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おやこのひきだし

2019.03.25

絵本の読み聞かせにはどんなメリットがある?読み聞かせの方法とコツを解説

みなさんは、子どもに絵本の読み聞かせをしていますか?絵本の読み聞かせは、子どもの心の成長や学力向上などさまざまな効果をもたらします。それなら積極的に読み聞かせをしたいところですが、「始めるタイミングはいつ?」「子どもが聞いてくれない」「そもそも必要性はあるの?」というように、保護者の方には気になることがいくつもありますよね。

そこで今回は、絵本の読み聞かせにはどのようなメリットがあるのか、読み聞かせの方法や効果をあげるコツについても、まとめてご紹介いたします。効果を知れば、きっと今すぐ読み聞かせの時間を作りたくなるはずです。

読み聞かせのメリット・効果とは?

まずは、絵本の読み聞かせのメリットと子どもに与える効果について見ていきましょう。

親子でコミュニケーションがとれる

読み聞かせは、親子のコミュニケーション不足を解消させます。絵本を読む声は子どもに安心感を与えますし、肌のぬくもりや匂いを感じることにより親子の親密感が高まり、信頼関係が強くなるのです。また、子どもは読み聞かせによって親の愛情を感じ、子ども自身の自己肯定感も養われるでしょう。

家族の関係が希薄になっていると言われる現代では、親子が触れ合う時間は貴重です。わずかな時間でもかまわないので、積極的に読み聞かせの時間を作りましょう。

感情を豊かにする

読み聞かせは、子どもの感情を豊かにする効果が期待できます。子どもは絵本を通じて登場人物の気持ちを想像し、疑似体験します。喜怒哀楽を感じること、心の変化を知ることで感情が豊かになるのです。

読み聞かせは心を育てます。感情豊かな人は相手の心の変化を感じる力を持っているので、周囲から愛される人になるでしょう。

想像力を育てる

子どもの想像力を育てることも、読み聞かせによる効果のひとつです。想像力が豊かな人は、思いやりを持って人と関わることができます。相手の痛みも分かるので、感受性豊かな優しい人になれるでしょう。

また、想像力が豊かなことは将来的にも役立ちます。例えば仕事においても視野が広がり、新しい視点で物事を考えることができます。また、先を想像する力があることで、失敗を未然に防ぐこともできるでしょう。

絵本の読み聞かせは将来的にも、いい影響を与えることが分かりますよね。

言葉の表現を知り国語力がアップする

絵本の読み聞かせによって語彙力や読解力がつき、国語力がアップするという学力向上の効果もあります。まだ字が読めない子どもでも、読み聞かせを繰り返すことで絵本に書いてある言葉の表現をまねし始めます。始めはまねだった言葉も次第に自分の言葉として使い始めるので、言語力がのびることにつながるのです。

また、語彙力がある人は自分の気持ちを言葉で表現することに長けています。相手の言葉も理解できるので、信頼関係を築きやすくなるでしょう。

国語力をあげることは、コミュニケーション能力を高めることにもつながるのでいいことずくめと言えます。

集中力が身につく

読み聞かせをしていくうちに、子どもは集中力が身に付きます。子どもが物事に集中できる時間はそれほど長くありません。そのため、読み聞かせを始めたばかりの頃は、最後のページまで読めないことが多いです。

しかし、絵本の読み聞かせの時間を習慣化させると、次第に集中力が身に付き、最後まで夢中になって聞いてくれるようになります。子どもがその場に座っていられない、落ち着きがないと悩んでいる保護者の方には、ぜひ絵本の読み聞かせをおすすめします。

読み聞かせはいつからいつまですればいいの?

読み聞かせは、いつからいつまでした方がいいという正解はありません。早すぎることも遅すぎることもないので、始めたいと思ったらすぐに読み聞かせをしましょう。

そうとはいえ子どもが0歳児なら、絵本を読み聞かせても効果はないと思ってしまいますよね。事実、赤ちゃんに絵本を読んであげても期待通りの反応が返ってくることはほとんどありません。

しかし、0歳児の赤ちゃんにも読み聞かせの効果はあります。絵本の豊かな色彩を見ることは脳に刺激を与えますし、親とのスキンシップでリラックス効果が期待できるのです。

子どもの年齢に関わらず絵本に興味を持ち始めたときは、読み聞かせを始めるチャンスです。子どもが好きな絵本を一緒に読みましょう。また、興味を持つ前の段階でも、保護者の方から積極的に読み聞かせを促して、絵本デビューしてみるといいですよ。絵本が好きな子どもが多いので、すぐに引き込まれていくはずです。

