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おやこのひきだし

2020.08.06

子どもの好き嫌いをなくしたい!食べない理由と克服方法をご紹介

多くの親御さんが経験する、子どもの好き嫌い。せっかく用意した食事を子どもが食べてくれないと、がっかりしてしまいますね。今回は、子どもが好き嫌いをする理由と気をつけたい親の対応、好き嫌いを克服する具体的なヒントを6つご紹介いたします。子どもの好き嫌いは一時的な場合が多いので、ゆったりと構えて取り組みましょう。

好き嫌いと偏食は違う?

「好き嫌い」と「偏食」は同じような意味の言葉ですが、厳密には考え方が異なります。

好き嫌いとは

好き嫌いとは、例えば野菜の中で「カボチャは好きだがピーマンは嫌い」のように、より好みをする状態を指すことが一般的です。 調理方法を変えたり、言葉かけによって安心したり納得したりすると食べる ケースもあります。ほかの食材が代わりになるので、発育曲線に沿って成長していればそれほど心配はありません。

偏食とは

偏食とは、好き嫌いの中でも「野菜をまったく食べない」「お米しか食べない」などと食べ方が極端に偏った状態を指します。 偏食の程度によっては栄養が不足し、今後の成長に影響が出る可能性 があるため、発育に不安があるときは保健師や小児科の医師などに相談してみましょう。

子どもはなぜ好き嫌いをするの?

子どもはなぜ好き嫌いをするのか、考えられる理由を挙げました。

色彩や味覚による判断

小さい子どもには、動物と同様に 色彩や味覚によって食べられるものを判断する本能が 備わっています。一般的に、植物の実は未熟では緑色、成熟すると黄色やオレンジ、赤色に変わります。そのため、子どもは緑色の食べ物を「まだ熟していないもの、おいしくないもの」と受け取る傾向があります。

また、味の 苦みは「毒があるかもしれない」、酸味は「腐敗しているかもしれない」 と判断するので、多くの子どもは自ら食べようとしません。そのほか、チーズや味噌(みそ)、納豆などの発酵食品のにおいを嫌う子どももいます。

見た目や食感の好み

ほとんどの子どもは、初めて見る食材や料理に対して警戒心を抱きます。食べ物の見た目がドロドロ・ネバネバしている、色合いがよくない、怖いものを連想させるなど、 第一印象が気に入らずに好き嫌いをする 場合もあります。

また、食べ物を口に入れたときの硬さや柔らかさ、大きさや量、味つけ、温度などの感じ方もそれぞれに好みが異なります。そのほか、 タネや骨があって食べにくい、 繊維質が多くてかみきれない、飲み込みにくい などの理由で好き嫌いをするケースも見られます。

過去のトラウマ

過去にその食べ物を口にしたときに、熱かった、酸っぱかった、口の中をかんだ、骨が刺さったなどの不快な経験をすると、好き嫌いにつながることもあります。また、食後に気持ちが悪くなった、おなかをこわした、熱が出たなどの体験もトラウマになりがちです。

また、アレルギーの反応が出る食材を食べたとき、 喉(のど)や口の周り、肌などがかゆいといった症状を説明できずに嫌がる のかもしれません。

さらに、食べ物を落とした、食器を倒した、おかずを残したときなど、親からひどく怒られたことを気にして好き嫌いをする子どももいます。

そのほかの理由

そもそもおなかがすいていない、眠い、今は遊びたいなどの体調や気分のほか、友だちが嫌っているから、動物がかわいいから(肉を食べない)といった理由もあります。特に幼児期の子どもは、昨日は食べたのに今日は食べないというような「むら食い」や、イヤイヤ期による自己主張も見られることでしょう。

また、親に好き嫌いや偏食があるときは、食べ物の好みが遺伝する可能性も考えられます。 親が嫌いで普段のメニューにあまり登場しないものは、なじみがない ために警戒をするかもしれません。さらに、親が朝食を食べなかったり食事の時間が不規則だったりすると、子どもの食生活にも影響します。

なお、個人差がありますが、幼児の一食分の量は大人の半分、または半分よりやや多いくらいが一般的です。しかし、食が細い子どもは、「こんなに食べなきゃいけないの?」と皿を見ただけで食べる意欲がなくなってしまうかもしれません。そんなときは、全体の量を減らして食材の数をプラスし、多くの栄養を摂取できるように工夫してくださいね。

子どもの好き嫌いへのNG対応

子どもの好き嫌いに対して、下記のような対応をしているときは少し状況を見直してみましょう。

好物の代用とおやつの量

「食事を用意してもどうせ食べないから」と言って、代わりにお菓子を与えて済ませるケースも聞かれます。反対に、塩分や油分が多いファーストフードやラーメンなど、 子どもが喜んで食べるものばかりを用意するのも問題 です。

また、子どもを静かにさせようとして、おやつを頻繁に与えている家庭も要注意です。栄養を補う意味での間食はいいのですが、腹持ちがよいお菓子を食べすぎてしまうと本来の食事の時間に食欲がわかないため、好き嫌いが起きる場合があります。

怒る・無理やり食べさせる

食事中に親に怖い顔で監視されたり、「早く食べなさい!」「何で残すの!」などと怒鳴られてはおいしく食べられませんね。さらに、好き嫌いがある子に対して「ちゃんと食べないとお化けが出るよ」「もう遊園地には行かないからね!」などと 脅したり、罰を与えたりするのも良い方法ではありません。

