サクセス子ども子育て研究所

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保育所保育指針の改訂のポイント(その 3) 保育の方法

[むっちゃん先生と学ぼう] 投稿日時:2017/09/06(水) 11:18

むっちゃん先生と学ぼう
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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「保育所保育指針の改訂のポイント(その3) 保育の方法 」です。


保育所保育指針
第1章 総則
1 保育所保育に関する基本原則
(3) 保育の方法
保育の目標を達成するために、保育士等は、次の事項に留意して保育しなければならない。
ア 一人一人の子どもの状況や家庭及び地域社会での生活の実態を把握するとともに、子どもが 安心感と信頼感をもって活動できるよう、子どもの主体としての思いや願いを受け止めること。 イ 子どもの生活のリズムを大切にし、健康、安全で情緒の安定した生活ができる環境や、自己を十分に発揮できる環境を整えること。
ウ 子どもの発達について理解し、一人一人の発達過程に応じて保育すること。その際、子どもの個人差に十分配慮すること。


保育所の保育をどのように進めていけば良いのでしょうか。

子どもの育ちは大きな流れや方向は共通ですが、細かく見ていくと、個人差も大きく、また家庭などの生活ぶりでもかなり変わります。何より小さい時期の育ちとは、家庭や地域での経験と園での経験とが合わさって成り立つものだからです。そういった背景を持った子どもが園にやってきます。まだ慣れないうちは、見知らぬ人に囲まれ、何をしていいか分かりません。愛着の持てる相手がおらず、子どもは不安です。そこを担当の保育士が中心となり、落ち着かせ、ここにいていいんだ、慰めがほしいならいつでもだっこでも何でもしてやるよと態度で伝えます。そうしているうちに次第に、子どもは周りの探索に乗り出すでしょう。やりたいことをやっていいんだよ、違っていたら、やさしく大人が補い、直してくれるし、と分かると、周りの大人への信頼感が生まれます。
いつも温かく応答してもらえると、安定した信頼感となり、そこに気をかけることなく、遊びに向かい、遊びに没頭するようになります。周囲を見回し、関わってみたいものやまねしたい遊びが目について、やってみたい・試してみたいと思うことでしょう。そういう自分からやってみたいことが生まれ、それを実現する機会が与えられ、それに向けて助けてもらえる状態を主体としての思いや願いが受け止められると呼んでいます。主体性の始まりとは、そのように自分がやってみたいことを怒られることなく始められることなのです。

子どもの生物としてのリズムは 1 日 24 時間にあります。大人なら寝不足が続き、それを日曜日に寝坊して補うなども可能ですが、小さな子どもはそうはいきません。よく寝る、よく食べる、よく活動する。そのバランスとそれを定時に行い、習慣づくことで、健康が維持されます。また、園では、子どもがいろいろなことを試しても危険がないようにして、子どもが始めたことを大人が怒ったり注意したりをできる限り減らします。子どものすることをしじゅう怒るのは環境が整備されておらず、子どもが興味を持つことが実は危険を伴う状態で放置されているからです。そういう安全な環境で、やってみたいことが生まれて、実際にやれるようになると、子どもの情緒が穏やかで肯定的に維持されるようになります。イヤな気持ちがあってもすぐに立ち直れる。はしゃぎすぎもしない。穏やかな機嫌のよい状態が多くの時間を占めるようになるので、情緒の安定が生まれます。
そこから自己を発揮するとは、自分のやりたいことをやっていくことにより、自分のやろうと思う欲望(それがつまり願いです)と具体的に実現したいこと(それが意欲です)が生まれ、何とかやろうとします。
自分のやりたいという思いは内面にあり、やろうする具体的な事柄が外にあります。ミルクを飲みたいという気持ちがあり、ミルクという存在が外にあり、その外にあるものを自分の欲求に沿って飲むという行為をして、自分の欲求が満たされます。そこに赤ちゃんの自己の始まりがあるのです。やりたいことと、まだ実現せずに外にあるもの、それを内に取り入れて、満足すること、この流れが自己形成の始まりです。自己を発揮するとはこういったことが始終可能になることです。時にムリで止められることもあるでしょうが、その場合に回り道して違う経路で実現できるようになることを通して自己は発揮され、育っていきます。
 


