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おやこのひきだし

2020.09.10

はさみの練習はいつから?教え方や子ども用はさみの選び方のポイントも紹介

「そろそろ子どもにはさみの練習をさせたいけれど、手を切らないか心配」そんなお悩みのある保護者の方はいませんか?はさみの練習はいつからかがベストか、はさみの使い方を教えるポイントをご紹介いたします。また、子ども用はさみの選び方も紹介していますので、これからはさみを使わせてみたい!という方はぜひ参考にしてくださいね。

はさみの練習に適切な時期は

子育てはお着替えやトイレトレーニングなど「いつからはじめたらいいの?」と迷うことが多いものですね。基本的には何事も子どもが興味を示したときが練習を始めるサインです。親から「やってみる?」と声をかけてみる、またはお友だちを見て「やってみたい!」と意思表示をしたらやらせてみるとよいでしょう。

はさみの練習は2歳前後が目安です。 その理由をこれから解説するので参考にしてください。

工作番組などを見てやってみたいと思う時期

幼児向けのテレビ番組には工作コーナーがあります。全体的に親世代が子どもの時に見ていた内容よりも、自由にのびのびとした制作を促すような番組が多い印象です。

先述した通り、やる気があるとき、興味を示したときがスタートのきっかけ です。2歳前後は人の真似をして多くのことを習得する時期ですから、「同じものを作ってみたい!」と言い始めたらやらせてあげましょう。ひとまず家にあるものでやらせてみるのもおすすめですよ。

指先を思った通りに動かせるようになってくる時期

1歳半を過ぎると徐々に指先を器用に使えるようになってきます。小さいおやつをつまんだり、シールを貼るといった細かい指先の動作ができるようになるでしょう。

はさみは指を持ち手の穴に入れて刃を開いたり閉じたりするため、ある程度指先を自由に動かせる力が必要 です。逆を言えば、早く始めたからと言って早く使えるようになるわけではないということですね。はさみに興味を持ってもまだ指先を使うには早いかなと判断したときは、紙を破ったり、貼り付けたりする遊びをして、成長を待つのもひとつの方法です。

幼稚園に入園する前にはおうちでやってみよう

幼稚園の入園を控えているお子さんは、家庭ではさみの使い方を練習しておくのもよいでしょう。入園すると制作の時間もあり、はさみを使う機会がすぐにやってきます。もちろん、それまでにはさみを使ったことのない子もいますから、持ち方や動かし方は先生が確認しながら使い始めるのですが、入園前におうちではさみに触れておくとお子さんの戸惑いも軽減するでしょう。

手仕事を積極的に行うモンテッソーリ教育を取り入れている園では、プレ保育で少し早めにはさみに取り組んでいるところもあります。入園を検討している園の様子や方針について、事前に情報を得ておくとよいですね。

周りの様子を見て、子どもはやりたい様子が無いけれどやらせてみたい!と思ったときは、道具や材料をそろえ、親が楽しそうに工作する様子を見せてあげると「何やってるの?僕もやりたい!」と興味を示してくれることもあるでしょう。

「はさみの練習やらせなくちゃ!」と焦るより、興味を持ってもらえるような環境づくりをしておくのも有効です。

子ども用はさみの種類と選び方

実際に子どもにはさみの練習をさせるときは、子ども用のはさみを用意しましょう。その理由やはさみの種類についてご紹介します。

子ども用はさみの特徴

はさみは文具店や100円ショップなどでも販売されているので「なんでも同じ」と思っている方も多いのではないでしょうか。大人にとっては持ち手の大きさや刃の長さ、材質などはどれも大差ないように思われますが、初めてはさみの練習をする子どもには適切なはさみを選んであげましょう。

まず、子ども用はさみは子どもが使うのに適した大きさで作られています。子どもの手の大きさに合っていて持ちやすく、手に負担がかからず制作に集中 できます。また、刃の形が工夫されていて、軽い力で切れるよう設計されていることがほとんどです。

子どもの手には大きすぎるはさみや切れないはさみでは、力を入れすぎてしまったり、体重をかけて切ってしまう可能性があり、けがにもつながります。はさみのどの部分で紙を切っているのか、どこが危ないのかをきちんと話したうえで、子ども用のはさみを使わせてあげるのが適切です。

子ども用のはさみには左利き用も販売されています。お子さんが左利きの場合は左利き用を用意してあげないと、思い通りの制作ができずにもどかしい気持ちになってしまいますから、その子に合った道具を用意してあげてくださいね。

プラスチック刃のはさみ

上記で説明した子ども用はさみは、一般的はさみと同じくステンレス刃のものとプラスチック刃のものがあります。プラスチック刃は切れ味がそれほどよくなく、厚手の紙はなかなか切ることができません。