子どもが喜ぶ読み聞かせの4つコツ

ここからは、子どもが喜ぶ読み聞かせのコツを4つご紹介いたします。コツをつかめば、充実した時間を過ごすことができますよ。読み聞かせをしても聞いてくれない…という場合にもおすすめです。

1.親も読み聞かせを楽しむ

読み聞かせをするときは、親も一緒に絵本を楽しみましょう。子どもは大人の感情を敏感に感じ取ります。義務感だけで読んでしまうと、子どもは絵本を楽しめません。

また、「うまく読もう」「子どもの教育に役立てよう」と、考えすぎても読み方に違和感が出てしまい、子どもはすぐに飽きてしまいます。

まずは、大人が絵本を楽しむことが大切です。絵本の中にはすてきな世界が広がっています。大人が読んでも考えされられたり、くすっと笑えたり、感極まって泣いてしまうような話がたくさんあります。

子どもは大人が楽しんで絵本を読んでいる方が夢中になってくれるので、肩の力を抜いて気楽に読みましょうね。

2.読み聞かせに集中する

読み聞かせをしているときは、絵本を読むことに集中しましょう。大人の気がそぞろの状態では、子どもは楽しめません。テレビやスマホの音を消すことはもちろんのこと、時間に余裕を持って読み聞かせを始めるといいですよ。

子どもの成長はあっという間です。長い人生のうち、絵本を読み聞かせる時間はそれほど多くはありません。子どもと過ごす時間を大切にしましょうね。

3.子どもの反応を見ながら読む

子どもの反応を見ながら読み聞かせをしましょう。絵本を読んでも子どもが聞いてくれないのは、絵本の内容が理解できないからかもしれません。子どもの成長はそれぞれ違うので、その子に合った読み方をする必要があります。

例えば、大人のペースで次々とページをめくってしまうと子どもは話についていけません。これでは少しも楽しくないので、話を聞くことをやめてしまいます。また、絵をじっくり見ているのに、それを中断されるのも面白くありませんよね。

読み聞かせをするときは子どもの反応を見ながら、ペースを合わせて読み進めましょう。

子どもは好奇心が旺盛です。純粋に絵本を楽しめるように大人が配慮しましょう。

4.絵本に合わせて読み方に変化をつける

ユーモアあふれる絵本なら読み方に変化をつけてみましょう。アレンジをせずに自然に読むと、子ども自身の想像力を育てる効果が期待できるのですが、年齢が低い子どもは飽きやすくなります。

ユーモアがある絵本を読み聞かせるときは強弱をつけたり、間を開けたり、絵本を揺らしてみましょう。子どもが笑うシーンがあれば、あえて繰り返してみるのもおすすめ。ほんの少しの工夫で、子どもは絵本の世界に引き込まれていきますよ。

ただしやりすぎると絵本の内容が頭に入ってこないので、過剰に演出するのは避けた方がよさそうです。遊びの時間ではなく、読み聞かせの時間だということを忘れないようにしましょうね。

ちなみに、寝かしつけのために絵本を読み聞かせるなら、静かにゆっくりと読むことがおすすめです。寝かしつけ専用の絵本を用意しておくと、子どもは読み聞かせが眠る合図だと認識するのでスムーズに眠りにつくことができます。寝る前の絵本は、寝かしつけのストレスを解消させる効果も期待できるのです。

年齢別の本の選び方

絵本を選ぶときは、子どもの年齢を考慮しましょう。子どもの興味を引く本を選ぶことも、読み聞かせの時間を楽しくするポイントですよ。

0歳から

0歳児に読み聞かせをするなら、絵が大きくシンプルな絵本を選ぶといいでしょう。ストーリーを理解するのはまだ難しいので、絵で楽しめるものがおすすめです。

0歳児におすすめしたいのは「いないいない ばあ 文 松谷みよ子、絵 瀬川康男」です。動物たちが「いないいない…」と顔を隠した次のページで、両手をひろげて「ばあ」と顔を出す。子どもの笑顔を引きだすとっておきの絵本です。

また、この時期はまだ視力が弱いので、原色で描かれた絵本だと興味を持ちやすいかもしれません。たくさんの色を見ることは脳に刺激を与え、発達させていきます。

おすすめは「しましまぐるぐる 絵 かしわらあきお」です。動物や食べ物など身近なものが、原色を使って色鮮やかに描かれています。ページをめくるのが楽しくなる1冊です。

13歳児

1歳児以降は、子どもの成長に合わせて絵本を選んでいきましょう。成長には個人差があります。「2歳になったのに絵本を理解してくれない」などと焦らず、楽しく読むことが大切ですよ。3歳児が0歳児向けの本を読んでも何も問題ありません。

