サクセス子ども子育て研究所

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保育所保育指針の改訂のポイント(その 5) 保育の環境

[むっちゃん先生と学ぼう] 投稿日時:2017/11/01(水) 19:28

むっちゃん先生と学ぼう
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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「保育所保育指針の改訂のポイント(その 5)保育の環境 」です。


保育所保育指針
第1章 総則
1 保育所保育に関する基本原則
(4) 保育の環境
保育の環境には、保育士等が子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的環境、更には自然や社会の事象などがある。保育所は、こうした人、物、場などの環境が相互に関連し合い、子どもの生活が豊かなものとなるよう、次の事項に留意をしつつ、計画的に環境を構成し、工夫して保育しなければならない。
ア.子ども自らが環境に関わり、自発的に活動し、様々な経験を積んでいくことができるよう配慮すること。
イ.子どもの活動が豊かに展開されるよう、保育所の設備や環境を整え、保育所の保健的環境や安全の確保などに努めること。
ウ.保育室は、温かな親しみとくつろぎの場となるとともに、生き生きと活動できる場となるように配慮すること。
エ,子どもが人と関わる力を育てていくため、子ども自らが周囲の子どもや大人と関わっていくことができる環境を整えること。


 保育所の保育は環境を通して行うものです。それが乳幼児期に相応しい保育のあり方であり、教育へとつながる最も基本となる原則です。その環境とは地球環境といった大きなものを指しているのではありません。子どもの手の届く身近な園にあるものと、散歩などで接することのある範囲のものを指しています。子どもが園に「おはよう」と言って入ってきて、「さようなら」と言って帰るまで、園にいて出会うすべてが保育における環境です。
 園の門をくぐれば最初に出会うのはまず自分を受け持ってくれる保育士であり、さらに園長でしょう。その人になじむところから次第に他の保育士やそして同じクラスの子どもたち、さらに他のクラスや年齢の子どもたちへと関心が広がっていきます。それが人としての環境です。次に、部屋に積み木があり、絵本があり、ごっこ遊びのセットがあったりします。庭には砂場があったり、滑り台があるかもしれません。それはものとしての環境です。空を見上げれば、陽が差し、雨が降り、風が吹き、時には雪が積もり、また虹が出ることもあるでしょう。そういった天候もまた環境の一部です。散歩に出れば、近所のおじいさんと挨拶をしたり、老人ホームを訪問したり、交通マナーを守って歩きます。社会環境に出会うのです。
 それらの環境はただそこにあれば、子どもがそこから学ぶというものではありません。子どもが自ら「関わる」ことによって子どもの経験が成り立ち、そこからその環境のあるものの意味が子どもに感じられ、徐々に子どもがそれを自分のものにしていくのです。
 乳幼児期という小さい時期では小学校以上と異なって、教科書のような教材に限定して、そこだけに注意を集中することは難しく、集中するにしても 5 分であったり、時に数十分であったりして、関心が様々に広がります。その上、小学校のように学ぶことを限定するのではなく、生活で出会うすべてを経験して、そのほとんど初めて出会うものの特徴や面白さや可能性を探索するのです。子どもは冬になり初めて氷に出会い、春になり、シャボン玉をそよ風に乗せて屋根まで飛ばして、青空に浮かぶシャボン玉の消えていく様子に感動するでしょう。繰り返し様々なものに「初めて体験」として、この世界にはいろいろなものがあるのだということや、そこで自分が出来ることが多くあるのだと見つけるのです。
 そのためには、できる限り多様な出会いが起こり、子どもの気持ちがそこで揺り動かされ、関わってみたくなるように、環境を計画的に組んでいきます。天候などはそう都合よく計画できませんが、突然雪になったら、こうしてみたいと日頃から保育士は願いを広げておくことができます。
 そういった子どもの豊かな環境への出会いと活動が成り立つ前提は何より安全の確保です。子どもが自ら進んで行うときに保育士がつきっきりにはなりません。子どもにある程度任せても大丈夫なように環境を整え、必要に応じてやり方の見本を示し、時に教えます。といって安全ばかりが優先されては子どもの豊かな遊びは起こりません。そのバランスの見極めを年齢ごとに子どもの個性に応じて行うのです。
 保育室は、積極的に活動し、子どもの工夫を様々に行う場です。同時に、疲れたら休む場でもあります。昼寝はもとより、そうでないにしても、ゆったりと出来るコーナーやいすやじゅうたんを用意しましょう。
 なお、人としての環境は単に子どもがいろいろな人を見ることでは起きません。一緒になって活動し、遊ぶことが始まりです。その詳細は保育内容「人間関係」で述べられます。

