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おやこのひきだし

2020.08.24

子どもの失敗に対する親の対応は?成長の糧になる子育ての仕方を紹介

子どもが失敗したときに、つい叱っていませんか?または子どもが失敗しないように先回りして声をかけたり、代わりにやってあげたりする親御さんもいらっしゃるでしょう。しかし、子どもにとって失敗は成長のための大切な経験です。子どもの失敗は、親が正しく導いてあげることで成長の糧にできます。

この記事では、子どもが失敗したときの対処法や、やってはいけない対処法について解説します。子どもの失敗を生かせるよう親ができることを考えていきましょう。

失敗は子どもにとって大切な経験

子どもにできるだけ失敗させないように、つい先回りをしていませんか?「水たまりに気をつけて」「お茶をこぼさないでね」「明日の準備はした?」など、先回りして声をかけてしまいたくなるものです。また、子どもが失敗して困らないように、必要以上に手を貸してしまう人もいるでしょう。しかし、失敗は子どもにとって悪いことばかりではありません。それどころか子どもの頃にきちんと失敗しておくことは大切なことなのです。

失敗を何度も経験するうちに、失敗してもやり直せることを自然に学びます。また、失敗の先に成功が待っていることを経験できれば、最後までやり抜く忍耐強さを大切にできます。しかし、子どもの頃に失敗体験が不足していると、ちょっとした失敗で「もうだめだ」とくじけてしまうようになるかもしれません。何度でも挑戦するたくましさを身につけるためにも、失敗は成長のチャンスといえます。

子どもが失敗しそうなのに黙って見守るのは、親にとって苦しいことかもしれません。しかし、子どもの成長のためにも失敗から学ぶ機会を子どもに与えましょう。

子どもが失敗を怖がる理由

「失敗は成功の母」といいます。子どもの頃にたくさんの失敗を経験することで、忍耐力やチャレンジ精神を身につけてほしいと考える親御さんも多いことでしょう。しかし、失敗を恐れて新しいことに挑戦できない子どももいます。まずは、子どもが失敗を怖がる理由について見ていきましょう。

失敗して笑われた経験がある

過去に失敗を友達や家族に笑われ、トラウマに感じてしまうことがあります。失敗を笑われ、「失敗するのは恥ずかしいこと」と思うようになり、また笑われて辛い思いをしなくていいように、できるだけ失敗を避けようとするのです。そのため失敗する可能性があることには挑戦できなくなってしまいます。

失敗して親に怒られたくない

子どもが失敗するたびに厳しく叱っていると、子どもは失敗を避けるために新しいことにチャレンジできなくなります。親が叱りすぎると子どもは自信をなくし、「やりたくない」と思うようになってしまうのです。自信をなくしてしまうと、チャレンジしても「どうせ失敗する」という思いが強くなるため、ますます挑戦できなくなってしまうのです。

自己肯定感が低い

自己肯定感が高い子どもは、自分に自信を持っています。物事に挑戦する前から失敗を恐れたりしません。もし失敗したとしても、落ち込むことはなく、「次はうまくいくかも」と前向きに考えて再挑戦するでしょう。

しかし、自己肯定感が低い子どもは自分に自信がないため、最初から「どうせ自分にはムリだ」と思ってしまいます。失敗したときは「やっぱりムリだった」とさらに自信を失ってしまうでしょう。自己肯定感が低い子どもは周りの目を気にする傾向があるため、失敗した姿を見せることは恥ずかしいことと捉えます。失敗しないためにも、最初から挑戦を避けてしまうのです。

子どもが失敗したときの対処法

子どもが失敗を生かして成長できるか、親の対応次第です。子どもの失敗には、次のような対処法を取り、子どものやる気を育みましょう。

叱りすぎない

同じことを何度も失敗したり、ムリなことに挑戦して失敗したときに、「この前も言ったでしょ?」「だからムリだと言ったじゃない」とキツイ言葉をかけてしまうこともあるでしょう。しかし、失敗した後に叱りすぎると、子どもはチャレンジしなくなってしまいます。その一言で子どものやる気の芽を摘んでしまわないようにしましょう。

失敗してもよいという環境を作る

親が失敗はよくないと思っていると、子どもも同じように考えてしまいます。子どもが失敗したときに、ネガティブな言葉を投げかけていると、子どものチャレンジ精神を奪うことになりかねません。

失敗してしまったときに、親が「失敗しても大丈夫」と受け止められれば、子どもは安心して失敗できるでしょう。失敗を責めたりせず、子どもがもう一度チャレンジしたいと思えるように導いてあげることが大切です。失敗してもよいという環境を作ることで、子どもは失敗を恐れなくなるでしょう。

解決策を考えさせる

誰にでも失敗はあります。大人でも失敗するのですから、子どもが失敗するのは当然です。ただし、失敗しても仕方ないと思うだけでは成長につながりません。失敗を糧に成長するためには、「なぜ失敗したのか」を考えさせることが大切です。

