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まなびのひきだし

2018.06.06

保育所保育指針の改訂のポイント(その 12) 保育の計画及び評価

むっちゃん先生と学ぼう
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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「保育所保育指針の改訂のポイント(その 12) 保育の計画及び評価」です。

保育所保育指針
3 保育の計画及び評価

⑴ 全体的な計画の作成
⑵ 指導計画の作成
イ 指導計画の作成に当たっては、第2章及びその他の関連する章に示された事項のほか、子ども一人一人の発達過程や状況を十分に踏まえるとともに、次の事項に留意しなければならない。
( ア ) 3歳未満児については、一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、個別的な計画を作成すること。
( イ ) 3歳以上児については、個の成長と、子ども相互の関係や協同的な活動が促されるよう配慮すること。 ( ウ ) 異年齢で構成される組やグループでの保育においては、一人一人の子どもの生活や経験、発達過程などを把握し、適切な援助や環境構成ができるよう配慮すること。

 指導計画とは、全体的な計画(保育課程)にあるねらいを実現するための具体的な方策です。どういう活動に子どもを導いていこうかという計画です。全体的な計画とのつながりにおいては、その指導計画はどんなねらいにつながるかを示します。それは資質・能力の育ち、また養護の充実、5領域の内容のねらい、などに向けて、子どもを保育していくことです。その際、子ども一人一人の発達のあり方は大きくは共通であるにしても、具体化すればするほど様々な違いがあり、独自の過程を経て、発達していきます。また家庭の状況や園での仲間との関係やその他の状況の違いも大きいでしょう。指導計画を作成するとはそういった具体的な違いまで考慮していきます。
 その上で、3歳未満児と3歳以上児について大きく区別しています。
3歳未満の時期は個人による違いが大きく、1年間という年齢で区切って対応を決めることに無理があります。当然ですが、満1歳ちょうどと1歳6ヶ月過ぎでは、同じ1歳と呼ばれても、言葉が出始めているかどうか、ちゃんと歩けるかどうかなど様々な違いがあります。月齢だけで決まるのでもなく、歩き始めるといっても、数ヶ月の幅があることでしょう。またそもそも、歩き始めるというのでも、どこでそれを決めたらよいかも難しいところです。一歩を踏み出すのか、数歩歩くのか、5分くらいは歩き続けられるのか。
 そこで、一人一人の生育歴や心身の発達、活動の実態等に応じて、個別の指導計画を立てることとしています。もちろん、大半の子どもは月齢を考慮すると大体当てはまる活動の計画を立てることができるでしょう。それは共通でもよいかもしれません。そこからはみだす子どもについては、個別の計画を立てるのでもよいでしょう。ただし、共通にしても、日々の様子や数週間単位での活動ぶりが変化していくので、柔軟な計画としていき、子どもの様子に応じて、関わり方を変えていくことが大事になります。
 3歳以上については、クラス単位の活動も出てくることでしょう。ある程度、年齢ごとの計画を立てることもできるようになります。とはいえ、子どもの一日の生活の流れの中で、個々人の違いは大きく、それを通しての個の発達や活動の様子を捉えて、指導計画を考えます。同時に、グループでの活動も可能になり、そこでの子ども同士の関係を育てることも重要になります。子ども同士が協同して活動することも、またそこでのグループの規模も大きくなるでしょう。自立心や思考力や協同性の育ちを意識していきましょう。
同年齢のグループの活動とともに、異年齢の活動から子どもが学ぶことも多くあります。小さい子どもは大きな子どものすることに憧れ、それをモデルとすることでしょう。大きな子どもは小さいな子どもへの助言やリーダーシップを担い、自分たちの活動への気づきも生まれていきます。
 そこでもまた、年齢でこうだと決めつけるのではなく、年齢はこうなりそうだという予想の手がかりとして用いながら、子どもの生活や経験また発達の流れなどの一人一人による違いを考慮して、指導計画を練ったり、修正したりしていきます。それにより援助することもまた環境構成の仕方も変わることでしょう。

 

いかがでしたか?それではまた来月

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監修者

無藤 隆

白梅学園大学教授
内閣府子ども・子育て会議会長
当社保育アドバイザー

略歴
東京大学 教育学部教育心理学科、東京大学大学院教育学研究科博課程、聖心女子大学・お茶の水女子大学教授を経て、2005年より現任
専門
幼児教育 発達心理学
著作
「幼児教育のデザイン: 保育の生態学(東京大学出版社)」(2013)、「学研ことばえじてん(学研)」(2013)他多数

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