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おやこのひきだし

2019.03.22

意外と知らない「子どもの叱り方」を解説。子どもが納得する叱り方をしよう!

子育てをしていると、子どもの叱り方についての問題に直面するもの。「何度叱っても改善されない」「イライラしてつい感情的になってしまった」「叱りすぎなのかもしれない」など、間違った言動をした子どもとの付き合い方に悩む保護者が多くいます。

もしかすると子どもに保護者の方の気持ちが伝わらないのは、叱り方に原因があるのかもしれません。無意識のうちに、逆効果になる言動をしていることも考えられます。

そこで今回は、子どもの叱り方について詳しく解説していきます。叱るなら、子どもを伸ばす方法をマスターしましょう。子どもは保護者の方の心掛け一つで良くも悪くも変わります。

叱るってどういうこと?

そもそも叱るというのはどういうことなのか、考える人は少ないはず。この機会に、叱ることについて考えてみませんか?叱る目的を見失うと、子どもには伝わらないものですよ。

そこで、正しく叱るために、まずは“叱る”と“怒る”の違いを理解しましょう。

叱るとは、相手のことを思い、間違いを正すために指導すること。

一方、怒るとは、感情をあらわにしイラ立ちをぶつけることです。そこには相手に対する思いやりはありません。相手の気持ちを考えていない自分本位な行為なのです。

つまり、叱るのは心が通い合うこと、怒るのは保護者の方の一方通行ということとも言えますね。

「何度叱っても伝わらない」という原因は、叱っているのではなく怒っているからかもしれません。きっと始めは、子どもの悪いところを改善させるために叱っていたはず。しかし、いつの間にか感情的になり、怒りをぶつけるだけの行為になっていたのかもしれません。

子どもを叱るときは、叱っているのか、怒っているのか、冷静に判断しましょう。これだけでも子どもへの伝わり方が変わる可能性はあります。

正しい叱り方をすれば3つのメリットが期待できる

正しく叱れば、保護者の方と子どもの両方にメリットがあります。ここからは、叱ることで得られる3つのメリットについて見ていきましょう。

1.命の安全を守る

命の安全を守るためにも、正しく叱ることが大切です。例えば、周囲の状況を確認せずに道路に飛び出してしまうと命に関わります。他にも、家の中で火遊びをしたらやけどだけでは済まず、大火事になって命を落とすかもしれません。

近年では叱らない育児法が話題になることもありますが、命の危険に関わることは叱らなければ子どもを守れません。「また今度気をつけようね」とは、言えない事態になるかもしれないのです。

そうならないためにも正しく叱り、子どもの危機管理能力を高めましょう。

2.他人を傷つける行為を防ぐ

人を傷つける行為も“絶対にしてはいけないこと”としてきちんと叱る必要があります。危害を加える行為については、「お友達から嫌われてしまうから」という生易しい理由ではありません。誰であろうと、暴力やそれに関連する行為で他人を傷つけてはいけないのです。当然、身体的なものだけではなく、心を傷つける暴言を吐くことも許されません。

誰でも大切に思ってくれる人がいます。傷つけることは、相手だけではなくその人の周囲まで悲しませる行為です。暴力や暴言から得られるメリットは何一つないことを伝えましょう。

3.社会のルールがわかる

保護者の方に叱られることで、子どもは社会のルールを学んでいきます。逆を言えば、子どもが間違ったことをしたときに誰かが叱らなければ、悪いことだと知らずに育ってしまいます。

例えば、スーパーでふざけて走り回る子どもを叱らずに、そのまま放っておいたらどうなるでしょう。買い物客の中には小さい子どもや高齢者、妊婦さんもいます。もし子どもが勢いよく衝突したら、場合によっては、取り返しがつかないことになります。スーパーで走り回ることは、ただ単に迷惑という一言では済まされないのは周知の事実ですよね。

しかし、子どもは身近にいる保護者から教えてもらえなければ、“いけないこと”の区別がつきません。極端に言えば誰からも叱られなければ、これからも社会のルールを無視して自分勝手に行動し、周囲に迷惑をかけてしまいます。当の本人は、まさか自分が問題行動を起こしているとは思わないでしょう。