 


 
 
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いかがでしたか?それではまた来月

保育所保育指針の改訂のポイント(その2) 保育の目標

[むっちゃん先生と学ぼう] 投稿日時:2017/08/02(水) 11:22

むっちゃん先生と学ぼう
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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「保育所保育指針の改訂のポイント(その2) 保育の目標」です。


保育所保育指針
第1章 総則 1 保育所保育に関する基本原則
⑵ 保育の目標
ア 保育所は、子どもが生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごす場である。このため、保育所の保育は、子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うために、次の目標を目指して行わなければならない。
(ア) 十分に養護の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもの様々な欲求を満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ること。
 
 保育所で保育をするとは何を目指すことでしょうか。
乳幼児期というのは、生涯にわたる人間形成にとって大変大切な時期です。人生の土台を築くからです。
しかも、その大切な時期に毎日のように8時間から11時間過ごすのです。それは(土日などとともに)寝る時間を除くと、家庭にいる時間より長いかもしれません。保育所の保育の重大さが分かります。では、どのように保育をしていけばよいのでしょうか。
二つのことを両立させていくことによってです。

一つは子どもが今という時を充実して幸せに過ごせるようにしていくことです。心身の深い充実感からこそ生きる力がわき出て、育っていきます。
もう一つは子どもの未来が開かれていくようにすることです。それは大人がレールを用意するということではなく、子どもが自ら未来を切り開き、作り出す力を養えるようにしていくことです。その力はまだ十全のものではありません。それには大人になるまでの長い期間が掛かります。乳幼児期はその土台を育てる時期であり、力の基礎となるところを育っていくのです。

そのためには、より具体的には何を目指して保育すればよいのでしょうか。

何より、養護の面を確保することです。子どもが保育所で安心してくつろいで過ごせるようにすることです。
そのためには、生命の危険がないことがまず基本ですが、それは単にケガをしないとか感染症にかからないというだけに止まらず、子ども自身が危ないと脅えないで済むということです。
いつでも助けてくれる大人がいて、ほほえみとともに手を差しのばしてくれると感じられることであり、実際にそうあってこそ、心身の安全が確保され、さらに情緒が安定するようになるのです。そこから、子どもはいろいろなことをやってみたくなり、保育所の環境に用意されたいろいろなものや他の人たちへの出会いを喜び、そこに関わり、学びへと向かっていけるのです。

養護が行き届くとは、保育所のどの部分も安全であり、安心できる環境だということです。
どの場所もどの用具も大丈夫だし、そこにいる大人も子どもも危害を加えたりしないということです。かみつかれるなどが子どもに苦痛を与え、安心できない環境にしてしまうのは言うまでもないのです。

種々の欲求の中でも最も基本となることは食べることと寝ることです。食欲があり、美味しく食べること、ゆったりと寝入り、熟睡出来て、目覚めが気持ちよいことをまず可能にするよう、できる限りの配慮をします。
その上で、環境に置かれた様々なものに手を伸ばし、それで遊べることです。取ろうとしたら突然、「だめ」としかりつけられ、その理由が分からない、というのではなく、子どもがしそうなことは予想して、そこではいろいろなことを子どもが初めても大丈夫な環境にするのです。
 
 
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いかがでしたか?それではまた来月

保育所保育指針の改定のポイントとは(その1) 保育所保育に関する基本原則

[むっちゃん先生と学ぼう] 投稿日時:2017/07/03(月) 13:23

むっちゃん先生と学ぼう
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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「保育所保育指針の改定のポイントとは(その1) 保育所保育に関する基本原則」です。
2017年3月31日に保育所保育指針が改訂され、大臣告示されました。この改定のポイントを保育指針の本文に即して、順次解説していきます。なお、理解のため、改定されていないところを含めて、基本的な考え方を述べることとします。

 1 保育所保育に関する基本原則
(1) 保育所の役割
ア 保育所は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第39条の規定に基づき、保育を必要とする子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設であり、入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場でなければならない。