 
いかがでしたか?それではまた来月

保育所保育指針の改訂のポイント(その 4) 保育の方法

[むっちゃん先生と学ぼう] 投稿日時:2017/10/04(水) 19:14

むっちゃん先生と学ぼう
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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「保育所保育指針の改訂のポイント(その 4) 保育の方法 」です。


保育所保育指針
第1章 総則
1 保育所保育に関する基本原則
(3) 保育の方法
保育の目標を達成するために、保育士等は、次の事項に留意して保育しなければならない。
エ.子どもの相互の関係づくりや互いに尊重する心を大切にし、集団における活動を効果あるものにするよう援助すること。
オ.子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な活動や子ども相互の関わりを大切にすること。特に、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や遊びを通して総合的に保育すること。
カ.一人一人の保護者の状況やその意向を理解、受容し、それぞれの親子関係や家庭生活等に配慮しながら、様々な機会をとらえ、適切に援助すること。


保育所の保育をどのように進めていけば良いのでしょうか。

 保育園は何より多くの同年代の子どもがいるところです。乳幼児期に子どもに接してほしいことは多々ありますが、その中で人との関わりは欠かすことが出来ません。家族以外の人たちと触れ合ってほしい。そして、親がいないときには、まず信頼できる大人がいることが大切です。その上で、他の大人やそして何よりいろいろな年齢の子どもたちと出会うことが必要です。
保育園には、年齢の近い子どもたちが何人もいて、子どもたちは一緒に遊ぶことができます。それは大人と遊ぶのとは違う特別な意味があります。そもそも子どもは同じくらいの年齢の子どもへの特別な親しみを持つようです。最初から「仲間」になるという感覚があるのでしょう。そうして一緒にいようとする中で、少しずつ、共に遊ぶようになります。そこで、子どもが相手に依存することなく、遊びを工夫していくことになります。
子どもが落ち着き、担当の保育士との安定した信頼関係が出来るにつれて、子どもの関心は他の同年代の子どもへと向かうようになるわけです。といって、すぐに「あそぼう」と言って遊び出すわけではありません。まずは相手のすることに興味を覚えて眺めていたり、相手のすることをマネしたり、相手の持っているものを持とうとしたりします。相手に自分が持っているものを示したり、渡そうとしたりもよく起こります。ただ、そばにいたり、くっついて歩いたりもあるでしょう。
そこから、他の子どもよりも親しい気持を感じて、一緒のことをすることを互いに意識して行うようにもなり、それが仲良し関係です。一緒にものを作ったり、同じゲームをしたりして、それが協力する関係へと発展します。
時には互いにトラブルが生まれて、対立することも、それを解消しようと努力することも起こります。相手が困ったことがあったり、転んで泣いたりして、同情することも出てくるでしょう。
さらに大きなグループでの活動が生まれ、皆で同じゲームをする中で一緒にする楽しさを分かっていきますし、またそこでの守るべきルールを理解して、それを守るように努めます。
そのような多様な子ども同士の関係を育て、集団での生活の仕方の機会を用意するのが保育士の大事な仕事になるのです。
といって、その機会は子どもがやってみたい活動の中で生まれていきます。一律の集団規範の下で一斉に行動することは、その意味がまだよく分からない年代には無理が多いでしょう。子どもが主体的であるとは、自分からやってみたいことを環境から思いついたり、子どもが面白いことを始めて、それに興味を持って一緒にやったりして、人間関係が発展します。それが同時に、子どもの身近な環境への関わりを引き出し、そこから子どもは多くのことを学ぶでしょう。
保育園の保育とは環境を通して行うものであるとされます。それは子どもが回りの環境に関わり、そこでいろいろな遊びを始めたり、そこで創意工夫をするからであり、また生活の場である保育園の中で自ずと環境におかれたものやその他の道具などの使い方や、また周りの人との協力の仕方を学ぶからです。
それらの様々な遊びや生活の中でいろいろな体験をすることになります。乳幼児期に必要な体験を整理したものが保育内容である5つの領域です。それらを数ヶ月単位では広く体験できるようにしていきましょう。といって、それは、特定の保育内容の項目を順番に実施するというものではありません。一つの活動の中にいろいろな内容が含まれるものなのです。積み木を何人かで遊べば、手先の練習にもなり、言葉を交わす機会でもあり、想像力を働かせる活動であり、実際の家や街がどうであったかを思い出すことで保育内容・環境にもつながります。そこで遊ぶことは表現活動へと発展することもあるでしょう。そういった意味で「総合的」と呼んでいます。
保育園での生活はまた子どもたちの暮らす家庭でのあり方と密接につながってもいます。小さな子どもは保育士に対して親と同様の愛着を形成して、その温かい愛情に満ちた相互的な信頼関係に支えられていろいろな活動をしています。園の生活は多くの大人と子どもがいて、活発に多様な活動が出来るという意味では家庭と異なりますが、信頼できる大人に支えられる温かさに満ちた落ち着ける環境という意味では連続的です。さらに、家庭での家事や育児や行事のあり方は園での保育を常に保護者に見せていき、その意見を聞きながら、保育を進めるべきでもあります。そういった生活の連続性を大切にして保育していきたいものです。
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いかがでしたか?それではまた来月