叱ることは、子どもの将来を守ることにもつながります。知らないでは済まされないことを、保護者の方が教えてあげなければならないのです。

子どもを伸ばす上手な叱り方

それでは、子どもを伸ばす上手な叱り方をご紹介いたします。

子どもの目を見る

叱るときは子どもの目を見ましょう。子どもと向き合わなければ、保護者の方の伝えたいことを理解させるのは難しいからです。例えば家事をしながらだったり、携帯をいじりながら叱っても、子どもには伝わりません。その場では返事をするかもしれませんが、叱られた原因や理由を理解していないので、何度でも同じ間違いをしてしまいます。

子どもの健全な成長を願うなら、目を見て叱ることが大切です。

叱る理由を説明する

どうして叱られたのか分かるように、理由を説明しましょう。「言わなくても分かるでしょ!」と思うかもしれませんが、子どもは叱られた理由が分からないことが多いです。叱られたことに驚いてしまい、理由を考えるまで至らないことがあるからです。

また、理由を言わずに頭ごなしに叱ってしまうと子どもは反抗的になり、聞く耳を持ってくれないことも。

忙しいなか、説明するのは面倒だという人もいるでしょう。しかし理由を説明して子どもが納得してくれた方が、改善が見込めますよ。逆に言えば、理由が分からなければ何を直したらいいのか分からないのです。

子どもの気持ちを肯定してから叱る

一度気持ちを肯定してから叱ると伝わりやすいです。保護者の方に叱る理由があるように、子どもにも理由があります。理由を聞かずに否定してしまうと子どもは自信をなくし、消極的な考えになってしまうかもしれません。

叱るときはどうしてそうしたのかという理由を聞いて、「~したかったんだね。」と認めてあげましょう。そのあとに「でもね、~すると○○ということが起きるから止めようね。」と伝えると理解されやすいです。子どもの自尊心も傷つけずに済みます。

これは小学生、中学生と成長した子どもにも効果があります。保護者の方が子どもの気持ちを理解していることが伝わると、複雑に絡まる心がほどけていくでしょう。叱ることは、子どもとコミュニケーションをとることと同じです。

改善したら褒める

子どもが間違いを改善したら褒めましょう。

叱られることが好きな人はいないはず。子どもは保護者の方から叱られると、理由はどうあれ悲しい気持ちになります。失敗してしまったことで、自信喪失する子どももいるほど。

叱りっぱなしを止め、改善したら褒めることを徹底しましょう。小さい子どもなら、抱きしめてあげると喜びますよ。子どもは保護者の方から認められること、愛情を実感することで自己肯定感が高まります。

フォローは大事です。“叱る”と“褒める”はセットですよ。

逆効果になるだけ!絶対にやってはいけない叱り方

間違った叱り方をしてしまうと、改善させることはできませんし、子どもに悪影響を与えるだけです。やってはいけない叱り方をしていないか、この機会に自分の叱り方を見なおしてみましょう。

人格を否定する

子どもの人格を否定する叱り方は、絶対にしてはいけません。先述したように、叱るというのは愛情を持って子どもと接することです。人格を否定して傷つけることは、叱っているのではなく、自分のフラストレーションを発散させているだけ。子どもは所有物ではありません。子どもの心を傷つける行為は止めましょう。

それに、保護者の方から否定された子どもは、自分の存在価値が分からなくなってしまいます。自信がなくなり、やる気も失われ、ネガティブ思考になるといったマイナスのことばかりが起こるのです。子どもの可能性をつぶす行為は止めましょうね。

感情的になって怒鳴る

子どもの態度にイライラしてしまい、感情的に怒鳴ってしまったという経験がある人は多いのではないでしょうか。当然、これもやってはいけない間違った叱り方です。

たしかに、子育てをしているとイライラがつきもの。心に余裕がなくなって一気に爆発…というのはよくある話です。

しかし、感情的に怒鳴ってしまうと、子どもは“してはいけないこと”の理由が分からないまま、萎縮してしまいます。怒鳴るというのは、恐怖心を与えることによって子どもから考える時間を奪い、大人の考えを押し付けているのと同じこと。根本的な解決にはならないでしょう。