イ 保育所は、その目的を達成するために、保育に関する専門性を有する職員が、家庭との緊密な連携の下に、子どもの状況や発達過程を踏まえ、保育所における環境を通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としている。

ウ 保育所は、入所する子どもを保育するとともに、家庭や地域の様々な社会資源との連携を図りながら、入所する子どもの保護者に対する支援及び地域の子育て家庭に対する支援等を行う役割を担うものである。

エ 保育所における保育士は、児童福祉法第18条の4の規定を踏まえ、保育所の役割及び機能が適切に発揮されるように、倫理観に裏付けられた専門的知識、技術及び判断をもって、子どもを保育するとともに、子どもの保護者に対する保育に関する指導を行うものであり、その職責を遂行するための専門性の向上に絶えず努めなければならない。
 
「保育所の役割」の上の大きな見出しとして、「保育所保育の基本原則」となっています。今回、単に「保育所」とか、単に「保育」と呼ぶのではなく、「保育所保育」というまとまった言い方を多用しています。それは、保育所の保育の独自性・専門性を強調するためなのです。  「保育所の役割」は従来のものと基本的には同じです。もちろん最も大事なことなので、改めてその意味を読み取りましょう。
 

第1、保育所は「保育を必要とする子どもの保育」をするところです。保護者が面倒を見るはずのところ、代わりに小さな子どもの面倒を保護者に替わって行うということが児童福祉法で規定する保育所の福祉の最も基本となる働きです。その上で、保育所は子どもの健全な心身の発達を図ることを目的とするのですから、単に預かれば良いのではありません。発達を進めること、つまり教育という働きを担いますが、その働きは健全な心身の発達という人間の総体に関わるものなのです。ですから、子どもの最善の利益を考慮して、それを可能にする場として保育所の生活を構成していかねばならないのです。  

第2、保育所は保育に関する専門性を有する職員がその保育を行います。専門性を持つという規定が極めて重要です。単に子どもを預かる、例えば近所の人ではないのです。なお、保育士ではなく、職員とあるのは、保育士以外の職員も保育関わる業務を専門的に行うからです。また、乳幼児という時期を踏まえて、家庭との密接な連携を行いつつ、保育所の保育を行います。さらに、保育所の保育は環境を通してとあり、園の環境がその教育を含めた保育の基本的なあり方となります。その保育は養護と教育を一体的に行い、心身の世話であり、子どもの心の安定を図る養護の営みの上に初めて教育が成り立つことを述べています。その教育を含めた保育は子どもの発達や様子を見つつ、それに相応しい対応が求められます。

 第3、保育所は家庭や地域の様々な人々と連携して保育を進めます。また子どもの保護者や地域の子育て家庭に対する子育ての支援もその専門的な業務となります。

 第4、保育所の保育士は専門性を持ってその業務を進めます。適切な倫理観を持ち、専門的知識と技術と判断により子どもを保育し、保護者を支援するのです。その際、その職責を遂行するための専門性の向上に努めるとあり、これは従来、第7章に位置していた専門性の向上に関わるところを一文で要約して、保育士の専門性の記述に含めました。その専門性は向上に努めてこそ専門的であり得るのですし、日々の実践の中でその向上の努力が求められます。それは保育所の役割の中に置かれたことにより、単に保育士の個人的な努力だけではなく、保育所として組織的にその専門性の維持・向上の機会を日々設ける必要があります。
 
 
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いかがでしたか?次回のテーマは、「保育の目標(その1)」を予定しています。それではまた来月

砂場遊びとは

[むっちゃん先生と学ぼう] 投稿日時:2017/06/07(水) 18:10

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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「砂場遊びとは」です。
砂場は園庭があれば必ず置かれているでしょう。室内での小さな砂場が用意されることもあります。誰もが砂場は好きです。毎日飽きもせずに遊んでいます。その魅力はどこにあるのでしょうか。それを通して、子どもは何を学んでいるのでしょうか。