保育所保育指針の改訂のポイント(その 3) 保育の方法

[むっちゃん先生と学ぼう] 投稿日時:2017/09/06(水) 11:18

むっちゃん先生と学ぼう
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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「保育所保育指針の改訂のポイント(その3) 保育の方法 」です。


保育所保育指針
第1章 総則
1 保育所保育に関する基本原則
(3) 保育の方法
保育の目標を達成するために、保育士等は、次の事項に留意して保育しなければならない。
ア 一人一人の子どもの状況や家庭及び地域社会での生活の実態を把握するとともに、子どもが 安心感と信頼感をもって活動できるよう、子どもの主体としての思いや願いを受け止めること。 イ 子どもの生活のリズムを大切にし、健康、安全で情緒の安定した生活ができる環境や、自己を十分に発揮できる環境を整えること。
ウ 子どもの発達について理解し、一人一人の発達過程に応じて保育すること。その際、子どもの個人差に十分配慮すること。


保育所の保育をどのように進めていけば良いのでしょうか。

子どもの育ちは大きな流れや方向は共通ですが、細かく見ていくと、個人差も大きく、また家庭などの生活ぶりでもかなり変わります。何より小さい時期の育ちとは、家庭や地域での経験と園での経験とが合わさって成り立つものだからです。そういった背景を持った子どもが園にやってきます。まだ慣れないうちは、見知らぬ人に囲まれ、何をしていいか分かりません。愛着の持てる相手がおらず、子どもは不安です。そこを担当の保育士が中心となり、落ち着かせ、ここにいていいんだ、慰めがほしいならいつでもだっこでも何でもしてやるよと態度で伝えます。そうしているうちに次第に、子どもは周りの探索に乗り出すでしょう。やりたいことをやっていいんだよ、違っていたら、やさしく大人が補い、直してくれるし、と分かると、周りの大人への信頼感が生まれます。
いつも温かく応答してもらえると、安定した信頼感となり、そこに気をかけることなく、遊びに向かい、遊びに没頭するようになります。周囲を見回し、関わってみたいものやまねしたい遊びが目について、やってみたい・試してみたいと思うことでしょう。そういう自分からやってみたいことが生まれ、それを実現する機会が与えられ、それに向けて助けてもらえる状態を主体としての思いや願いが受け止められると呼んでいます。主体性の始まりとは、そのように自分がやってみたいことを怒られることなく始められることなのです。