子どもに大切なことを伝えたいなら感情でぶつからずに、一旦大きく深呼吸しましょう。そして、気持ちを落ち着かせてから、正しく叱ることを心掛けるのです。

人と比べる

人と比べて叱るのは間違いです。保護者の方としては誰かと競争させ、意欲を高めるために「○○ちゃんはお利口さんなのに」と、叱ってしまうのでしょう。

しかし、人と比べて叱ってしまうと、保護者の方の意図する効果は期待できないことがほとんど。子どもは比べられて否定されると、人よりも劣っていると自信をなくしてしまいます。

くどくど言う

くどくど叱るのは止めましょう。いつまでもしつこく言い続けても、子どもの耳には入りません。叱られる時間は、誰でも嫌ですよね。それが長々と続くと子どもは嫌だという気持ちだけが強くなり、叱られている原因を見失ってしまいます。

保護者としては言い足りないことがあるかもしれませんが、ここはグッと我慢です。短い言葉の中に全てを込めた方が子どもには伝わりますよ。

手をあげる

子どもを叱るうえで、たたくことは許されません。手をあげることは暴力です。しつけの一環だと主張する人がいますが、暴力は暴力でしかありません。そこから得られる効果は何一つないのです。

子どもに恐怖感を与え、支配することは叱るとは言えませんよ。暴力で支配された子どもは、保護者の方以外に危害を加える危険性が高まることも問題です。

子どもとの絆が増す!叱るときの心構え

叱るときに心掛けたい大切なことがいくつかあります。知れば、間違った叱り方を防止できるのです。

子どもは失敗を繰り返して成長していく

失敗は成功の元だというように、失敗を繰り返して成長していきます。大人も何か失敗したときは、失敗の原因を考え、次からどうすればいいのか解決策を模索しますよね。

子どもも同じです。失敗することは成長するチャンスなのです。ただし、子どもは大人よりも器用ではありません。何度でも同じような失敗をしてしまいます。叱られても一度で理解し、改善するのは難しいことなのです。

保護者の方としては「どうしてできないの?」「何回言ったら分かるの?」と、もやもやすることがあるはず。しかし、できないことができるようになったとき、子どもは大きく成長します。怒って押さえつけるよりも、正しく叱って子どもの可能性をひろげてあげましょう。

“できないこと”よりも“できたこと”を見る

保護者の方から見て、子どもは“できないこと”が多いですよね。失敗が多いと、ダメな部分ばかり目についてしまいがち。そうすると、わざとではない失敗や、子どもが反省しているときにもたたみかけるように叱ってしまいます。間違ったときに、あからさまにガッカリしたようなしぐさを見せてしまう保護者の方もいるはず。

間違いを改善して子どもが将来的に困らないように、という保護者の方の願いはあるかと思いますが、“できないこと”だけに目を向けるのは止めませんか?

子どもの可能性は無限大。大人の思い通りにならないことも多いでしょう。命の危険に関すること、社会のルールに反することなど、本当に大切なこと以外は叱らずに“できること”を褒めると子どもは伸びていきますよ。

保護者の方も間違ったことをしたらきちんと謝る

子どもへの叱り方を間違えたときは、きちんと謝りましょう。子どもにも、間違ったことをしたときは謝らなければならないと、教えてきたはずです。

子どもも意思を持った1人の人間です。子どもの心をないがしろにせず、向き合うことが大切です。叱りすぎたときも、あとからフォローをすると子どもの傷ついた心は和らいできます。愛情を持って接してあげてくださいね。

まとめ

子どもを叱ることは難しいですよね。保護者の方も人間なので、間違った叱り方をしてしまうことがあります。しかし、叱り方に悩む今が自分を変えるチャンスです。頭ごなしに叱るのではなく、落ち着いて叱る理由を説明し、できたら褒めることを心掛けましょう。

決して、感情的に怒鳴ったり、暴力で子どもを支配してはいけません。叱るときは子どもを認め、尊重することも大切です。

子どもは失敗することも多くありますが、正面から真剣に向き合ってくれる保護者の方の愛情を受けて失敗を成長に変えていきます。


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