プラスチック刃のはさみは通常の制作には向きませんが、はさみに興味を持ち始めた場合は最初のはさみとしてプラスチック刃のはさみを持たせておくのもひとつの方法です。そのはさみを上手に開いたり閉じたりができるようになったら、ステンレス刃のはさみに替えると練習もスムーズにできるでしょう。

実際にお店で手に取ることができれば刃の素材はすぐに分かりますが、ネット通販で購入する場合は刃の素材がプラスチックなのか金属なのか、安全性について必ず確認するようにしましょう。

はさみの習得方法

お子さんにやる気があり子ども用のはさみを用意したら、いよいよはさみの練習です。しかし、「ママの真似をしてね」と紙を切るところを見せるだけでは、子どもにはなかなか難しいようです。実は、はさみの練習には段階があるので、それに沿ってステップアップできるように練習してみましょう。

1.1回切り

まずは1センチ幅くらいのテープ状の長細い紙を切り落とす ところから練習します。紙は色画用紙くらいの厚みがある方が子どもには扱いやすいです。コピー用紙だと紙が薄く紙を支える手(右利きの場合は左手)にも気を配らないと上手くいきません。ある程度厚みのある紙を使うことで、はさみの動かし方に集中できるのでおすすめです。

切り落とすことに慣れてきたら、テープ状の紙に等間隔に線を引きましょう。「線のところを切ってみようね」と促すことで、狙ったところを意識して切ることができるようになります。同じ大きさに切れた紙は貼り絵など他の工作に使えば、子どもの意欲も高まり練習が楽しくなるでしょう。

2.連続切り

一回切りに慣れてきたら、刃を閉じきらずに連続させて長い距離を切り進める「連続切り」 に挑戦してみましょう。はがきくらいのサイズで2~3回の連続切りから始まり、A4サイズくらいまでをどんどん切ってみます。

慣れてきたら1回切り同様、まっすぐに引いた線を切ることができるようステップアップした練習をしてみましょう。

3.曲線切り

はさみの扱い方に慣れてきたら、少し難しくして「曲線切り」のコツも教えていきます。曲線切りは連続切りの応用ですが、曲線の場合ははさみではなく紙を動かすのがポイント です。

はさみの方を動かして脇が開いてしまったり、顔が傾いてしまうとけがの元になります。幼稚園でお友だちと並んで作業をするときにひじがぶつかり危険なので、癖になってしまっている様子であれば声をかけて直してあげましょう。子どもは無意識にやっているので、厳しく叱ってはいけません。気がついたら「紙の方を動かしてね」と体が動いていることを気づかせてあげましょう。

曲線切りができるようになると工作の表現の幅が広がります。動物や食べ物など一筆書きのシルエットを下書きした紙を切らせてあげると、きっと子どもも喜ぶでしょう。

はさみの練習教材

お子さんが「はさみって楽しい!」と思ってくれたのはうれしいけれど、やたらに紙を切り刻んで家の中が紙くずだらけ…という悩みもありますよね。そんな時は切り絵遊びのように何かの形になるような教材を使用するのもおすすめです。

インターネットで検索をすれば、はさみの練習にぴったりなイラストをプリントアウトできるサイトが探せます。先述したように色画用紙などの少し厚手の紙に印刷して使用するとよいでしょう。2つ折りにして線の通りに切ると星や虫の形になるイラストは子どもたちも大喜びです。もちろん絵が得意な保護者の方が直接画用紙に描いてもいいですね。

また、はさみの練習ができるワークブックも販売されています。ワークブックごと子どもに渡してしまうとたちまち切り刻まれてしまうので、一枚ずつ渡してていねいに仕上げることを大切にして取り組むと集中力も身につくでしょう。

まとめ

はさみが使えるようになると表現の幅が広がり、子どもの思い通りの制作ができるようになってきます。子どもがはさみに興味を持ち始めたら、子どもが使うのに適した形、材質のはさみを選んであげましょう。

一方で、はさみは間違えた使い方をすると危険なので、使用する際は大人がそばに付き添うこと、子どもと持ち方やしまい方の約束をすること が大切です。子どもが自由に取り出せる場所にはさみを収納してしまうと、目を離したすきに体を傷つけたり服を切ってしまうというトラブルも考えられます。

特に下に小さな弟や妹がいる場合は、子どもたちの手の届かないところや、ロックのかかる場所にはさみをしまうようにしましょう 。はさみで遊ぶのに夢中になりすぎて、危ない様子が見られたら「お約束が守れないなら、はさみはしばらくお休みね」という厳しさも必要です。

とはいえ、はさみをはじめとした制作は手先を使う練習になるため、自宅でもできる範囲でやらせてみるのがおすすめです。上手く仕上がった切り絵は、台紙に貼り付けて飾ってあげましょう。子どもの自信につながりますよ。親子で工夫しながら制作を楽しんでみてはいかがでしょうか。


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