 砂の種類によっても多少変わってきますが、たいていの園で使っている砂であるなら、穴を掘ったり、山を築いたり、水を流し入れ、海のようにしたり出来ます。砂を容器に入れて、ケーキに見立てたり、砂で泥団子のようにして、ぴかぴかにも出来ます。たいていは数名は入り込める広さがあり、一緒になって遊べます。

こういう砂場は日本だけではないようですが、戸外に置いて、大きな穴を掘ったり、水を入れたりして、多様な遊びを展開するのは、日本で特に盛んなようです。

 砂の魅力はなんと言っても、あのさらさらした感じです。ちょっと水が入ると、べたついて、固まりやすくなる。力を入れると、一つの形になる。でも、長持ちしないで、すぐに崩れる。一つ一つの砂粒には何の個性もありませんが、それが集合体となって、一つの塊としての面白さを作り出す。

 砂場に入ると、まわりもおしりの下も砂です。目の前に置かれた小さな砂場をいじるのと、砂場の中に入り込んで遊ぶのでは、遊びの種類がだいぶ変わります。その上、砂をいじって動かしても、砂は砂の上に移るのです。たとえば、板や床の上に移すのではありません。砂という母体があって、その中で子どもはたわむれるわけです。全身まみれになるわけではありませんが、手先の遊びとは違って、全身を使うものになるわけです。その砂場全体が一つの遊びの場と変わります。

 砂を掘ると、穴が出来ます。その掘り出した砂は脇に置くので、そこが山をなします。さらに掘ると穴が深くなり、山が積み上がります。通常、砂場の砂がある程度深くしてあれば、底の方は水分を多く含むので、重い泥に似たものになっていて、掘ると手応えを感じます。山の方は積み上げると、富士山のように形のよい山となっていきます。さらに、穴の横の壁を掘り出すと、トンネルが作れます。砂は穴を掘れる程度には柔らかいのですが、すぐには崩れない程度には粘着性があります。

砂は水が加わることで黒目の砂になり、さらに水を加えると泥に近づきます。その変化は水を加えたり、混ぜたり、また天候によっても変わっていきます。表面の砂は白く、底の方の砂は黒くなります。そういったものを目的によって使い分けたり、組み合わせたりで、作るものに変化をつけられます。なお、砂粒とはつまりごく小さい石です。そこに粘土質の水分を含んだ土が加わると、固まりやすいものになります。土は小石に加えて、水分とその他の(たとえば草などの小切れ)が混じったもののことです。水がたくさん入ると、流動性が増して、泥になります。砂遊びと泥遊びは水を加えることで連続的につながっています。  水を入れると、砂場に水たまりが出来ます。「海」とか「プール」と呼んで、そこからごっこ遊びが始まります。水遊びとしても展開するのです。
 砂や泥を使って容器に入れることで、ままごと遊びやケーキ屋さんごっこが出来ます。葉っぱや木の実を載せると、ケーキらしくなります。特に、年齢の小さい子どもには手頃に展開できて、好まれる遊びです。                                                 砂場遊びは多くは仲間との遊びでもあります。数名から10名以上が入れるほどの広さがあることが多いでしょう。またしっかりと協同するというよりは、並行遊びが展開しやすいものです。同じ砂が平面に広がっているので、どこが遊びの中心というわけではないですし、分担も特に成り立ちにくいわけです。友だちのやることを真似して、似たことがすぐに出来ます。でも、特に水たまりを作ったり、トンネルを作るあたりで、共同作業も生まれます。
 砂場はどんなに巧みに穴や山を作っても、簡単に崩せます。あっという間に整地が出来るのです。だから、永続的な作品を作るのには向いていませんが、崩して朝、平らなところから始めるという意味で、日々新たな遊びになります。作品を残す遊びではなく、ひたすら作っていく遊びなのです。
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いかがでしたか?次回のテーマは、「----」を予定しています。それではまた来月

 

