお世話ができません。甘えるのはパパではなく、ママでないとダメという子どももいるようです。

以前できていたことができなくなる

着替えや食事など、成長とともに自分でできるようになっていたことも、赤ちゃん返りするとママに手伝ってもらわないとできなくなってしまいます。オムツが取れていたのに、おねしょをしてしまうこともあるようです。また、歩けるのにベビーカーに乗りたがったりします。

忙しいときに「ママがやって」と甘えられると、「自分でできるでしょ」と叱りたくなるかもしれません。しかし、赤ちゃん返りしたときは、できるだけ受け入れてあげましょう。

夜泣きする

赤ちゃん返りすると、睡眠にも変化が起こります。スムーズに寝なくなり、寝かしつけに時間がかかってしまいます。また夜泣きやおねしょすることもあります。赤ちゃんのお世話だけでも大変ですが、寝かしつけや夜泣きで大人は寝不足に悩まされるかもしれません。

わがままになる

あれがほしい」「これは嫌だ」と自己主張し、わがままな言動が目立つようになります。わがままに腹が立ったり、わがままな子どもに育つのではないかと心配になるかもしれません。

反抗的で不機嫌になる

パパやママに反抗的な態度をとるようになり、物を投げる・叩くなど乱暴な行動を取ることがあります。また、赤ちゃんに手を出してしまったり意地悪することもあるので注意が必要です。

赤ちゃん返りの原因

赤ちゃんの世話と上の子の赤ちゃん返りでママもクタクタかもしれませんが、子どもの赤ちゃん返りには次のような理由があります。

ママの愛情を独り占めしたい

これまではママの愛情がすべて自分に注がれていたのに、弟や妹が生まれると愛情を独り占めできなくなってしまいます。自我が芽生えてくると、独占欲も強くなってきますので、自分よりも注目を集めている下の子に嫉妬してしまうのです。「もっとママに甘えたい」「自分にかまってほしい」という気持ちから赤ちゃん返りしてしまうのです。

注目や関心を取り戻したい

これまで両親の注目を一身に浴びていたのに、下の子が生まれた途端にママたちは下の子をかわいがるようになったと思ってしまうようです。自分に向けられていた関心が失われたと感じ、寂しい気持ちになってしまうのでしょう。ママたちの関心を取り戻すために赤ちゃんのような行動を取るようです。

環境の変化が原因のことも

子どもが赤ちゃん返りするのは、下の子が生まれたときだけではありません。保育園や幼稚園への入園、引っ越しなど、環境の変化や精神的ストレスなどが原因で赤ちゃん返りすることがあります

赤ちゃん返りしたときの対処法

赤ちゃん返りにイライラしたり、怒ってしまったりするかもしれません。しかし、子どもが赤ちゃん返りをするのは、ママの愛情を実感したくてSOSを出しているのです。子どものサインを理解して、上手に対処しましょう。

叱らない

子どもがくっついてきて離れなかったり、以前できたことを「できない」と言い出したりすると、赤ちゃんのお世話や家事を邪魔されているようで困ってしまうかもしれません。しかし、子どもは大好きなママを困らせようとしているわけではありません。「もっと自分にかまってほしい」という気持ちで赤ちゃんのような行動を取ってしまうのです。親の愛情を確かめたい子どもの気持ちを理解せずに叱るのは、良い対処法ではありません

また「もうお兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」という言葉は逆効果です。子どもがなぜこのような行動を取ってしまうのか、理解してあげることが大切です。

子どもが要求することをやってあげる

赤ちゃん返りした子どもは、忙しいママに抱っこをせがんだり、「着替えさせて」「食べさせて」と要求したりすることがあります。そんなとき「忙しいから」と拒否されると、子どもはますます寂しさを感じてしまうでしょう。「自分でできるでしょ」と要求をはねつけず、できるだけ応えてあげてください。

子どもがスキンシップしたがっているときは、できるだけ応えてあげるのがいいと言われています。甘えてきたときは、可能な限り抱っこしてあげましょう。また自分でできることでも、お手伝いしてあげてください。ここで叱ると逆効果なので、一時的なことだと思って手伝ってあげるのがベストな対処法です。