子どもの生物としてのリズムは 1 日 24 時間にあります。大人なら寝不足が続き、それを日曜日に寝坊して補うなども可能ですが、小さな子どもはそうはいきません。よく寝る、よく食べる、よく活動する。そのバランスとそれを定時に行い、習慣づくことで、健康が維持されます。また、園では、子どもがいろいろなことを試しても危険がないようにして、子どもが始めたことを大人が怒ったり注意したりをできる限り減らします。子どものすることをしじゅう怒るのは環境が整備されておらず、子どもが興味を持つことが実は危険を伴う状態で放置されているからです。そういう安全な環境で、やってみたいことが生まれて、実際にやれるようになると、子どもの情緒が穏やかで肯定的に維持されるようになります。イヤな気持ちがあってもすぐに立ち直れる。はしゃぎすぎもしない。穏やかな機嫌のよい状態が多くの時間を占めるようになるので、情緒の安定が生まれます。
そこから自己を発揮するとは、自分のやりたいことをやっていくことにより、自分のやろうと思う欲望(それがつまり願いです)と具体的に実現したいこと(それが意欲です)が生まれ、何とかやろうとします。
自分のやりたいという思いは内面にあり、やろうする具体的な事柄が外にあります。ミルクを飲みたいという気持ちがあり、ミルクという存在が外にあり、その外にあるものを自分の欲求に沿って飲むという行為をして、自分の欲求が満たされます。そこに赤ちゃんの自己の始まりがあるのです。やりたいことと、まだ実現せずに外にあるもの、それを内に取り入れて、満足すること、この流れが自己形成の始まりです。自己を発揮するとはこういったことが始終可能になることです。時にムリで止められることもあるでしょうが、その場合に回り道して違う経路で実現できるようになることを通して自己は発揮され、育っていきます。
 


 


 
 
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いかがでしたか?それではまた来月

保育所保育指針の改訂のポイント(その2) 保育の目標

[むっちゃん先生と学ぼう] 投稿日時:2017/08/02(水) 11:22

むっちゃん先生と学ぼう
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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「保育所保育指針の改訂のポイント(その2) 保育の目標」です。


保育所保育指針
第1章 総則 1 保育所保育に関する基本原則
⑵ 保育の目標
ア 保育所は、子どもが生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごす場である。このため、保育所の保育は、子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うために、次の目標を目指して行わなければならない。
(ア) 十分に養護の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもの様々な欲求を満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ること。
 
 保育所で保育をするとは何を目指すことでしょうか。
乳幼児期というのは、生涯にわたる人間形成にとって大変大切な時期です。人生の土台を築くからです。
しかも、その大切な時期に毎日のように8時間から11時間過ごすのです。それは(土日などとともに)寝る時間を除くと、家庭にいる時間より長いかもしれません。保育所の保育の重大さが分かります。では、どのように保育をしていけばよいのでしょうか。
二つのことを両立させていくことによってです。

一つは子どもが今という時を充実して幸せに過ごせるようにしていくことです。心身の深い充実感からこそ生きる力がわき出て、育っていきます。
もう一つは子どもの未来が開かれていくようにすることです。それは大人がレールを用意するということではなく、子どもが自ら未来を切り開き、作り出す力を養えるようにしていくことです。その力はまだ十全のものではありません。それには大人になるまでの長い期間が掛かります。乳幼児期はその土台を育てる時期であり、力の基礎となるところを育っていくのです。

そのためには、より具体的には何を目指して保育すればよいのでしょうか。

何より、養護の面を確保することです。子どもが保育所で安心してくつろいで過ごせるようにすることです。
そのためには、生命の危険がないことがまず基本ですが、それは単にケガをしないとか感染症にかからないというだけに止まらず、子ども自身が危ないと脅えないで済むということです。
いつでも助けてくれる大人がいて、ほほえみとともに手を差しのばしてくれると感じられることであり、実際にそうあってこそ、心身の安全が確保され、さらに情緒が安定するようになるのです。そこから、子どもはいろいろなことをやってみたくなり、保育所の環境に用意されたいろいろなものや他の人たちへの出会いを喜び、そこに関わり、学びへと向かっていけるのです。

養護が行き届くとは、保育所のどの部分も安全であり、安心できる環境だということです。
どの場所もどの用具も大丈夫だし、そこにいる大人も子どもも危害を加えたりしないということです。かみつかれるなどが子どもに苦痛を与え、安心できない環境にしてしまうのは言うまでもないのです。

種々の欲求の中でも最も基本となることは食べることと寝ることです。食欲があり、美味しく食べること、ゆったりと寝入り、熟睡出来て、目覚めが気持ちよいことをまず可能にするよう、できる限りの配慮をします。
その上で、環境に置かれた様々なものに手を伸ばし、それで遊べることです。取ろうとしたら突然、「だめ」としかりつけられ、その理由が分からない、というのではなく、子どもがしそうなことは予想して、そこではいろいろなことを子どもが初めても大丈夫な環境にするのです。
 