また、栄養面の心配をし過ぎて、嫌がる子どもに無理やり食べさせるのは避けましょう。子どもが食事の時間を苦痛に感じ、苦手な食材がますます嫌いになる可能性があります。成長してからも嫌な思い出として残り、食生活に影響が出るかもしれません。 食事の時間は楽しく過ごせるような工夫が大切です

嫌い・悪いと決めつける

親が「〇〇ちゃんは好き嫌いが多いから」「これが嫌いだったわね」などと決めつけると、子どもが「今日は食べてみようかな」と思ったときに挑戦できません。苦手なものは 「いつか一緒に食べようね」と声をかけて、別の日に改めて食べるチャンスを 与えましょう。

また、好き嫌いを悪いことと決めつけて怒るのではなく、好きな食材が増えればおいしいものを食べる機会がもっと増える、いろいろな食材を使えばさらにメニューの幅が広がるなど、ポジティブな働きかけが効果的です。

子どもが好き嫌いを克服するヒント6つ

ここからは、子どもの好き嫌いを克服する6つのヒントをご紹介いたします。子どもの 年齢や様子に合わせて、焦らずゆっくり試して みてくださいね。

①     食べやすい工夫~見た目

自分で食べられる年齢の子どもには、食材を手に持ったりフォークに刺したりできる大きさや、一口で食べられる大きさにしましょう。 苦手な食材は、星形やハート形にくり抜いたり、かわいい顔や模様をつけたりする ほか、ツリーやケーキのようにすると子どもが興味を持ちます。

カレーや丼(どんぶり)にすると食べる、ハンバーグや肉だんごに混ぜれば大丈夫というケースもあります。お気に入りのキャラクターがついた皿やコップ、スプーンがあれば急に食欲が出ることも。大好きなぬいぐるみやおもちゃを隣に座らせ、一緒に食事のまねごとをしてもよいでしょう。

②     食べやすい工夫~レシピのヒント

給食の調理では、次のような工夫を取り入れています。ピーマンは 繊維に沿ってカットすると苦みがやわらぎ 、少量のオリーブオイルやマヨネーズを混ぜるとさらに食べやすくなります。 青菜の苦みやえぐみは、うまみ調味料を加えた湯でゆでると気になりません。

トマトの酸味は時間をかけて煮込むとまろやかになり、玉ねぎはじっくり加熱すれば甘さが引き出せます。焼いた肉や魚がパサパサするときは、とろみがついたあんをかけて食べやすくしましょう。また、出汁(だし)を効かせた味つけにすれば香りやうまみ成分が食欲をそそり、塩分を抑えられるのでおすすめです。

③     楽しい雰囲気と言葉かけ

親子で食事の時間を楽しむことも大切です。子どもが 苦手な食材をひと口でも食べたら大げさにほめる 、親が「ニンジンはきれいな色だから大好き~」とニコニコしながら食べる、食材を擬人化して「僕だけ食べてもらえないのは寂しいな~」と言うなど、子どもの気を引くような楽しい雰囲気を作ってみましょう。

また、ときには床にレジャーシートを敷いて、ピクニックのような演出をしてみるのもいいでしょう。友だちや祖父母を呼んで、にぎやかに楽しく食べると食欲が出ることもあります。苦手な食材を食べさせることばかりにこだわらず、 「食事そのものが楽しい」「皆で食べるとおいしい」といった気持ちを育んでいきましょう

④    野菜を栽培してみよう

子どもが嫌いな野菜は、家庭で育てる体験をしませんか? ミニトマトやピーマン、ブロッコリー、スナップエンドウなどの苗は手に入りやすく、プランターでも育てられます。 毎朝の水やりを日課に、大きくなったら支柱を立てたり不要な芽を取ったりして、大切に世話をすれば愛着がわきますよ。

野菜の生長を写真に残すのもいいですね。花が咲いてどんどん実が大きくなる様子を、親子でワクワクしながら観察しましょう。子ども自身が 実を収穫して味わえば、その野菜が好きになるかも しれません。

⑤    買い物や調理を一緒に

ある程度の年齢になったら、 子どもと一緒に買い物をして食材を選ばせてあげましょう。 「どれがおいしそう?」「これはピカピカだから新鮮だね!」「〇〇県から届いた野菜だって、飛行機かな?トラックかな?」などと会話がはずみそうですね。

調理中の混ぜる、並べるなどの簡単な作業は、子どもに任せましょう。34歳くらいになれば、ピーラーを使って野菜の皮をむくことも可能です。56歳になれば、子ども用の包丁に挑戦してもよいでしょう。 自分で料理すると達成感 が得られ、好き嫌いを克服するきっかけにつながる かもしれません。

⑥ 生活習慣を見直そう

子どもの好き嫌いには、夜型の生活、運動量が少ない、甘いお菓子やジュースの摂取が多いなどの理由が考えられます。 朝は 7 時くらいまでに起床し、天気がよい日は午前中に太陽の光を浴びて体内時計のリセット をしましょう。外で体を動かして遊ぶ機会が増えれば、自然におなかが空いて食欲が出ます。

普段の 飲み物は水や麦茶を選び、 間食はチーズやヨーグルト、果物など をメインに与えましょう。各家庭の就労状況にもよりますが、夜は89時頃に寝ることを目標にして、規則正しい生活を意識しましょう。

子どもの好き嫌いはゆっくり見守って

子どもの好き嫌いは決して悪いことではなく、 味や見た目で 本能的に避けていたり、食べやすさや食事の環境が関連する と考えられます。調理の方法や生活習慣、食事の雰囲気を見直し、食事を楽しむ気持ちを育むことが大切です。

子どもの好き嫌いは成長の一環としてとらえ、ゆっくりと見守って乗り越えましょう!


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