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おやこのひきだし

2020.07.06

子どもを読書好きにするために親ができること・避けたいことを紹介

「小さいうちからたくさん読書をしたほうがよい」とよく言われますね。しかし、子どもがあまり読書を好きでないと、将来学力に差が出るのではと心配になってしまう方も多いでしょう。

子どもに絵本を読み聞かせてもまったく興味を示さない。とお悩みの方でも、ちょっとした工夫をすれば子どもが読書を好きになってくれるかもしれません。

この記事では、子どもの読書のメリットと読書好きな子どもを育てるコツをご紹介いたします。読書嫌いにさせてしまう親の言動もあわせて解説します。心当たりがないか確認してみましょう。

子どもが読書をするメリット

読書には以下のような良い点があり、教育現場では積極的に読書の時間を取り入れています。

  • 学力が上がる
  • 語彙力が上がる
  • 読解力が付く
  • 想像力が豊かになる

子どもの読書が成長に及ぼす影響を研究した論文によると、子どもが読書をするかしないかで学力や読解力で差が生じるとの結果になっています。

日常会話やテレビから耳に入る単語数は平均して400600。それに比べて絵本や児童書の単語数は平均627、新聞で1690です。読書には普段使わない単語に出会う機会が多くあり、読書を好きな子はほとんどしない子に比べると語彙力が豊富になると考えられます。

また、日常会話やテレビは基本的に口語ですが、本には難しい言葉や日常的に使わないような表現も多く含まれています。読書をすることで読解力が付き、言葉の発達に良い影響を与えるのです。

また、子どもたちは周囲の大人やお友だちとの関わりを通じて、共感する気持ちを育みます。読書には本に登場するさまざまな性別、性格、年齢の人々との交流がたくさんあります。物語を擬似体験することで、子どもの中の世界は広がり、想像力を豊かにすることができるのです。読書に触れただけ多くの体験を得て、語彙力や想像力が豊かになることが分かりますね。

【参考】 読書が子どもの発達に及ぼす影響 

子どもを読書嫌いにしてしまう親の言動

「子どもが全く読書に興味がない」「読書が嫌いだ」その原因は、実は親の言動にあるかもしれません。気が付かないうちに、子どもが読書嫌いになってしまう言動をしていないか見ていきましょう。

読書することを押し付ける

子どもに向かって「本を読みなさい!」と読書を強制してはいけません。「〇〇をしなさい」と命令口調で言われると、誰でも反発心を抱いてしまいます。読書を遠ざけてしまうきっかけになるでしょう。

読書は良いこと、と親は読書を勧めますが、子どもたちはまだ理解できません。子どもが興味をもてるように、できるだけ自然な感じで本に触れられる機会を作ってあげましょう。

読む本を指定する

親が子どもにとっていいなと思う本を、必ずしも子どもたちが好んでいるとは限りません。子どもにも好き嫌いはあります。文字が多くて読んでいても面白くないと感じてしまうと、読書が楽しいものとは思えなくなってしまうでしょう。

もちろん推薦されている図書を好んで読んでくれるのであれば、なんの問題もありません。もし子どもが興味を持たない本を読んで欲しいのであれば、「この本を読みなさい」と強制的に言うのではなく、違うアプローチを考えてみましょう。

たとえば一緒に読んでみたり、活字が多くて子どもが避けているのであれば漫画や映像から入って興味を惹きつけてみたり。あくまでも、強制するのではなく子どもが楽しく読めることを最優先に考えましょう。

子どもが選ぶ本を否定する

子どもが興味を示した本を否定してはいませんか。子どもが親の希望とは反した本を選ぶかもしれません。しかし、それは親の理想であり子どもの意思を尊重しなければいけません。否定し続けていると、子どもも選ぶことを止めてしまい、親の推薦するまったく興味がない本ばかりを読み、読書がだんだんと嫌いになってしまいます。

漫画、図鑑、物語、絵本とジャンルは問わずに子どもが興味のある本にはたくさん触れさせてあげましょう。多くの本に出会うことで、本に慣れて活字にも抵抗がなくなります。

最初からレベルの高い本を読むのではなく、少しずつ苦手を克服するのと同様に読書への抵抗を取り除いていくとよいでしょう。

子どもを1人で読書させる

子どもが1人で本を読んでいるからといって放っておくことや、文字が読めるようになったから1人で読めるでしょ」と読み聞かせをやめることは読書離れに繋がってしまいます。親に読み聞かせてもらうのが好きな子にはたくさん読み聞かせをしてあげましょう。

内容を理解している本なら1ページずつ交代で読んでみたり、セリフは子どもに読ませてみたりと、楽しい時間を共有することが大切です。読書が楽しい経験となることで、読書への興味・関心が高まります。

親の語彙力や会話力の影響

子どもの一番近くにいる親の語彙力・会話力が、子どもの読書嫌いの原因にもなり得るのです。

子どもがしゃべりはじめる頃、親の口真似をすることがあるでしょう。それは親の言葉が一番身近な言葉だからです。子どもは母親と父親の日常会話を聞き、自然と覚えてしまいます。親がどんな言葉を使っているかで、子どもの語彙力も違ってくるのです。

