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まなびのひきだし

2017.12.06

保育所保育指針の改訂のポイント(その 6) 保育の環境

むっちゃん先生と学ぼう
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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「保育所保育指針の改訂のポイント(その 6)保育の環境 」です。

保育所保育指針
第1章 総則
1 保育所保育に関する基本原則
(5)保育所の社会的責任
ア. 保育所は、子どもの人権に十分配慮するとともに、子ども一人一人の人格を尊重して保育を行わなければならない。
イ. 保育所は、地域社会との交流や連携を図り、保護者や地域社会に、当該保育所が行う保育の内容を適切に説明するよう努めなければならない。
ウ. 保育所は、入所する子ども等の個人情報を適切に取り扱うとともに、保護者の苦情などに対し、その解決を図るよう努めなければならない。

  保育所の役割とは家庭で養育できない時間があるときに、子どもを預かり、子どもを保育し、それを通して、健全な成長を支援していくことです。子どもは一人の人間として、その独自の存在としての権利を持っています。「子どもの権利」とは、まず人間として生きるところから権利が成り立ち、ただし、十分にその意志や発言をなしえない未熟さを同時に抱えるが故に、その代弁を保護者が行うことが許されるのです。しかし、どんなに小さな子どもであろうと、そこに意志や発言の萌芽があり、それを保育する人間はそれを見出し、尊重する義務があります。それが人格の尊重ということであり、保育以前に人間が人間に出会うところに成り立つことです。
 

  さらに、大人は子どもに対してその力量で圧倒的に強い立場に立ち、さらに保育所の保育場面では保護者のいないところで、その代理を保育士が行うことになります。それは衣食住の保障を超えて、子どもが安心してまた安全に保育所にいられるようにするとともに、成長への十全な機会が用意されて可能になっていきます。何も抗議できない子どもであろうと、してよいことといけないことがあるのは、相手が大人である場合と同じです。 十分に人権について考え、配慮してこそ、よりよき保育の前提が保持されるのです。

また、保育所は家庭の保護者の依託を受け、また地域社会の中にあって、子どもを預かり保育していることを忘れてはなりません。子どもの個人情報の保護には十分留意しつつ、もちろん保護者には保育所としてどのような保育をしているかを、日々、具体的に伝えて、理解をしてもらう必要があります。
さらに地域社会との関係が付随して明記されていることは大事なことです。保育所が子どもを保護者から預かるだけの仕事ではなく、地域で然るべき位置を占める公的な働きする場であることを意味しています。どんな地域であろうと、そこに保育のニーズのある子どもがいるなら、保育所が作られます。地域が地域であり、いくつもの家庭を含め、また学校などもそこにあることと同様に、保育所という子どもの保育をする場があり、公的な意味があるのです。他の同様の地域に欠かすことの出来ない働きをしている多くの組織や場や人々と交流に努め、保育所保育が何をすることなのかを積極的に説明していき、地域に小さな子どもがおり、子どもを保育する場があることの大切さを理解してもらうのです。
なお、子どもの人権を守ることの中に個人情報を許された範囲以外には漏らさないという守秘義務が含まれます。法律上適当な相手以外にまた場などに出す場合には必ず保護者の了解が必要ですし、子どもが大きくなって、イヤだと思うような提示の仕方を避けねばなりません。
保護者には保育所に対してその子どもの保育を巡って要望や苦情を出す権利があります。それをきちんと受け止め、回答を行い、もし従うべきことや直すべきことがあれば、そうするのですし、保育所側としてやるべきことであるなら、保護者に説明し、説得する必要があります。

いかがでしたか?それではまた来月

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監修者

無藤 隆

白梅学園大学教授
内閣府子ども・子育て会議会長
当社保育アドバイザー

略歴
東京大学 教育学部教育心理学科、東京大学大学院教育学研究科博課程、聖心女子大学・お茶の水女子大学教授を経て、2005年より現任
専門
幼児教育 発達心理学
著作
「幼児教育のデザイン: 保育の生態学(東京大学出版社)」(2013)、「学研ことばえじてん(学研)」(2013)他多数

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