おおむね6歳の発達とは

[むっちゃん先生と学ぼう] 投稿日時:2017/05/02(火) 11:04

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「おおむね6歳の発達とは」です。


おおむね6歳(保育所保育指針第2章子どもの発達2.発達過程(8)) 全身運動が滑らかで巧みになり、快活に跳び回るようになる。これまでの体験から、自信や、予想や見通しを立てる力が育ち、心身ともに力があふれ、意欲が旺盛になる。仲間の意思を大切にしようとし、役割の分担が生まれるような協同遊びやごっこ遊びを行い、満足するまで取り組もうとする。様々な知識や経験を生かし、創意工夫を重ね、遊びを発展させる。思考力や認識力も高まり、自然事象や社会事象、文字などへの興味や関心も深まっていく。身近な大人に甘え、気持ちを休めることもあるが、様々な経験を通して自立心が一層高まっていく。

6歳とは年長児の誕生日を迎えたところから小学校への就学までです。主には年長児の後半の時期を思い浮かべればよいでしょう。  運動発達については、身体を巧みに動かし、様々なスポーツに入っていける時期です。歩く、小走り、全力疾走などもその上手さはいろいろにしてもかなりよく出来るようになります。縄跳びなども道具を使った運動も練習の機会があれば、上達していきます。それだけ自分の思うように身体のいろいろな部位を動かせるようになるからです。さらにボール投げをするなど複雑な動きは身体の諸部位を互いに関連させて、一つのフォームに出来るからです。今後、小学校半ばくらいまで徐々にそのスキルは向上していきます。

いろいろとやってみたいことが増えていくばかりでなく、積極的に取り組もうとするでしょう。たとえ、多くの子どもがやっていることは、すぐに出来ないことでも工夫したり、練習したりすれば出来るようになるのだと分かってきて、進んで取り組もうとします。その機会をどれほど豊かに用意するかが、子どもの何に対しても挑戦する力や粘り強く取り組む力を伸ばします。園で可能な活動が多く出来るようになるため、自信を持ち、年下の子どもをリードし、また出来ないでいる子どもに助言したり、また自ら苦手なところを友だちから教わったりもするでしょう。どんなことでもすぐにあきらめるのではなく、興味を感じ、意欲を持った子どもに成長しているかどうかが園の保育の良さをよく示すことでもあります。

仲間関係が育ってきて、単なる仲良し関係だけではなく、協力し合う関係が生まれてきます。そばにいて楽しいとか、似た遊びをするとか、というのはかなり小さい子どもでも見られますが、役割を明確に分担して、それに沿って動くのは年長児あたりによく見られます。互いの役割やすることを統合的に捉えて、大きな目的やルールの下で一緒にやっていくことが把握できる必要があります。ドッジボールで味方のチームはともに敵に対して協力する関係であり、味方同士で投げるボールを取り合っていては勝てません。ごっこ遊びでお母さん役と赤ちゃん役はそれらしく振る舞い、しかも相手のすることに合わせて、役を演じます。皆で劇作りをするなどはかなり何日も掛けて取り組む活動ですが、そうすると、役や台詞や小道具や大道具作りを互いに調整し、練習しつつ、どうすれば一つのまとまりのある劇になるかをともに考えねばならないのです。互いにアイディアを出し合い、相手の希望を活かし、時に折り合いをつけ、よりよいものにすることを繰り返して、完成度の高いものにしていきます。
 

 身の回りの事柄への興味も広がり、そのものの特徴に気づくだけでなく、どうしてそうなるのだろうかと理由や原因を考えることも出てきます。たとえば、氷を見つけて、割って遊ぶだけでなく、どうしてあるところだと厚い氷が出来るのか、きっと寒いところだからだと考えたりもします。

 文字の読み書きも多くの子どもがするようになるでしょう。絵本や掲示その他で、かな文字にはしょっちゅう出会います。それを見ているうちに、その文字と発音との対応が出来ると、一文字ずつは読めるようになります。書く方は筆順などが難しい上に、小さいところに納める指先の器用さが必要ですが、それは年長児から小学校1年生に掛けて進んでいきます。

生活習慣の自立のみならず、自分で何でもやりたいし、出来るようになります。小学校に入ると、送り迎えも、集団登下校もあるにしても、親から離れ一人でやらねばなりません。自立の習慣とともに、自立心を育てていきましょう。
 
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いかがでしたか?次回のテーマは、「砂場遊びとは」を予定しています。それではまた来月

 
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