語彙力が育まれていれば、子どもが本を読んでも楽しいと感じられますが、知らない言葉ばかり並んでいる本では意味が分からず読書に苦手意識を抱いてしまいます。子どもにばかり読書を勧めるのではなく、家庭で会話のコミュニケーションを大切にして、親子で学び、興味・関心を高めてみてはいかがでしょう。

読書好きな子どもに育てるコツ

ここでは、読書好きな子どもに育てるコツをご紹介いたします。すでに読書が嫌いになってしまった子どもでも、次のポイントを少しずつ生活の中に取り入れてみましょう。

第一は子どもの気持ちを大切に、本に自然に興味を引き寄せることです。

親が読書している姿を見せる

子どものことを思っているからとはいえ、子どもにばかり読書を勧めていても説得力がありません。小さいときは特に、親の発言や行動が正しいことや楽しいことだと思い、まねをしながら成長していきます。日常的に親が読書をする姿を見ていれば、子どもがまねをして本に親しみを感じるでしょう。

文部科学省の調査によると、本を読むことが好きと答えた子どもの7割の保護者の方が「本を読むことが好き」と回答しています。親が読書する姿勢を子どもに見せてあげましょう。

【参考】 親と子の読書活動等に関する調査 

親も子どもと一緒に本を読む

幼児期に読み聞かせをしてもらった子どもは、成長してからも読み聞かせてもらうことが好きで読書も大好き。本に触れている時間も自然と長くなります。特に1人で本が読めない幼児期は、読み聞かせからさまざまなことを理解し吸収していきます。

小学1年生頃になると文字が読めるようになり、読み聞かせをやめてしまうことも多いですが、本の内容を理解するにはまだ難しい時期です。いきなり読み聞かせを卒業すると、本を読んでも内容が理解できず、面白くないと感じてしまうかもしれません。子どもが1人で読書ができるようになるまでは、一緒に本を読んであげるとよいでしょう。

【参考】 幼児期の絵本の読み聞かせが就学後の読書に及ぼす影響 

図書館につれていく

図書館にはたくさんの絵本や児童書が揃っています。今まで読んだことのない本にも気軽に手を伸ばすことができるので、本に親しむにはぴったりの場所です。

しかけ絵本や大きな絵本、紙芝居の貸し出しや読み聞かせの時間を設けている図書館があり、子どもが読書に興味を持つきっかけ作りになるでしょう。

本を購入して手元に置いておくのもよいですが、多くの本に触れられる図書館もぜひ活用してみましょう。

子どのも好きな本は何回も読んであげる

好きな本は何度でも読みたくなりますが、子どもも同じです。同じ絵本を何度も読み聞かせていると、ついつい「またこの絵本?違う本を読もう」と言ってしまいがちです。しかし、同じ本を何度も読むことは気づきのきっかけになり、さまざまな方向から物事を考えられるようになります

前述したように子どもの読みたい本を否定することは読書嫌いの原因になってしまうため、子どもが読みたいと思う本は何度でも読んであげましょう。

漫画や図鑑からはじめてみる

活字だけの本に抵抗があり、なかなか読書に興味が湧かないという子は写真や絵の多い漫画や図鑑からはじめてみましょう。まずは本に慣れるということからはじめるのがポイントです。本を開くことに慣れてきたら、写真や絵を見るだけではなく、解説や見出しを読むところから始めましょう。

「漫画は読書に入れていいのか」という意見もありますが、まったく読書をしない子と比べると活字に触れ合う機会が多いと言えます。漫画ばかりで心配と思うのであれば、歴史がテーマの漫画など違うジャンルに触れる機会を作ってあげましょう。そこから思わぬ方向へ切り開かれることもあります。

興味があることから少しずつはじめ、読書が楽しい時間になれば、自然と習慣になっていくでしょう。

まずは5分から

今まで読書嫌いだった子が、いきなり1時間も読書をすることは負担に感じさせてしまいます。最初は寝る前の5分からはじめてみましょう。習慣にするためにも、寝室に本棚を設置してみるとよいかもしれません。設置する高さも子どもの視界に入る少し低めの位置にするなど、子どもでも本に触れやすい環境を整えてあげましょう。

睡眠の時間を削ってまで読書をする必要はありません。寝る前の読み聞かせに慣れてきたら、日中の遊びの時間を使って一緒に読書を楽しむ時間を作ってみましょう。

遊びの時間を削ってたくさん読書をしたからといって、よいというわけでもありません。遊びから学ぶこともたくさんあります。遊びと読書のバランスを考えた時間割をしてあげてください。

まとめ

読書をたくさんすると語彙力や想像力を育まれます。読書が好きな子もいれば嫌いな子もいるのは当然ですが、親心としては子どもに読書が好きになってほしいと思うでしょう。少しでも子どもに読書好きなって欲しいと思うのであれば、まずは親が読書をする姿を子どもに見せてあげましょう。

読書を強制するのではなく、本に興味を持つような工夫や楽しい時間を体験させてあげることが大切ですよ。


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