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まなびのひきだし

2017.10.04

保育所保育指針の改訂のポイント(その 4) 保育の方法

むっちゃん先生と学ぼう
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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「保育所保育指針の改訂のポイント(その 4) 保育の方法 」です。

保育所保育指針
第1章 総則
1 保育所保育に関する基本原則
(3) 保育の方法
保育の目標を達成するために、保育士等は、次の事項に留意して保育しなければならない。
エ.子どもの相互の関係づくりや互いに尊重する心を大切にし、集団における活動を効果あるものにするよう援助すること。
オ.子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な活動や子ども相互の関わりを大切にすること。特に、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や遊びを通して総合的に保育すること。
カ.一人一人の保護者の状況やその意向を理解、受容し、それぞれの親子関係や家庭生活等に配慮しながら、様々な機会をとらえ、適切に援助すること。

保育所の保育をどのように進めていけば良いのでしょうか。

 保育園は何より多くの同年代の子どもがいるところです。乳幼児期に子どもに接してほしいことは多々ありますが、その中で人との関わりは欠かすことが出来ません。家族以外の人たちと触れ合ってほしい。そして、親がいないときには、まず信頼できる大人がいることが大切です。その上で、他の大人やそして何よりいろいろな年齢の子どもたちと出会うことが必要です。
保育園には、年齢の近い子どもたちが何人もいて、子どもたちは一緒に遊ぶことができます。それは大人と遊ぶのとは違う特別な意味があります。そもそも子どもは同じくらいの年齢の子どもへの特別な親しみを持つようです。最初から「仲間」になるという感覚があるのでしょう。そうして一緒にいようとする中で、少しずつ、共に遊ぶようになります。そこで、子どもが相手に依存することなく、遊びを工夫していくことになります。
子どもが落ち着き、担当の保育士との安定した信頼関係が出来るにつれて、子どもの関心は他の同年代の子どもへと向かうようになるわけです。といって、すぐに「あそぼう」と言って遊び出すわけではありません。まずは相手のすることに興味を覚えて眺めていたり、相手のすることをマネしたり、相手の持っているものを持とうとしたりします。相手に自分が持っているものを示したり、渡そうとしたりもよく起こります。ただ、そばにいたり、くっついて歩いたりもあるでしょう。
そこから、他の子どもよりも親しい気持を感じて、一緒のことをすることを互いに意識して行うようにもなり、それが仲良し関係です。一緒にものを作ったり、同じゲームをしたりして、それが協力する関係へと発展します。
時には互いにトラブルが生まれて、対立することも、それを解消しようと努力することも起こります。相手が困ったことがあったり、転んで泣いたりして、同情することも出てくるでしょう。
さらに大きなグループでの活動が生まれ、皆で同じゲームをする中で一緒にする楽しさを分かっていきますし、またそこでの守るべきルールを理解して、それを守るように努めます。
そのような多様な子ども同士の関係を育て、集団での生活の仕方の機会を用意するのが保育士の大事な仕事になるのです。
といって、その機会は子どもがやってみたい活動の中で生まれていきます。一律の集団規範の下で一斉に行動することは、その意味がまだよく分からない年代には無理が多いでしょう。子どもが主体的であるとは、自分からやってみたいことを環境から思いついたり、子どもが面白いことを始めて、それに興味を持って一緒にやったりして、人間関係が発展します。それが同時に、子どもの身近な環境への関わりを引き出し、そこから子どもは多くのことを学ぶでしょう。
保育園の保育とは環境を通して行うものであるとされます。それは子どもが回りの環境に関わり、そこでいろいろな遊びを始めたり、そこで創意工夫をするからであり、また生活の場である保育園の中で自ずと環境におかれたものやその他の道具などの使い方や、また周りの人との協力の仕方を学ぶからです。
それらの様々な遊びや生活の中でいろいろな体験をすることになります。乳幼児期に必要な体験を整理したものが保育内容である5つの領域です。それらを数ヶ月単位では広く体験できるようにしていきましょう。といって、それは、特定の保育内容の項目を順番に実施するというものではありません。一つの活動の中にいろいろな内容が含まれるものなのです。積み木を何人かで遊べば、手先の練習にもなり、言葉を交わす機会でもあり、想像力を働かせる活動であり、実際の家や街がどうであったかを思い出すことで保育内容・環境にもつながります。そこで遊ぶことは表現活動へと発展することもあるでしょう。そういった意味で「総合的」と呼んでいます。
保育園での生活はまた子どもたちの暮らす家庭でのあり方と密接につながってもいます。小さな子どもは保育士に対して親と同様の愛着を形成して、その温かい愛情に満ちた相互的な信頼関係に支えられていろいろな活動をしています。園の生活は多くの大人と子どもがいて、活発に多様な活動が出来るという意味では家庭と異なりますが、信頼できる大人に支えられる温かさに満ちた落ち着ける環境という意味では連続的です。さらに、家庭での家事や育児や行事のあり方は園での保育を常に保護者に見せていき、その意見を聞きながら、保育を進めるべきでもあります。そういった生活の連続性を大切にして保育していきたいものです。

 

いかがでしたか?それではまた来月

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監修者

無藤 隆

白梅学園大学教授
内閣府子ども・子育て会議会長
当社保育アドバイザー

略歴
東京大学 教育学部教育心理学科、東京大学大学院教育学研究科博課程、聖心女子大学・お茶の水女子大学教授を経て、2005年より現任
専門
幼児教育 発達心理学
著作
「幼児教育のデザイン: 保育の生態学(東京大学出版社)」(2013)、「学研ことばえじてん(学研)」(2013)他多数

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