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おやこのひきだし

2019.07.26

非認知能力が重要視される理由と能力を高めるためにできること

今、世界で非認知能力が注目されていることをご存知でしょうか。非認知能力は、子どもの成長に必要な力です。成長が著しい3歳までの子どもを育てる保護者の方は、特に力を入れたいところ。

 

だからこそ、非認知能力はなぜ重要と言われるのか、能力を高めるためにはどうすればいいのか、非認知能力が身につくとどのような効果があるのかなど、保護者の方としては気になることが多いはずです。

 

そこで今回は、非認知能力が注目される理由や能力を鍛えるためにできることをご紹介いたします。非認知能力を身に付け、子どもの生きるために必要な力を高めましょう。

 

非認知能力とは?

知能指数(IQ)テストなどで数値として測ることができるのが「認知能力」。逆に感情や心の働きなど数値として測ることができないのが「非認知能力」です。

 

まずは、どういった力が非認知能力にあたるのかご紹介します。

 

【非認知能力①】最後までやり抜く力

まず一つ目は、最後までやり抜く力。「できない」と嫌になった途端に諦めて投げ出す子は多くいます。やる前の段階から、嫌になってしまう子もいるでしょう。

 

諦め癖がついてしまうと、達成感を味わうことができず自信が持てなくなります。チャレンジ精神もなくなり、将来的に成功することが難しくなるのです。

 

非認知能力が高い人は失敗したとき、次に成功させるにはどうすればいいのかを考え、成功するまで頑張ろうと前向きに取り組むことができます。我慢強く、ゴールに向かって突き進むことができるのです。将来的に成功するのは、うまくいかないときでも逃げずにやり抜く人です。非認知能力は、人生を前向きに生きる力になります。

 

【非認知能力②】コミュニケーション力

コミュニケーション力も、非認知能力のひとつです。コミュニケーション力は、生きる上で欠かせないもの。人との関わりを持たずに、社会で成功することはできないのです。

また、協調性や社交性、人に対して思いやりがあるタイプは周囲から愛されます。たとえ困難にぶつかっても、手を貸してくれたり支えになってくれる人が周りにいるのです。

 

コミュニケーション力は、よりよい人生を生きるために必要なスキルではないでしょうか。

 

【非認知能力③】感情のコントロール力

非認知能力には、感情のコントロール力があります。いかなる場面でも感情的にならずに自制し、冷静に物事を判断できる人です。このタイプは精神的に安定して、常にポジティブ思考。現代では、ささいなことで心を壊してしまう人が少なくないのですが、感情のコントロール力が優れていると、ストレス発散にも長けているので生きる力が強くなるのです。

 

非認知能力はいつまでに鍛えればいいの?

幼い子どもほど心や身体、脳の発達が著しいもの。脳は3歳までに8割が完成すると言われているので、1~3歳までの子どもには特に力をいれたいところです。脳の発達を考えると、非認知能力を鍛えるならできるだけ早くに始めた方がいいでしょう。

 

とはいえ、3歳以降で始めるのが遅すぎるというわけではありません。10代でも、非認知能力を高めるのは可能だと言われているからです。

 

3歳を過ぎたから遅いと諦めずに、今からでも非認知能力について考えていきましょう。

 

非認知能力が重要な理由

次に、非認知能力が重要だと言われる理由について見ていきましょう。

 

認知能力だけでは成長に限界がある

非認知能力とは違い、知能指数(IQ)テストなどで測定できるのが認知能力です。文字の読み書きや数を認識する、ブロックを積み上げるなどという学習能力のことを言います。過去には、数値で測れる認知能力が重要視されてきた実態があります。

 

しかし、早めに文字の読み書きや数字の認識などを身に付けた子と、ゆっくりと習得した子を比べると、成長していく段階で双方の学力の差は見られなくなるようです。幼いときに学力が高くても、ゆっくりと習得した子に追いつかれてしまうことがあるのです。

 

つまり、認知能力だけでは成長に限界があるということです。

 

認知能力を高めるためには、非認知能力を高めることが必要です。逆を言えば、非認知能力が高い人は認知能力が伸びるとも言えるでしょう。

 

学力を育てるなら、自分で考える力や発想力、やる気をつけることが必要です。また、いくら知能指数(IQ)が高くてもコミュニケーション力が乏しかったり、感情コントロールがうまくいかずに人間関係がうまくいなかなければ社会で成功するのは難しくなります。

 

学力向上だけに力をいれるのではなく、一緒に非認知能力も高めたいところです。認知能力と非認知能力は切っても切り離せない関係なのです。

 

社会を生き抜く力が身につく

非認知能力が高い子どもは、社会を生き抜く力が強いと言われています。

 

親は、子どもの幸せな将来を望むものですよね。幸せの定義は人それぞれですが、安定した生活や人から愛され、笑顔で過ごせる人生を過ごしてほしいと願う人が多いのではないでしょうか。

 

現代では、問題行動を起こしたり、引きこもったり、感情コントロールがうまくできずに周囲とうまく関われなかったりする人が多くいます。トラブルに見舞われたり、傷ついた時にネガティブ思考になり、そこから立ち上がれなくなる人もいます。

 

人生は楽しいことばかりではありません。予期せぬことが起きることも、失敗をすることも、悲しみに打ちひしがれることもあります。

 

