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おやこのひきだし

2023.03.02

シリーズ 身体障がいのある子どもたちと保育園生活 第1回(全12回)

執筆:株式会社Halu(乳幼児向けインクルーシブブランド IKOU運営)

対象:保育士、幼稚園教諭、保護者

皆さんは、「身体障がい児」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか?
0〜9歳で身体障害者手帳を持つ子どもたちは全国で3万1千人※1、同年代の子どもたち1000人に対してわずか3人です。そのため、関わる機会が非常に少なく、どんな風に関わったらいいのか分からないと感じている方が多いかもしれません。

SDGsへの関心の高まりと共に、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の重要性が広く認識されるようになってきました。さまざまなニーズを持つ人たちが、それぞれの力を発揮しながら、ともに組織や社会を運営することで、新たな成果や競争力につながるという考え方です。

D&Iの実現のためには、幼少期から、障がい者や外国人など多様なニーズがある人たちの存在を身近に感じることが不可欠です。ですが、現在の日本においては、障がいの有無によって子どもたちの生活・遊び・学びの場が分かれているため、同じ体験を共有する機会がほとんどありません。そして、成長するにつれて、更に積極的な交流の頻度は少なくなってきます。

この連載では「障がい児」、その中でも特に身体的なチャレンジを抱える子どもたちの日常生活や、保育園生活についてご紹介することで、関わりのヒントを見つけていただければと思っています。

身体障がい児の中で最も多いのは、「肢体不自由児」と呼ばれる、手足や体幹の機能に障がいがあるために、「座る」「立つ」「歩く」「食べる」「話す」「着替える」など、日常生活における動作に困難を抱える子どもたちです。
そうした子どもたちが保育園で他の子どもたちとともに日常生活を過ごすためには、楽しく快適に過ごせるようにその子の身体の状態や能力に合った環境を整える工夫や、保育士による日常動作のサポートが欠かせません。
これまで身体障がい児と関わったことがない方がこれだけを聞くと大変なことのように思えるかもしれませんが、裏を返せば「適切な環境とサポートさえあれば、他の子どもたちと一緒に豊かな体験を重ねることができる」ということなのです。

そして、障がいのある子どもたちとの関わりを通して、周囲の子どもたちが学ぶことの大きさは計り知れません。できないことがあれば手を差し伸べる優しさ、世の中にはいろんなニーズを持つ人たちがいるという多様性に対する理解など、大人が想像する以上にたくさんのことを、子どもたちは自然と学び、身につけていきます。

次回からは、実際に保育園に通っている障がい児のママやパパが語るエピソードをご紹介していきます。一括りに「身体障がい児」と言っても、それぞれに身体の状態や必要なサポートは異なるため、保育士が一人ひとりに向き合いながら実践しているさまざまな工夫は、皆さんにたくさんのヒントを与えてくれるはずです。
そして、この連載を通して、障がいのある子どもたちに対しての理解が深まり、特別ではなく身近な存在に感じてもらえることを願っています。

※1:厚生労働省 平成28年生活のしづらさなどに関する調査 (全国在宅障害児・者等実態調査)結果


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