子どものわがままに付き合って、わがままを増長させてしまうのではと不安になる方もいるでしょう。しかし、赤ちゃん返りは親の愛情を求めるSOSです。子どもの要求に応え、愛情が感じられる言葉をかけてあげることで、子どもの寂しい気持ちは満たされていきます

スキンシップの時間を増やす

ママの愛情をたっぷり感じたい子どもにとって、抱っこなどのスキンシップは大事な愛情表現です。昔は「抱きぐせがつく」といって、赤ちゃんをすぐに抱っこするのはよくないとされていましたが、最近は抱っこのメリットが見直されています

抱っこなどのスキンシップによって、「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。オキシトシンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、親子でスキンシップすれば双方とも幸せを感じ、絆を深められます。

スキンシップの時間を意識して増やすことで、子どもはママの愛情や大切にされていることを実感できるでしょう。下の子が寝ているときなど、できるだけスキンシップの時間を作ってあげましょう。

実年齢より2歳くらい下だと思って接する

子どもに赤ちゃん返りの特徴が見られたら、実際の年齢より2歳くらい幼いと思って接してみましょう。たとえば3歳だったら1歳児に接するように。子どもが赤ちゃん返りすると「もう◯歳でしょ?」と言ってしまいがちですが、実際の年齢より幼いと思えば解消できます。赤ちゃんに接するようにしてあげることで、子どもの心も満たされるでしょう。

上の子を優先してあげる

下の子が生まれると、お世話が必要な下の子を優先しがちです。上の子が話しかけても「今は手が離せないから」と突き放していては、ママの関心を取り戻したくて赤ちゃん返りがエスカレートしてしまいます。

この時期に上の子に我慢ばかりさせていると、信頼関係が築きにくくなってしまいます。上の子を優先するくらいの気持ちでいた方が不安を抱かせずにすむでしょう。

上の子と2人で過ごす時間を作る

弟や妹が生まれると、ママを独占できなくなった上の子は寂しさを感じてしまいます。これが赤ちゃん返りの原因なので、2人で過ごす時間を作り、大事に思っていることをしっかり伝えてあげましょう。

下の子をパパや祖父母に任せて、2人だけで外出するのもおすすめです。難しいようであれば、下の子がお昼寝している間に上の子と過ごす時間を作りましょう。

下の子のお世話を手伝ってもらう

上の子にも赤ちゃんのお世話を手伝ってもらいましょう。簡単なことを手伝ってもらい、できたら「ありがとう」「助かったよ」と感謝の気持ちを伝えたり、褒めてあげてください。お手伝いしてもらうことで、赤ちゃんにはお世話が必要だと理解できます。また、自分がお兄ちゃん(お姉ちゃん)になった自覚も芽生えてくるでしょう。

周囲の協力を得る

上の子の赤ちゃん返りと下の子のお世話を両立させるのが難しい場合は、ママが一人で抱え込まずに周囲の協力を得ましょう。パパや祖父母に頼んだり、ベビーシッターや地域のファミリーサポートを利用したりする方法もあります

ただし上の子が甘えるのはママでないとダメな場合が多いため、周囲に協力してもらう場合は、下の子のお世話や家事などを他の人に協力してもらいましょう。

ママもリフレッシュする

赤ちゃんのお世話と上の子の育児でママも疲れてしまいます。上の子を気遣ってあげなくてはといけないとわかっていても、ストレスがたまってイライラすることもあるでしょう。しかし、ママのイライラは子どもに伝わります。ママも趣味を楽しむなど、小さなことでもよいので、気分転換する時間を作ってリフレッシュすることを心がけるとよいでしょう。

まとめ

子どもが赤ちゃん返りすると、思うように下の子のお世話ができなくて大変です。しかし、赤ちゃん返りした上の子の気持ちを理解できなければ、赤ちゃん返りがますます進むことになりかねません。

この大事な時期に子どもは甘えを受け入れてもらうことで自己肯定感を育みます。子どもが甘えたがっているときは、十分に甘えさせてあげてください。しっかり甘えさせてあげることが、子どもの自立にもつながります。

赤ちゃん返りは、ママの愛情が自分に向かなくなるのではないかという不安のサインです。

子どもの気持ちを理解できれば、ママの愛情を求める赤ちゃん返りという行動が愛おしく思えてくるのではないでしょうか。


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