 
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いかがでしたか?それではまた来月

保育所保育指針の改定のポイントとは(その1) 保育所保育に関する基本原則

[むっちゃん先生と学ぼう] 投稿日時:2017/07/03(月) 13:23

むっちゃん先生と学ぼう
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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「保育所保育指針の改定のポイントとは(その1) 保育所保育に関する基本原則」です。
2017年3月31日に保育所保育指針が改訂され、大臣告示されました。この改定のポイントを保育指針の本文に即して、順次解説していきます。なお、理解のため、改定されていないところを含めて、基本的な考え方を述べることとします。

 1 保育所保育に関する基本原則
(1) 保育所の役割
ア 保育所は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第39条の規定に基づき、保育を必要とする子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設であり、入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場でなければならない。

イ 保育所は、その目的を達成するために、保育に関する専門性を有する職員が、家庭との緊密な連携の下に、子どもの状況や発達過程を踏まえ、保育所における環境を通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としている。

ウ 保育所は、入所する子どもを保育するとともに、家庭や地域の様々な社会資源との連携を図りながら、入所する子どもの保護者に対する支援及び地域の子育て家庭に対する支援等を行う役割を担うものである。

エ 保育所における保育士は、児童福祉法第18条の4の規定を踏まえ、保育所の役割及び機能が適切に発揮されるように、倫理観に裏付けられた専門的知識、技術及び判断をもって、子どもを保育するとともに、子どもの保護者に対する保育に関する指導を行うものであり、その職責を遂行するための専門性の向上に絶えず努めなければならない。
 
「保育所の役割」の上の大きな見出しとして、「保育所保育の基本原則」となっています。今回、単に「保育所」とか、単に「保育」と呼ぶのではなく、「保育所保育」というまとまった言い方を多用しています。それは、保育所の保育の独自性・専門性を強調するためなのです。  「保育所の役割」は従来のものと基本的には同じです。もちろん最も大事なことなので、改めてその意味を読み取りましょう。
 

第1、保育所は「保育を必要とする子どもの保育」をするところです。保護者が面倒を見るはずのところ、代わりに小さな子どもの面倒を保護者に替わって行うということが児童福祉法で規定する保育所の福祉の最も基本となる働きです。その上で、保育所は子どもの健全な心身の発達を図ることを目的とするのですから、単に預かれば良いのではありません。発達を進めること、つまり教育という働きを担いますが、その働きは健全な心身の発達という人間の総体に関わるものなのです。ですから、子どもの最善の利益を考慮して、それを可能にする場として保育所の生活を構成していかねばならないのです。  

第2、保育所は保育に関する専門性を有する職員がその保育を行います。専門性を持つという規定が極めて重要です。単に子どもを預かる、例えば近所の人ではないのです。なお、保育士ではなく、職員とあるのは、保育士以外の職員も保育関わる業務を専門的に行うからです。また、乳幼児という時期を踏まえて、家庭との密接な連携を行いつつ、保育所の保育を行います。さらに、保育所の保育は環境を通してとあり、園の環境がその教育を含めた保育の基本的なあり方となります。その保育は養護と教育を一体的に行い、心身の世話であり、子どもの心の安定を図る養護の営みの上に初めて教育が成り立つことを述べています。その教育を含めた保育は子どもの発達や様子を見つつ、それに相応しい対応が求められます。

 第3、保育所は家庭や地域の様々な人々と連携して保育を進めます。また子どもの保護者や地域の子育て家庭に対する子育ての支援もその専門的な業務となります。

 第4、保育所の保育士は専門性を持ってその業務を進めます。適切な倫理観を持ち、専門的知識と技術と判断により子どもを保育し、保護者を支援するのです。その際、その職責を遂行するための専門性の向上に努めるとあり、これは従来、第7章に位置していた専門性の向上に関わるところを一文で要約して、保育士の専門性の記述に含めました。その専門性は向上に努めてこそ専門的であり得るのですし、日々の実践の中でその向上の努力が求められます。それは保育所の役割の中に置かれたことにより、単に保育士の個人的な努力だけではなく、保育所として組織的にその専門性の維持・向上の機会を日々設ける必要があります。
 
 
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いかがでしたか?次回のテーマは、「保育の目標(その1)」を予定しています。それではまた来月
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