「何でこんなことをしたの?」と叱るより、「どうしてうまくいかなかったのかな?」と聞いてみましょう。子どもはわざと失敗したわけではないので、理由を問い詰められても答えられません。それよりも失敗した理由を考えさせ、「次はどうしたらいいと思う?」と問いかけましょう。また、「汚した」「こぼした」「散らかした」というように、後片付けが必要な場合、子どもができることは自分でやらせましょう。失敗をただの失敗で終わらせず、成功するために必要な経験と捉えたら、親も子どももネガティブな気持ちにならなくてすみます。

子どもが失敗したときにしてはいけないこと

子どもが失敗したときの対処法を間違えると、成長につながりません。次のような叱り方は子どもを傷つけてしまうため、なるべく避けましょう。

大声で怒鳴る

子どもが失敗するとイライラして、大声で怒鳴ってしまう人もいます。しかし、このような叱り方は子どもを萎縮させるだけです。子どもはなぜ叱られているのか理解できず、恐怖心を感じてしまうため、失敗を恐れる子どもになってしまいます。子どもが失敗すると、つい怒鳴ってしまう人は、怒りをコントロールできるように努力しましょう。

子どもの心が傷つく言葉を使う

子どもが間違ったことをしたとき、そのことについて叱るのは必要です。しかし、怒りがエスカレートすると、人格を否定するような言葉を使う人もいます。たとえば「何回言ってもわからないなんてバカなの?」「本当にダメな子ね」というような言葉を繰り返し親から言われると、子どもは自分に自信が持てなくなり、ネガティブになってしまいます。

日常的な失敗に対する具体的な対処例

何度注意しても子どもが同じ失敗を繰り返したり、忙しいときに後片付けが必要になったりしたら、叱りたくなってしまうものです。しかし、ただ叱るだけでは子どもの成長につながりません。子どもが日常で失敗しやすい事柄と親の対処法をご紹介します。

飲み物をこぼしてしまったとき

子どもがテーブルの上のグラスを倒し、飲み物をこぼすことはよくあるものです。そのようなとき、「何してるの!」と叱るだけになっていませんか?叱るだけで親が後片付けをしては、また同じことを繰り返してしまうかもしれません。この場合は、子どもに解決策を考えさせましょう。

パパやママは叱るのではなく、「ジュースがこぼれてしまったね」と状況を確認するだけにとどめます。これで子どもは自分がジュースをこぼしてしまったことを認識するので、どうすればいいか一緒に考えましょう。「

どうしてこぼしてしまったのか」「こぼしたらどうすればいいか」を子ども自身に考えさせてください。子どもに考える時間を与えず、叱るだけでは、子どもの成長のチャンスを奪ってしまいます。なぜこぼしてしまったか考えることで、「次はグラスを置く場所に気をつけよう」「手が当たらないように気をつけよう」と気づき、同じ失敗を繰り返さなくてすむでしょう。
また、こぼしたときにどうすればよいか理解すれば、自分の力で対処する力が身につきます。後片付けの大変さがわかれば、次から気をつけようと思えるはずです。すぐには失敗が減らないとしても、ある程度の年齢になれば、自分の失敗は自分が責任を持って後片付けできるようになっておく必要があります。

忘れ物をしたとき

子どもの忘れ物に気づき、慌てて届けに行くことはありませんか?または子どもが忘れ物をしないように、子どもに代わって持ち物の準備をしている方もいるでしょう。しかし、それでは子どもが「忘れ物をしても届けてもらえる」「自分で準備をしなくてもママに任せておけばいい」と思ってしまいます。忘れ物をすると先生から注意を受けたり、友達に貸してもらわないといけません。

忘れ物をして不便な体験をすることで、次は忘れてはいけないと思うのです。「子どもが困らないように」と手を貸してしまいがちですが、子どもの成長のためにも、あえて失敗を経験させるのも大切です。

お手伝いに挑戦して失敗したとき

自分から進んでお手伝いをしてくれたのに、失敗して親の手を煩わせてしまうこともあります。たとえば、食卓にお皿を運ぼうとして割ってしまったら、親は余計な手間が増えるため、「だからムリだって言ったでしょ?」「何でそんなこともできないの?」といった言葉が出てくるかもしれません。

しかし、お手伝いに失敗して叱られたら、挑戦したいという意欲を低下させます。このようなときは、結果ではなく挑戦したことを褒めましょう。叱られなかったことで、子どもは安心するはずです。それからうまくいかなかった原因を親子で考えましょう。

まとめ

子どもが失敗したときに間違った対応を取ってしまったために、子どものチャレンジ精神を奪ってしまうことがあるものです。失敗を過度に恐れる子どもは、挑戦を避けてしまいます。それでは成功体験を積めなくなるため、自分への自信も育めません。

失敗しても気持ちを切り替えて、諦めずにチャレンジできる精神的な強さを身につけるため、子どもの頃にきちんと失敗を経験しておくことは大切です。日々のつまずきから適切な対処法を取り、子どもの成長の糧となるようにしてあげましょう。


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