1歳児

1歳児も、絵や仕掛けで楽しめる本に興味を持ちやすいです。食べ物や動物など、身近なものが描かれた本や、リズム遊びが楽しい本がおすすめです。

ただし、1歳頃の子どもは読んでいる最中に自分でページをめくったり、本を取ってしまうことがあります。力も加減が分からず、絵本を破いてしまうことも。

子どもの成長や性格に合わせて無理なく読み聞かせをしましょうね。

1歳児におすすめしたい絵本は「もこ もこもこ 作 谷川俊太郎、絵 元永定正」です。奇妙な擬音がひたすら並ぶこの絵本は、リズム感が心地よく癖になります。不思議な魅力の虜になってしまう子どもたちが多くいますよ。

2歳児

2歳児になる頃には、主人公に感情移入できる絵本を少しずつ取り入れていきましょう。絵柄や音がメインだったのが、ストーリーを楽しめるようになってくるからです。

ただし読み聞かせをしても、全てを1度で理解するのは難しいでしょう。繰り返し読み聞かせることで理解できるようになりますし、子どもも自分で感じることも増えていきます。

ゆっくり焦らず、子どもと一緒に楽しみながら進めていきましょうね。

2歳児におすすめしたい本は、「ぐりとぐら 作 中川李枝子、絵 大村百合子」です。

定番の人気絵本だけあって、子どもはぐりとぐらのお話が大好き。物語のなかにあるフレーズを、繰り返し読み上げる子どももいます。ページを開くと、カステラの甘い匂いがしてくるような楽しい絵本ですよ。読み終わった後、おなかが鳴ってしまうかもしれませんね。

3歳児

3歳児は2歳児よりもさらにストーリーを理解し、楽しめるようになります。ストーリーを重視した絵本の本格デビューしてみましょう。子どもによっては、小学生向けの絵本を読む子もいますよ。

そうとはいえ、成長には個人差があります。子どもが興味を持ったものが一番楽しめる絵本だということを忘れてはいけません。

3歳児におすすめしたいのは「てぶくろ 絵 エウゲーニー・M・ラチョフ、訳 うちだ りさこ」です。おじいさんが落としたてぶくろに、ネズミが住むところから物語が始まります。かえるやきつね、いのししなど、次々と現れる動物たちとのやりとりを見て、わくわくするような不思議なお話です。

4,5歳児~

4,5歳児になったら、登場人物に感情移入できるような複雑で長いストーリーにも少しずつチャレンジしてみましょう。この頃になると知識が豊富になり、理解力や発想力も強くなります。保護者の方としては長編のストーリーを読むのは大変ですが、こどもの心と脳の成長を促すためにも生活のなかに読み聞かせの時間をとりいれたいところです。

4,5歳児におすすめしたいのは、「おまえ うまそうだな 作・絵 宮西達也」です。主人公はティラノサウルス。ティラノサウルスシリーズはいくつもあり、どれも親子の愛や友情、命の尊さなど大人も考えさせられるお話ばかりです。感動して思わず涙がこぼれてしまうことも。子どもに伝えたい大切な1冊です。

他にも「エルマーのぼうけん 作・絵 ルース・スタイルス・ガネット、訳 渡辺茂男」もおすすめです。好奇心をくすぐる大冒険の数々。わくわくドキドキがつまった1冊となっています。描かれた地図を見るのも楽しいですよ。

読み聞かせの効果を高めるなら子どもに強制しないことが大切

読み聞かせをするときは、下記のことに気をつけましょう。

・子どもが読みたい本を拒否して大人の選んだ本を強制する

・子どもに感想を求める、感想を否定する

・大人が出した答えを押し付ける

読み聞かせをするなら、得られる効果を高めたいと思うのが保護者の本音ですよね。しかし、大人の考えを押し付けてしまうと子どもは読み聞かせが嫌になります。強制することは、子どもの自由な発想力や感受性を低下させてしまうのです。

教育は必要ですが、もっと自由に、子どもの考えを尊重しながら読みましょう。読み聞かせの時間を嫌々過ごすよりも、楽しい時間として過ごした方が、子どもが得られる効果は大きくなります。

まとめ

読み聞かせは、親子のコミュニケーション作りに最適です。また、語彙力や読解力、想像力や集中力など、将来的に役立つ力がいくつも身に付きます。仕事、家事、育児で忙しい毎日ですが、ほんの少しだけでも読み聞かせの時間を作り、続けていくと子どもの成長にいい影響を与えるのです。絵本が大好きな子どもは多いので、保護者の方から読み聞かせに誘うと喜んでくれますよ。きっと目を輝かせながら、絵本の世界に夢中になってくれるでしょう。


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