非認知能力は心の土台ともいえるので、身についていると社会を生き抜く力が強くなるのです。

 

能力を高めるために保護者の方ができること

非認知能力を鍛えるのは難しいことではありません。特別なことではなく、日常的にできることばかりだからです。それでは、保護者の方でもできることを詳しくご説明いたします。

 

子どもを愛して安心感を与える

子どもを愛しましょう。愛されているという安心感が、ありのままの自分でいいと思える自己肯定感を育てるのです。

 

自己肯定感が高い人は、物事を前向きに捉えることができます。いわば、ポジティブ思考の持ち主。

 

また、もし不安なことや悲しいことがあっても味方になってくれたり、助けてくれる保護者の方の存在は子どもにとって大きな力になるでしょう。

 

そのためにも、日頃から愛してることを言葉にして伝えたり、スキンシップをとります。

 

幼い子どもは、抱きしめられることが好きなので、保護者の方が包み込むように優しく抱きしめましょう。手をつないだり、頭をなでるのもおすすめです。

 

愛情が伝わると、子どもの非認知能力は伸びていきますよ。

 

子どもの自主性を尊重する

非認知能力を高めるためにも、子どもの自主性を尊重しましょう。

 

保護者の方に言われたまま行動するよりも、子どもが自分自身で考えて行動することが力になるからです。

 

保護者の方が自分の意見を押し付けすぎると、子どもは自分で考えることができなくなります。また自分の意見に自信がなくなり、受け身になってしまうことにもつながるのです。干渉しすぎるのは控えたいところ。与えるのではなく、子どもに身に付けさせることが大切です。

 

非認知能力と遊びの重要な関係

自主性を鍛えるために、遊びを大切にしましょう。

 

保護者の方からすると、非認知能力を鍛える遊びにはどのようなものがあるのか気になりますよね。力が入りすぎてあれこれ用意したり、教えようとする方も多いはず。

 

しかし、特別なことをしなくても、子どもは遊びの中で自然に力を身に付けていきますよ。例えば紙とペン、ペットボトルや空き箱、段ボールなどを用意するだけで、子どもは自発的に遊びを作り上げていくものです。

 

遊びを通して、好奇心が芽生え、考える力がつき、意欲が沸き、集中します。最後まで粘り強く頑張る力などが、自然に鍛えられるのです。

 

大人にとっては無駄に思えることでも、子どもにとっては学びの一環なので、優しく見守りましょう。

 

時には保護者の方からすると「止めてほしい」と思ういたずらをすることがあるもの。ティッシュを無限にとったり、水道で水遊びをしたり、紙を破いて散らかすなどは、保護者の方にとってはすぐにでも止めさせたいことばかりです。しかし、夢中になっているときこそ子どもの成長につながっているのです。

 

頭ごなしに怒って止めさせるよりも、子どもの考えを認め、尊重してから別の遊びを促すといいですよ。

 

ただし、危険性が高いことに関してはきちんと叱り、止めさせることは大切です。やっていいことと悪いことのメリハリは、きちんとつけましょう。

 

頑張ればできるという経験を繰り返す

うまくいかなくても頑張ればできるという経験を繰り返すことで、子どもの非認知能力は鍛えられていきます。失敗しても次こそはできるはずだという自信や、やる気が身につくのです。

 

そのためにも、保護者の方の力が必要です。さきほど、干渉しすぎるのは控えた方がいいとお話をいたしましたが、子どもだけにすべてを任せることには限界があります。特に13歳くらいの幼い子どもならなおさら。できないことが嫌になって諦めたり、感情的になることが多いものです。単純に遊びに飽きてしまい、おもちゃの扱いが雑になることもあるでしょう。

 

子どもがうまくいかずに困っているときは、保護者の方が子どものフォローをして、解決までの道筋を示してあげましょう。答えを出すのではなく“できない”という気持ちを共感してどうしたらいいのかを一緒に考え、必要に応じて助言をします。そして、子どもに答えを考えさせるのです。そこでできるようになると子どもは自信がつきますし、うまくいかなくても頑張ればできると認識するようになりますよ。

 

もし、単純に飽きた場合でも、おもちゃの他の遊び方を見せてあげると、子どもは新しい発見に興味を持ってくれるはずです。

 

非認知能力は自発的な遊びから身につくとはいえ、放っておくのは別の話。子どもが遊びの途中で保護者の方を見たときは、優しく微笑みましょうね。保護者の方から関心を持たれていることを知った子どもは、安心してまた遊びの世界に入り込みますよ。

 

まとめ

非認知能力とは、知能指数(IQ)テストといった数値で測れない人間の生きる力のこと。最後までやり抜く力やコミュニケーション力、感情コントロール力、誠実性など、よりよい人生を生きていくうえで必要なものばかりです。いくら学力が高く、偏差値が高い大学に行っても、非認知能力が低ければ社会で成功するのは難しいとも言われています。以前は、認知能力が重要視されていましたが、非認知能力の重要性が世界的に注目されているのです。

 

非認知能力を高めるために必要なのは、保護者の方がたくさん愛情をそそぐこと。愛されていることで自己肯定感が養われ、前向きに考える力が身に付きます。また、自発的な遊びも非認知能力を育てます。いたずらも成長の一環。子どもの興味を尊重し、優しく見守りましょう。


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